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台湾の知的財産関連機関・サイト

(1) 立法機関
(a)立法院 https://www.ly.gov.tw/Home/Index.aspx
 立法院は、国家最高立法機関であり、国民が選出した立法委員で構成され、国民を代表して立法権を行使する。立法委員の任期は4年であり、連続就任することも可能である。立法院は、自主的に会期を設け、毎年2月から5月末および9月から12月末の法定集会期間以外に、必要に応じて法のもとで会期を延長することもできる。

(2) 行政機関
(a)経済部 https://www.moea.gov.tw/Mns/populace/home/Home.aspx
 経済部は、行政院のもとで、国家経済の発展計画の設計、監督、指導等を担当する。現在、6司6処、その下に10の三級機関(経済部智慧財産局、産業発展署等の機関を含む)および1つの訓練機関、4つの事業機構および58の在外商務機関が設置されている。

(b)経済部智慧財産局(中国語(繁体字)「經濟部智慧財產局」) https://www.tipo.gov.tw/tw/mp-1.html
 経済部智慧財産局は、新規の発明を奨励し、知的財産権の尊重、活用、保護を職責とし、専利(特許、意匠および実用新案を含む)審査、商標登録、営業秘密の保護、集積回路配置の登録、模倣の取締りを行っている。6組(専利審査一組、専利審査二組、専利紛争審査組、専利行政企画組、商標権組、著作権組)、6室(国際および法律事務室、秘書室、情報室、人事室、会計室、政府倫理室)と、経済部CD共同調査検査照合組で組織されている。また、新竹、台中、台南、高雄には、地方コンサルティングサービスセンターを設置している。

(c)経済部経済法制司 https://www.moea.gov.tw/Mns/colr/home/Home.aspx
 2023年9月26日より、従来の法規委員会および経済部訴願審議委員会は、「経済部経済法制司」に統合された。経済部経済法制司は、経済法務の企画と調整等の事項等を担当するほか、経済部智慧財産局含め経済部所属機関の行政処分が違法あるいは不当であるとして提起された行政不服申立(中国語「訴願」)案件、各県(市)政府、直轄市政府、経済部所轄監督範囲に属する事項に関する行政処分が違法あるいは不当であるとして提起された行政不服申立案件等も処理する。ウェブサイト(https://pamsdmz.moea.gov.tw/pams-public/page/decision-doc-query)で、経済部智慧財産局の専利または商標に対する査定の行政不服の決定書を検索できる。

(d)経済部国際貿易署 https://www.trade.gov.tw/
 経済部国際貿易署は、貿易政策、法規の研究、制定および執行、国際貿易組織活動への参加、貿易交渉、紛争処理および調整、自由貿易協定署名の推進等を行う。その他、貨物の輸出入、輸出入メーカーの管理と指導、対外貿易の促進、海外市場の開拓、在外商務機構との連絡と調整、貿易関連業務を行う法人、団体への指導等をその職務とする。

(e)経済部産業発展署 https://www.ida.gov.tw/ctlr?PRO=idx2015&lang=0
 2023年9月26日より、経済部工業局から「経済部産業発展署」に組織名を変更した。経済部産業発展署は、全国の工業発展のための業務を担当し、産業の包括的なサービスを提供する。また、台湾工業の改良・転換や、企業の事業構造強化のための指導に努め、生産力および国際競争力の向上を目指す。
(上記URLはご利用のパソコンの設定状況により繋がりにくい場合があります。)

(f)関務署(中国語「財政部關務署」(財政部関務署)) https://web.customs.gov.tw/
 関務署は、財政部に属する関税業務の執行機関であり、財政部大臣(中国語「部長」)の命令に従い、関税政策および法令の研究、制定を行う。また、関税の徴収、密輸取締り、保税、貿易統計、その他の機関から委託された税金の徴収、管理の代理執行等を行う。

(g)行政院 https://www.ey.gov.tw/
 行政院は、国家最高行政機関であり、本院には院長、副院長が設置される(院長が事情により職務にあたることができない場合には、副院長が代理でその職務を務める)。内政部、外交部、国防部、財政部、経済部等の行政院直轄機関は、法案立法の改善や法制度の完備、健全な施策に努める。

