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シンガポールにおける産業財産権の検索データベースの調査2022

 「ASEANにおける産業財産権の検索データベースの調査 2022」(2023年3月、日本貿易振興機構 バンコク事務所(知的財産部))

「ASEANにおける産業財産権の検索データベースの調査2022」(2023年3月、日本貿易振興機構 バンコク事務所(知的財産部))第5章 シンガポール

(目次)
第5章 シンガポール P.163
(シンガポール知的財産庁(IPOS)のデータベースであるIPOS Digital Hubシステム上の特許の案件データに基づき、2022年に公開された出願を対象とし算出した「出願から公開までに要した期間」、および2022年に登録された案件を対象とし算出した「出願から登録までに要した期間」について紹介している。また、2004年から2022年に①公開された案件、および②登録された案件について、それぞれ、①出願から公開まで、および②出願から登録までの経過期間の分布を、全案件、出願人国籍別、出願ルート別、技術分野別にグラフで紹介している。加えて、2019年から2021年までの各年の出願を対象とし算出した、全出願人を対象とした出願件数上位ランキング、日本国籍出願人を対象とした出願件数上位ランキング、技術分野別の出願件数上位ランキング、外国出願人のシンガポール第一国出願の出願件数上位ランキングを紹介している。さらに、2003年から2022年までの各年の出願についての2023年1月時点での登録率を紹介している。)

1. 特許 P.163
1.1 産業財産権の権利化期間 P.163
1.2 産業財産権の出願件数上位リスト P.185
1.3 登録率 P.191

シンガポールにおける新規性の審査基準に関する一般的な留意点(前編)

1. 記載個所
 発明の新規性については、シンガポール特許法第14条に規定されている。

第14条 新規性
(1) 発明は、それが技術水準の一部を構成しない場合は、新規とみなされる。
(2) 発明の場合の技術水準とは、その発明の優先日前の何れかの時点で書面若しくは口述による説明、使用又は他の方法により(シンガポールにおいてか他所においてかを問わず)公衆の利用に供されているすべての事項(製品、方法、その何れかに関する情報又は他の何であるかを問わない)を包含するものと解する。
(3) 特許出願又は特許に係わる発明の場合の技術水準とは、次の条件が満たされるときは、その発明の優先日以後に公開された他の特許出願に含まれる事項をもまた包含するものと解する。
(a) 当該事項が当該他の特許出願に、出願時にも、公開時にも、含まれていたこと、及び
(b) 当該事項の優先日が当該発明の優先日よりも早いこと
((4)以下省略)

 新規性に関する審査基準については、シンガポール特許審査ガイドライン(以下、「シンガポール特許審査基準」という。)の「第3章 新規性」に規定があり、その概要(目次)は、以下のとおりである。
第3章 新規性
A. 法廷要件(3.1-3.4)
B. 先行技術(3.5-3.10)
  i. 第三者による自明性(3.11-3.17)
C. 先行開示(3.18-3.24)
D. 実施可能性(3.25-3.29)
E. 公開物(3.30-3.38)
F. 黙示的開示(3.39-3.41)
G. 必然的な開示(3.42-3.48)
H. 誤った引用(3.49-3.53)
I. 予測される開示(3.54-3.56)
J. 範囲の予測性(3.57-3.59)
K. パラメータクレームの予測性(3.60-3.61)
L. 用途クレームの予測性(3.62-3.72)
M. 先行使用(3.73-3.79)
N. 第14条 (3)に基づく先行技術(3.80-3.84)
O. 優先日(3.85-3.109)
P. 新規性の例外(グレースピリオド)(3.110-3.125)
  i.学会(3.126-3.128)

2. 基本的な考え方
 特許・実用新案審査基準(日本)の第III部第2章第1節「2. 新規性の判断」に対応するシンガポール特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 シンガポール特許審査基準第3章3.1-3.4

(2) 異なる事項または留意点
 シンガポール特許審査基準では、日本の審査基準で規定されるような審査官の具体的な審査手順は規定されておらず、裁判例に基づいたクレームや新規性の解釈および考え方が主に述べられている。

 シンガポール特許審査基準によれば、発明が、技術水準の一部を形成しない場合は、新規性があると見なされる。具体的な特徴の組み合わせが、先行技術ですでに開示されている場合、クレームで定義された発明は新規性がない(第3章3.1-3.3)。

 新規性の判断について、シンガポールの裁判所は一般的に英国の判例に従ってきた。英国のアプローチに関する最新の解説(SmithKline Beecham Plc’s (Paroxetine Methanesulfonate) Patent [2006] RPC 10)では、英国貴族院の判断として、事前開示と実施可能性の2つが予測性の要件とされている。この2つは別々の概念で、独自の規則があり、それぞれに充足する必要がある(第3章3.4)。

3. 請求項に記載された発明の認定
3-1. 請求項に記載された発明の認定

 特許・実用新案審査基準(日本)の第III部第2章第3節「2. 請求項に係る発明の認定」第一段落に対応するシンガポール特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 シンガポール特許審査基準第2章2.5-2.8、第5章5.45、5.74

(2) 異なる事項または留意点
 特許出願が行われたかまたは特許が付与された発明は、文脈上他に要求されない限り、当該出願または場合により特許明細書に含まれる説明および図面により解釈されたクレームにおいて指定された発明であると解され、かつ特許または特許出願により与えられる保護の範囲は、相応に決定される(第2章2.5-2.7)。

 審査の過程では、常に目的論的アプローチが取られるべきである。クレーム解釈は、法律問題であって、特許権者自身が実際に言わんとしていることとは関係がない。クレームの文言から、当業者であれば、特許権者の意図をどのように理解するかを判断する目的で、解釈されるべきである(第2章2.8)。

 クレームの単語を解釈する際は、まず、それらの単語の意味が、発明の時点で当業者が通常考えたはずの意味を持つと想定すべきである。書き手が特別な意味を与えた用語については、そのことを考慮に入れる必要がある(第2章2.37)。

 シンガポール特許法第113条では、与えられる保護の範囲は、特許明細書に含まれる説明および図面によって解釈される出願のクレームに従って決定されると定めている(第5章5.74)。

 シンガポールでは、クレーム解釈においては目的論的な手法が取られている。審査官はクレーム解釈において、明細書の本文、図面および技術常識を考慮する。

 シンガポール特許法第25条(5)(b)では、クレームは明確かつ簡潔でなければならないと規定している。当業者にとって、使用されている文言を理解するのが難しいかどうかが、明確性の基準である(Strix Ltd v Otter Controls Ltd [1995] RPC 607)。この要件は、クレーム全体にも、個々のクレームにも適用される(第5章5.45)。

 明細書の本文、図面および技術常識を考慮しても、クレームが不明確な場合、審査官が調査を実施しない場合もあるので注意が必要である。

3-2. 請求項に記載された発明の認定における留意点
 特許・実用新案審査基準(日本)の第III部第2章第3節「2. 請求項に係る発明の認定」第二段落に対応するシンガポール特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 シンガポール特許審査基準第2章2.5-2.7、第5章5.76

(2) 異なる事項または留意点
 シンガポールでは、クレーム解釈においては目的論的な手法が取られており、審査官は、クレームに焦点を当てて特許の範囲を判断する。クレームと明細書の本文および図面との間に何らかの矛盾があり、保護の範囲に不確実性が生じれば、明確性違反の拒絶理由が通知される。

