南アフリカにおける商標ライセンス契約の留意点
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南アフリカにおける指定商品または役務に関わる留意事項
【詳細】
1.関連法
南アフリカでは、商標出願を行う場合、登録対象の商品または役務の分類を指定しなければならない。現在、複数の分類を指定した商標出願はできず、保護を求める分類ごとに別個の商標出願を提出する必要がある。南アフリカ商標庁は、商品または役務の分類として、2012年5月30日からニース国際分類の第10版を採用している。
商品および役務の分類について、1993年法律第194号の商標法第11条に次のように規定されている。
商標法第11条 登録は特定の商品またはサービスについてされる。
(1)商標は、所定の分類に基づいて特定の類に分類される商品またはサービスについて登
録される。ただし、商標の登録から生じる権利は、当該商標の登録の日に適用される所
定の分類に基づいて決定されるものとする。
ニース国際分類の採用は、南アフリカ商標規則の附則3に定められている。この附則に示された商品および役務の分類一覧表は、45の分類についてのいわゆる「類見出し(クラスヘディング)」から成っている。登録官は、特別な状況を除き、商品および役務がどの分類に属されるべきかの判断に関し、この国際分類の考えに忠実にしたがっている。
指定商品または指定役務がどの類に分類されるかを正しく判断し、正しい分類に出願することが極めて重要である。この分類が正確でないと、その商標が無効になり、登録を取り消される可能性がある。出願により保護される商品または役務の範囲は、商標が出願および登録された分類により制限される。つまり、登録商標の指定商品または指定役務に記載されている商品または役務が、誤った分類で指定されている場合は、指定商品または指定役務として記載されていても、登録による保護の対象にはならない。その理由は、商標法第11条における「商標は、所定の分類に基づく特定の単一または複数の分類に該当する商品または役務に関して登録される」という文言にある。
2.ニース国際分類の修正
商標法は、既存の分類の修正について規定している。ただし、商品および役務の分類のあらゆる修正を特許公報において公表するのは、登録官の責任である。したがって、世界知的所有権機関(WIPO)の商品または役務の分類が修正された場合であっても、かかる修正が南アフリカ特許公報(South African Patent Journal:商標もこの公報に掲載される)において公表されるまでは、南アフリカにおいていかなる効力も生じない(商標規則4(3))。商標法は、ニース国際分類が変更された時点における自動的な分類の修正を規定していない。例えば、ニース国際分類の第10版は、2012年1月1日に発効した。しかし、南アフリカ特許公報において公表されたのは2012年5月30日であったため、第10版が南アフリカにおいて発効したのは2012年5月30日となる。
3.再分類
商標法第11条(2)は、所定の分類が改訂され、または新たな分類に差し替えられた場合を取り上げている。本項は次のように規定している。
商標法第11条
(2)商標が本法の施行の前または後に(1)にいうように登録され、かつ、当該登録の存続期間中にその商標の登録に係る所定の分類が改訂されまたは新しい分類により取り替えられる場合は、商標の所有者は,改訂された分類または新しい分類にしたがって、いつでも、商標が登録されている類の改訂を所定の方法により申請することができる。
出願時に商品または役務が正確に分類されていたが、その分類が後にニース国際分類の変更に伴い変更された場合、当該商標所有者はいつでも自己の商標の分類を変更することができる。
4.類見出し(クラスヘディング)の使用
実際に、商標出願する際に、広範な指定商品および指定役務(例えば、類見出し)を一般的に使用するケースが多い。しかし、広範な指定商品または指定役務を指定した場合、その商標は、不使用または不十分な使用意思を理由として、全部または一部取消請求を受ける可能性がある。商標法第27条(1)(a)では、出願人が指定商品または指定役務に含まれるすべての商品または役務に関して、商標に対する善意の使用をしていなかった場合における部分的取消を規定している。