(3) 司法機関
(a)知的財産・商業裁判所(中国語「智慧財產及商業法院」) https://ipc.judicial.gov.tw/tw/mp-091.html
 刑事訴訟の遅滞を回避して紛争解決を促進し、また裁判官に知的財産案件の経験を積ませて専門家を育成すること等を目的として、2008年7月に知的財産裁判所が設立された。また、迅速で適切かつ専門的で重大な民事商業紛争の審理手続を確立するため、2021年7月に、商業法廷を設けることとし、「知的財産・商業裁判所」に名称変更された。それとともに、知的財産法廷が設置され、知的財産に関する民事訴訟、刑事訴訟および行政訴訟の審議実務について、その管轄において迅速かつ積極的に正確な審理を行い、統一的見解を出すことを目指している。

(b)最高裁判所(中国語「最高法院」) https://tps.judicial.gov.tw/tw/mp-011.html
 最高裁判所は、民事・刑事訴訟の最終審機関であり、訴額が150万台湾元を超えない民事事件、および刑事訴訟法第376条に列記された刑事事件を除く民事・刑事事件を取扱い、知的財産・商業裁判所の第2審判決に不服がある場合の民事・刑事訴訟案件等も最高裁判所の管轄である。

(c)最高行政裁判所(中国語「最高行政法院」) https://tpa.judicial.gov.tw/tw/mp-021.html
 最高行政裁判所は、行政訴訟の最終審機関であり、簡易訴訟事件を除いて、専利法(特許、実用新案、意匠)、商標法、著作権法、営業秘密法などの法令による知的財産に関わる行政事件を取扱い、知的財産・商業裁判所の第1審判決に不服がある場合の行政訴訟案件は最高行政裁判所の管轄である。

(d)司法院 https://www.judicial.gov.tw/tw/mp-1.html
 司法院は、解釈権、審判権、懲罰権および司法行政権を司り、院長、副院長を含む15名の大法官から成る。憲法の解釈および法律命令の統一的解釈権、大統領(中国語「總統(総統)」)、副大統領の弾劾および政党違憲解散案件についての裁判権、民事・刑事・行政訴訟案件の裁判権等の権限を有する。司法院院長および副院長は司法行政権を行使し、所属する各機関を監督し、司法制度の健全化、司法業務の業績・裁判品質の向上等を目指す。
 台湾の知的財産事件に関する判決書および決定書の検索は、司法院法学資料検索システムのウェブサイト(https://judgment.judicial.gov.tw/FJUD/default.aspx)からアクセス可能である(検索方法については、次のリンクの記事「台湾における判決の調べ方―台湾司法院ウェブサイト」を参照されたい。https://www.globalipdb.inpit.go.jp/judgment/19586/)。
(*注:上記記事は、本稿作成後、2023年11月2日付で更新されています。https://www.globalipdb.inpit.go.jp/judgment/37630/

 上記で紹介した司法機関および行政機関について、知的財産事件に関する訴訟もしくは行政救済のプロセスは、図1の通りである。

図1

(4) その他知的財産関係機関・サイト
(a) 台湾知的財産アカデミー(中国語「智慧財產培訓學院」) https://www.tipa.org.tw/tc/index.php
 台湾知財アカデミーは、経済部智慧財産局指導のもとで2005年に「知的財産専門人員育成訓練計画」の執行を国立台湾大学に委託し設立された。台湾全国の育成訓練機関を通じて知的財産の専門人材を育成、訓練し、革新的な研究開発のために高水準の環境を整え、国家競争力の向上を目的とする。

(b) 台湾全国法規データベース(中国語「全國法規資料庫」) https://law.moj.gov.tw/index.aspx
 台湾全国法規データベースは、法務部全国法規データベース作業グループにより運営されるサイトである。憲法、法律、命令、最高裁判所判決、その他関連情報を提供しており、利用者は、必要な条文資料を検索後、当該条文と関連する司法解釈、判決、関連法規、法規沿革など各項関連資料を参照することができる。また、すでに公布されているが、効力が発生していない法規に関する注釈も閲覧できる。