 先に述べたように、特許出願が行われたかまたは特許が付与された発明は、文脈上他に要求されない限り、当該出願または場合により特許明細書に含まれる説明および図面により解釈されたクレームにおいて指定された発明であると解され、かつ特許または特許出願により与えられる保護の範囲は、相応に決定される(第2章2.5-2.7)。

 補正の結果として、明細書の本文や図面の中に、クレームと矛盾する具体的な実施例や記載があり、その矛盾が、出願人が求める保護の範囲に疑いを投げかける場合は、明確性違反の拒絶理由を通知すべきである。この拒絶理由を(通知された場合)どのように克服するかは出願人次第であり、一般に最もシンプルな方法は、クレームの範囲に含まれなくなった主題を削除することであるが、その主題が発明の実施例の構成要素でないことが明細書の本文で明らかになっていれば、その主題を保持することもできる(第5章5.76)。

4. 引用発明の認定
4-1. 先行技術
4-1-1. 先行技術になるか

 特許・実用新案審査基準(日本)の第III部第2章第3節「3.1 先行技術」に対応するシンガポール特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 シンガポール特許審査基準第3章3.2、3.35-3.36

(2) 異なる事項または留意点
 発明における技術水準には、当該発明の優先日以前のいずれかの時点で、書面、口頭説明またはその他の方法によって(シンガポールか他国かを問わず)公開されたすべての事項(生産物、方法、そのいずれかまたはそれ以外のものに関する情報)が含まれると解釈される。

 特許出願または特許に係る発明における技術水準には、以下の条件を満たす場合、当該発明の優先日以降に公開された別の特許出願に記載された事項も含まれると解されるべきである(第3章3.2)。
 (a) 当該事項が、別の特許出願の出願時点と公開時点の両方で記載されていた、
 (b) 当該事項の優先日が、発明の優先日よりも早い。

 シンガポールでは、時や分に関する基準は定められていないが、時差については、先行技術公開の判断において考慮され、シンガポール時間(GMT +8)が適用される(第3章3.35-3.36)。

4-1-2. 頒布された刊行物に記載された発明
 特許・実用新案審査基準(日本)の第III部第2章第3節3.1.1「(1)刊行物に記載された発明」に対応するシンガポール特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 シンガポール特許審査基準第3章3.30、3.32

(2) 異なる事項または留意点
 シンガポールでは、不完全な先行技術に関する具体的な規制はなく、刊行物の記載に基づいて先行技術が認識されるという明確な基準も定められていない。審査基準では、発明の開示は、初めて公開された日に技術水準の一部になると規定されている。したがって、不完全であっても、あるいは刊行物の記載でなくても、公開され次第、先行技術になる。

 開示された発明は、初めて公開された日に技術水準の一部になる。特に、開示の期間、場所、種類(紙か電子データか)、刊行物の言語などについて、シンガポール特許法ではいかなる要件も定めていない。文献は、閲覧のために料金が必要であっても、公開されていることになる。また、文献が実際に公衆の一人に読まれたことを証明する必要はなく、公衆による当然の権利として閲覧が可能であれば、その文献は公開されたものと見なされる(第3章 3.30、3.32)。

4-1-3. 刊行物の頒布時期の推定
 特許・実用新案審査基準(日本)の第III部第2章第3節3.1.1「(2) 頒布された時期の取扱い」に対応するシンガポール特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 シンガポール特許審査基準第3章3.30、3.33

(2) 異なる事項または留意点
 シンガポールには、特許・実用新案審査基準(日本)の第III部第2章第3節3.1.1の「(2)頒布された時期の取扱い」で定めているような具体的な基準はない。資料に公開日があれば、その日付が公開日として使用される。ネット上の資料に公開日がなければ、WayBack Machineを使用して公開日を証明する。

 時差は、先行技術の公開を判断する際に考慮される。例えば、米国時間の2015年2月7日にUSPTO(GMT -5)に出願された米国出願を基礎とする優先権を主張したシンガポール特許出願について、先行技術がインターネットによってシンガポール時間の2015年2月7日の午前9時に公開されたとすると、この先行技術はシンガポール時間(GMT +8)では、シンガポール特許法第14条(2)に基づいて技術水準となる。なぜなら、先行技術のインターネットによる公開の日は、GMT -5のタイムゾーンでは2015年2月6日であったということになり、米国基礎出願の出願日よりも早いからである(第3章3.33)。

 先に述べたように、発明の開示は、初めて公開された日に技術水準の一部になる。特に、開示の期間、場所、種類(紙か電子データか)、刊行物の言語などについて、シンガポール特許法ではいかなる要件も定めていない(第3章3.30)。

 公開日が文献に示されている場合(例:特許や公報にある公開日)は、それが公開日と見なされる。この公開日に出願人が異議を唱える場合は、反対の証拠が必要になる。インターネット上の日付は問題をはらんでいるかもしれないが、一般にウェブページと関連していれば、実際の公開日と見なすことができる。一方、ウェブページが明確に公開日を表示していない場合、審査官はWayBack Machineのようなネット上のアーカイブ・データベースを使用して、ウェブページがいつ公開されたについての証拠を提示できる(第3章3.33)。

4-1-4. 電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明
 特許・実用新案審査基準(日本)の第III部第2章第3節「3.1.2 電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明(第29条第1項第3号)」に対応するシンガポール特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 シンガポール特許審査基準第3章3.30、3.32-3.33

(2) 異なる事項または留意点
 シンガポール特許審査基準では、あらゆる公開に関する一般的な基準が示されており、電気通信回線を通じた公開に限定された記載はない。
 発明の開示は、初めて公開された日に技術水準の一部になる。特に、開示の期間、場所、種類(紙か電子データか)、刊行物の言語などについて、シンガポール特許法ではいかなる要件も定めていない(第3章3.30)。
 文献は、閲覧のために料金が必要であっても、公開されていることになる。また、文献が実際に公衆の一人に読まれたことを証明する必要はなく、公衆による当然の権利として閲覧が可能であれば、その文献は公開されたものと見なされる(第3章3.30、3.32)。
 公開日が文献に示されている場合(例:特許や公報の記事にある公開日)は、それが公開日と見なされる(第3章3.33)。

4-1-5. 公然知られた発明
 特許・実用新案審査基準(日本)の第III部第2章第3節「3.1.3 公然知られた発明(第29条第1項第1号)」に対応するシンガポール特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 シンガポール特許審査基準第3章3.30-3.31、3.110

(2) 異なる事項または留意点
 シンガポールでは、出願日に先立つ12か月の間に、不法にまたは守秘義務に違反してなされた開示は、先行技術から除外される。秘密として保持しようとする発明者の意図にかかわらず「公然知られた発明」になる日本とは異なる。

 発明の開示は、初めて公開された日に技術水準の一部になる。公衆の一人に対して、抑制的な束縛なく伝えることで、公開されたとするのに十分である(Bristol-Myers Co.’s Application [1969] RPC 146)。同様にMonsanto (Brignac’s) Application [1971] RPC 153事件の判決では、開示に対する制限なく、同社が販売員に文献を渡したことで、それを公開したと判断されている(第3章3.30-3.31)。

 発明を構成する事項の開示は、特許出願日直前の12か月が始まった後に、当該事項が不法にまたは守秘義務に違反して取得された結果として行われた場合は無視される(第3 章3.110)。