出願人が遵守すべき最も明確な指針は、使用または使用意図のある商品または役務に関して出願することであるが、これを含む広範な上位概念の商品または役務に関して商標出願することもできる。
しかし、広範な指定商品または指定役務が必ずしも出願人の利益になるとは限らないと同時に、あまりに狭い記載も望ましくない。なぜなら登録から生じる独占的権利の範囲を不当に狭めてしまい、商標所有者が将来の使用を考えている当該商標の商品を保護できないおそれがあるためである。裁判所は付与された権利に狭義の解釈を適用するため、指定商品または指定役務を作成する際は、細心の注意を払い必要な権利範囲の確保に努めるべきである。
南アフリカでの商標出願の拒絶理由通知への対応策【その2】
【詳細及び留意点】
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南アフリカでの商標出願の拒絶理由通知への対応策【その1】
【詳細及び留意点】
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南アフリカでの未登録周知商標の保護
【詳細及び留意点】
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南アフリカにおける「商標の使用」と使用証拠
【詳細】
1993年法律第194号の商標法第2条により、「商標の使用」の意味が次のように規定されている。
(1)本法において商標の使用というときは、次のものとする。
・商標の視覚的表示の使用
・容器の場合、当該容器の使用
・音声で再生できる商標の場合、商標の音声による再生の使用
(2)本法において商品との関係で商標の使用というときは、当該商品に係る商標の使用または商品との物理的その他の関係における商標の使用をいうものとする。
(3)本法において役務に係る商標の使用というときは、役務の提供に係る商標の使用をいうものとする。
商品に関する使用とは、物理的関係のもとに商品に付された商標の使用を意味する。役務に関する使用とは、役務の提供との関係における使用を意味する。「関する」という言葉は、広く解釈される。使用は、商標としての使用でなければならない。商品または役務を示すだけの使用は、法的な使用とならない。通常の商取引以外の使用は、使用とはみなされない。
商標が使用されているかどうか認定するために、平均的な消費者の基準が適用される。高等裁判所は、次の場合に商標の使用を認定している。
(1)衣類に付けられた付票に商標が表示されている場合
(2)ビデオテープに貼られたステッカーに商標が表示されている場合
(3)販売されてはいないが、商標の付された商品が広告に掲載されている場合
(4)商標が付された商品見本が、商業的に配布されている場合
たとえば、役務に関する商標の使用証明として、南アフリカの顧客に提供された役務に関する請求書の写しが証拠として提出された場合で、それが5年以上の期間でただ一度の役務の提供だけであった場合、この使用実績が十分に商標の使用と認められるかどうかの判例はないが、その商標が正しく使用されている場合には、裁判所が通常の商取引においての誠実な使用と認定しないという理由はない。
商標法は、商標の使用と認められるために必要な使用の程度に関しては明確に規定していない。使用の程度については個々のケースに大きく依存している。登録商標は、5年以上の間不使用の場合、不使用取消請求されると登録が取り消される。
不使用取消手続において、使用の最低条件といった規定はない。商標法は「誠実な使用」を要求し、裁判所は通常の商業的使用を「誠実な使用」とみなす。もちろん、使用の使用状況が多ければ「誠実な使用」をより容易に立証することができる。商標の使用を裏付ける有用な証拠には、次のようなものがある。
(1)5年以内に発行された広告の写し(商標が付された商品または役務であることを認識できること)または宣伝資料
(2)関連商品の販売または関連役務の提供を示す納品書や請求書等の写し
(3)当該商標を付した商品の購入者または当該商標に関する役務の利用者からの宣誓書
(4)登録された商品または役務に関して当該商標を通商上使用していたことを示すその他の書類