(c) 日本台湾交流協会 https://www.koryu.or.jp/
 日本台湾交流協会は、台湾在留邦人旅行者の入域、滞在、子女教育等について各種の便宜をはかること、並びに、日台間において民間の貿易および経済、技術交流等が支障なく維持、遂行されるよう適切な措置を講ずることなどを目的として、日台間実務関係を維持するために設立された団体である。また、「台湾知財セミナー」(経済部智慧財産局委託事業)等のイベントを開催している。

(d) 台湾知的財産権情報サイト https://chizai.tw/
 台湾知的財産権情報サイト(経済部智慧財産局委託事業)は、日本台湾交流協会台北事務所が事務局となって管理・運営するウェブサイトである。同ウェブサイトでは台湾の知的財産に関する最新情報を日本語で紹介しており、誰でも無料で利用することができる。月2回程度のメルマガも発行しており、こちらも無料で利用可能である。

台湾における知的財産保護マニュアル

 「台湾知的財産保護マニュアル(旧 台湾模倣対策マニュアル)」(2022年3月、日本台湾交流協会)

目次
第1章 台湾の知的財産の概況 P.5
(台湾の知的財産権制度を理解するための基本的な用語、制度および関連する法令の概要を紹介している。また、主な知的財産関連機関、知的財産の動向(出願件数および模倣品取締まり件数の統計情報、意匠法改正の経緯、営業秘密漏洩の事例紹介)、知的財産分野における国際条約および他国との取決め等の締結状況、日本と台湾の知的財産制度の相違について紹介している。)

第1節 保護される知的財産と関連法規 P.5
一、はじめに P.5
二、専利法(特許・実用新案・意匠) P.10
三、商標法 P.14
四、著作権法 P.17
五、営業秘密を保護する法律 P.20
六、公平交易法 P.24
七、トレードドレスを保護する法律 P.27

第2節 主な知的財産関連当局 P.28
一、知的財産局 P.28
二、税関 P.29
三、警察・法務部調査局、検察庁 P.29
四、裁判所 P.30
五、公平交易委員会 P.31
六、小括 P.32

第3節 最近の台湾の知的財産の動き P. 32
一、コロナ禍における出願動向 P.32
二、修理条項導入に係る議論 P.34
三、営業秘密の漏洩事件等 P.35
四、統計情報から見る最近の模倣品取締の動向 P. 37

第4節 知的財産分野における他国・地域との関係 P.38
一、国際条約への加盟状況 P.38
二、他国・地域との間での覚書・取決め等の締結状況 P.39
三、他国・地域との会議・イベント等の実施状況 P.40

第5節 日本と台湾の知的財産制度の違い P.41

第2章 権利取得手続き P.43
(商標法、専利法(発明専利(特許)・新型専利(実用新案)・設計専利(意匠))の各法令に基づく保護対象の範囲、登録要件について説明している。また、商標、特許、実用新案、意匠の出願手続(必要書類、特許庁手数料、優先権主張、特殊な出願、方式審査、補正、実体審査、権利維持など)について解説している(出願から権利取得までの手続概要および必要書類の一覧表、フローチャートあり)。さらに著作権の保護要件、営業秘密についての保護要件や漏洩対策およびドメイン名の申請や紛争解決の流れについて関連する法令とともに解説している。)

第1節 商標 P.43
一、登録要件 P.43
二、出願手続きの流れ P.52
三、手続き P.56

第2節 特許 P.76
一、登録要件 P.76
二、出願手続きの流れ P.78
三、手続き P.84

第3節 実用新案 P.102
一、登録要件 P.102
二、出願手続きの流れ P.103
三、手続き P.107

第4節 意匠 P.114
一、登録要件 P.114
二、出願手続きの流れ P.120
三、手続き P.125

第5節 著作権 P.132

第6節 営業秘密 P.134

第7節 ドメイン名 P.142
一、ドメイン名の申請手続き P.142
二、ドメイン名にかかわる紛争解決の流れ P.142

第3章 知的財産権の保護・活用 P.144
(模倣品の発見から撲滅までの流れを説明している(税関登録による商標権・著作権侵害疑義物品輸出入差止め手続、刑事手続、民事訴訟のフローチャートあり)。また、権利譲渡・ライセンスの留意点について関連する法令とともに紹介している。)