4-1-6. 公然実施をされた発明
 特許・実用新案審査基準(日本)の第III部第2章第3節「3.1.4 公然実施をされた発明(第29条第1項第2号)」に対応するシンガポール特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 対応する記載はない。

(2) 異なる事項または留意点
 シンガポールでは、公然実施をされた発明に関する具体的な基準はないが、先使用に関する類似の基準はある。

 シンガポール特許法第14条に定める技術水準には、先使用によって公開された事項が含まれる。特に、先使用は公にされる必要があり、秘密の使用は含まれない(秘密の先使用者の権利は、第71条で保護される)。コモンローおよび衡平法に基づき、少なくとも、自由に利用できる立場にある公衆の一人に情報が公開されていなければならない(PLG Research Ltd v Ardon International Ltd [1993] FSR 197)。ただし閲覧者に守秘義務がある場合は、発明が開示されたとは解釈されない(J Lucas (Batteries) Ltd v Gaedor Ltd [1978] RPC 297)(第3章3.73)。

(後編に続く)

シンガポールにおける新規性の審査基準に関する一般的な留意点(後編)

(前編から続く)

5. 請求項に係る発明と引用発明との対比
5-1.  対比の一般手法

 特許・実用新案審査基準(日本)の第III部第2章第3節「4.1 対比の一般手法」に対応するシンガポール特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 シンガポール特許審査基準第2章2.12、2.5、第3章3.20、3.26、3.3、3.4

(2) 異なる事項または留意点
 シンガポール特許審査基準には、日本の審査基準にあるような審査官の具体的な審査手順は規定されておらず、裁判例に基づいたクレームや新規性の解釈および考え方が主に述べられている。

 新規性の判断について、シンガポールの裁判所は英国の判例に従ってきた。英国のアプローチに関する最新の解説(SmithKline Beecham Plc’s (Paroxetine Methanesulfonate) Patent [2006] RPC 10)では、英国貴族院の判断として、事前開示と実施可能性の2つが予測性の要件とされている。この2つは別々の概念で、独自の規則があり、それぞれに充足する必要がある(第3章3.4)。

 すなわち、シンガポールでは開示の予測性の要件として、事前開示と実施可能性の2つがあるが、事前開示については、対象となるクレームのすべての特徴が、先行技術で開示されているかを検討する(第3章3.20)。実施可能性については、当業者が当該発明を実施できなければならない(第3章3.26)。

 特許出願が行われたかまたは特許が付与された発明は、文脈上他に要求されない限り、当該出願または特許の明細書のクレームにおいて指定された発明であると解される(第2章2.5)。

 文献によってクレームの新規性が否定されるのは、クレームのすべての特徴が開示されている場合に限られる。クレームに、同等または追加の特徴が含まれる場合、通常は自明性の問題になる(第2章2.12)。

 具体的な特徴の組み合わせが、先行技術ですでに開示されている場合、クレームで定義された発明は新規性がない(第3章3.3)。

 したがって、新規性の規定では、対象となるクレームのすべての特徴が、先行技術で開示されているかを検討する。一般に事前開示については、クレームで特定されるすべての特徴が開示されている場合に限って、新規性が否定される。技術的に同等または追加的な特徴がクレームに含まれている場合は、自明の拒絶理由のほうが適切である(第3章3.20)。

5-2.  上位概念または下位概念の引用発明
 特許・実用新案審査基準(日本)の第III部第2章第3節「3.2 先行技術を示す証拠が上位概念または下位概念で発明を表現している場合の取扱い」に対応するシンガポール特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 シンガポール特許審査基準第3章3.54-3.56

(2) 異なる事項または留意点
 シンガポールでは、先行技術で下位概念の特徴が開示されると、上位概念のクレームは新規性が否定される。先行技術で上位概念の特徴が開示されても、下位概念のクレームは新規性が否定されない。

 クレームは、その範囲に含まれるものの事前開示がある場合に、新規性を欠く。よって、代替物を参照して発明を定義している場合、代替物のうちの一つが既知であれば、クレームは新規性がない。例えば、銅製コイルばねが開示されることで、後の金属製コイルばねのクレームが予測される。このような場合は、権利範囲からの除外によって、新規性喪失の拒絶理由を克服することが可能である。一方、上位概念の先行技術の開示は、一般に、後の下方概念のクレームを予測しない。したがって、金属製コイルばねによって、銅製コイルばねが後にクレームされるとは予測されない(第3章3.54-3.56)。

5-3.  請求項に係る発明の下位概念と引用発明とを対比する手法
 特許・実用新案審査基準(日本)の第III部第2章第3節「4.2 請求項に係る発明の下位概念と引用発明とを対比する手法」に対応するシンガポール特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 対応する記載はない。

(2) 異なる事項または留意点
 シンガポールの特許審査基準には、数値範囲に関しては、類似する基準がある。
 パラメータによって発明を数値範囲内に限定するクレームの新規性について考える場合、その範囲内または限界点にある一つの例が既知である場合、クレームに係る範囲は新規性がない。上位概念の範囲内にある下位概念が、先行技術で明確に言及されていない場合に、下位概念の数値範囲を選択することで、クレームに係る発明を特徴づけることもできる。下位概念の範囲の新規性を証明するには、選択された範囲が狭く、例示によって、既知の上位概念の中から十分に特定されるものでなければならない。下位概念の範囲内における特定の技術的効果の有無は、進歩性を判断する際に考慮すべき事項に該当すると思われ、新規性判断の際に考慮されるべきではない(第3章3.57-3.59)。

5-4.  対比の際に本願の出願時の技術常識を参酌する手法
 特許・実用新案審査基準(日本)の第III部第2章第3節「4.3 対比の際に本願の出願時の技術常識を参酌する手法」に対応するシンガポール特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 シンガポール特許審査基準第2章2.24

(2) 異なる事項または留意点
 出願時の技術常識を参酌する手法は、日本と同じ考え方がシンガポールの審査においても適用されていると考えられる。

 技術常識を有していることが当業者の最も重要な側面の一つであり、当業者を特徴づけるものであると言っても過言ではない。目的論的な解釈では、当業者が明細書を解釈する際に使用するのがこの技術常識であり、そうした背景や状況を踏まえて、当業者の立場から先行技術を解釈する(第2章2.24)。

6. 特定の表現を有する請求項についての取扱い
6-1.  作用、機能、性質または特性を用いて物を特定しようとする記載がある場合

 特許・実用新案審査基準(日本)の第III部第2章第4節「2. 作用、機能、性質または特性を用いて物を特定しようとする記載がある場合」に対応するシンガポール特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 シンガポール特許審査基準第3章3.39、3.42-3.43

(2) 異なる事項または留意点
 シンガポールには、「機能、特性等の記載により、クレームに係る発明と先行技術との対比が困難であり、厳密な対比をすることができない場合、クレームに係る発明の新規性が否定されるとの一応の合理的な疑いを抱いたときに限り、審査官は、新規性が否定される旨の拒絶理由通知をする」のような具体的な基準はない。

 先行技術は、当業者の目を通して解釈され、その結果、文献の黙示的な特徴が新規性判断の目的で考慮されることもある。よって、当業者であれば、具体的に言及されていない特徴が、開示に含まれると解釈するであろうと考えられる場合は、開示に含まれる黙示的な特徴と見なされる(第3章3.39)。

