南アフリカにおける特許出願の出願書類
〔詳細〕
1.特許出願およびPCTに基づく国内移行特許出願の出願書類に関する規定
パリ条約に基づく各国への直接出願(パリルート)の要件は、南アフリカの特許法(the South African Patents Act No. 57 of 1978)の第30条ならびに特許規則22、23および25に規定されている。
特許協力条約に基づく出願(PCTルート)に基づく国内移行特許出願の要件は、特許法第43A条~第43F条および特許規則67A~67Iに規定されている。
2.出願書類
出願書類は以下のとおりである。各Formは、Form P26を除き、特許規則に附則2として掲載されている。また、Form P26は、CIPC(Companies and Intellectual Property Commission:企業・知的財産委員会)ウェブサイトの「PATENTS FORMS AND FEES」から入手できる。
Form P1: 出願の願書(パリルートの場合)
Form P25: 国際出願移行書面(PCTルートの場合)
Form P2: 登記シート
Form P7: 完全明細書
Form P8: 公開事項および要約
Form P3: 宣誓書および委任状
Form P26: 固有の生物資源や遺伝資源の利用、伝統的知識またはその利用に関する供述書
譲渡証
以下に、各書類について説明する。
2-1.Forms P1, P25, P2, P7およびP8
これら全ての書類は、出願人に代わって特許出願を提出する権限が与えられた特許弁理士によって作成される場合が多い。Form P1またはP25の写しには、受領日および出願番号が記録され、出願書類の受領証としての役目を果たす。
Form P2は出願の登記シートであり、記載した内容が、特許登録簿に登録される。特許登録簿はオンライン・サイト「CIPC Intellectual Property Online」(https://iponline.cipc.co.za/Account/Login.aspx?pb=aVMvEDtYJoBv4STTqmvCTpb7MWDx2eY0ESHMO1dLY8+DkrV5ADDUPw==)で閲覧可能である。当該サイトへの閲覧には、登録してアカウントを作成することが必要であるが、詳細の手順については「南アフリカにおける特許公報の調べ方」の2. 公報検索(https://www.globalipdb.inpit.go.jp/etc/33729/)を参照されたい。
Form P8は書誌情報を含むものであり、南アフリカ特許公報において登録時に公開される出願の基礎情報として使用される。Form P8は要約(150字以内)および代表図(Form P8には記載欄がなく、必須ではない)とともに提出される。
Form P7は、(1)明細書およびクレームならびに(2)必要な図面とともに提出される(特許法第32条(3))。PCTに基づく国内移行特許出願については、国際公開の明細書、クレームおよび図面ならびにPCT規則第19条および/または第34条に基づく補正が南アフリカ特許庁において自動的に記録されるため、明細書、クレームおよび必要な図面を提出する必要はない(特許法第43F条(3))。
(1) 明細書およびクレーム
特許法第32条は、明細書の記載要件として、(a) 所定の要約を伴うこと、(b) 当該発明に係る技術に熟練した者が当該発明を実施できるよう、発明及び発明を実施する方法を十分に説明し、確認し、かつ、必要な場合は図示し又は例示すること、(d) 保護請求の対象である発明を明示するクレームを最後に記載すること、(e) クレームは、単一の発明に係るものでなければならず、明確でなければならず、また明細書で開示される事項に適切に基づくものでなければならないことなどを規定している。
特許法第43F条(3)(e)(i)は、特許協力条約第3条(2)でいう明細書、請求の範囲、必要な図面および要約は、完全明細書であるとみなすことを規定している。
南アフリカ特許庁の公式言語は英語である。最初の明細書として非英語の明細書も提出可能ではあるが、公式言語は英語であるため、英語の明細書が要求される。特許出願の書類として非英語の明細書が提出された場合には、その出願日から3月以内に宣誓書付き英文翻訳を提出しなければならない(特許法第30条(6)(c))。英語以外の言語で公開された国内移行特許出願の場合には、その移行日から6月以内に、公開された明細書およびクレーム(図面がある場合には、図面中のテキスト)の英訳、ならびに、PCT規則第19条および/または第34条に基づく補正の英文翻訳を提出しなければならない(特許法43E条(1)(b)、特許規則67B(2))。この場合の英文翻訳には翻訳者による宣誓は不要である。
