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ベトナムにおいてOIモデル契約書ver2.0ライセンス契約書(新素材編)、利用契約書(AI編)を活用するに際しての留意点

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ベトナムにおける産業財産権の検索データベースの調査2022

「ASEANにおける産業財産権の検索データベースの調査 2022」(2023年3月、日本貿易振興機構 バンコク事務所(知的財産部))

「ASEANにおける産業財産権の検索データベースの調査2022」(2023年3月、日本貿易振興機構 バンコク事務所(知的財産部))第7章 ベトナム

(目次)
第7章 ベトナム
(ベトナム知的財産庁(IP Viet Nam)の検索データベースであるIPASシステム上の案件データに基づき、種別(特許および実用新案)ごとに、2022年に公開された出願を対象とし算出した「出願から公開までに要した期間」、および2022年に登録された案件を対象とし算出した「出願から登録までに要した期間」について紹介している。また、2004年から2022年に①公開された案件、および②登録された案件について、それぞれ、①出願から公開まで、および②出願から登録までの経過期間の分布を全案件、出願人国籍別、出願ルート別、技術分野別にグラフで紹介している。加えて、2019年から2021年までの各年の出願を対象とし算出した、全出願人を対象とした出願件数上位ランキング、日本国籍出願人を対象とした出願件数上位ランキング、技術分野別の出願件数上位ランキング、外国出願人のベトナム第一国出願の出願件数上位ランキングを紹介している。さらに、2003年から2022年までの各年の出願についての2023年1月時点での登録率を紹介している。)

1.特許 P.250
1.1 産業財産権の権利化期間 P.250
1.2 産業財産権の出願件数上位リスト P.269
1.3 登録率 P.275

2.実用新案 P.276
2.1 産業財産権の権利化期間 P.276
2.2 産業財産権の出願件数上位リスト P.293
2.3 登録率 P.301

ベトナムにおける特許の早期権利化の方法

1.特許の審査期間に関する規定と運用実務
 ベトナムにおける特許出願は、出願日から1か月以内に方式について審査され(ベトナム知的財産法(以下、「知的財産法」という。)第119条第1項)、実体審査の期限は、出願の審査請求が公開日前に行われたときは出願の公開日から,または審査請求が公開日後に行われたときは,出願の審査請求の日から18か月以内とされている(知的財産法第119条第2項a)。しかし、実務的には法律で定められたとおりには進まず、2021年に登録された特許では、出願日から登録日までの平均期間が5.0年とされている※1
※1 「ASEAN 産業財産権データベースから得られる特許および実用新案の統計情報」JETRO 2022年3月 https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/asean/ip/pdf/report_202203_asean.pdf

(1) 特許審査ハイウェイ
 日本国特許庁(以下、「JPO」という。)とベトナム国家知的財産庁(以下、「IP VIET NAM」という。)は、特許審査ハイウェイ試行プログラム(以下、「PPH試行プログラム」という。)を2016年4月1日より実施し、2022年4月1日より、試行期間を3年間延長した。新しい試行期間は2025年3月31日で終了予定となるが、必要に応じて延長される予定である。
 出願人は、日本-ベトナム間のPPH試行プログラムにおける申請要件を満たす日本出願に基づくIP VIET NAMへの特許出願につき、関連する書類の提出を含む所定手続を行うことで早期審査を申請することができる。PPH 試行プログラムを申請する場合には、出願人は、IP VIET NAMに申請様式を提出する。
 なお、2022年4月1日から2023年3月31日までの期間にIP Viet NamとJPOとの間の協力協定に基づき、IP Viet Namで受理されたPPH申請の総数は132件である※2
※2 「【ベトナム】ベトナム、特許審査ハイウェイ(PPH)プログラムによる特許出願の早期審査申請受付に関する報告について」JETRO 2023年4月 https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Ipnews/asia/2023/vn/20230411.pdf

(2) 早期公開の請求
 前述のとおり、実体審査の期限は、出願の審査請求が公開日前に行われたときは出願の公開日から,または審査請求が公開日後に行われたときは,出願の審査請求の日から18か月以内とされている(知的財産法第119条第2項a)。したがって、特許出願の公開時期を早めることは、早期権利化のための有効な手段の一つである。
 通常、特許出願は、出願日、もしくは優先権を主張している場合は優先日から19か月、または方式審査承認通知日から2か月以内のいずれかのより遅い期日に公開される(知的財産法第110条第2項、科学技術省・省令第01/2007/TT-BKHCN号(以下、「省令」という。)14.2a.i)。
 一方、出願人が所定の手数料を支払って、早期公開請求書を提出すれば、特許出願は、その請求の受領日から2か月以内に公開される(知的財産法第110条第2項、省令14.2.a.iii)。
 よって、出願と同時に早期公開請求と実体審査請求を行うことが、早期権利化に有効である。

 また、ベトナムを指定した国際出願の場合は、早期の国内段階への移行手続と早期公開請求を行うことが、早期権利化に有効である。
 ベトナムを指定した国際出願の処理の開始時点は、優先日から32か月であるが、出願人は、より早い時点での国内段階移行を文書で請求することができる(省令27.7b)。ベトナム国内段階に移行した国際出願は、通常の特許出願に係る手続に従い、方式審査および実体審査を受ける(省令27.7c)。国内段階への移行とともに出願人が所定の手数料を支払って、早期公開請求書を提出すれば、特許出願は、その請求の受領日から2か月以内に公開される(知的財産法第110条第2項、省令14.2.a.iii)。よって、出願人が、ベトナム国内段階への早期の移行手続と早期公開の請求を行うことで、ベトナムを指定した国際出願の早期権利化につながる。
 実務上、国際出願が国際公開される前のような極めて早い段階でベトナム国内段階に移行する場合がある。しかし、前述のとおり、通常はベトナム国内段階に移行した国際出願は優先日から32か月後に方式審査が開始される。国内段階への早期の移行手続と早期公開のための申請書を提出しIP VIET NAMがこれに同意したとしても、国際段階での国際公開がなされていないかぎりベトナムでの方式審査は始まらない。したがって出願人が、国際出願がベトナム国内段階に移行してすぐ方式審査を望む場合は、特許協力条約(以下、「PCT」という。)第21条(2)(b)およびPCTに基づく規則(以下、「PCT規則」という。)第48.4条に基づき、国際出願の早期公開請求を行う必要がある。

(3) 国際出願の審査の早期開始の請求
 国内段階に移行した特許出願の出願人は、PCT第23条(2)に基づいて、早期審査請求を書面で提出し、所定の費用を支払うことで、審査の早期開始を請求することがきる(省令27.7c)。よって、前述のベトナム国内段階への早期の移行手続と早期公開の請求と合わせて請求すれば、早期権利化の手段となる。
 この省令27.7cの規定は、出願人が書面で請求し所定の費用を払えば、所定の期限の前に手続を行うようにIP VIET NAMに請求できると規定する省令9.3によって裏付けられていると解釈できるが、同規定が定めるとおり、IP VIET NAMは具体的な理由を示した通知を行えば、この請求を拒絶できることに留意が必要である。

(4) 外国対応出願の審査結果の活用
 IP VIET NAMは、特許出願の審査をするとき、特許出願の内容について外国の特許庁の審査結果を参考にすることができる(知的財産法第114条(3))。また、科学技術大臣は、この規定が定める特許出願の審査結果の使用について、その詳細を定める(知的財産法第114条(4))※3。また、従前より、IP VIET NAMが実体審査を行う際、対応する外国出願の引例と審査結果から得られる情報を活用できるとされていた(省令15.2)。
※3 知的財産法第114条(3)は、2023年1月1日の施行であるが、科学技術大臣が定める詳細については、現時点で未公表である。