 General Tire v Firestone事件の判決にあるように、先の公開に含まれる指示を実行すると、必然的にクレームの侵害になる物が作られたり、侵害になる事が行われたりする場合、クレームに係る発明は新規性がない。これは、特にパラメータを参照して発明を定義するクレームと関連する。黙示的な特徴とは区別されるかもしれないが、この場合、当業者は、特徴が先行技術で開示されているとは解釈せず、先行技術の教示を繰り返せば、必然的にその結果が得られることになる。例えば、開示において特定のパラメータが示されていない場合でも、実行すると、必然的にクレームの範囲内に入る場合、その開示によって、方法または生産物が予測される。ただし、先行技術の教示が、クレームに係る発明を必然的にもたらすという判断は、妥当な推論に基づかなければならない(第3章3.42-3.43)。

6-2.  物の用途を用いてその物を特定しようとする記載(用途限定)がある場合
 特許・実用新案審査基準(日本)の第III部第2章第4節「3. 物の用途を用いてその物を特定しようとする記載(用途限定)がある場合」に対応するシンガポール特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 シンガポール特許審査基準第2章2.63-2.65、第3章3.62-3.64

(2) 異なる事項または留意点
 用途限定がある場合のクレーム解釈は、日本と同じ考え方がシンガポールの審査においても適用されていると考えられる。

 特定の用途がある装置または材料のクレームは、通常、その用途に適した装置または材料のクレームと解釈される(Adhesive Dry Mounting Co Ltd v Trapp and Co [1910] 27 RPC 341; G.E.C’s Application [1943] RPC 60)。したがって、「~用の生産物」というクレームでは、特定の装置または材料が、定義された用途に適していることが要求されると解釈される(第2章2.63)。

 しかし、特定の用途に適しており、その態様で使用されても、その装置のクレームの範囲は限定されない(L’Air Liquide Societe’s Application 49 RPC 428)。したがって、先行技術文献において、当該発明が有する特徴のすべてが開示され、その用途にも適していると思われる場合は、新規性を否定する開示となる。一方、既知の生産物が、クレームで定義された材料や組成と同じであるが、記載された用途には明らかに適さない形式の場合、クレームの新規性は失われない。同様に、物理的な変更をしなければ、記載された用途では使用できない装置は、特定の用途には適さない(第2章2.64)。

 「X、Y、Zの特徴からなる魚釣り用のフック」というクレームに関しては、魚釣りに使用できるX、Y、Zの特徴からなるフックであれば、先行技術において魚釣りに使用すると記載されているか否かにかかわらず、クレームが予測されることになる。「hook for fishing」(魚釣り用のフック)を補正で「fishing hook」(魚釣りのフック)にしても、本質的には同じ意味であり、クレームは救われない。しかし、X、Y、Zの特徴からなるクレーンのフックは、魚釣りのフック(釣り針)としての使用に適さない物理的な制限(寸法や重量)を有しており、クレームの範囲から除外される(第2章2.65)。

 既知の装置の新たな使用方法は、新規性があると見なされる場合がある。これはParker J in Flour Oxidizing Co Ltd v Carr and Co Ltd(25 RPC 428)の判決で確立されている。ただし、新たな使用に対する独占を制限するようなクレーム形式にしなければならない。

 特定の用途(例:他のクレームの方法を実行するため)の装置に関するクレームは、通常、その用途に適した装置に対するクレームと解釈される。すなわち用途は、その態様で使用されても、装置に対するクレームを制限しない(L’Air Liquide Societe’s Application 49 RPC 428)。よって、クレームで特定される機能をすべて有し、その用途に使用される装置は、異なる用途で使用されても、クレームは予測される。「魚釣りフック」と「魚釣り用のフック」は本質的には同等であり、この用途に適したフックを開示する引用文献では、いずれかの形式を用いたクレームが予測される(第3章3.62-3.64)。

6-3.  サブコンビネーションの発明
 特許・実用新案審査基準(日本)の第III部第2章第4節「4. サブコンビネーションの発明を「他のサブコンビネーション」に関する事項を用いて特定しようとする記載がある場合」に対応するシンガポール特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 対応する記載はない。

(2) 異なる事項または留意点
 シンガポールでは、「他のサブコンビネーション」に関する具体的な基準はないが、他のサブコンビネーションに関する新規性判断の目的で、黙示的な特徴が考慮される。

 先行技術は当業者の目を通して解釈され、その結果、文献の黙示的な特徴が新規性判断の目的で考慮されることもある。よって、当業者であれば、具体的に言及されていない特徴が、開示に含まれると解釈するであろうと考えられる場合は、開示に含まれる黙示的な特徴と見なされる。

 例えば、内燃機関の冷却システムの制御装置を開示する場合、システムにあるラジエーターやその他の熱交換器には言及しないかもしれないが、それが必要であることは常識である。したがって、引用文献でこの特徴が特定されない場合でも、新規性違反の拒絶理由は通知され得る。一方、ラジエーターは内燃機関の前方に取り付けるのが一般的な方法であるが、必ずしもそうであるとは限らない。こうした状況では、この特徴を具体的に開示していない引用文献に基づいて、新規性違反の拒絶理由を通知することはできない(第3章3.39-3.41)。

6-4.  製造方法によって生産物を特定しようとする記載がある場合
 特許・実用新案審査基準(日本)の第III部第2章第4節「5. 製造方法によって生産物を特定しようとする記載がある場合」に対応するシンガポール特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 シンガポール特許審査基準第2章2.73-2.74

(2) 異なる事項または留意点
 方法による生産物の特定に関しては、シンガポールの基準は全般的に日本の基準と似ていると言える。

 限定的な状況では、方法によって生産物を定義することができる。構造、組成、特性、その他の手段(生産物の構造や組成が不明の場合)を参照して、その生産物を十分に特徴づけることができない場合、プロダクト・バイ・プロセス・クレームを使って生産物をクレームすることが認められるものと思われる。審査において、このようなクレームは、クレームに記載された製造方法に起因する特徴を有する、生産物それ自体に関するクレームと解釈されるべきである。例えば、「鉄のサブパネルとニッケルのサブパネルを溶接することで作られる2層構造のパネル」というクレームでは、先行技術に照らして特許適格性を判断する際に、審査官は「溶接」という方法を考慮に入れるであろう。なぜなら、溶接は、最終的な生産物において、溶接以外の方法で生産された生産物とは異なる物理的特性をもたらすからである。すなわち、生産物は、方法のステップのみで定義され得る(第2章2.74)。

 方法によって得られる生産物に関するクレームに関して、「方法Yによって得られるまたは作成される生産物X」は、「得られる」、「得ることができる」、「直接得られる」など、どのような言い回しであるかにかかわらず、生産物それ自体に関するクレームと解釈されるのが普通である(Kirin-Amgen Inc v Hoechst Marion Roussel Ltd [2005] RPC affirming EPO law, i.e., Decision T 150/82 International Flavors and Fragrances Inc. [1984] 7 OJEPO 309)。このようなクレームは、先行技術の生産物が、仮に未開示の方法で作られたとしても、クレームに係る生産物と同じまたは区別がつかないように見える場合は、新規性がない。プロダクト・バイ・プロセス・クレームで定義される生産物の特許適格性は、生産の方法によって左右されない。したがって、生産物は、新たな方法によって生産されたという事実のみによって新規性があるとされるわけではない(第2章2.73)。