(2) 図面(任意形式)
図面は、A4サイズ、白黒で、複製が可能なように十分に明確なものを提出しなければならない(特許規則20、21)。図面中に含まれる全てのテキストは英語でなければならない(当初に英語以外の言語で提出された場合には、英文翻訳をその後提出しなければならない)。
なお、パリ条約上の優先権が主張されている場合、優先権書類の認証付きコピーの提出が必要である(*)。優先権書類の言語が非英語である場合、その宣誓書付き英文翻訳の提出も必要である。しかし、PCTに基づく国内移行特許出願の場合には、優先権書類がWIPOの国際事務局に提出されており、優先権書類の受領を確認するForm PCT/IB/304が発行されていれば、上述の手続は不要である(特許法第30条(6)(b))。
(*) 2022年12月現在、南アフリカ知財当局は、デジタルアクセスサービスに参加していない。
2-2.宣誓書および委任状(Form P3)
Form P3は、南アフリカにおける各々の特許出願に必要である(特許法第30条(6)(a)(ii)、特許規則8、22(1)(c))。包括委任状は使用できない。Form P3は、通常の特許出願または国内移行特許出願の出願日から6月以内に提出しなければならない(特許規則33)。当該提出期限は、要求により延長できる。
Form P3は、以下に説明するいくつかの重要な取扱いを含む。すなわち、“特許出願に関して提出した所定の宣言が,重大な虚偽の陳述又は表示であって,宣言がなされた時に特許権者が虚偽であると知っていたものを包含している”場合には、南アフリカ特許の取消理由となる(特許法第61条(1)(g))。従って、Form P3中でなされる全ての宣誓は、真正かつ事実であると信じられるものでなければならない。
発明者が特許出願人である場合は、発明者により真正な発明者である旨等の宣誓がなされる(特許規則 附則2 Form P3)。特許出願人が発明者ではない場合、出願人は発明者から出願する権利を譲り受けた旨を含めて宣誓し、譲渡の経緯を示すため、後述の譲渡証等を提出しなければならない場合がある。
また、宣誓書には、「私が知り得る限り、当該出願人に特許が付与されたときに、当該特許の取消となる法律的な根拠は存在しない」という宣誓が含まれる(特許規則 附則2 Form P3第4項)。従って、特許が付与されるときまでに、特許出願人が知っている事情に照らして、特許出願は有効な状態にならなければならない。すなわち、明細書および/またはクレームに特許無効理由が含まれる場合には、特許付与までに自発補正により解消されなければならない。南アフリカの特許出願は先願発明に対する実体的な審査がなされないことから(特許法第36条)、特許付与の時にクレームが有効と考えられるものであり、かつ、権利行使可能なものであると確認する義務は出願人に課されており、無効理由の解消は特に重要である。
さらに、宣誓書には、優先権主張に関する宣誓も含まれる(特許規則 附則2 Form P3第5項)。優先権主張の基礎となる特許出願が、先の出願の継続または一部継続出願である場合に注意が必要である(特に米国出願を基礎として優先権を主張する場合にこのような状況が生じる可能性がある)。すなわち、南アフリカ特許出願の独立クレームの主題が、当該南アフリカ特許出願の出願日から一年より前に関連する出願の中で最初に開示されている場合、優先権を主張しようとする出願は優先権主張の目的においてパリ条約の同盟国でなされた最初の出願とはみなされない(特許法第31条(1)(c)(iii))。そのような後の出願に対する優先権の主張は無効であり、付与された特許は、上述のように宣誓書が虚偽の供述を含んでいることを理由に取り消される。この問題に対する解決方法としては、優先権の主張が無効となる発明の主題に基づく全てのクレームを南アフリカ特許出願から削除すること、または、自発補正により優先権の主張が有効となる範囲にクレームを減縮することがあげられる。
2-3.固有の生物資源や遺伝資源の利用、伝統的知識またはその利用に関する供述書(Form P26)