 実務的には、IP VIET NAMの審査官は、特許性を判断する際、カナダ、アメリカ、日本、ロシア、英国、スウェーデン、オーストリア、スペイン、韓国、中国、ドイツ、EPO(欧州特許庁)、EAPO(ユーラシア特許庁)といった国・地域、なかでもEPO、日本、米国、中国、韓国における対応する出願の審査結果をしばしば参考にしている。

 特許査定が下される多くのケースでは、ベトナムでの実体審査において対応する外国特許と同様となるようにクレームと発明の詳細な説明を補正するよう命じる指令書が発行されている。したがって、外国とりわけ日本、EPO、米国で対応する特許が付与されている場合、出願人は特許性を確保するために対応する外国出願にあわせて自発的にクレームを補正するほうがよい。通常、対応する外国特許に準拠するための基本条件は、補正された請求範囲が先の出願の保護請求の範囲を超えていないことである。

(5) ASEAN特許審査協力(ASPEC)プログラム※4
 ASPECは、参加国の特許庁間で特許審査および審査結果を共有して審査を早期化するとともに、審査の質を向上させる制度であり、2009年6月15日に運用が開始された。
 実務的に、ASPECは審査早期化の非常に有効なツールとして活用できる。これまでのところASPECを利用した特許出願の件数はあまり多くないが、ASPECがもたらす審査早期化というメリットは否定できない。通常の実体審査では、1回目のオフィスアクションが出されるまでには、少なくとも審査開始から18か月程度を要する。しかし、ASPECを利用した初の事案では、実体審査に要したのはわずか2か月程度だった。
※4 ASPECの概要や申請の要件については、下の関連記事に解説がなされているので参照されたい。
「ASEAN特許審査協力(ASPEC)プログラム」https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/24171/

(6) 審査官との面接
 審査官とベトナムの弁理士の間で審査を円滑・迅速に進めるための面接が行われる場合がある。この面接は、電話、あるいは対面での面談で行うことができ、審査官と弁理士は、当該出願が特許性を獲得するための有効な手段(例えば、対応する特許にあわせて補正した場合に特許査定を得られる可能性など)を協議する。

2.特許の早期権利化を実現するベストプラクティス
 特許を早期権利化するために取り得る手段を紹介してきたが、最善の方法は、出願内容を対応する外国特許に沿ったものにするとともに、特許審査ハイウェイ、またはASPECの申請を組み合わせることである。経験上も、対応する外国特許に合わせることで特許性が満たされて特許付与の条件が整うと、ASPEC制度等の申請により、ASPEC等を申請していない出願よりも、当該出願の審査を早期化することができる。

日本とベトナムの特許の実体審査における拒絶理由通知への応答期間と期間の延長に関する比較

1.日本の実体審査における拒絶理由通知への応答期間と期間の延長

(1) 特許出願に対する拒絶理由通知への応答期間
・出願人が在外者でない場合(国内出願人)は、意見書および補正書の提出期間は60日
・出願人が在外者である場合(外国出願人)は、意見書および補正書の提出期間は3か月

条文等根拠:特許法第50条、第17条の2第1項、方式審査便覧04.10 1.(2)ア、2.(2)ア

日本国特許法 第50条 拒絶理由の通知
審査官は、拒絶をすべき旨の査定をしようとするときは、特許出願人に対し、拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、第十七条の二第一項第一号又は第三号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあっては、拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限る。)において、第五十三条第一項の規定による却下の決定をするときは、この限りでない。

日本国特許法第17条の2 願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面の補正
特許出願人は、特許をすべき旨の査定の謄本の送達前においては、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面について補正をすることができる。ただし、第五十条の規定による通知を受けた後は、次に掲げる場合に限り、補正をすることができる。
一 第五十条(第百五十九条第二項(第百七十四条第二項において準用する場合を含む。)および第百六十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による通知(以下この条において「拒絶理由通知」という。)を最初に受けた場合において、第五十条の規定により指定された期間内にするとき。
二 拒絶理由通知を受けた後第四十八条の七の規定による通知を受けた場合において、同条の規定により指定された期間内にするとき。
三 拒絶理由通知を受けた後更に拒絶理由通知を受けた場合において、最後に受けた拒絶理由通知に係る第五十条の規定により指定された期間内にするとき。
四 拒絶査定不服審判を請求する場合において、その審判の請求と同時にするとき。

方式審査便覧04.10 法定期間及び指定期間の取扱い
1.手続をする者が在外者でない場合
(2)次に掲げる書類等の提出についての指定期間は、特許及び実用新案に関しては60日、意匠(国際意匠登録出願における拒絶の通報に応答する場合を除く。)及び商標(国際商標登録出願における命令による手続補正書を提出する場合及び暫定的拒絶の通報に応答する場合を除く。)に関しては40日とする。ただし、手続をする者又はその代理人が、別表に掲げる地に居住する場合においては、特許及び実用新案に関しては60日を75日と、意匠及び商標に関しては40日を55日とする。
ア.意見書(特50条、商15条の2、15条の3第1項、商附則7条)
2.手続をする者が在外者である場合
(2)次に掲げる書類等の提出についての指定期間は1.(11)及び(12)を除き、3月とする。ただし、代理人だけでこれらの書類等を作成することができると認める場合には、1.(2)の期間とする。
ア.意見書(1.(2)ア.において同じ。)

(2) 特許出願に対する拒絶理由通知への応答期間の延長
・出願人が在外者でない場合(国内出願人)は、最大2か月まで延長可能
・出願人が在外者である場合(外国出願人)は、最大3か月まで延長可能
 (*特許庁「出願の手続」第二章 第十八節 IV指定期間の延長、https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/document/syutugan_tetuzuki/02_18.pdf

条文等根拠:特許法第5条第1項、方式審査便覧04.10 1.(16)ア、2.(12)ア、イ

日本国特許法第5条 期間の延長等
特許庁長官、審判長または審査官は、この法律の規定により手続をすべき期間を指定したときは、請求により又は職権で、その期間を延長することができる。
2審判長は、この法律の規定により期日を指定したときは、請求により又は職権で、その期日を変更することができる。

日本特許庁 方式審査便覧 04.10 1.(16)ア、2.(12)
1 手続をする者が在外者でない場合
(16) 次に掲げる特許法、実用新案法及び意匠法並びに特許登録令、実用新案登録令及び意匠登録令の手続の指定期間については、指定期間内又は指定期間に2月を加えた期間内の請求により、2月延長することができる。ただし、指定期間内に延長請求した場合には、指定期間経過後の再度の延長請求を行うことはできない。
ア.(2)ア.の意見書(特50条及び意19条の規定によるものに限る。)ただし、当初の指定期間内に意見書を提出した場合又は特許法第17条の2第1項第1号又は第3号に基づく補正を行った場合については、指定期間経過後の延長請求を行うことはできない。
2 手続をする者が在外者である場合
(12) 特許法第50条の規定による意見書の提出についての指定期間は、請求により延長することができる。延長する期間は以下のとおりとする。
ア.指定期間内の延長請求は、1回目の請求により2月延長し、2回目の請求により1月延長することができる。
イ.指定期間経過後の延長請求は、指定期間に2月を加えた期間内の請求により2月延長することができる。ただし、指定期間内に延長請求した場合には、指定期間経過後の再度の延長請求を行うことはできない。
また、当初の指定期間内に意見書を提出した場合又は特許法第17条の2第1項第1号又は第3号に基づく補正を行った場合については、指定期間経過後の延長請求を行うことはできない。