第1節 模倣品対策 P.144
一、取り得る手段 P.145
(一)警告書送付 P.145
(二)税関の水際対策 P.147
(三)警察・検察庁への刑事告訴・告発 P.149
(四)民事訴訟 P.150
(五)権利種別と取り得る手段との関係 P.152
二、模倣品対策の基本的な考え方 P.152
(一)警告書送付の意義 P.152
(二)税関か警察かの選択 P.153
(三)刑事手続き又は民事手続きの選択 P.153
(四)商標権に対する侵害者からの反撃 P.154
(五)専利権に対する侵害者からの反撃 P.154
(六)自らの著作権の権利存在の立証 P.155
(七)その他、手段の選択や考慮すべき事項 P.155

第2節 権利譲渡・ライセンスの留意点 P.156
一、知的財産の譲渡 P.156
二、ライセンスの類型 P.159
三、ライセンス契約の留意点 P.161
四、ライセンスの登録要否、手続き P.169
五、ライセンス料に掛かる税金 P.169

第4章 知的財産関連の制度改正状況 P.171
(台湾の審判制度および代理人制度に関する改正案(専利法2020年12月30日、商標法2021年1月7日公表)の概要を紹介している*1。また、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)への加入に関する改正案*2、特許審査基準(コンピュータソフトウェア関連発明審査基準)の改訂について紹介している。)

*1:第4章に掲載されている内容は改正草案に基づいており、最終的に立法化される内容と相違がある可能性があることに留意されたい。2023年3月9日、「専利法」および「商標法」の一部条文改正草案は行政院会で可決された(https://www.tipo.gov.tw/en/cp-282-921973-b3023-2.html)。
*2:2022年4月15日立法院で可決された(https://www.tipo.gov.tw/en/cp-282-905020-8b515-2.html)。

第1節 審判制度改革 P.171
第2節 CPTPP加入への対応 P.176
第3節 コンピュータソフトウェア関連発明審査基準 P.178
第4節 商標代理人制度 P.179

第5章 よくある相談事例とその対応 P.180
(現地代理人選定における留意事項および実務上考えられる7つの事例についての対策や対応について紹介している。)

第1節 現地代理人選定にあたっての観点・確認事項 P.180
第2節 インターネットを介した模倣品への対策 P.181
第3節 知財の観点からの並行輸入対策 P.183
第4節 被疑侵害品発見時の対応 P.185
第5節 冒認商標出願に気づいたときの対応 P.186
第6節 他社から警告書を受け取った際の対応 P.187
第7節 現地代理店との契約問題 P.188
第8節 転職等に伴う営業秘密の流入・流出の防止 P.189

参考資料 P.191
(特許ライセンス契約見本、譲渡契約書フォーム(特許・実用新案・意匠)、委任状フォーム(特許)、台湾特許・実用新案・意匠登録出願 手数料表(2021年9月現在)を紹介している。)

索引 P.197

台湾における知財活動に有用なツール・支援策

 「台湾における知財活動に有用なツール・支援策」(2022年3月、日本台湾交流協会)

目次
はじめに P.4
第1章 関連当局の職掌 P.7
(台湾において知財支援に携わっている行政機関や関連する非営利法人について、知財関連支援の機能とともに概要を紹介している。)

第1節 行政機関 P.7
(一) 経済部 P.7
(二) 文化部 P.8
(三) 法務部 P.9
(四) 投資台湾事務所 P.9

第2節 その他 P.11
(一) 財団法人工業技術研究院 P.11
(二) 財団法人中衛発展センター P.12
(三) 財団法人情報工業策進会 P.13
(四) 財団法人台湾経済研究院 P.13
(五) 文化コンテンツ策進院 P.14
(六) 台湾知財訓練学院 P.14

第2章 各論 P.16
(各機関による知財支援の形式と内容を、第1章より詳しく説明している。第1節では台湾経済部が提供する費用面に対する支援について、第2節では、台湾経済部工業局や国税局が外国企業・台湾企業に提供している知財権関連の租税優遇措置について、第3節では、台湾の各機関が提供している知財検索データベースや知財情報プラットフォーム、技術マッチングプラットフォーム等の知財リソースの集約化について、第4節では、知的財産局が提供している専利早期審査や商標ファストトラック審査等の制度について、第5節では、台湾当局が制定した知財管理行動規範について、第6節では、台湾当局や非営利法人が専利や商標・著作権等について提供している知財関連の窓口コンサルティングや指導、個別支援について、第7節は、企業や法人からヒアリングで得られた実際の事例に基づき、支援策の運用状況を紹介している。)