Form P26は技術分野に関わらず全ての特許出願について必要であり(特許法第30条(3A))、通常の特許出願または国内段階への移行書面の提出日から6月以内に提出しなければならない(特許規則33A(1))。当該提出期限は、公式の要求により延長できる。また、特許法第30条(3A)に関して提出された陳述が、重大な虚偽の陳述又は表示であって、陳述又は表示がなされた時点で特許権者が虚偽であると知っていた、若しくは虚偽であると知っていたはずである場合には、特許の取消申請の理由とされる(特許法第61条(1)(g))。
Form P26は、生物資源もしくは遺伝資源および伝統的知識に基づくもの、もしくは由来するものであるか否かの宣言を含むが、ほとんどの場合、南アフリカの固有の生物資源、遺伝資源または伝統的知識が発明の主題に使用されることはなく、フォームはそれに従って作成される。
クレームされた発明が実際に南アフリカの固有の生物資源もしくは遺伝資源、または伝統的知識もしくはその利用に基づくまたは由来するとの宣誓をForm P26が含む場合、South African National Environmental Management: Biodiversity Act No. 10 of 2004(生物学的多様性に関する法律)のいくつかの規定が適用される。そのような場合、特許出願人は生物資源もしくは遺伝資源の利用、または、伝統的知識の利用の権限を示す一つ以上の証拠の提出が必要である(特許法第30条(3B)、特許規則33A(2))。これらの証拠が提出されない限り、特許は付与されない。
2-4.発明の譲渡証(任意形式)
特許出願人が発明者から出願する権利を譲り受けている場合、出願する権利を譲り受けていることを証明するのに十分な書類、すなわち、譲渡証やその他の証拠を提出しなければならない(特許規則22(d)、23)。通常、各発明者によって署名された確認譲渡証が提出される。
譲渡証の提出に関してCIPCは2023年1月に実務通知を公表した(Practice Notice No.01 of 2023: Patent and Design Stakeholders)。これによれば、Form P3第3項において、発明が発明者から出願人に譲渡される旨を規定した雇用契約等を記載すれば、譲渡証の代替とされ得る(Practice Notice No.01 of 2023 5.(b)、P342)。また、その他の場合として、登録官を納得させ得る他の証拠の提出がある(Practice Notice No.01 of 2023 5.(c) 、P342)。例えば、発明者が譲渡証への署名を拒む場合に、出願人の会社における権限が付与された役員による宣誓書の提出がこれに該当する。ただし、このような場合であっても、発明者は雇用契約の範囲においてなされた発明を雇用主(出願人)に譲渡する義務を負うことを規定した譲渡契約の写しなど譲渡を立証する補足資料を必要とするのが一般的である。
出願日から18か月以内に完全明細書が受理されない場合は、出願は失効するが(特許法第40条)、譲渡証もこれと同じく通常の特許出願の日から18月以内に提出しなければならない。PCTルートの場合は国内段階への移行日から12月以内に提出しなければならないので(特許法第43F条(3)(h))、譲渡証も当該期間内に提出しなければならない。
〔留意点〕
南アフリカの特許出願の際に必要となる書類のほとんどは、特に作成が煩雑なものではないが、宣誓書および委任状等への署名には特別な注意が必要である。特に、特許を受ける権利の譲渡や優先権主張などの点で、虚偽の宣誓を含まないことが重要である。
南アフリカにおける特許出願の出願書類
【詳細】
1. 特許出願およびPCTに基づく国内移行特許出願の出願書類に関する規定
パリ条約に基づく各国への直接出願(パリルート)の要件は、南アフリカの特許法(the South African Patents Act No. 57 of 1978)の第30条および特許施行規則の第22、23および25条に規定されている。
特許協力条約に基づく出願(PCTルート)に基づく国内移行特許出願の要件は、特許法第43A条~第43F条および特許施行規則の第67A条~第67I条に規定されている。
2. 出願書類
出願書類は以下のとおりである。
- Form P1: 出願の願書(パリ条約に基づく各国への直接出願);または Form P25: 特許協力条約に基づく国際出願の南アフリカ国内段階への移行書面(国内移行特許出願)