2.ベトナムの実体審査における拒絶理由通知への応答期間と期間延長

(1) 特許出願に対する拒絶理由通知への応答期間
・拒絶理由通知への応答期間は3か月

条文等根拠:科学技術省・省令第16/2016/TT-BKHCN号14.c)で改正された省令第01/2007/TT-BKHCN号15.7.a)(ⅰ)

14. 下記のように(省令第01/2007/TT-BKHCN号の)15.を修正し、補足する
c) 15.7を下記のように修正し、補足する
「15.7 実体審査を完了するための作業
a) 実体審査結果の通知
本通達(01/2007/TT-BKHCN)の15.8で規定するように、NOIP(現IP Vietnam、以下同じ。)は、遅くとも実体審査の終了期限までに次の通知を送達するものとする。
(ⅰ) 出願に記載された主題が保護条件を満たさない場合、NOIPは、保護権の付与を拒絶する旨、拒絶の理由を明確に示し、保護の範囲(量)の修正を指導し、出願人が意見を述べるための期限を通知日から3か月とする実体審査結果の通知を発行する。」

注:( )内は著者による追記

(2) 特許出願に対する拒絶理由通知への応答期間の延長
・応答期間の延長は1回のみ、3か月の延長が可能

条文等根拠:科学技術省・省令第16/2016/TT-BKHCN号9.で改正された省令第01/2007/TT-BKHCN号9.2

9. 下記のように(省令第01/2007/TT-BKHCN号の)9.を修正し、補足する。
「9. 期限
9.2 出願人および関係者が、書類を提出、修正、補足し、または意見を述べるための期限は、書面による申請を提出する必要がある場合に限り、NOIP(現IP Vietnam)が行った通知に設定された期限と同じ期間、1回に限り延長することができる。設定された期限の満了前に延長を申請し、規定に従って延長申請料を支払うこと。」

注:( )内は著者による追記

日本とベトナムの特許の実体審査における拒絶理由通知への応答期間と期間の延長に関する比較

日本 ベトナム
応答期間 60日(在外者でない場合)
3か月(在外者の場合)
3か月
応答期間の延長の可否
延長可能期間 最大2か月(在外者でない場合)
最大3か月(在外者の場合)
3か月

ベトナムにおけるライセンスに関する法制度と実務運用の概要

(1) 準拠法および裁判管轄について
 ライセンス契約および秘密保持契約が有効と判断されるためには、契約内容がベトナムの法律に反するものでないことが要件となるため(ベトナム民法第670条1.a)、準拠法はベトナムの法律にすることが推奨される。

 ベトナム以外の国を裁判管轄地に指定した場合において、当該指定国での判決をベトナム国内で執行するためには、改めてベトナムの裁判所に当該判決の執行を求める手続が必要になる。そのため、裁判管轄地においてもベトナムの裁判所を指定することが推奨される。

(2) 仲裁条項について
 仲裁条項を契約内で設けることについて、制限はない。また、ベトナムは、ニューヨーク条約加盟国であるため、仲裁地を他国に指定することも可能である。仲裁結果については、ベトナムの法律に反しない限りにおいて有効となるため、注意が必要である。

(3) ライセンス契約の登録について
 特許・実用新案・意匠・商標等のライセンス契約の登録は、ベトナム国家知的財産庁(National Office of Intellectual Property of Vietnam :以下、「IP Viet Nam」という。)に対して行い、ノウハウ等の技術移転契約はベトナム科学技術省(Ministry of Science and Technology:以下、「MOST」という。)に対して行う。なお、著作権のライセンス登録は、文化スポーツ観光省(Ministry of Culture, Sports and Tourism)に対して行う。なお、ライセンス契約の内容に、特許権とノウハウが混在する場合、IP Viet NamおよびMOSTにそれぞれ別々に登録を行う必要がある。

 産業財産権のライセンス契約(ただし、標章の使用契約を除く。)においては、ライセンス契約を第三者に対抗するためにはIP Viet Namに登録する必要がある(ベトナム知的財産法第148条第3項)。

(4) ライセンス契約の登録申請について
 産業財産権のライセンス登録について、一件の申請で多数の権利を含むライセンス登録が可能である。申請に必要な書類は、申請書および契約書の原本2部となっている。契約書の原本2部のうち、1部はIP Viet Namでの保管用、もう1部はIP Viet Namで登録された旨のシールを貼付して申請者に返還するためのものである。なお、契約書に用いられる言語についての規制はないが、IP Viet Namに登録申請を行う際に、契約書の言語がベトナム語以外である場合はベトナム語への翻訳文の提出が必要となる。

 登録の申請がなされてから、実際に登録に至るまでの期間は2~3か月である。審査については、知的財産法の規定に沿って形式的な審査を行うのみで、その他にベトナム法との整合性についての審査は行われない。そのため、民法に反する等で紛争が生じた場合、登録および契約が無効とされるため、注意が必要である。

 ライセンス契約の登録内容は非公開であり、紛争が生じた際の利害関係人や経済警察以外はアクセスすることはできない。

 ノウハウのライセンス登録は、条文上MOSTに行うこととなっているが、実際は各地方の科学技術局が窓口となって、申請を受け付けている。また、ライセンス登録を行うことで第三者への対抗要件となるだけでなく、登録により一定の減税・免税を受けることができる。申請に必要な書類は、申請書と契約書の原本となっており、契約書については、ベトナム語である必要がある。また、契約書の内容については、技術内容が実施できる程度に開示されている必要がある。

 そして、登録の申請が受理されてから15日以内に形式的な審査が行われ、登録される技術は以下の(i)ないし(iv)のいずれかの技術として分類され、登録が拒絶されるものから、税制面で優遇されるものまである。また、登録されるだけで、下記の技術分類に関係なく、ロイヤルティ送金時の次のようなメリットを享受できる。銀行は、ロイヤルティの送金に際し契約書の提出を要求し、契約内容について厳しい審査を行うため、送金手続が実施されにくい。しかし、登録がされていれば、登録証を添えるだけで審査手続が省略され、速やかなロイヤルティ送金が可能となる。

(i) 移転不可の技術(申請は拒絶される)
(ii) 移転が制限されている技術
(iii) 移転が奨励されている技術(減免税の対象、金利・土地代等の金融面で優遇される)
(iv) 上記に当てはまらない技術

(5) 技術移転契約およびフランチャイズ契約について
 フランチャイズ契約について事業登録の申請を行わなければならないが、契約自体の登録制度はなく、契約は、当事者の合意により有効となる。また、フランチャイズ事業の登録申請は、商工業省(Ministry of Industry and Trade)に対して行うが、契約の締結前にフランチャイザーが申請を行わなければならない。申請に必要な書類は、申請書および事業展開説明書、フランチャイズ契約書の草案、フランチャイザー側が発効した営業許可証、前年度のファイナンシャルレポート、商標登録証(国外の登録証も可能)となっている。申請を行ってから登録までは1か月程度かかるが、現地のヒアリングによれば登録を拒絶されることは少ないとされている。フランチャイズ契約の登録事業料は1,650万ドンであり、初回のみの負担金であるため、毎年の更新料は不要となっている。