不使用取消請求に対抗するために要求される使用は、使用の期間や量というより、本質的には、登録された商品に関する商標の誠実な通商上の使用の要求である。「通商上の使用」という要求は、使用されている商品または役務が販売のために広告され、もしくは販売のために市場に出されていなければならないという意味において、商標の商業上の使用がなければならないことを示している。南アフリカにおける展示会への出展は、商標の使用開始を示す良い例となる。無料の商品見本を配ることは、不使用取消請求に対抗するには不十分である。不使用取消請求に対抗するためには、大規模かつ長期間の使用は要求されないが、商標権者は、たとえ2~3年以内でわずか数週間といった限定された期間であっても、商品または役務の宣伝や販売を検討すべきである。
最近注目すべきこととして、南アフリカ最高裁判所が、不使用取消請求手続における立証責任の問題に言及している。New Balance Athletic Shoes Inc. v Dajee 第[2012]ZASCA 3号事件における判決において、裁判所は、「商標は商標権者が商標を使用する目的で登録され、単に第三者による当該商標の使用を阻止する目的だけではないということは既に言い尽くされている」と述べている。使用証拠に関して、裁判所は、使用を立証する責任は商標権者にあり、商標権者は使用を立証するに十分な使用事実を有していることが期待されるとした。そのような状況下で、裁判所は、使用を主張する商標権者は明瞭で説得力のある証拠を提出することが期待され、曖昧な説得力に欠ける主張によってはならないとした。
さらに、上記判決において、裁判所は、商標の属地主義の観点から、外国法人の場合には、不使用取消請求を克服するために、南アフリカにおける商業的使用の証拠を提出する必要があるとした。商標権者が不使用取消請求を防御したい場合、法定期間内に適切な使用証拠を提出しなければならない。不使用取消請求人の主張を単に否定するだけの不明瞭な陳述または主張では、不十分である。
結論として、商標権者が不使用取消請求を克服したい場合、通商上の誠実な商標の使用を立証できることが常に重要である。
南アフリカ商標制度概要
【詳細】
南アフリカの知的財産法は、1916年に最初の商標法が制定されてから、目覚ましい進化を遂げてきた。現在は、パリ条約、ベルヌ条約およびTRIPS協定を含む様々な国際条約や協定を基盤としている。現行の商標法は、1993年法律第194号の商標法、施行規則およびコモンローにより規定されている。商標法および施行規則は、商標の所有者に法律上の権利を与える商標の登録および権利行使について定めている。コモンローは、未登録商標に関する権利を保護しており、詐称通用や不正競争といった権利行使の手段が使える。
1.保護可能な標章の種類
商標法第2条は、標章の定義において、「「標章」とは,図により表示することができるすべての標識をいい,図案,名称,署名,語,文字,数字,形状,外形,模様,装飾,色彩,商品の容器又はこれらの組合せを含む。」と述べている。
登録可能な標章の種類は、上記にて全てが網羅されている訳ではなく、伝統的および非伝統的商標を含み、識別性を有し、図により表示することができる標章を全て含んでいる。
登録可能な非伝統的商標の例として、立体商標、色彩商標、ホログラム、マルチメディア商標、ジェスチャー商標、匂い商標、味の商標、触感の商標が挙げられるが、これらに限定されない。しかし、こういった種類の商標を登録する際には、商標法により要求される写実的表現が必ずしも可能ではないといった問題があり、企業知的所有権委員会(Companies and Intellectual Property Commission:CIPC)は一部の非伝統的商標については、適正に登録する為の整備ができていない。
非伝統的商標の登録可能性に関して、登録官は、非伝統的商標の登録可能性を判断する基準として、明瞭性、正確性、自己完結性、利用容易性、理解容易性、永続性および客観性を挙げている、「Sieckmann v Deutsches Patent und Markenamt [2003] RPC 685 (ECJ)事件の欧州司法裁判所」の判決を指針としている。
(http://oami.europa.eu/en/mark/aspects/pdf/JJ000273.pdfでコピーを入手可能)
2009年2月に、登録官は、非伝統的商標の出願および審査に関するガイドラインを発表した。これらのガイドラインは、下記のURLにおいて入手できる。