- Form P2: 登記シート
- Form P7: 完全明細書
- Form P8: 公開事項および要約
- Form P3: 宣誓書および委任状
- Form P26: 固有の生物資源や遺伝資源の利用、伝統的知識またはその利用に関する供述書
- 譲渡証(任意形式)
以下に、各書類について説明する。
2-1. Forms P1, P25, P2, P7およびP8
これら全ての書類は、出願人に代わって特許出願を提出する権限が与えられた特許弁理士によって作成される。Form P1またはP25の写しには、受領日および出願番号が記録され、出願書類の受領証としての役目を果たす。
Form P2は出願の登記シートであり、記載した内容が、特許登録簿に登録される。特許登録簿はオンライン(http://patentsearch.cipc.co.za/patents/patentsearch.aspx)で閲覧可能である。
Form P8は書誌情報を含むものであり、南アフリカ特許公報において登録時に公開される出願の基礎情報として使用される。Form P8は要約(150字以内)および代表図(必須ではない)とともに提出される。
Form P7は、(a)明細書およびクレームならびに(b)必要な図面とともに提出される。PCTに基づく国内移行特許出願については、国際公開の明細書、クレームおよび図面、ならびに、PCT規則第19条および/または第34条に基づく補正が南アフリカ特許庁において自動的に記録されるため、明細書、クレームおよび必要な図面を提出する必要がない。
(a) 明細書およびクレーム
特許法第32条は明細書の記載要件として、発明が属する技術分野における当業者が発明を実施可能なように発明を十分に記載すること(必要により発明を図解または実証すること)、ならびに、保護を請求する発明を定義するクレームで終えることを規定している。
特許法第43F条第(3)項第(e)(i)号は、国際出願の国際公開における明細書、クレーム、図面および要約書は、明細書として見なされることを規定している。
南アフリカ特許庁の公式言語は英語である。最初の明細書として非英語の明細書も提出可能ではあるが、公式言語は英語であるため、英語の明細書が要求される。特許出願の書類として非英語の明細書が提出された場合には、その出願日から3月以内に宣誓書付き英文翻訳を提出しなければならない(特許法第30(c)条)。英語以外の言語で公開された国内移行特許出願の場合には、その移行日から6月以内に、公開された明細書およびクレーム(図面がある場合には、図面中のテキスト)の英訳、ならびに、PCT規則第19条および/または第34条に基づく補正の英訳を提出しなければならない(特許施行規則第67B条第(2)項)。この場合の英訳には翻訳者による宣誓は不要である。
(b) 図面(任意形式)
図面は、A4サイズ、白黒で、複製が可能なように十分に明確なものを提出しなければならない(特許施行規則第20条および第21条)。図面中に含まれる全てのテキストは英語でなければならない(当初に英語以外の言語で提出された場合には、英文翻訳をその後提出しなければならない)。
なおパリ条約上の優先権が主張されている場合、優先権書類の認証付きコピーの提出が必要である。優先権書類の言語が非英語である場合、その宣誓書付き英語訳の提出も必要である。しかし、PCTに基づく国内移行特許出願の場合には、優先権書類がWIPOの国際事務局に提出されており、優先権書類の受領を確認するForm PCT/IB/304が発行されていれば、上述の手続は不要である。
2-2. 宣誓書および委任状(Form P3)
Form P3は、南アフリカにおける各々の特許出願に必要である。包括委任状は使用できない。Form P3は、通常の特許出願または国内移行特許出願の出願日から6月以内に提出しなければならない。当該提出期限は、要求により延長できる。
Form P3は、以下に説明するいくつかの重要な宣誓を含む。特許法第61条第(1)項第(g)号には、“Form P3中の宣誓が、重大、かつ、宣誓時に特許権者が虚偽であると知っていた、もしくは、虚偽であると合理的に知られていた宣誓を含む”場合には、南アフリカ特許の取消理由となる。従って、Form P3中でなされる全ての宣誓は、真正かつ事実であると信じられるものでなければならない。
発明者が特許出願人である場合は、発明者により宣誓される。特許出願人が発明者ではない場合、出願人は発明者から出願する権利を譲り受けた旨を含めて宣誓し、譲渡の経緯を示すため、後述の譲渡証も提出しなければならない。
