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台湾における特許制度のまとめ-実体編

1. 特許制度の特徴

(1) 加盟条約
 台湾はWTOには加盟しているが、パリ条約とPCTには未加盟である。WTO加盟国に対する第一国出願およびPCT出願を基礎とする優先権を伴う台湾出願が可能。ただし、PCT出願において、台湾を指定国とすることはできない。

(2) 特許早期審査(AEP)
 早期審査を申請できる事由は以下の4項目。
<事由1>:対応する外国出願が外国特許庁の実体審査を経て、特許査定されたもの。
<事由2>:対応する外国出願が、米国、日本、欧州特許庁の審査意見通知書およびサーチレポートの発給を受けているが、審査結果は出ていないもの。
<事由3>:ビジネスの実施上、早期の審査開始を必要とするもの。
<事由4>:グリーンエネルギー技術に関するもの。

関連記事:「台湾における特許早期審査(AEP)申請に関する統計」(2015.03.31)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/statistics/8295/

関連記事:「台湾における特許の早期権利化の方法」(2015.03.31)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/statistics/8270/

関連記事「台湾における特許出願の係属状況に関する統計」(2018.06.07)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/statistics/15327/

(3) 特許と実用新案のダブルトラック
 同一人が同一の創作について同日にそれぞれ特許出願および実用新案登録出願をするときは、出願時にそれぞれ申出をしなければならない。その特許査定前に、既に実用新案権を取得しているときは、特許主務官庁は、期間を指定していずれかの出願を選択するよう出願人に通知しなければならない。出願人がそれぞれについて申出をしなかったとき、または期間が経過してもいずれかの出願を選択しなかったときは、特許を受けることができない。
 出願人が前項の規定により特許を選択したときは、その実用新案権は、特許権が公告された日をもって消滅する。
 特許査定前に、実用新案権が既に当然消滅しているとき、または取消が確定しているときは、特許を付与しない(専利法第32条)。
 特許査定から公告までの間に、本法第32条の実用新案権が当然消滅しているとき、または取消が確定しているときは、特許を公告しない(専利法施行細則第26-2条)。

2. 発明の保護対象
 発明とは、自然法則を利用した技術的思想の創作を指す(専利法第21条)。
 コンピュータソフトウェア関連発明として、例えば、装置、システム、コンピュータが読み取れる記録媒体、コンピュータプログラムプロダクトまたはその他の類似名称を含むものが、出願対象の請求項となり得る(審査基準第2編第12章、【ソース】参照)。

 既知の医薬物質に関する第二医薬用途に基づく医薬発明または用法や用量を特徴とする医薬発明の場合、その技術的特徴は新規の医薬用途または用法もしくは用量であって医薬物質自体ではない(審査基準第2編第13章、【ソース】参照)。

関連記事:「台湾における医薬用途発明の特許保護」(2018.02.27)
URL:http://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/14590/

3. 特許を受けるための要件
積極的要件:特許要件(専利法第22条、同法第23条)
(1) 産業上利用することができること。
(2) 新規性、進歩性を有すること。

消極的要件:不特許事由(専利法第24条)
(1) 動物、植物、および動物や植物を生み出すための生物学的方法。ただし、微生物学的方法はこの限りでない。
(2) 人間または動物の病気の診断、治療または外科手術の方法。
(3) 公序良俗または公衆衛生を害するもの。

手続的要件(専利法第26条、同法第31条)
(1) 記載要件を満たしていなければならない。
(2) 最先に出願した者のみが特許を受けることができる。

関連記事:「台湾における特許出願制度概要」(2012.07.31)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/290/

関連記事:「台湾における特許および実用新案を受けることができない発明」(2015.06.30)
URL:http://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/8701/

関連記事:「台湾における請求項のサポート要件に関する実務的見解」(2015.08.11)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/8689/

4. 職務発明の取り扱い
 職務上完成した発明、実用新案または意匠とは、従業者が雇用関係下の業務で完成した発明、実用新案または意匠を指す(専利法第7条)。
 従業者が職務上完成した発明、実用新案または意匠について、その特許出願権および特許権は雇用者に帰属し、雇用者は従業者に相当の対価を支払わなければならない。ただし、契約で別段の約定がある場合は、それに従う(専利法第7条)。

関連記事:「台湾における職務上完成させた発明・実用新案・意匠及び著作物」(2014.08.22)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/6453/

5. 特許権の存続期間
(1)存続期間
 特許権の存続期間は、出願日から20年である(専利法第52条第3項)。

関連記事:「台湾における特許出願制度概要」(2012.07.31)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/290/

(2)特許権の存続期間の延長制度
 医薬品および農薬品の販売に主務官庁の許可が必要であることに起因して、特許権存続期間中に特許発明を実施することができない期間が生じた場合、5年を限度に1回に限り、特許権存続期間を延長することができる(専利法第53条)。

関連記事:「台湾における特許権の存続期間の延長制度」(2021.06.10)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/20107/

(3)審査の遅延による存続期間の延長補償
 特許権の存続期間の延長を申請するものについて、特許主務官庁が本来の特許権存続期間の満了時に、なおも査定していない場合、その期間延長が許可されたものと見なす。ただし、審査の結果、延長が認められなかった場合、原特許権存続間満了までとする(専利法第54条)。

関連記事:「台湾における特許権の存続期間の延長制度」(2021.06.10)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/20107/

台湾における特許制度のまとめ-実体編

1. 特許制度の特徴

 