6-5.  数値限定を用いて発明を特定しようとする記載がある場合
 特許・実用新案審査基準(日本)の第III部第2章第4節「6. 数値限定を用いて発明を特定しようとする記載がある場合」に対応するシンガポール特許審査基準の記載は、以下のとおりである。

(1) 対応する事項が記載された審査基準の場所
 シンガポール特許審査基準第3章3.57

(2) 異なる事項または留意点
 シンガポールでは、範囲が狭いまたは具体的な特徴が先行技術で開示されている場合、より一般的な(上位概念の)クレームの新規性が否定される。一般的な特徴が先行技術で開示されている場合、より範囲が狭いまたは具体的なクレームの新規性は否定されない。

 パラメータによって発明を数値範囲内に限定するクレームの新規性について考える場合、その範囲内または限界点にある一つの例が既知である場合、クレームに係る範囲は新規性がない。上位概念の範囲内にある下位概念が、先行技術で明確に言及されていない場合に、下位概念の数値範囲を選択することで、クレームに係る発明を特徴づけることはできる。下位概念の範囲の新規性を証明するには、選択された範囲が狭く、例示によって、既知の上位概念の中から十分に特定されるものでなければならない。下位概念の範囲内における特定の技術的効果の有無は、進歩性を判断する際に考慮すべき事項に該当すると思われ、新規性判断の際に考慮されるべきではない(第3章3.57)。

7. その他
 これまでに記載した事項以外で、日本の実務者が理解することが好ましい事項、またはシンガポールの審査基準に特有の事項ついては、以下のとおりである。

7-1.  グレースピリオド中の開示
 シンガポール特許法第14条(4)~(6)では、ある一定の事項について、一定の条件下で、かつ12か月の「グレースピリオド」中の開示は無視されると規定している(第3章3.110-3.125)。すなわち、特許または特許出願において発明を構成する事項の開示は、当該特許出願の出願日直前の12か月の期間が始まった後に生起し、かつ第14条(4)~(6)の条件を満たす場合は、無視される。

シンガポールにおける意匠公報へのアクセス方法

1.公報(Journal)の検索
1-1.直近の公報検索

(1) IPOSのウェブサイト(https://www.ipos.gov.sg/)へアクセスし、「eService」プルダウンメニューの「IPOS Digital Hub」をクリックしてデータベースのトップページに移動する(図1)。

図1 IPOSのウェブサイト(トップページ)

(2) 「IPOS Digital Hub」のトップページ(https://digitalhub.ipos.gov.sg/FAMN/process/IP4SG/MN_Index)の上部プルダウンメニューの「Journals」から、「Registered Design」を選択する(図2)。

図2 「IPOS Digital Hub」(トップページ)Journals選択画面

(3) ページ下部「List of Journals」に直近の公報(Journal)が最大25件表示される(図3)。

図3 Journals画面

(4) 確認したい「Journal No.」をクリックするとDESIGNS JOURNAL(意匠公報誌)がダウンロードされる(図4a:表紙)。同JOURNALの「CONTENTS」ページ(図4b)の確認したい項目をクリックすると、該当するページが表示される。なお、詳細検索を行いたい場合は、図3の緑の矢印で示している「Journal Search」をクリックすると詳細検索画面が表示される。検索方法の詳細は、後述の「1-2. 公報検索」を参照されたい。

図4a Designs Journal表紙

図4b CONTENTSページ

図4c 出願情報

1-2.公報検索
(1) 図3の「Journal Search」(緑の矢印)をクリックすると詳細検索画面が表示される。「Journal Type」で「Registered Design」を選択すると「Class No.」の項目が表示され、「Journal Section」に「Singapore Registered Design」が表示される(図5a)。
「Class No.」を選択すると図5bのプルダウンメニューが、「Journal Section」を選択すると図5cのプルダウンメニューが表示される。

図5a Journal Search画面1(Journal Type選択)

図5b Journal Search画面2(Class No.選択)

図5c Journal Search画面2(Journal Section選択)

 検索条件として指定可能な項目は、次のとおりである。
・Journal Type(公報種別)
・Journal Date(公報発行日):DD/MM/YYYYで数字を直接入力するかまたはカレンダーから日付を選択できる。
・Application No.(出願番号)
・International Registration No.(国際登録番号)
・Applicant Name(出願人名)
・Agent/Representative Name(代理人/代表者名)
・Class No.(分類番号):以下のプルダウンメニューの中から選択する(図5b参照)。
 〇ALL(全て)
 〇01 Foodstuffs(食品)
 〇02 Articles of Clothing and Haberdashery(衣類品および紳士用装飾品)
 〇03 Travel Goods, Cases, Parasols and Personal Belongings, Not Elsewhere Specified(旅行用品、ケース、日傘、身の回り品、他に分類されないもの)
 〇04 Brushware(ブラシ類)
 〇05 Textile Piece Goods, Not Elsewhere Specified(繊維製品、他に分類されないもの)
 〇06 Furnishing(家具)
 〇07 Household Goods, Not Elsewhere Specified(家庭用品、他に分類されないもの)
 〇08 Tools and Hardware(工具および金物類)
 〇09 Packaging and Containers for the Transport or Handling of Goods(物品の輸送または取扱いのための包装および容器)
 〇10 Clocks and Watches and Other Measuring Instruments, Checking and Singnalling Instruments(時計およびその他の測定機器、検査機器および信号機器)
 〇11 Articles of Adornment(装飾品)
 〇12 Means of Transport Or Hoisting(輸送または持ち上げの手段)
 〇13 Equipment for Production, Distribution or Transformation of Electricity(電気の生産、分配または変換のための装置)
 〇14 Recording, Telecommunication or Data Processing Equipment(録音、電気通信またはデータ処理装置)
 〇15 Machines, Not Elsewhere Specified(機械類、他に分類されないもの)
 〇16 Photographic, Cinematographic and Optical Apparatus(写真、映画、光学機器)
 〇17 Musical Instruments(楽器)
 〇18 Printing and Office Machinery(印刷・事務用機械)
 〇19 Stationery and Office Equipment, Artists’ And Teaching Materials(文房具・事務用品・美術品・指導用品)
 〇20 Sales and Advertising Equipment, Signs(販売・広告用機器、看板)
 〇21 Games, Toys, Tents and Sports Goods(ゲーム・玩具・テント・スポーツ用品)
 〇22 Arms, Pyrotechnic Articles, Articles for Hunting, Fishing and Pest Killing(武器、火工品、狩猟・釣り・害虫駆除用具)
 〇23 Fluid Distribution Equipment, Sanitary, Heating, Ventilation and Air-Conditioning Equipment, Solid Fuel(流体供給機器、衛生機器、暖房・換気・空調機器、固形燃料)
 〇24 Medical and Laboratory Equipment(医療機器および実験機器)
 〇25 Building Units and Constructions Elements(建築ユニットおよび建築部材)
 〇26 Lighting Apparatus(照明器具)
 〇27 Tobacco and Smokers’ Supplies(たばこおよび喫煙具)
 〇28 Pharmaceutical and Cosmetic Products, Toilet Articles and Apparatus(医薬品、化粧品、衛生製品および器具)
 〇29 Devices and Equipment Against Fire Hazards, for Accident Prevention and for Rescue(火災対策用、事故防止用および救助用の装置・器具)
 〇30 Articles for the Care and Handling of Animals(動物の世話および取扱いに関する用品)
 〇31 Machines And Appliances For Preparing Food Or Drink, Not Elsewhere Specified(他に分類されない食品または飲料の調理用機械器具)