日本とベトナムにおける特許分割出願に関する時期的要件の比較

1.日本における特許出願の分割出願に係る時期的要件
 日本国特許法第44条は、下記の(1)~(3)のいずれかの時または期間内であれば、2以上の発明を包含する特許出願の一部を1または2以上の新たな特許出願とすること(分割出願すること)ができることを規定している。

(1) 願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面について補正をすることができる時または期間内(第44条第1項第1号)
 なお、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面について、補正をすることができる時または期間は、次の(i)~(iv)である。
 (i) 出願から特許査定の謄本送達前(拒絶理由通知を受けた後を除く)(第17条の2第1項本文)
 (ii) 審査官(審判請求後は審判官も含む。)から拒絶理由通知を受けた場合の、指定応答期間内(第17条の2第1項第1号、第3号)
 (iii) 拒絶理由通知を受けた後第48条の7の規定による通知を受けた場合の、指定応答期間内(第17条の2第1項第2号)
 (iv) 拒絶査定不服審判請求と同時(第17条の2第1項第4号)

(2) 特許査定(次の(i)および(ii)の特許査定を除く)の謄本送達後30日以内(第44条第1項第2号)
 (i) 前置審査における特許査定(第163条第3項において準用する第51条)
 (ii) 審決により、さらに審査に付された場合(第160条第1項)における特許査定
 なお、特許「審決」後は分割出願することはできない。また、上記特許査定の謄本送達後30日以内であっても、特許権の設定登録後は、分割出願することはできない。また、(2)に規定する30日の期間は、第4条または第108条第3項の規定により第108条第1項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間に限り、延長されたものとみなされる(第44条第5項)。

(3) 最初の拒絶査定の謄本送達後3か月以内(第44条第1項第3号)
 (3)に規定する3か月の期間は、第4条の規定により第121条第1項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間に限り、延長されたものとみなされる(第44条第6項)。

日本国特許法第44条(特許出願の分割)
特許出願人は、次に掲げる場合に限り、二以上の発明を包含する特許出願の一部を一又は二以上の新たな特許出願とすることができる。
 一 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をすることができる時又は期間内にするとき。
 二 特許をすべき旨の査定(第百六十三条第三項において準用する第五十一条の規定による特許をすべき旨の査定及び第百六十条第一項に規定する審査に付された特許出願についての特許をすべき旨の査定を除く。)の謄本の送達があつた日から三十日以内にするとき。
 三 拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から三月以内にするとき。
2 前項の場合は、新たな特許出願は、もとの特許出願の時にしたものとみなす。ただし、新たな特許出願が第二十九条の二に規定する他の特許出願又は実用新案法第三条の二に規定する特許出願に該当する場合におけるこれらの規定の適用及び第三十条第三項の規定の適用については、この限りでない。
3 第一項に規定する新たな特許出願をする場合における第四十三条第二項(第四十三条の二第二項(前条第三項において準用する場合を含む。)及び前条第三項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、第四十三条第二項中「最先の日から一年四月以内」とあるのは、「最先の日から一年四月又は新たな特許出願の日から三月のいずれか遅い日まで」とする。
4 第一項に規定する新たな特許出願をする場合には、もとの特許出願について提出された書面又は書類であって、新たな特許出願について第三十条第三項、第四十一条第四項又は第四十三条第一項及び第二項(これらの規定を第四十三条の二第二項(前条第三項において準用する場合を含む。)及び前条第三項において準用する場合を含む。)の規定により提出しなければならないものは、当該新たな特許出願と同時に特許庁長官に提出されたものとみなす。
5 第一項第二号に規定する三十日の期間は、第四条又は第百八条第三項の規定により同条第一項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間を限り、延長されたものとみなす。
6 第一項第三号に規定する三月の期間は、第四条の規定により第百二十一条第一項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間を限り、延長されたものとみなす。
7 第一項に規定する新たな特許出願をする者がその責めに帰することができない理由により同項第二号又は第三号に規定する期間内にその新たな特許出願をすることができないときは、これらの規定にかかわらず、その理由がなくなった日から十四日(在外者にあっては、二月)以内でこれらの規定に規定する期間の経過後六月以内にその新たな特許出願をすることができる。

2.ベトナムにおける特許出願の分割出願の時期的要件
 ベトナムでは、出願人は、特許出願についての保護証書付与の拒絶通知の決定あるいは付与の決定(日本での拒絶査定、特許査定に相当)の前であれば、いつでも出願を分割することができる(ベトナム知的財産法(以下、「知的財産法」という。)第115条)。

知的財産法 第115条 工業所有権登録出願の補正,補充,分割及び変更
1. 国家工業所有権庁が保護証書の付与の拒絶通知又は付与の決定を行うまで,出願人は,次の権利を有する。
a) 出願に補正又は補充を行うこと
b) 出願を分割すること
c) 出願人の名称又は宛先の変更を記録するよう請求すること
d) 契約に基づく譲渡の結果として,相続,遺贈の結果として,又は当局の決定に基づい
  て出願人変更を記録するよう請求すること
dd) 発明特許に係る願書付きの発明登録出願を,実用新案特許に係る願書付きの発明登
  録出願に変更すること,及びその逆に変更すること
2. 本条1項に規定する手続について請求する者は,手数料及び料金を納付しなければならない。
3. 工業所有権登録出願に対する如何なる補正又は補充も,出願書類において開示され又は明記された主題の範囲を拡張してはならず,かつ,当該出願において登録を求めた主題の内容を変更してはならず,また出願の単一性を確保しなければならない。
4. 出願の分割の場合は,分割された出願の出願日は,原出願の出願日と決定されるものとする。

    日本とベトナムにおける特許分割出願に関する時期的要件の比較

日本 ベトナム
分割出願の時期的要件*) 補正ができる期間 拒絶査定または特許査定より前であればいつでも

*) 査定(特許査定または拒絶査定)前の時期的要件の比較

ベトナムにおける分割特許出願

1.特許出願の分割の時期的制限
 法律に基づき、出願人は、特許出願についての拒絶通知または保護証書の付与の決定(日本での拒絶査定、特許査定に相当)の前であれば、いつでも出願を分割することができる(ベトナム知的財産法(以下、「知的財産法」という)第115条)。
 したがって、実務においては、出願人は、次の期限内に親出願から1つ以上の分割出願を提出することを検討することができる。

(a) 出願の受理または拒絶通知の発行前
(b) 単一性の欠如に関するオフィスアクションへの対応時
(c) 特許の拒絶通知または許可通知の発行前の任意の時点
(d) 再審査期間内(出願人が審査官の拒絶に対して査定不服審判を請求し、この請求が認められた場合、出願は再審査のために審査官に差戻される。この再審査の期間内に分割出願を提出することができる。)
(e) 親出願の取り下げ前
(省令01/2007/TT-BKHCN 17.2、ベトナム特許審査ガイドライン10.2(以下、「特許審査ガイドライン」という。))

 一つの技術的解決策について特許保護を求める企業にとって、その出願を複数の分割出願に分けることで有利になる場合が多いが、出願人は、その親出願がベトナム国家知的財産庁(Intellectual Property office of Vietnam 以下、「IP VIET NAM」という。)に係属している間に限り、分割出願できることに注意しなければならない。