http://www.cipc.co.za/files/3713/9401/0552/NOTICE_NON_TRAD_MARKS_FEBR_09_PJ.pdf
商標法第42条および第43条に従い、証明商標および団体商標を登録することも可能である。
証明商標は、商品または役務の種類、品質、数量、意図される用途、価値または原産地といった特定の特徴に関して、当該商標所有者により証明される商品または役務と、その証明対象ではない商品または役務とを識別できるものでなければならない。証明商標は、登録対象の商品または役務を売買する者の名義で登録することはできない。なぜならそのような者は、独立した認証機関として行動できないためである。
団体商標は、団体のメンバーである者の商品または役務と、メンバーではない者の商品または役務とを識別できなければならない。団体商標は、当該商標を使用する団体の管理機関として行動する者または事業体が所有できる。
2.分類
南アフリカでは、指定する分類ごとに別々の出願を提出する必要がある(複数分類の出願は認められていない)。商品および役務の分類に関して、南アフリカはニース協定には加盟していないが、世界知的財産機関(WIPO)の商品およびサービスの国際分類(ニース国際分類第10版)を採用している。
南アフリカの登録官は、類見出し(クラスヘディング)による出願を認めており、南アフリカではかなり広範な指定商品または役務で出願されるのが一般的である。しかし、かかる指定商品または役務により保護されるすべての商品または役務に関して所有者が商標を使用しない場合、または使用する意思がない場合は、部分的に取り消されるおそれがある。
3.手続および必要書類
3-1.調査
商標出願する前に、使用可能性および登録可能性を確認するための調査を行うことが推奨される。調査を行う際には、誤認混同が生じる商標を特定するために考慮すべき様々な要素が存在するため、南アフリカの商標専門の代理人に調査の実施と報告を依頼することが望ましい。類似商標の調査を行う場合、一般の人が利用可能なオンライン商標データベースは存在しない。同一商標の調査については、下記のリンクを通してCIPCにアカウントを登録することにより実施できる。http://esearch.cipc.co.za/
3-2.出願
上記の調査結果に問題がなければ、出願人は出願用の書式TM1を作成する必要がある。書式TM1は、プレトリアにあるCIPCに書面で提出するかまたは電子的手段によりhttp://www.cipc.co.za/index.php/trade-marks-patents-designs-copyright/trade-marks/ho/に提出することができる。出願人の選任した代理人が書式TM1を提出する場合は、委任状も必要となる。委任状については、公証または領事認証の必要はない。また、委任状提出遅延の追加料金を支払わなくても済むように、委任状のコピーを出願書類に添付して提出することもできる。ただし、商標登録を許可される前に、署名済み委任状の原本を登録官に提出しなければならない。
さらに、パリ条約に基づく優先権主張を伴う南アフリカ出願を行う場合、別の法域(条約国)における出願日から6か月以内であれば、当該法域における出願の優先権を主張することが可能である。優先権主張を行う場合は、優先権の証明は、南アフリカ出願と同時に、または南アフリカ出願の出願日から3か月以内に提出しなければならない。
3-3.審査
出願は、絶対的拒絶理由および相対的拒絶理由の双方について審査される。登録されるためには、商標は少なくとも下記の要件を満たしていなければならない。
(1)識別性がなければならない(本来的識別性または使用により獲得された識別性のいずれか)
(2)第三者の先行権利に抵触してはならない
商標法第10条は、登録できない商標の内在的および外在的特徴を規定している(商標法のコピーが示されたhttp://www.cipc.co.za/index.php/legislation/acts/を参照)。
出願の審査は、商標局への出願から約9‐12ヵ月を要する。
商標が審査された後、拒絶理由がなかった場合に登録官は、商標登録を認可する。商標登録を認可されない場合には、追加の条件を満たすよう指令書を送達するか(追加条件としては、商標の連合、権利不要求、事実承認、色彩の説明文、委任状の提出など)、または拒絶理由通知書を送達する(主に商標に識別性がない、または第三者の先行権利と抵触する場合)。
