台湾における判決の調べ方―台湾司法院ウェブサイト
(1) 司法院裁判書検索システム(中国語:「司法院裁判書系統」)のウェブサイト(https://judgment.judicial.gov.tw/FJUD/default.aspx)にアクセスする(図1-1)。
図1-1
図1-1は、簡易検索画面である。中央にあるオレンジ色の「更多條件查詢」(より多くの条件で検索)をクリックすると、以下の画面に切り替わる(図1-2)。
図1-2
(2) 図1-2の画面に表示されている第一列目は事件の類型であり、「憲法」、「民事」、「刑事」、「行政」と「懲戒(公務員懲戒)」という順番で分類されている。特に限定する必要がなければ、チェックしなくてもよい。
(i) 民事:専利(「専利」には特許、意匠および実用新案が含まれる。)、商標および著作権等の権利侵害の損害賠償事件はここに含まれる。
(ii) 刑事:商標、著作権等の権利侵害事件はここに含まれる。
(iii) 行政:例えば台湾知的財産局が行った専利および商標の無効審判に関する行政訴訟事件はここに含まれる。
(3) 次に図1-2の画面の左側で裁判所の名称を選択する。
(i) 全ての事件を検索する場合、「所有法院」(全ての裁判所)を選択する。
(ii) 民事事件:第一審事件を検索する場合、「智慧財産及商業法院」および各管轄地区の「地方法院」を選択する。第二審事件を検索する場合は、「智慧財産及商業法院」を選択する。第三審事件を検索する場合、「最高法院」を選択する。
※「智慧財産及商業法院」を選択すれば、旧「智慧財産法院」の判決も含めて検索される。
(iii) 刑事事件:第一審事件を検索する場合、各管轄地区の「地方法院」(営業秘密関連事件については「智慧財産及商業法院」も含む。)を選択する。第二審事件を検索する場合、「智慧財産及商業法院」を選択する。第三審事件を検索する場合、「最高法院」を選択する。
(iv) 行政事件:第一審事件を検索する場合、「智慧財産及商業法院」を選択する。第二審事件を検索する場合、「最高行政法院」を選択する。
(v) 同時に複数の「法院」を選択することが可能である(図2)。
※連続しない項目を選択する場合:Ctrlキーを押しながら、選択したい複数の裁判所の項目をクリックする。
※連続する項目を選択する場合(その1):選択したい裁判所のうち最上部に表示されている裁判所の項目を左クリックし、Shiftキーを押しながら、最下部に表示されている裁判所の項目をクリックする。
※連続する項目を選択する場合(その2):選択したい裁判所のうち最上部に表示されている裁判所の項目をクリックしながら最下部に表示されている裁判所の項目までカーソルを移動させる。
図2 裁判所名選択画面
(4) 第二列目以降は、「裁判字號(裁判番号)」、「裁判期間(裁判日)」、「裁判案由」、「裁判主文(判決の主文)」、「全文内容」、「裁判大小(判決のサイズの指定)」である。なお、入力は中国語(繁体字)で行う必要がある(図3)。数字は通常の算用数字でよい。
(i) 裁判字號:事件の裁判番号
(ii) 裁判期間:裁判日の範囲を限定して検索することができる。年、月と日の3つの欄に分けられているが、年の箇所は台湾の年号「民国」で入力しなければならない。その変換式は、「西暦-1911=民国年」である。
(iii) 裁判案由:事件の類型(例えば、「侵害專利權」と入力し、「送出査詢」ボタンをクリックすると、多数の専利権利侵害事件の判決が出てくる。)
(iv) 裁判主文:判決の主文の内容について検索することができる。
(v) 全文内容:検索したい判決のキーワードを入力することで検索することができる。例えば、裁判官または原告、被告の弁護士の氏名をキーワードとすることが可能である。
(ⅵ) 裁判大小:検索する判決のサイズ(推定容量)をキロバイト数で入力することができる。
図3 判決の検索画面
(5)キーワード等を入力し、「送出査詢」ボタンをクリックすると判決の検索が開始される(図4)。
図4 判決の検索画面
(6) 例えば、裁判所として「智慧財產及商業法院」を選択し、案件類別に「行政」を選択し、裁判字號に「98」年度「行專訴」字第「8」號と入力して検索すると、図5に示す検索結果画面が表示される。判決番号をクリックすると、判決全文を閲覧することができる(図6)。
図5 検索結果
図6 判決文
(7) 図6の画面右上の「歷審裁判」の欄には、各段階の裁判の判決と裁判番号が一覧表示される。一覧表から一審、二審、三審の判決にアクセスして閲覧することもできる(図7)。
図7
図7の画面右側の(a)マーク(灰色)が裁判番号の後ろに付いている場合、当該事件は係属中または当該裁判番号の判決書がアップロードされていないことを意味する。