2.特許出願の発明の単一性の欠如を理由とする分割出願
 特許出願の審査中に発明の単一性の欠如が指摘された場合に、分割出願をすることが最も一般的なケースといえる。特許出願は、独自の発明、または独自の発明概念として機能する技術的に密接な関係を有する発明群を主張する場合、単一性の要件を満たすとみなされる(知的財産法第101条第2項、省令01/2007/TT-BKHCN 23.3.b)、特許審査ガイドライン 20)。
 単一性の欠如は、予備審査段階または実体審査において指摘される。予備審査において、発明概念として技術的に密接には関係していない複数の独立クレームが出願に含まれている場合、発明の単一性は満たされていないと見なされる。このような単一性に対する拒絶理由通知は、実体審査で行われる先行技術に基づく審査をせずに提起される。逆に、発明の解決手段が既に先行技術において教示されていると推定された後に単一性が判断される場合には、実体審査において複数の独立クレームで共通する技術的特徴が顕著な特徴かどうかが判断される。
 例えば、独立クレームに記載された発明が、新規性または進歩性の要件を満たしていない場合、その従属クレームに記載された発明の単一性を慎重に検討する必要がある。その場合、当該独立クレームの一つの従属クレームに記載された発明の「顕著な技術的特徴」が、別の従属クレームに記載された発明に存在しない場合がある(特許審査ガイドライン 20)。そのような場合、単一性の欠如に関する拒絶理由が通知される可能性がある。
 上記のような単一性の欠如に対して、出願人は、親出願において審査対象として選択されなかった発明の数に応じて、一つ以上の分割出願に分けることができる。このような場合、出願人は、単一性の欠如の拒絶理由を解消するために、当該オフィスアクションへの応答時に一つ以上の分割出願をすることが要求される。
 さらに、出願人は、一つの分割出願において、親出願において審査対象として選択された発明を除く全部の発明をクレームすることもできる。依然として単一性が満たされない場合、単一性の欠如に関する更なるオフィスアクションが出されるだろう。その場合、出願人は、オフィスアクションへの応答時に、残りのいずれかの主題に関するさらなる分割出願をするよう要求される。知的財産法には明確に規定されていないものの、先に出願された分割出願から更なる分割出願をすることが可能である(いわゆる孫分割出願が許される)。
 なお、実務上この孫分割出願は、分割出願(子分割)が係属中であり、最初の親出願がまだ権利期間内にあるという制約下でのみ行うことができる(最初の親出願と全ての分割出願は同じ出願日を有し、特許が付与された場合、これらの特許は同じ権利期間が与えられる。この権利期間は、特許の場合は出願日から20年、実用新案の場合は出願日から10年である)。

3.特許出願の出願人による自発的な分割出願
 知的財産法の規定に従い、IP VIET NAMが拒絶査定、または特許査定通知を発行する前に、出願人は自発的に自己の出願を分割することができる。先述したように発明の単一性に関する拒絶理由通知に対する分割出願に加え、出願人は、拒絶されたクレームを含むクレームの審査を継続させる目的で、自発的に分割出願することもできる(知的財産法第115条)。
 例えば、ベトナム国内において、「用途」を主題とする発明は製品でも方法でもないため、特許付与可能な発明ではないという理由により、IP VIET NAMは「用途」に関する全ての発明を拒絶できる(知的財産法第4条第12項)。ベトナムにおいて用途クレームが特許適格性を有するかどうかは論争の対象となっているものの、今のところこのような用途クレームを含む特許出願に対して特許は付与されていない。そのため係属中の出願から用途クレームを削除し、分割出願することにより、残りのクレームの特許性審査を長引かせないようにすることが可能である。分割出願を利用する他の場合として、権利の移転や実施許諾の対象となる発明のみを個別に権利化するために行うことなどが考えられる。

4.特許出願の分割出願のクレーム
 ベトナム特許規則に基づき、分割出願のクレームは、下記(a)から(c)の要件を満たさなければならない(特許審査ガイドライン 33.5)。

(a)分割出願のクレームに記載された発明は、最初に出願された親出願に開示されていなければならない。つまり、出願人は権利範囲の狭いクレームを出願した後に、より広いクレームの分割出願をすることができるが、後の分割出願のクレームは、原出願の明細書の開示の範囲に含まれていなければならない。
(b)分割出願のクレームに記載された発明は、分割後の親出願のクレームに記載された発明と異なるものでなければならない。つまり、親出願と分割出願が同一の発明をクレームすることはできない。

5.特許出願の分割出願に関する二重特許
 ベトナムにおいて、一つの発明には一つの特許のみが許可される。同一の発明を保護するために二つの特許は認められない。言い換えると、複数のクレームが同一の範囲または重複した範囲を有することは許されない(特許出願審査規則33.5)。出願当初の一つ以上のクレームを分割出願することができる。しかし、出願人が先の親出願または分割出願において実体審査を受けたクレームと全体的または部分的に同等である一つ以上のクレームを分割出願に含めた場合、IP VIET NAMは、二重特許問題を理由に、特に当該分割出願のクレームに記載された発明が先の親または分割出願の発明と同じであるという理由で拒絶する。
 実際、先の親出願において既に特許付与された発明を、その分割出願に含めることはできない。しかし、親出願において削除されたクレームを分割出願することはできる。それ故、ベトナムにおいて分割出願する場合には、先の親出願または分割出願において実体審査を受けたクレームを考慮して分割出願のクレームを慎重に検討すべきである。

6.特許出願の分割出願に際しての留意事項
 分割出願には新たな出願番号が付与され、親出願と同じ出願日、および(存在する場合)親出願と同じ優先権が与えられる(知的財産法第115条、省令01/2007/TT-BKHCN 17.2および特許審査ガイドライン10.2)。分割出願に際しては、優先権主張に関する料金を除き、親出願と同じ出願料および各所定料金を支払わなければならない。これらの手数料は、優先権主張手数料を除き、元の親出願と同じである(省令01/2007/TT-BKHCN 17.2、特許審査ガイドライン 5.12)。分割出願は、新たな特許出願として扱われ、元の親出願で完了していない手続が引き続き処理される(省令01/2007/TT-BKHCN 17.2)。
 分割出願の実体審査は、所定の期間内(特許出願の場合は、出願日または「優先日から42か月以内(知的財産法第113条、省令01/2007/TT-BKHCN 25.1))に実体審査が請求された場合に限り行われる(特許出願審査規則 33.5)。上記の期間後に分割出願する場合は、分割出願時に実体審査請求しなければならない。実際に、分割出願時に実体審査を請求することは珍しくない。

7.分割出願に関する特許出願と実用新案出願の相違点
 ベトナムでは、日本での特許を「発明特許」、実用新案を「実用新案特許」としている。実用新案特許出願について、分割出願に関する制度は、発明特許と概ね同様であるが、分割出願の実体審査は、出願日または優先日から36か月以内に実体審査が請求された場合に限り行われる、点で相違する。

ベトナムにおける商品・役務の類否判断について

1.はじめに
 日本では先行商標と出願商標は非類似とされているケースであっても、ベトナムでは、同じ商標の出願について、同じ先行商標と類似と判断され、拒絶査定を受けることがある。この相違は、両国の指定商品・役務に関する審査実務の違いによって生じる場合がある。例えば、日本の審査基準では、「類似群」と呼ばれるグループ分けを採用しており、商品・役務が同じグループに属さない限り、原則として非類似とみなされる。しかし、ベトナムの審査基準では、商品・役務を事前にグループ分けしていないため、判断が異なる可能性がある。そこで、本稿では、ベトナムの審査基準に基づく商品・役務の類似・非類似の判断について紹介し、日本の審査基準との相違点を明らかにし、日本の実務家が、ベトナムの商品・役務の類否判断について、理解を深めることを目的とする。
 具体的には、①商品・役務の類似・非類似を判断する基本原則、②商品間の類似・非類似、③役務間の類似・非類似、④商品・役務間の類似・非類似、の4点について比較・検討する。
 なお、著名商標の類似性、同一図形要素商標の類似性については、商品・役務の類似性を超えて保護される可能性があることから論じていない。