・Sub-Class No.(サブクラス番号):・Class No.(分類番号)を選択すると、プルダウンメニューが表示される。選択肢はClass No.ごとに異なる。
・Journal Section(公報の種類):以下のプルダウンメニューの中から選択する(図5c)。
 〇Singapore Registered Design(シンガポール登録意匠)
 〇Corrigenda(正誤表)
 〇International Registrations Designating Singapore(シンガポールを指定する国際登録)
 〇Order of Court(裁判所命令)
 〇Correction Published for Opposition Purposes(異議申立による公開された訂正)
 〇Others(その他)

・Journal No.(公報番号):少なくとも3桁(例:001)の数字を入力する。

(2) 例えば図6のように選択条件を設定し、画面右下にある「Search」ボタンをクリックすると、「Search Result」に検索結果が表示される(図7)。

図6 検索例

図7 検索結果画面

(3) 確認したいApplication No.をクリックすると、詳細情報が表示される(図8aから図8d)。

図8a 出願詳細情報1

図8b 出願詳細情報2

図8c 出願詳細情報3

図8d 出願詳細情報4

詳細情報の項目は以下のとおりである。
「Application Details(出願の詳細)」
・Image(画像)
・Application No.(出願番号)
・International Registration No.(国際登録番号)
・UK Design No.(英国の意匠番号)
・Filing Date(出願日)
・Class and Sub-Class No.(分類およびサブクラス番号)
・Next Renewal Due Date(次回の更新期限)
・Expiry Date(権利満了日)
・Application Status(出願のステータス)

「Article(s)/Non Physical Product(s)to which design applies(意匠が適用される物品/非物理的製品)」
・No. of articles in a set(物品の数)
・No. of Non-physical products in a set(非物理的製品の数)
 〇Applicant’s Right with respect to Design(意匠に関する出願人の権利)
 〇Statement of Novelty(新規性の声明)
 〇Disclaimer(権利不要求)
「Priority Claims(優先権主張)」
「Current Applicant/Proprietor Details(現在の出願人/権利者の詳細)」
「Agent/Representative Details(代理人/代表者の詳細)」
「Publication Details(公開の詳細)」
「Events(経過情報、権利譲渡、名義変更等の履歴などの)イベント)」

(4) 図8aの画面右上にある「Print」をクリックすると、出願の詳細情報を印刷することができる。

2-1.Basic Search
 設定した1つの検索条件に基づき検索することができる。検索手順は以下のとおり。

(1) IPOS Digital Hubのトップページ(https://digitalhub.ipos.gov.sg/FAMN/eservice/IP4SG/MN_Index?OWASP_CSRFTOKEN=REFP-6I20-CSBM-YNM3-4WEE-V9A4-KBWW-ZL41)「Search」のプルダウンメニューから「Basic Search」(図9)をクリックすると検索画面(https://digitalhub.ipos.gov.sg/FAMN/eservice/IP4SG/MN_BasicSearch?OWASP_CSRFTOKEN=REFP-6I20-CSBM-YNM3-4WEE-V9A4-KBWW-ZL41)に接続される(図10aから図10b)。

図9 「IPOS Digital Hub」(トップページ) Searchの選択画面

図10a Basic Search画面上部

図10b Basic Search画面下部

(2) 例えば、図10bの「Basic Search」の(a)のBoxに出願番号を入力し、(b)のBoxのプルダウンメニューから「Design Application No.」を選択し、「Search」をクリックすると「Search Results」に検索結果が表示される(図11)。詳細情報の確認手順は、前述の「1-2.公報検索」の(2)以降と同様である(前掲の図7、図8参照)。

図11 検索結果画面

2-2.Advanced Search
 複数の検索条件を設定する、あるいはBasic Searchで意図する検索結果を得ることができなかった場合は、「Advanced Search」で検索することができる。

2-2-1.Design(意匠)検索
(1) IPOS Digital Hubのトップページ(https://digitalhub.ipos.gov.sg/FAMN/eservice/IP4SG/MN_Index?OWASP_CSRFTOKEN=REFP-6I20-CSBM-YNM3-4WEE-V9A4-KBWW-ZL41)の「Search」のプルダウンメニューから「Advanced Search」(図9)をクリックすると検索画面(https://digitalhub.ipos.gov.sg/FAMN/eservice/IP4SG/MN_AdvancedSearch?OWASP_CSRFTOKEN=REFP-6I20-CSBM-YNM3-4WEE-V9A4-KBWW-ZL41)に接続される(図12)。また、図10aの緑色の線で囲んである「Advanced Search」をクリックしても図12の画面にアクセスできる。

図12 Advanced Search 「Design」タブ画面

(2) 図12の赤い線で囲んである「Design」タブを選択する。緑の線で囲んである検索条件をクリックすると右側に表示される。検索条件の詳細は以下のとおり。なお、検索するためには画面右上の「私はロボットではありません」の欄をクリックし、画像認証の操作が必要である。

Number(番号)
・Application/Case No.(出願/(取消手続や訂正手続などの)事件番号)
・Priority Application No.(優先権出願番号)
・Journal No.(公報番号)
・License/Security Reference No.(実施許諾/担保番号)

Name(名称)
・Applicant/Proprietor Name(出願人名/権利者名)
・Country/Region of Applicant/Proprietor(出願人/権利者の国/地域)
・Agent/Representative Name(代理人/代表者名)
・UEN/Entity Code(Unique Entity Number(個別企業登録番号)/企業コード)
・Grantor/Grantee Name(助成金付与者/助成金受領者)
・Licensor/Licensee Name(実施許諾者/実施権者名)
・Assignor/Assignee Name(譲渡人/譲受人名)

Date(日付)
・Filing Date(出願日)
・Expiry Date(存続期間満了日)
・Priority Claim Date(優先権主張日)
・Journal Date(公報発行日)

IP Details(知的財産の詳細)
・Article Name(物品の名称)
・Non-Physical Product Name(非物理的製品名)
・Application Status(出願経過状況)

Classification(分類)
・Class No./Subclass No.(分類番号/サブクラス番号)

Others(その他)
・Security Interest Status(担保権の状況)
・License Status(実施権の状況)
・Status Update Date(状況の更新日)

 図12の青い線で囲んである「Boolean Operators (AND, OR, NOT)」の横のボタンをスライドさせると、AND、OR、NOTの演算子を使用した複合的な条件を設定して、検索を行うことが可能である。

(3) 例えば、「Article Name(物品名)」に「Apple」と入力し、「Search」をクリック(図13)すると、検索結果が表示される(図14)。検索結果の確認手順は前述の「1-2.公報検索」と同様である(図7、図8参照)。

図13 Advanced Search 「Article Name」の検索例

図14 Advanced Search 検索結果

2-2-2.Design International Registration(意匠国際登録)検索
(1) IPOS Digital Hubのトップページ(https://digitalhub.ipos.gov.sg/FAMN/eservice/IP4SG/MN_Index?OWASP_CSRFTOKEN=REFP-6I20-CSBM-YNM3-4WEE-V9A4-KBWW-ZL41)の「Search」のプルダウンメニューから「Advanced Search」(図9)をクリックすると検索画面(https://digitalhub.ipos.gov.sg/FAMN/eservice/IP4SG/MN_AdvancedSearch?OWASP_CSRFTOKEN=REFP-6I20-CSBM-YNM3-4WEE-V9A4-KBWW-ZL41)に接続される(図12)。また、図10aの緑色の線で囲んである「Advanced Search」をクリックしても図12に接続される。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                