また、宣誓書には、「私が知り得る限り、当該出願人に特許が付与されたときに、当該特許の取消となる法律的な根拠は存在しない」という宣誓が含まれる。従って、特許が付与されるときまでに、特許出願人が知っている事情に照らして、特許出願は有効な状態にならなければならない。すなわち、明細書および/またはクレームに特許無効理由が含まれる場合には、特許付与までに自発補正により解消されなければならない。南アフリカの特許出願は実体的に審査されないことから、特許付与の時にクレームが有効と考えられるものであり、かつ、権利行使可能なものであると確認する義務は出願人に課されており、無効理由の解消は特に重要である。
さらに、宣誓書には、優先権主張に関する宣誓も含まれる。優先権が主張されている特許出願が、先の出願の継続または一部継続出願である場合に注意が必要である(特に米国出願に対して優先権を主張する場合にこのような状況が生じえる)。すなわち、南アフリカ特許出願の独立クレームの主題が、当該南アフリカ特許出願の出願日から一年より前に関連する出願の中で最初に開示されている場合、優先権を主張しようとする出願は優先権主張の目的においてパリ条約の同盟国でなされた最初の出願とはみなされない。そのような後の出願に対する優先権の主張は無効であり、そのような出願に対して付与された特許は、上述のように宣誓書が虚偽の供述を含んでいることを理由に取り消される。このような問題に対する解決方法としては、優先権の主張が無効となる発明の主題に基づく全てのクレームを南アフリカ特許出願から削除すること、または、自発補正により優先権の主張が有効となる範囲にクレームを減縮することがあげられる。
2-3. 固有の生物資源や遺伝資源の利用、伝統的知識またはその利用に関する供述書(Form P26)
Form P26は技術分野に関わらず全ての特許出願について必要であり、通常の特許出願または国内段階への移行書面の提出日から6月以内に提出しなければならない。当該提出期限は、公式の要求により延長できる。
Form P26は、生物資源もしくは遺伝資源および伝統的知識に基づくものもしくは由来するものであるか否かの宣言を含むが、ほとんどの場合、南アフリカの固有の生物資源、遺伝資源または伝統的知識が発明の主題に使用されることはなく、フォームはそれに従って作成される。
クレームされた発明が実際に南アフリカの固有の生物資源もしくは遺伝資源、または伝統的知識もしくはその利用に基づくまたは由来するとの宣誓をForm P26が含む場合、South African National Environmental Management: Biodiversity Act No. 10 of 2004(生物学的多様性に関する法律)のいくつかの規定が適用される。そのような場合、特許出願人は生物資源もしくは遺伝資源の利用、または、伝統的知識の利用の権限を示す一つ以上の証拠の提出が必要である。これらの証拠が提出されない限り、特許付与はされない。
2-4. 発明の譲渡証(任意形式)
特許出願人が発明者から出願する権利を譲り受けている場合、出願する権利を譲り受けていることを証明するのに十分な書類、すなわち、譲渡証やその他の証拠を提出しなければならない。通常、各発明者によって署名された確認譲渡証として提出される。
譲渡証は通常の特許出願の日から18月以内または国内段階への移行日から12月以内に提出しなければならない。
発明者が譲渡証への署名を拒む場合、出願人の会社における権限が付与された役員による宣誓書の提出が通常認められる。そのような宣誓書は、発明者は雇用契約の範囲においてなされた発明を雇用主(出願人)に譲渡する義務を負うことを規定した譲渡契約の写しなど譲渡を立証する補足資料が必要となる。
【留意事項】
南アフリカの特許出願の際に必要となる書類のほとんどは、特に作成が煩雑なものではないが、宣誓書および委任状等への署名には特別な注意が必要である。特に、特許を受ける権利の譲渡や優先権主張などの点で、虚偽の宣誓を含まないことが重要である。
南アフリカにおける知的財産権関連制度の運用実態
【詳細】
アフリカ諸国における知的財産権制度運用実態及び域外主要国による知財活動に関する調査研究報告書(平成26年2月、日本国際知的財産保護協会)4-(1)
(目次)
4 各調査対象国の知的財産権関連制度の運用実態
(1) 南アフリカ P.92