第1節 費用面に対する支援(減免・補助) P.19
(一) 専利料減免 P.19
(二) 商標登録出願費用の減免 P.21
(三) 経済部主催の補助プログラムにおける知財経費の補助 P.22

第2節 税制上の優遇措置 P.24
(一) 外国企業に対する租税優遇 P.24
(二) 台湾企業(外国企業の台湾法人を含む)に対する租税優遇 P.33

第3節 知財情報の提供 P.41
(一) 知財関連検索 P.42
(二) 知財情報の発信 P.51
(三) 技術の需給マッチング及び取引プラットフォーム P.62
(四) 研修、セミナー関連情報 P.67

第4節 早期審査及び権利化 P.70
(一) 特許出願早期審査プログラム P.70
(二) 特許審査ハイウェイプログラム P.73
(三) 特許審査ハイウェイ利用サポート審査作業プログラム P.74
(四) 商標登録出願のファストトラック審査 P.78
(五) スタートアップ企業積極型特許審査試行プログラム P.80

第5節 知財管理体制の整備 P.82
(一) 台湾知財管理制度(TIPS) P.82
(二) IP プロモート推進・教育訓練課程 P.91
(三) 知的財産局による営業秘密保護ガイドライン P.91
(四) 情報策進会による営業秘密管理ガイドライン P.93
(五) 専利出願及び管理実務ハンドブック P.94

第6節 知財コンサルティング・権利運用 P.97
(一) 知財(専利・商標)窓口コンサルティングサービス P.97
(二) 中小企業外国出願専利コンサルティング支援事業 P.98
(三) 知財価値アップグレードプログラム P.99
(四) ブランディング・タイワン・プログラム P.101
(五) 産業専利知識プラットフォーム(IPKM)活用指導 P.107
(六) 中小企業知財価値アップグレードプログラム P.109
(七) 文化コンテンツ策進院による支援 P.112
(八) 工研院関連会社(IPIC)による知財管理支援 P.117
(九) 無形資産融資 P.121

第7節 成功事例  P.124
(一) 各支援策から生み出された商品・サービス等の成果 P.124
(二) 台湾技術取引情報サイト(TWTM)を介した知財マッチングの成功事例 P.130
(三) 中小企業 IP コンサルティングセンターの指導を受けた成功事例 P.131
(四) 「研究開発センター設立奨励プログラム」と「ブランディング・タイワン・プログラム」による指導を受けた成功事例 P.131
(五) 科研成果価値創造プログラム(価創プログラム)による指導を受けた成功事例 P.134

第3章 結論 P.137
(第2章で紹介した台湾当局の企業支援やその利用の方法を、知的財産権のライフサイクルに対応させながら説明している。また、企業が、最も効率的な形で最も適切な支援サービスを見つけ出す上で留意すべき原則を紹介している。)
(一) 台湾当局が知財権に関して行っている企業支援 P.137
(二) 知財権の支援を求める原則と方法 P.140
(三) ステップと戦略 P.143
(四) おわりに P.146

別添1 日本語・中国語用語対照表 P.147
別添2 経済部主催の補助プログラムの詳細 P.151
別添3 各検索システムの使用方法 P.177

トピック 目次
(第2章で紹介されているトピックの目次を提示している。)
トピック1 適切な支援サービスを見つけるための手引き P.16
トピック2 各専利検索システムの使い分け P.46
トピック3 台湾技術取引情報サイト(TWTM)を介したマッチングの流れ P.66
トピック4 審査迅速化に関する各プログラムの違い P.77
トピック5 台湾知財管理制度の認証を取得するメリット P.89
トピック6 知財関係の相談体制の使い分け P.119