(1) 加盟条約

台湾はWTOには加盟しているが、パリ条約とPCTには未加盟である。WTO加盟国に対する第一国出願およびPCT出願を基礎とする優先権を伴う台湾出願が可能。ただし、PCT出願において、台湾を指定国とすることはできない。

 

(2) 特許早期審査(AEP)

早期審査を申請できる事由は以下の4項目。

<事由1>:対応する外国出願が外国特許庁の実体審査を経て、特許査定されたもの。

<事由2>:対応する外国出願が、米国、日本、欧州特許庁の審査意見通知書およびサーチレポートの発給を受けているが、審査結果は出ていないもの。

<事由3>:ビジネスの実施上、早期の審査開始を必要とするもの。

<事由4>:グリーンエネルギー技術に関するもの。

 

関連記事:「台湾における特許早期審査(AEP)申請に関する統計」(2015.03.31)

URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/statistics/8295/

 

関連記事:「台湾における特許の早期権利化の方法」(2015.03.31)

URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/statistics/8270/

 

関連記事「台湾における特許出願の係属状況に関する統計」2018.06.07

URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/statistics/15327/

 

(3) 特許と実用新案のダブルトラック

同一人が同一の創作について同日にそれぞれ特許出願および実用新案登録出願をするときは、出願時にそれぞれ申出をしなければならない。その特許査定前に、既に実用新案権を取得しているときは、特許主務官庁は、期間を指定していずれかの出願を選択するよう出願人に通知しなければならない。出願人がそれぞれについて申出をしなかったとき、または期間が経過してもいずれかの出願を選択しなかったときは、特許を受けることができない。

出願人が前項の規定により特許を選択したときは、その実用新案権は、特許権が公告された日をもって消滅する。

特許査定前に、実用新案権が既に当然消滅しているとき、または取消が確定しているときは、特許を付与しない(専利法第32条)。

特許査定から公告までの間に、本法第32条の実用新案権が当然消滅しているとき、または取消が確定しているときは、特許を公告しない(専利法施行規則第26-2条)。

 

 

2. 発明の保護対象

発明とは、自然法則を利用した技術的思想の創作を指す(専利法第21条)。

コンピュータソフトウェア関連発明として、例えば、装置、システム、コンピュータが読み取れる記録媒体、コンピュータプログラムプロダクトまたはその他の類似名称を含むものが、出願対象の請求項となり得る(審査基準第2編第12章、【ソース】参照)。

 

既知の医薬物質に関する第二医薬用途に基づく医薬発明または用法や用量を特徴とする医薬発明の場合、その技術的特徴は新規の医薬用途または用法もしくは用量であって医薬物質自体ではない(審査基準第2編第13章、【ソース】参照)。

 

関連記事:「台湾における医薬用途発明の特許保護」(2018.02.27)

URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/14590/

 

 

3. 特許を受けるための要件

積極的要件:特許要件(専利法第22条、同法第23条)

(1) 産業上利用することができること。

(2) 新規性、進歩性を有すること。

 

消極的要件:不特許事由(専利法第24条)

(1) 動物、植物、および動物や植物を生み出すための生物学的方法。ただし、微生物学的方法はこの限りでない。

(2) 人間または動物の病気の診断、治療または外科手術の方法。

(3) 公序良俗または公衆衛生を害するもの。

 

手続的要件(専利法第26条、同法第31条)

(1) 記載要件を満たしていなければならない。

(2) 最先に出願した者のみが特許を受けることができる。

 

関連記事:「台湾における特許出願制度概要」(2012.07.31)

URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/290/

 

関連記事:「台湾における特許および実用新案を受けることができない発明」(2015.06.30)

URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/8701/

 

関連記事:「台湾における請求項のサポート要件に関する実務的見解」(2015.08.11)

URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/8689/

 

 

4. 職務発明の取り扱い

職務上完成した発明、実用新案または意匠とは、従業者が雇用関係下の業務で完成した発明、実用新案または意匠を指す(専利法第7条)。

従業者が職務上完成した発明、実用新案または意匠について、その特許出願権および特許権は雇用者に帰属し、雇用者は従業者に相当の対価を支払わなければならない。ただし、契約で別段の約定がある場合は、それに従う(専利法第7条)。

 

関連記事:「台湾における職務上完成させた発明・実用新案・意匠及び著作物」(2014.08.22)

URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/6453/

 

 

5. 特許権の存続期間

(1)存続期間

特許権の存続期間は、出願日から20年である(専利法第52条第3項)。

 

関連記事:「台湾における特許出願制度概要」(2012.07.31)

URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/290/

 

(2)特許権の存続期間の延長制度

医薬品および農薬品の販売に主務官庁の許可が必要であることに起因して、特許権存続期間中に特許発明を実施することができない期間が生じた場合、5年を限度に1回に限り、特許権存続期間を延長することができる(専利法第53条)。

 

関連記事:「台湾における特許権の存続期間の延長制度」(2013.05.21)

URL:www.globalipdb.inpit.go.jp/application/2896/

 

(3)審査の遅延による存続期間の延長補償

特許権の存続期間の延長を申請するものについて、特許主務官庁が本来の特許権存続期間の満了時に、なおも査定していない場合、その期間延長が許可されたものと見なす。ただし、審査の結果、延長が認められなかった場合、原特許権存続間満了までとする(専利法第54条)。

 

関連記事:「台湾における特許権の存続期間の延長制度」(2013.05.21)

URL:www.globalipdb.inpit.go.jp/application/2896/