無条件の登録認可
拒絶理由がない場合、商標出願は特許公報(南アフリカでは商標の公告も特許公報に掲載される)で公告される。
指令書
登録官からの指令書に対して、出願人は応答するか、または応答期限を3ヵ月延長することができる。この期限延長は一度に3ヵ月間、何度でも無制限に延長することができる。指令書への応答には、書面の提出または非公式のヒアリングにおける口頭陳述で行う。
拒絶理由通知書
登録官へ意見書を提出した後、拒絶理由が克服されない場合、当該商標出願は拒絶査定となる。
登録認可の後、当該商標出願は、異議申立のために特許公報(毎月最後の週に発行される)において公告される。出願人は公告申請しなければならず、登録官により自動的に公告されることはない。ただし、日本からの出願の場合は、現地代理人が出願人に知らせずに、代行して処理を進める事も多い。通常は、出願人による公告申請受理後、1‐3ヵ月以内に認可された出願は公告される。出願に対する異議申立期間は、公告日から3ヵ月間である。
異議申立されなかった場合、登録官は、3ヵ月の異議申立期間の満了後9‐12ヵ月以内に登録証を発行する。
3-4.権利維持
商標登録は出願日から10年間にわたり有効であり、その後は10年ごとに更新しなければならない。更新出願の遅延については、6ヵ月の猶予期間が与えられる。遅延の場合、追加料金を納付しなければならないことに注意が必要である。
更新登録料の不払いが意図的なものではなく、管理上の過誤の結果である場合、当該商標権者は商標登録の回復を申請することができる。ただし、回復申請日の時点で、抵触する第三者の権利がないことを条件とする。
商標の更新出願時または回復請求時に使用証拠を提出する必要はないが、あらゆる利害関係者は、先行する5年間にわたり商標が使用されていない場合には、当該商標登録の取消を請求することができる。他の取消の理由については、以下に論じる。
4.異議申立手続
異議申立の根拠は、商標法第10条に規定されている。出願の公告日から3ヵ月間に、あらゆる利害関係者は当該出願に異議を申し立てることができる。異議申立人の要求に応じて、登録官は自動的に追加3ヵ月間の異議申立期限の延長を与えられる。ただし、以後のすべての期限延長は、両当事者間の合意がある場合に限られる。通常、両当事者が和解交渉を行う場合は、3ヵ月ごとに期限延長を申請するのが一般的である。異議申立手続の流れは、以下のとおりである。
(1)異議申立人による異議申立書の提出
(2)出願人による答弁書の提出
(3)出願人による答弁証拠の提出
(4)異議申立人による弁駁書の提出
(5)ヒアリングの設定
商標局における未処理件数が多いため、登録官はすべての異議申立事件のヒアリングを南アフリカ高等裁判所に付託する方針を取っていることに注意が必要である。このような状況において、異議申立事件がヒアリング段階になると、登録官は付託書を含む事件ファイルのコピーを異議申立人に提供し、登録官は高等裁判所に異議申立事件を付託する。高等裁判所に付託した際には、主張の要点を作成し、裁判所において論争するための法廷弁護士または顧問弁護士を選任する必要がある。
5.取消手続
商標法第27条に基づき、商標登録は不使用を理由に、全部または一部が取り消される可能性がある。下記の場合、不使用とみなされる。
(1)指定商品および指定役務に関して商標を使用する出願人の善意の意思がないままに商標が登録され、実際にこの意味で使用されなかった場合
(2)取消請求日の3か月前までに、登録証の発行日から5年以上にわたり商標が使用されなかった場合
(3)2年以上前に商標の所有者が死亡した(自然人)、または解散しており(法人)、商標を譲渡する申請もされなかった場合
上記以外にも、商標登録が商標法第10条に記載されたいずれかの根拠に該当するという事実により、商標が不当に登録された場合、または登録後に普通名称化する等で、本来の登録要件を満たさなくなっている場合は、商標の取消を請求することができる。取消手続の流れは、異議申立手続と同じである。
6.結論
南アフリカにおける商標手続および制度は、比較的効率よく運用されているが、停電、抗議行動およびストライキ行動といった不測の事態のために、審査結果の入手や書類入手などに遅延が生じることもある。
登録官は未処理件数の解消に努めているが、現時点では商標出願が登録へ進むまでに約24ヵ月を要している。