台湾の知的財産関連機関・サイト

(1)立法機関

(a)台湾立法院 https://www.ly.gov.tw/Home/Index.aspx

立法院は国家最高立法機関であり、国民が選出した立法委員で構成され、国民を代表して立法権を行使する。立法委員の任期は4年であり、連続就任することも可能である。立法院は自主的に会期を設け、毎年2月から5月末および9月から12月末の法定集会期間以外に、必要に応じて法のもとで会期を延長することもできる。

 

(2)行政機関

(a)台湾経済部 https://www.moea.gov.tw/Mns/populace/home/Home.aspx

台湾経済部は、行政院のもとで、国家経済の発展計画の設計、監督、指導等を担当する。現在、18の幕僚機関、14の行政機関(経済部智慧財産局、工業局等の機関を含む)、4の事業機構および60の在外商務機関が設置されている。

 

(b)台湾智慧財産局(中国語(繁体字)「經濟部智慧財產局」) https://www.tipo.gov.tw/tw/mp-1.html

台湾智慧財産局(経済部智慧財産局)は、新規の発明を奨励し、知的財産権の尊重、活用、保護を職責とし、専利(特許、意匠および実用新案を含む)審査、商標登録、営業秘密の保護、集積回路配置の登録、模倣の取締りを行っている。7組(専利一組、専利二組、専利三組、商標権組、著作権組、資料サービス組、国際事務および総合企画組)、6室(秘書室、法務室、情報室、人事室、会計室、政府倫理室)と、経済部CD共同調査検査照合組で組織されている。また、新竹、台中、台南、高雄には、地方コンサルティングサービスセンターを設置している。

 

(c)台湾経済部行政不服審査委員会(中国語「經濟部訴願審議委員會」(経済部訴願審議委員会)) https://www.moea.gov.tw/Mns/aa/home/Home.aspx

台湾経済部行政不服審査委員会は、経済部智慧財産局含め経済部所属機関の行政処分が違法あるいは不当であるとして提起された行政不服申立(中国語「訴願」)案件、各県(市)政府、直轄市政府、経済部所轄監督範囲に属する事項に関する行政処分が違法あるいは不当であるとして提起された行政不服申立案件等を処理する。上記のウェブサイトで、経済部智慧財産局の専利または商標に対する査定の行政不服の決定書を検索できる(検索方法については、下記のリンクを参照されたい:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/etc/17123/)。

 

(d)台湾経済部国際貿易局 https://www.trade.gov.tw/

経済部国際貿易局は、貿易政策、法規の研究、制定及び執行、国際貿易組織活動への参加、貿易交渉、紛争処理および調整、自由貿易協定署名の推進等を行う。その他、貨物の輸出入、輸出入メーカーの管理と指導、対外貿易の促進、海外市場の開拓、在外商務機構との連絡と調整、貿易関連業務を行う法人、団体への指導等をその職務とする。

 

(e)台湾経済部工業局 https://www.moeaidb.gov.tw/ctlr?PRO=idx2015

経済部工業局は、全国の工業発展のための業務を担当し、産業の包括的なサービスを提供する。また、台湾工業の改良・転換や、企業の事業構造強化のための指導に努め、生産力および国際競争力の向上を目指す。

 

(f)台湾関税局(中国語「財政部關稅總局」(財政部関税総局)) https://web.customs.gov.tw/

台湾関税局は、財政部に属する関税業務の執行機関であり、財政部大臣(中国語「部長」)の命令に従い、関税政策および法令の研究、制定を行う。また、関税の徴収、密輸取締り、保税、貿易統計、航行設備の建設管理への協力、その他の機関から委託された税金の徴収、管制の代理執行等を行う。

 

(g)台湾行政院 https://www.ey.gov.tw/

台湾行政院は国家最高行政機関であり、本院には院長、副院長が設置される(院長が事情により職務にあたることができない場合には、副院長が代理でその職務を務める)。内政部、外交部、国防部、財政部、経済部等の行政院直轄機関は、法案立法の改善や法制度の完備、健全な施策に努める。

 

(3)司法機関

(a)台湾知的財産裁判所(中国語「智慧財產法院」) https://ipc.judicial.gov.tw/tw/mp-091.html

台湾知的財産裁判所は、刑事訴訟の遅滞を回避して紛争解決を促進し、また裁判官に知的財産案件の経験を積ませて専門家を育成すること等を目的として、2008年7月に設立された。知的財産に関する民事訴訟、刑事訴訟および行政訴訟の審議実務について、その管轄において迅速かつ積極的に正確な審理を行い、統一的見解を出すことを目指している。