また、(s)マーク(赤)が裁判番号の後ろに付いている場合、当該事件は最高裁判所または最高行政裁判所で審理されていることを意味する。
(8)図8の画面右上の「轉存PDF」という文字をクリックすると、判決原文のPDFファイルをダウンロードすることができる(図9)。
図8
図9
(9) 図10の画面右側の「附件圖表」欄では、その事件の図面または表等の添付書類を閲覧することができる。例えば、新型専利(実用新案)事件の場合、添付図面として明細書の図面が(図11)、添付表として新型専利の各要件と被疑侵害品の対比表が添付されることが多くみられる。一方、商標事件の場合、係争商標の図が添付されることが多い。
図10
図11
台湾における判決の調べ方―台湾司法院ウェブサイト
(1)台湾司法院法学資料検索システム(中国語:「司法院法學資料檢索系統」)のウェブサイト(https://law.judicial.gov.tw/FJUD/default_AD.aspx)にアクセスする(図1)。
図1
(2)図1の画面に表示されている第一列目は事件の類型であり、「民事」、「刑事」、「行政」と「公懲(公務員懲戒)」という順番で分類されている。
(i)民事:専利(特許、意匠および実用新案を含む)、商標及び著作権等の権利侵害の損害賠償事件はここに含まれる。
(ii)刑事:商標、著作権等の権利侵害事件はここに含まれる。
(iii)行政:例えば台湾知的財産局が行った専利と商標の無効審判に関する行政訴訟事件はここに含まれる。
(iv)公懲:知的財産事件とは関係ない。
(3)次に図1の画面の左側で裁判所の名称を選択する。
(i)全ての事件を検索する場合、「所有法院」を選択する。
(ii)民事事件:第一審事件を検索する場合、「智慧財産法院」を選択する。第二審事件を検索する場合も「智慧財産法院」を選択する。第三審事件を検索する場合、「最高法院」を選択する。
(iii)刑事事件:第一審事件を検索する場合、各管轄地区の「地方法院」を選択する。第二審事件を検索する場合、「智慧財産法院」を選択する。第三審事件を検索する場合、「最高法院」を選択する。
(iv)行政事件:第一審事件を検索する場合、「智慧財産法院」を選択する。第二審事件を検索する場合、「最高行政法院」を選択する。
(v)同時に複数の「法院」を選択することが可能である(図2)。
※連続しない項目を選択する場合:Ctrlキーを押しながら、選択したい複数の裁判所の項目をクリックする。
※連続する項目を選択する場合(その1):選択したい裁判所のうち最上部に表示されている裁判所の項目を左クリックし、Shiftキーを押しながら、最下部に表示されている裁判所の項目をクリックする。
※連続する項目を選択する場合(その2):選択したい裁判所のうち最上部に表示されている裁判所の項目をクリックしながら最下部に表示されている裁判所の項目までカーソルを移動させる。
図2 裁判所名選択画面
(4)第二列目以降は、「裁判字號(裁判番号)」、「裁判期間(裁判日)」、「裁判案由」、「裁判主文(裁判の主文)」、「全文内容」である。なお、入力は中国語(繁体字)で行う必要がある(図3)。
(i)裁判字號:事件の裁判番号
(ii)裁判期間:裁判日の範囲を限定して検索することができる。年、月と日の3つの欄に分けられているが、年度の箇所は台湾の年号「民国」で入力しなければならない。その変換式は、「西暦-1911=民国の年度」である。
(iii)裁判案由:事件の類型(例えば、「專利権損害賠償等」と入力すると、典型的な専利権利侵害事件の判決が出てくる。)
(iv)裁判主文:原告、被告の氏名等を入力することで裁判の主文の内容について検索することができる。
(v)全文内容:検索したい判決のキーワードを入力することで検索することができる。例えば、原告、裁判官または被告の弁護士の氏名をキーワードとすることが可能である。
図3 判決の検索画面
(5)キーワード等を入力し、「送出査詢」ボタンをクリックすると判決の検索が開始される(図4)。
図4 判決の検索画面
(6)例えば、裁判所として「智慧財產法院」を選択し、案件類別に「行政」を選択し、裁判字號に「98」年度「行專訴」字第「8」號と入力して検索すると、図5に示す検索結果画面が表示される。判決番号をクリックすると、判決全文を閲覧することができる(図5)。
図5 検索結果
図6 判決文
(7)図6の画面右上の「歷審裁判」の欄には、各段階の裁判の判決と事件番号が一覧表示される。一覧表から一審、二審、三審の判決にリンクして閲覧することもできる(図7)。
図7
(a)マーク(灰色)が裁判番号の後ろに付いている場合、当該事件は係属中または事件番号もしくは判決書がアップロードされていないことを意味する。