図13 Advanced Search 「Design International Registration」タブ

(2) 図13の赤い線で囲んである「Design International Registration」タブを選択する。緑の線で囲んである検索条件クリックすると右側に表示される。検索条件の詳細(図12と相違がある項目を紹介)は、以下のとおり。「私はロボットではありません」の欄と青線で囲んである「Boolean Operators (AND, OR, NOT)」の操作手順は前述の「2-2-1. Design(意匠)検索」の(2)と同様である。

Date(日付)
・WIPO Publication Date(Design International Registrations)(WIPO公開日(意匠国際登録))

IP Details(知的財産の詳細)
・Bulletin No.(Design International Registrations)(公報番号(意匠国際登録))

Classification(分類)
・Locarno Class No. / Subclass No.(ロカルノ分類番号/サブクラス番号)

(3) 「Design」タブと同様に検索条件を設定し「Search」をクリックすると検索結果が表示される。検索結果の確認手順は、前述の「1-2.公報検索」と同様である(図7、図8参照)。

シンガポールにおけるEコマースで商標を使用する際の留意点

記事本文はこちらをご覧ください。

シンガポールにおける顧客に好まれない商標および顧客に好まれる商標

記事本文はこちらをご覧ください。

シンガポールにおける商品・役務の類否判断について

1.はじめに
 日本では、先行商標と出願商標は非類似とされているケースで、シンガポールでは、同じ商標の出願について、同じ先行商標と類似と判断され、拒絶査定を受けることがある。この相違は、両国の指定商品・役務に関する審査実務の違いによって生じる場合がある。例えば、日本の商標審査では、「類似群」と呼ばれるグループ分けを採用しており、商品・役務が同じグループに属さない限り、原則として非類似とみなされる。しかし、シンガポール商標審査ガイドライン(以下、「審査ガイドライン」という。)では、商品・役務を事前にグループ分けしていないため、判断が異なる可能性がある。そこで、本稿では、審査ガイドラインに基づく商品・役務の類似判断について紹介する。なお、著名商標との類似性、同一図形要素商標との類似性については、商品・役務の類似性を超えて保護される可能性があるため、考慮しないこととする。

2.商標の類似、非類似を判断する際のアプローチ
 シンガポールにおける審査方法は、具体的には、以下のようなアプローチが一般的である。

① 出願商標が、識別力を有するか否かを判断する。
② ①で識別力があると判断された場合、出願商標が、同一/類似である先行商標を特定する。
③先行商標と本願商標の指定商品・役務が、同一/類似であるか否かを判断する。

 適用される法律は、商標法第8条である。

 異議申立に際しては、審査ガイドライン「相対的拒絶理由 5.1 ステップ・バイ・ステップ アプローチ」に、以下の判断手法で行われることが記載されている。

 a. 出願商標が、先行商標の標識と同一/類似であるかを判断する。
 b. 出願商標の指定商品・役務が、先行商標の指定商品・役務と同一/類似であるかを判断する。
 c. a.およびb.の同一性/類似性から、公衆が混同するおそれがあるかを判断する。

 a.の適用上、審査官は、標識が類似しているかどうかを確認する際、特に専門的および非専門的な識別力および支配的な構成要素に留意しつつ、標識が与える全体的な印象に基づいて、外観、称呼および観念の類似性を検討する。
 Sariko Connoisseur v. Ferrero [2012] SGCA 56において、「登録商標は識別性があればあるほど、類似していると判断されないためには、商標に十分な変更が加えられたこと、または商標に差異があることを示す必要がある。」と控訴裁判所は判示した。
 b.については、「3. 商品・役務の類似、非類似を判断する際のアプローチ」の項で詳しく述べる。
 c.の適用上、混同の可能性を判断する際、審査官は、例えば、購入取引の長さ/複雑さ、高い教育水準を有する購入者または専門家によって購入されるなどの購入時に専門的な知識が必要か否かなど、商品・役務の購入において行使された注意の水準を考慮する。すなわち、高い注意水準が必要な場合、混同の可能性は、低い要因となる。

3.商品・役務の類似、非類似を判断する際のアプローチ
 シンガポールでは、British Sugar PLC v. James Robertson & Sons Ltd., 1996 R.P.C. 281 の判決に基づき、ブリティッシュシュガー・ファクターと呼ばれる原則が確立した。すなわち、上記審査ガイドライン「相対的拒絶理由 5.3.3. 商品・役務の類似性」に示されているように、商品と役務とを特に区別せず、(a)~(f)の要件が規定されている。

 (a) 商品・役務の用途;
 (b) 商品・役務の需要者;
 (c) 商品・役務の特性;
 (d) 商品・役務が市場に到達するそれぞれの取引経路;
 (e) セルフサービスの消費財商品の場合、それらがスーパーマーケットにおいて実際に陳列され、あるいは陳列され得る場所。(例えば、同じ棚であるか否か、など。);
 (f) 商品・役務がどの程度競争的であるか。(例えば、市場調査会社が、当該商品・役務を同じ部門に分類するか否か。取引関係者が、当該商品を如何に分類するか。)

 上記要件は、審査ガイドラインによれば全て適用されるとは限らず、各要素の重み付け(the weight which ought to be accorded to each factor)は、関連する全ての要素を評価した上で判断する、とされており、ケースバイケースで適用されると考えるべきである。

4.ニース分類の適用
 シンガポール商標規則の規則19において、出願日に有効なニース分類を適用することが規定されている。

 上記審査ガイドライン「相対的拒絶理由 5.3.3.1 商品または役務の区分は重要か?」で示されているように、商品・役務が分類される区分によって、その類似性が決定されるわけではない。すなわち、商品・役務がニース分類の同一区分に属するからといって、その商品・役務が自動的に類似になるということではない。例えば、第9類は広範な商品を対象としており、この区分に属する「消火器」と「コンピュータ」とは類似とみなされない。
 さらに、異なる区分であっても、商品・役務は類似していると判断される場合がある。つまり、ニース分類の区分番号が異なるからといって、自動的にその商品・役務が非類似であるという結論には至らない。
 商品・役務の類似性の判断は、願書中の指定商品・役務を具体的に比較しなければならない。

 また、新興国等知財情報データバンクでは、「シンガポールにおける商標出願に際しての商品および役務の記述に関する留意事項」を公開しており、併せて参照されたい。

関連記事:「シンガポールにおける商標出願に際しての商品および役務の記述に関する留意事項」(2016.03.29)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/10417/

5.類見出し(Class Heading)について
 ニース分類の類見出しは、特定の区分に含まれる商品および役務の一般的な表示で、類見出しで構成される指定商品・役務が、その区分に含まれるすべての商品・役務をクレームしていることと解してはならない(シンガポール商標審査ガイドライン「商品・役務の区分 5.3 ニース分類における類見出し」)。

 類見出しについては、新興国データバンクの下記関連記事の「(2) クラスヘディング」の項も併せて参照されたい。

関連記事:「シンガポールにおける指定商品又は役務の願書への記載方法」(2014.07.22)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/6187/