 

(b)台湾最高裁判所(中国語「最高法院」) https://tps.judicial.gov.tw/tw/mp-011.html

最高裁判所は、民事・刑事訴訟の最終審機関であり、訴額が150万台湾元を超えない民事事件、および刑事訴訟法第376条に列記された刑事事件を除く民事・刑事事件を取扱い、知的財産裁判所の第2審判決に不服がある場合の民事・刑事訴訟案件等も最高裁判所の管轄である。

 

(c)台湾最高行政裁判所(中国語「最高行政法院」) https://tpa.judicial.gov.tw/tw/mp-021.html

最高行政裁判所は、行政訴訟の最終審機関であり、簡易訴訟事件を除いて、専利法(特許、実用新案、意匠)、商標法、著作権法、営業秘密法などの法令による知的財産に関わる行政事件を取扱い、知的財産法院の第1審判決に不服がある場合の行政訴訟案件は最高行政裁判所の管轄である。

 

(d)台湾司法院 https://www.judicial.gov.tw/tw/mp-1.html

司法院は解釈権、審判権、懲罰権および司法行政権を司り、院長、副院長を含む15名の大法官から成る。憲法の解釈および法律命令の統一的解釈権、大統領(中国語「總統(総統)」)、副大統領の弾劾および政党違憲解散案件についての裁判権、民事・刑事・行政訴訟案件の裁判権等の権限を有する。司法院院長および副院長は司法行政権を行使し、所属する各機関を監督し、司法制度の健全化、司法業務の業績・裁判品質の向上等を目指す。

知的財産事件に関する判決書および決定書の検索は、台湾司法院法学資料検索システムのウェブサイト(https://law.judicial.gov.tw/FJUD/default_AD.aspx)からアクセス可能である(検索方法については、下記のリンクを参照されたい。https://www.globalipdb.inpit.go.jp/judgment/14010/)。

 

上記で紹介した司法機関および行政機関について、知的財産事件に関する訴訟もしくは行政救済のプロセスは、図1の通りである。

 

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図1

 

(4)その他知的財産関係機関・サイト

(a)台湾知的財産アカデミー(中国語「智慧財產培訓學院」) https://www.tipa.org.tw/tc/index.php

台湾知財アカデミーは、経済部智慧財産局指導のもとで2005年に「知的財産専門人員育成訓練計画」の執行を国立台湾大学に委託し設立された。台湾全国の育成訓練機関を通じて知的財産の専門人材を育成、訓練し、革新的な研究開発のために高水準の環境を整え、国家競争力の向上を目的とする。

 

(b)全国法規データベース(中国語「全國法規資料庫」) https://law.moj.gov.tw/index.aspx

全国法規データベースは、法務部全国法規データベース作業グループにより運営されるサイトである。憲法、法律、命令、最高法院判例、その他関連情報を提供しており、利用者は、必要な条文資料を検索後、当該条文と関連する司法解釈、判例、関連法規、法規沿革など各項関連資料を参照することができる。また、すでに公布されているが、効力が発生していない法規に関する注釈も閲覧できる。

 

(c)日本台湾交流協会 https://www.koryu.or.jp/

日本台湾交流協会は、台湾在留邦人旅行者の入域、滞在、子女教育等について各種の便宜をはかること、並びに、日台間において民間の貿易および経済、技術交流等が支障なく維持、遂行されるよう適切な措置を講ずることなどを目的として、日台間実務関係を維持するために設立された団体である。また、「台湾知財セミナー」(特許庁委託事業)等のイベントを開催している。

 

(d)台湾知的財産権情報サイト https://chizai.tw/

台湾知的財産権情報サイトは、日本台湾交流協会台北事務所が事務局となって管理・運営するウェブサイトである。同ウェブサイトでは台湾の知的財産に関する最新情報を日本語で紹介しており、誰でも無料で利用することが出来る。月2回程度のメルマガも発行しており、こちらも無料で利用可能である。