(s)マーク(赤)が裁判番号の後ろに付いている場合、当該事件は最高裁判所で審理されていることを意味する。
(8)図8の画面右上の「轉存PDF」という文字をクリックすると、判決原文のPDFファイルをダウンロードすることができる(図9)。
図8
図9
(9)図10の画面右側の「附件圖表」欄では、その事件の図面または表等の添付書類を閲覧することができる。例えば、新型専利(実用新案)事件の場合、添付図面として明細書の図面が(図11)、添付表として新型専利の各要件と被疑侵害品の対比表が添付されることが多くみられる。一方、商標事件の場合、係争商標の図が添付されることが多い。
図10
図11
台湾における判例の調べ方―台湾司法院ウェブサイト
(1)台湾司法院法學資料檢索系統のウェブサイト(http://jirs.judicial.gov.tw/)で第四欄の「裁判書査詢」をクリックしてください。
台湾司法院法學資料檢索系統のウェブサイト
(2)次の画面の第一列で裁判所の名称を選択します。ここでは、2000年以降の知的財産訴訟案件を検索することができます。
(i)民事案件:第一審案件を検索する場合、「智慧財産法院」を選択してください。第二審案件を検索する場合も「智慧財産法院」を選択してください。第三審案件を検索する場合、「最高法院」を選択してください。
(ii)刑事案件:第一審案件を検索する場合、各管轄地区の「地方法院」を選択してください。第二審案件を検索する場合、「智慧財産法院」を選択してください。第三審案件を検索する場合、「最高法院」を選択してください。
(iii)同時に複数の「法院」を選択することが可能です。
※連続しない項目を選択する場合:Ctrlキーを押しながら、選択したい複数の裁判所の項目をクリックしてください。
※連続する項目を選択する場合(その1):最初の裁判所の項目をクリックし、CtrlキーとShiftキーを同時に押しながら、最終の裁判所の項目をクリックしてください。
※連続する項目を選択する場合(その2):最初の裁判所の項目をクリックしながら最終の裁判所の項目まで移動してください。
裁判所名選択
(3)第二列は案件の類型であり、「刑事」、「民事」、「行政」と「公懲(公務員懲戒)」という順番で分類されています。
(i)民事:専利、商標及び著作権等の権利侵害の損害賠償案件を指します。
(ii)刑事:商標、著作権等の権利侵害案件を指します。
(iii)行政:例えば台湾知的財産局が行った専利と商標の無効審判に関する行政訴訟案件を指します。
(iv)公懲:知的財産案件とは関係ありません。
判例の類型画面
(4)第3列以下は、「判決字號(判決番号)」、「判決案由」、「判決日期(判決日)」、「裁判主文(判決の主文)」、「全文検索語詞」です。
(i)判決字號:案件の判決番号です。
(ii)判決案由:案件の類型(例えば「專利権損害賠償等」を入力すると、典型的な専利権利侵害案件の判決が出てきます)です。
(iii)判決日期:判決日の範囲を限定して検索することができます。年、月と日の3つの欄に分けられていますが、年度の箇所に台湾の年号「民国」で入力しなければならず、その変換式は「西暦-1911=民国の年度」です。
(iv) 裁判主文:原告、被告の氏名等を入力することで判決の主文の内容について検索することができます。
(v)全文検索:検索したい判決文のキーワードを入力することで検索することができます。原告または被告の弁護士の氏名をキーワードとすることもできます。
判例の検索画面
(5)キーワード等を入力し、「査詢」ボタンをクリックすることで判例の検索が開始されます。
判例の検索画面
(6)ここでは、例えば法院名稱で「智慧財産法院」を選択し、裁判類別で「民事類」を選択し、判決字號に「100」年「民專訴」字第「101」號と入力して検索してみます。検索結果画面は以下のようになります。判決番号をクリックすることで判決全文を読むことができます。
検索結果
判決文
(7)判決原文の右上における「歷審裁判」という文字をクリックすると、その画面に各段階の裁判の判決書と案件番号が一覧表示されます。一覧表示から一審、二審、三審の判決書にリンクして閲覧することもできます。
(8)判決原文の右上における「匯出PDF」という文字をクリックすると、判決原文のPDFファイルをダウンロードすることができます。
(9)判決原文の末尾に移動すると、その案件の図面または表等の添付書類を見ることができます。例えば、この新型専利(実用新案)案件の場合、図面は明細書の図面であり、そ表は新型専利の各要件と被疑侵害品の対比表です。一方、商標案件の場合、添付書類の図は係争の商標の図柄が多いです。