2.商標の類似・非類似を判断する際の基本原則
 現在、商標の類似・非類似の判断は、ベトナムの知的財産法、およびそれに対応する以下の規則に準拠する:

・知的財産に関する2005年11月29日法律第50/2005/QH11号(2009年、2019年、2022年に改正・補足)(以下、「知的財産法」という。)
https://drive.google.com/file/d/1JtFe0bhucgnMVObOtHSXOCR0NYp13gnM/view?usp=sharing
・通達第16/2016/TT-BKHCN号(2016年6月30日付)(2007年2月14日付通達第01/2007/BKHCN号、2010年、2011年、2013年、2016年に修正・補足)(以下、「通達」という。)
https://ipvietnam.gov.vn/documents/20195/702193/5.+Circular+16.2016.doc/10e75563-a4dd-4c3f-a285-cf239585cca1

 ベトナム知的財産庁(以下、「IP Viet Nam」という。)における商標の審査手法は、本質的には、日本とほぼ同様であり、絶対的要件と相対的要件の両方に基づいて、出願商標の登録可能性を検討する。IP Viet Namにおける商標の実体審査の順序は、通常、以下の通りである:
a) 商標の識別力の評価:出願人の証拠や書類を受領した場合、まず、広範な使用や周知性による商標の識別性を検討する。
b) 引用商標の検索:国内外の商標データベース、およびその他の情報源から、引用商標を検索する。
c) 出願商標と引用商標との類似性の評価:原則として、出願商標と引用商標の類否判断は、標識(mark)と商品・役務との両面から行う。標識の類似は、公衆に与える影響を評価するために、標識の構造、内容、称呼、外観及び観念(意味)を比較することにより判断する。商品・役務の類似性は、その性質(要素、構造)、機能、使用目的、出所、販売・流通経路に基づいて判断する。
d) 出願商標の登録可能性:出願商標の登録可能性について、その保護範囲とともに結論を下す。

 ベトナムには、日本のような指定商品・役務を「類似群」に分類する制度は公式には設けられていない。しかし、実務的には、IP Viet Namの審査官は、商品・役務の類似性を検討する際に、日本と同様な類似性評価を適用している。例えば、第5類の「医薬品」と第10類の「医療器具」は、医療用として同一の目的を有するため、互いに類似するものとみなされ、また、第42類の「建築物の設計・測量」は、第37類の「建築工事」とともに建築目的で提供されるため、類似するものとみなされる。

3.商品間の類似・非類似について
3-1.商品間の類否判断手法

 通達の第39.9条において、商品の性質(要素、構造)、機能、使用目的、出所、販売・流通経路の観点から商品を比較する類似・非類似の判断方法が示されている。しかし、ベトナムでは、商品・役務の評価に関する詳細な審査ガイドラインは、現在、存在していない。

 なお、通達では、同一とは、(i)性質、機能及び使用目的が同一である場合、または、(ii)性質がほぼ同一であり、機能及び使用目的が同一である場合、とされている。

事例1:「自転車」と「オートバイ」
いずれも第12類で同じ陸上車両であるため、同一の商品とみなされる。

 また、類似とは、(i)類似の性質を有し、(ii)類似の機能及び使用目的を有し、(iii)同一の商業経路で販売される(同一の形態で流通している、または、同一の種類の店舗で共に販売もしくは競合している)場合とされている。

事例2:「第3類の歯磨き粉」と「第21類の歯ブラシ」
同じ店舗で一緒に販売されているため、類似の商品とみなされる。

 以下は、標識は同一であっても、商品について非類似として、ベトナムで保護された事例である。

事例3:商品が類似として拒絶され、類似商品を削除して認容された審決例
出願した国際登録商標「VANQUISH」(第1045076号、第18類:バッグ等、ポーチ、ハンドバッグの枠、財布の枠、皮革の工業用包装容器、化粧箱(嵌め込み式でないもの)、傘、ステッキ、杖、杖およびステッキの金属部品、ステッキの柄、毛皮、)に対し、引用商標として国際登録商標「VANQUISH」(第901894号、第28類:ゴルフクラブ、ゴルフバッグ、ゴルフクラブ用ヘッドカバー)が引用され、第18類の商品が類似するとの拒絶査定を受けた。出願人は、第18類の下線部分残して、他を削除補正の上、審判請求した。
 審判部は、「(補正後の)商品は、通常の小売店で販売され、一般消費者に販売されている。したがって、特徴的なスポーツであるゴルフに特別な関心を持つ特定の顧客をターゲットとして、ゴルフ業界に特化し、ゴルフスポーツの専門店で販売されている引用商標を付した商品と類似する可能性はない。」との審決を下した。

3-2.ニース分類の活用と参考商品・役務名リスト
 現在、IP Viet Namでは、ニース分類の第12版が採用されており、下記リンクにおいて、参考商品・役務名のアルファベットリストが英語・ベトナム語で併記の上、公開されているので活用されたい。
https://ipvietnam.gov.vn/documents/20182/1425331/%28IPVIETNAM+PORTAL%29+NICE+CLASS+version+12-2023.pdf/fbcb4fc5-487e-468c-a291-63450e79254d

3-3.商品を指定する際の注意点
 一般に、IP Viet Namは、類見出しの商品を受理しない(ニース分類のアルファベットリストにも記載されている場合を除く)。したがって、出願人は、IP Viet Namからの拒絶を避けるために、ニース分類のアルファベットリストに記載されている特定の商品を選択する必要がある。

4.役務間の類似・非類似について
4-1.役務間の類否判断手法

 商品と同様に、役務の類似性も、役務の性質(要素、構造)、機能、使用目的、出所、販売・流通経路の観点から判断する。同一および類似に関する基準も商品と同様である。

 以下は、標識は類似だが、関連する役務の相違により、登録が認められた例である。

4-2.小売役務
 以前は、第35類の「小売役務」という用語は許容されていたが、現在では、漠然としすぎていると判断され、出願人は小売役務の対象となる商品を特定しなければ、拒絶される。
 「特定の商品の小売役務」を指定する出願商標は、商品にかかわらず、同一・類似の小売役務を指定する引用商標が存在すれば、原則、登録は認められない。ただし、引用商標の小売対象となる商品が、出願商標の「特定の商品」と誤認・混同するおそれがないと判断された場合、類似とはされない。

 以下は、一般役務「小売役務」を指定した出願が拒絶理由通知を受けた事例である。

事例5:「小売役務」を含む国際登録商標に対し拒絶通報が出された例
 出願された国際登録商標「BETTR」(第1663894号)は、第35類としてさまざまな商品の小売役務に加え、第30類、第41類、第43類を指定していたところ、(i)「小売役務」の用語が曖昧すぎること、および(ii)本願商標は、国際登録商標「BETTER, device」(第1566946号、第7類「電池製造機;電池ケーブル圧延機;電池コアプレス機;電池セル密封機;電池産業用機械」を引用して、類似である、として拒絶された。
 出願人は、「小売役務」を「コーヒー、ココア、茶製品およびそれに付随するコーヒー・茶製品、すなわちコーヒーカップ、コーヒータンブラー、コーヒーフラスコ、コーヒー器具および付属品、紅茶器具および付属品、ホールビーンおよび挽いたコーヒー、茶葉、ティーポット、ステッカー、包装・調理された食品・飲料、石鹸および石鹸製品に関する小売役務」に補正し、引用商標の商品とは実質的に異なる旨を主張し、現在も依然として係属中(審査中)である。

 この事例は、「特定の商品の小売役務」を指定した出願商標が、当該商品を指定する類似先行商標の引例によって拒絶される例が示されている。つまり、商品対商品、役務対役務の場合だけでなく、役務対商品の場合にも引用される可能性を示している。この場合、出願人は、商品商標と重ならないように「小売役務」の範囲を限定する必要がある。

4-3.役務を指定する際の注意点
 IP Viet Namは、ニース分類のアルファベットリストに記載以外の役務を認めていない。したがって、出願人は、ニース分類のアルファベットリストに記載されている特定の役務を選択し、拒絶を回避する必要がある。

5.商品・役務間の類否について
 以下の場合、商品と役務とが類似していると判断される:
(i) 両者がその性質において関連性を有する場合(自動車と自動車修理サービスなど両者が互いに関連性を有する場合)、
(ii) 両者がその機能において関連性を有する場合(化粧品と化粧品販売など両者がその機能を果たすために互いに依存する場合)、または
(iii) 両者がその実施方法において密接な関連性を有する(事例6のように、一方が他方の使用または利用の結果である)場合。

事例6:「第25類:被服」と「第40類:裁縫」
「被服」は、「裁縫」から生み出されるため、類似とみなされる。

【まとめ】
 ベトナムでは、商品・役務の類否判断について、日本のような類似群制度は採用されておらず、商品間、役務間および商品・役務間のいずれについても、性質(要素、構造)、機能、使用目的、出所、販売・流通経路の観点から比較して類否を判断する方法が、採用されている。
 また、役務については、ニース分類のアルファベットリストに記載されている特定の役務しか採用されていないことに留意する必要がある。

ベトナムにおける特許制度のまとめ-手続編

1.出願に必要な書類

 特許出願について、願書、クレームを含む明細書、所定の手数料および料金の納付証が、出願受理のために必要な最低限の書類とされる(ベトナム知的財産法第108条、科学技術省通達01/2007/TT-BKHCNを改正する通達16/2016/TT-BKHCN(2018年1月15日付発効)(以下「通達」という)7.1 a))。最低限の書類がそろっている場合には、出願を受理し、出願日を認定する(通達12.2 a))。

関連記事:「ベトナムにおける特許・実用新案出願制度概要」(2019.06.27)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17469/

2.記載が認められるクレーム形式

(1) 認められるクレーム形式
 特許審査ガイドライン(QUY CHẾ THẨM ĐỊNH ĐƠN ĐĂNG KÝ SÁNG CHÊ 5.7.3.2 a)には、保護を主張する各請求項は、製品(構造、装置、化合物、医薬品、化粧品、食品など)または工程(製造工程、調製工程、通信方法、加工方法など)の形で、保護が必要な1つの対象物についてのみ言及し、一文で記述しなければならない、と記載されている。

(2) 認められないクレーム形式
 原則として、各請求項は独立しており、他の請求項を参照することはできない。ただし、その参照によって、他の請求項の全内容の繰り返しを避けることができる場合を除く。参照する請求項は、参照される請求項の直後に記載しなければならない(通達23.6 c)(viii))。

関連記事:「ベトナムにおけるプロダクト・バイ・プロセス・クレームの解釈の実務」(2017.05.23)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/13679/

3.出願の言語

 提出書類はベトナム語により作成されていることが必要である(ベトナム知的財産法第100条第2項、通達7.2 b)(ii))。委任状、特許等を受ける権利の承継を証明する書類、優先権証明書は外国語の原本にベトナム語の翻訳を付すことも可能である。外国語書面出願はない。

関連記事:「日本とベトナムにおける特許出願書類の比較」(2020.04.02)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/18403/

4.グレースピリオド

 ベトナム知的財産法第60条第3項に規定されているが、特許を受ける権利を有する者またはその者から直接もしくは間接に当該発明について情報を取得した者によって公開されているときは、発明登録出願がベトナムにおいて公開の日から12か月以内に行われることを条件として、グレースピリオドが認められる。

5.審査

(1) 実体審査:あり

(2) 審査請求制度:あり(ベトナム知的財産法第113条)
 (a) 審査請求期間:特許出願の場合には出願日または優先日から42か月以内に、出願人またはいかなる第三者も審査請求をすることができる。実用新案出願の場合には、出願日または優先日から36か月以内に同様に審査請求をすることができる。
 (b) 請求人:出願人またはいかなる第三者も審査請求をすることができる。

(3) 早期審査(優先審査):あり
 日本出願に基づく日ベトナム間の特許審査ハイウェイ(「PPH」)試行プログラムに基づいて、申請要件を満たすベトナム国家知的財産庁(以下、「知的財産庁」という)への出願につき、関連する書類の提出を含む所定手続を行うことで早期審査を申請することができる。

関連情報:日ベトナム特許審査ハイウェイ試行プログラムについて
https://www.jpo.go.jp/system/patent/shinsa/soki/pph/japan_vietnam_highway.html

(4) 出願を維持するための料金:不要

関連記事:「ベトナムにおける特許審査基準関連資料」(2016.01.29)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/10250/

関連記事:「ベトナムにおける特許の早期権利化の方法」(2015.03.31)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/8498/

6.出願から登録までのフローチャート

(1) 出願から登録までの特許出願のフローチャート

(2) フローチャートに関する簡単な説明
(A) 方式審査の期間は出願から1か月であり、知的財産庁は出願人にその結果を通知しなければならない。方式審査において不備が認められた場合、出願人に対し2か月の応答期間が与えられ、補正書や意見書の提出が可能である(通達13.6 a))。提出期間は2か月延長が可能である(通達9.2)。

(B) 公開前に審査請求がされた場合は公開の日から18か月の期間内に、公開後に審査請求がされた場合は審査請求の日から18か月の期間内に実体審査を行うと規定されている(ベトナム知的財産法第119条)。ただし、実務上は必ずしも上記の期限内に終わるわけではない。
 法の定める保護要件を満たしていない場合、または法の定める保護要件を満たしているが不備がある場合には、実体審査報告を出願人に対して通知する。拒絶理由を明示したうえで、補正の提案を含むこともできる。応答期間は通知から3か月である(請求により3か月の延長可)(通達15.7 a)(i)および(ii)、9.2)。

(C) 登録許可通知から3か月の期間内に、登録料、公報発行手数料、第1年目の特許料の納付などをすべき旨を、出願人に対して通知する(通達15.7 a)(iii))。

関連記事:「ベトナムにおける特許・実用新案出願制度概要」(2019.06.27)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17469/

[権利設定前の争いに関する手続]
7.拒絶査定に対する手続

 拒絶理由に対し反論や補正を行わない場合、あるいは行ったが拒絶理由が解消しない場合には拒絶査定となる。一般的には、出願人は知的財産庁に対する審判請求を査定受領から90日以内に行い、知的財産庁長官が審決を確定する。審決に不服のある場合には、科学技術省への不服申立を審決受領後30日以内に行い、科学技術大臣が不服申立への決定を行う(政府決議第14条、通達22、Luật khiếu nại(日本語「不服申立法」))。
 また、改正された通達22.1において、知的財産庁の処分への審判請求に関し、対象となる決定等の範囲が明確化され、出願の補正や審査段階で提出されなかった新規資料などは、拒絶査定不服審判では検討の対象外となることが規定された(通達22.1 c))。
 さらに、改正された通達15.7 b)の第2段落において、「新規資料(審査段階で検討されていない)であって審査結果に影響を与えうるもの」を出願人が提出した場合には、拒絶査定を取り消して、審査を再開すると規定している。ただし、何がここでいう「新規資料」に該当しうるのかといった詳細な規定はないこと、拒絶査定を受けてからいつまでそのような提出が可能なのか規定されていないこと、常にそのような新規資料の提出が可能であれば権利関係の安定性に疑問もあること、といった検討すべき課題もある。

関連記事:「ベトナムにおける特許出願に関する方式審査上の拒絶理由通知」(2015.03.31)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/8516/

8.権利設定前の異議申立

 あり。出願が公報に掲載された日から登録証付与に関する決定の日までは、如何なる第三者も、当該出願に関する登録許可または拒絶に関して知的財産庁に意見を提示する権利を有する(ベトナム知的財産法第112条)。

9.上記7の判断に対する不服申立

 行政訴訟法(Luật tố tụng hành chính)に基づく訴訟により、裁判所で争うことも可能であるが、一般的にはあまり利用されていない。

[権利設定後の争いに関する手続]
10.権利設定後の異議申立

 なし

11.設定された特許権に対して、権利の無効を申し立てる制度

(1) 特許は、次の場合に完全に無効とされる。
 (i) 出願人が発明の特許を受ける権利を有しないか、または譲渡されていなかった場合
 (ii) 発明が特許付与日において保護要件を満たしていなかった場合
(2) 特許の保護対象の一部が保護要件を満たしていないときは、一部無効とされる。
(3) 特許の有効期間中、第三者は所定の手数料の納付を条件として、(1)および(2)の場合、特許の無効を知的財産庁にいつでも請求することができる(ベトナム知的財産法第96条)。
 無効理由:特許を受ける権利(ベトナム知的財産法第86条)、特許の一般的要件(同第58条)、特許の保護の対象とならないもの(同第59条)

12.権利設定後の権利範囲の修正

 特許権者は、特許請求の範囲を訂正することができる。
 ただし、請求項の削除による権利範囲の減縮のみ可能である(通達20.1 b)(iii))
 日本の訂正審判に相当する制度は存在しない。

13.その他の制度

 産業財産権に関する侵害鑑定等を行う専門機関(VIPRI、http://vipri.gov.vn/)がある(ベトナム知的財産法第201条)。

ベトナムにおける商標の調べ方

 ベトナム国家知的財産庁(IP VIETNAM)は、2022年9月1日からIPLIBの運用停止、WIPO PUBLISHツールへの切替えを発表した(https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Ipnews/asia/2022/vn/20220913.pdf)。

(1) IP VIETNAMウェブサイト(https://ipvietnam.gov.vn/en/web/english/home)へアクセスし、トップページ中段、図1の「IP INFORMATION SEARCH」の赤線で囲んである「WIPO PUBLISH(Trademarks)」をクリックすると、図3の画面が表示される。または、http://wipopublish.ipvietnam.gov.vnに直接アクセスすると図2の画面が表示される。

図1:IP VIETNAMトップページ

図2:WIPO PUBLISH IP VIETNAM画面

(2) 図2の緑線で囲んである画面右上部で、言語表記を変更することができる。初期設定は英語である。本稿では、日本語表記画面の紹介をする。画面右上部の赤線で囲んである「商標」をクリックすると、図3の画面が表示される。

図3:検索画面

(3) 検索画面(図3)の緑線で囲んである初期設定で表示される項目は、以下のとおり。参考までに日本語、英語を併記する。
・出願番号(Filing Number)
・商標(Mark)
・出願人(Applicant)
・ニース分類(Nice Classes)
・代理人名(Representative Name)

図3の赤線で囲んである欄から、検索項目を選択追加することができる。以下に、主な検索項目を紹介する。
・国(Countries)
 〇出願人国籍(Applicant Country)
 〇出願国(Filing Country)
 〇公開国(Publication Country)
 〇優先権の詳細(Priority Details)
・分類(Classification)
 〇ニース分類(Nice Classes)
 〇ニース分類の説明(第二言語)(Nice Class Description)
 〇ウィーン分類(Vienna Classes)
・日付(Dates)
 〇Filing Date(出願日)
  ■(今日)Today
  ■(過去6ケ月)Last 6 Months:選択すると本日から過去6か月が設定される。
  ■年から日付(Year to Date):選択すると本年の元日から本日が設定される。
  ■特定日(Specific Date):カレンダーまたは直接入力(yyyy.mm.dd)して日にちを特定することできる。
  ■すべての日以前(All Dates Before):カレンダーから特定した日以前が設定される。
  ■すべての日以降(All Dates After):カレンダーから特定した日以降が設定される。
  ■期間(Date Range):調査したい日付(開始日と終了日)を選択し、Applyボタンをクリックすると設定される(図4参照)。
 〇公開日(Publication Date)
 〇登録日(Registration Date)
 〇期間満了日(Expiration Date)
 〇優先日(Priority Date)
・名前(Names)
 〇出願人(Applicant)
 〇代理人名(Representative Name)
・番号(Numbers)
 〇登録番号(Registration Number)
 〇出願番号(Filing Number)
 〇出願番号(Filing Number)
 〇優先権主張番号(Priority Number)
・その他(Miscellaneous)
 〇識別子(Identifier)
 〇商標(Mark)

(4) 以下に、出願人、出願人国籍、日付を条件設定し、検索した例を紹介する。
 (4-1) 図4のオレンジ線で囲んである「出願人(Applicant)」の欄に「Honda Motor Co., Ltd.」と入力する。
 (4-2) 赤線で囲んである項目一覧の「出願人国籍(Applicant Country)」を選択すると、入力欄が追加される。青線で囲んである「出願人国籍」の欄に「JP」と入力する。
 (4-3) 赤線で囲んである項目一覧の「出願日(Filing Date)」を選択すると、入力欄が追加される。「出願日(Filing Date)」の欄をクリックすると緑線で囲んであるカレンダーが表示される。カレンダーから日付を選択し、「適用(Apply)」をクリックすると「出願日(Filing Date)」に条件が表示される。図4は、「全ての日付以前(All Dates Before)」を選択し「8月25日 2023」を選択し、2023年8月25日以前を条件設定した例である。
 (4-4) 水色線で囲んである「検索」をクリックすると検索結果が表示される。

図4 検索画面

図5 検索結果画面

(5) 確認したい案件にポインターを当て、任意の個所をクリックすると案件の詳細が表示される(図6aおよび図6b)。初期設定では項目のみ表示されている欄がある。確認したい欄をクリックすると詳細が表示される。図6bは、図6aに示す画面の1番下に表示された「イベント(Event)」をクリックした例である。

図6a 案件詳細画面1

図6b 案件詳細画面2

(6) 図7の検索結果画面の緑線で囲んである「×」を個別にクリックすると個別の検索条件をクリアすることができ、青線で囲んであるごみ箱マークをクリックすると設定した検索条件を全てクリアすることができる。

図7 検索結果画面(図5再掲)