6.商品名/役務名選択時の留意点
 シンガポールでは、商品名・役務名の選定について、特に制限はない。すなわち、MGSM(Madrid Goods and Services Manager)リスト以外の商品名・役務名も可能である。
 新興国データバンクの関連記事「シンガポールにおける指定商品又は役務の願書への記載方法」(前出)も併せて参照されたい。

シンガポールの法令へのアクセス方法―AGCウェブサイト

 シンガポールの法令は、シンガポール司法長官室(Attorney General’s Chambers: AGC)のウェブサイトで閲覧が可能である。本稿ではAGCサイトでの法令の閲覧の仕方を、特許法の検索・閲覧方法を例示して紹介する。なお、知的財産権関連法令は、シンガポール知的財産庁(IPOS)のウェブサイトにもまとめて掲載されている(https://www.ipos.gov.sg/resources/ip-legislation)。

(1) シンガポール司法長官室(Attorney General’s Chambers: AGC)ウェブサイト(https://www.agc.gov.sg/)にアクセスし、図1画面の上部のメニューバーの赤線で囲んでいる左から2つ目「Our Roles(我々の役割)」にポインタを移動すると、プルダウンメニューが表示されるので、その4つ目の「Drafter of Laws(法律の起草者)」をクリックする。

図1:シンガポール司法長官室トップページ表示画面

(2) 図2画面の画面左側の「Drafter of Laws(法律の起草者)」をクリックするとプルダウンメニューが表示されるので、その内、赤線で囲んでいる「Singapore Statutes Online(シンガポール法令オンライン)」をクリックする。

図2:「Drafter of Laws(法律の起草者)」のページ表示画面

(3) 図3画面の赤線で囲んでいる「https://sso.agc.gov.sg.」をクリックすると、図4画面の「Singapore Statutes Online(シンガポール法令オンライン)」検索ページが表示される。図4画面には、AGCウェブサイトのトップページからではなく、直接以下のURL(https://sso.agc.gov.sg/)をクリックして、アクセスすることも可能である。

図3:「Singapore Statutes Online(シンガポール法令オンライン)」のページ表示画面

図4:「Singapore Statutes Online(シンガポール法令オンライン)」検索ページ表示画面

(4) 図4画面では、赤線で囲んでいる「Search(検索)」または「Browse(閲覧)」のいずれかの方法で、法令を検索することができる。画面左上の青線で囲んでいる「Help(ヘルプ)」をクリックすると、詳しい検索方法の説明が表示される。以下に、簡単に使用方法を説明する。

(5) 「Search(検索)」は、探している法令の名称や法文に使用されていると思われる単語を空欄に入力し、右端の検索ボタンをクリックすると検索することができる。
 検索条件は、空欄のすぐ下にある「Title / No.(タイトル/番号)」もしくは「Content(全文)」を選択するラジオボタンや、すぐ右にあるプルダウンメニューを選択することで、変えることができる。プルダウンメニューは、以下の8つの項目がある。

・Current(現行)
 〇Current Acts and Subsidiary Legislation(現行法および補足法)
 〇Current Acts(現行法)
 〇Current Subsidiary Legislation(現行補足法)
・As Published(記録)
 〇Acts Supplement(法の補足事項)
 〇Bills Supplement(法案の補足事項)
 〇Subsidiary Legislation Supplement(補足法の補足事項)
 〇Revised Editions of Acts(改正法)
 〇Revised Editions of Subsidiary Legislation(改正補足法)

 図5のように、青線で囲んでいる「Content(全文)」のラジオボタンを選択すると、赤線で囲んでいるプルダウンメニューが新たに表示され、「All of these words(全ての単語を含む)」「Any of these words(いずれかの単語を含む)」「This exact phrase(このフレーズと完全に一致)」の3つのメニューから検索条件を選択することができる。

図5:「Singapore Statutes Online(シンガポール法令オンライン)」検索ページで「Content(全文)」のラジオボタンを選択した場合の表示画面

(6) 例えば、「Patent Act(特許法)」を検索する場合、図6のように、赤線で囲んでいる空欄に「patent act」と入力し、青線で囲んでいる「Title / No.(タイトル/番号)」を選択、緑線で囲んでいるプルダウンメニューから「Current Acts(現行法)」を選択後、オレンジ線で囲んでいる検索ボタンをクリックすると、検索結果が表示される。

図6:「Singapore Statutes Online(シンガポール法令オンライン)」検索ページの「Search(検索)」による検索条件入力画面

(7) 図7は、検索結果画面であり、1件ヒットしたことがわかる。

図7:「Singapore Statutes Online(シンガポール法令オンライン)」検索ページの「Search(検索)」による検索結果表示画面

(8) 図7画面の赤線で囲んでいる法律名をクリックすると、図8の画面のように法文が表示され、図7画面の青線で囲んでいるPDFマークをクリックすれば、法文の全文をPDF形式で閲覧することもできる。

図8:「Singapore Statutes Online(シンガポール法令オンライン)」法文表示画面

 図8のように、画面上部の赤線で囲んでいる「Amendment Annotation(改正注記)」のチェックボックスをチェックすると改正に関する注記が法文中に表示される。
 また、画面左側に表示されている条文のチェックボックスにチェックを入れた後、青線で囲んでいる「Get Provisions(条文入手)」ボタンをクリックすると、チェックを入れた条文のみを表示させることもできる(複数選択可)。
 画面上部の緑線で囲んでいる「Timeline(時系列)」ボタンをクリックすると、改正の履歴が表示され、オレンジ線で囲んでいる「Subsidiary Legislation(補足法)」をクリックすると、図9のように、本法律に関する補足法の一覧が表示される。一覧の中から、閲覧したい補足法のタイトルをクリックするとその法文を閲覧することができる。

図9:「Subsidiary Legislation(補足法)」一覧表示画面

(9) 次に、「Browse(閲覧)」による検索方法について説明する。「Singapore Statutes Online(シンガポール法令オンライン)」検索ページ((3)の図4)にアクセスし、例えば、「Patents act(特許法)」を検索する場合、図10のように、赤線で囲んでいるプルダウンメニューから「Current Acts(現行法)」を選択し、閲覧したい法律名(ここでは「Patents act(特許法)」)の冒頭のアルファベット(ここでは、青線で囲んだ「P」)をクリックする。

図10:「Singapore Statutes Online(シンガポール法令オンライン)」検索ページの「Browse(閲覧)」による検索条件入力画面

 なお、上記の図10の赤線で囲んだプルダウンメニューには、以下の11項目のメニューがあり、法令の検索条件を選択することができる。
・Acts(法律)
 〇Current(現行法)
 〇Repealed/Spent(廃止された法)
 〇Uncommenced(未実施の法)
・Subsidiary Legislation(補足法)
 〇Current(現行補足法)
 〇Revoked/Spent(廃止された補足法)
 〇Uncommenced(未実施の補足法)
・As Published(記録)
 〇Acts Supplement(法の補足事項)
 〇Bills Supplement(法案の補足事項)
 〇Subsidiary Legislation Supplement(補足法の補足事項)
 〇Revised Editions of Acts(改正法)
 〇Revised Editions of Subsidiary Legislation(改正補足法)

(10) 上記(9)記載のとおりに「P」をクリックすると、図11のように「P」から始まる全ての現行法の一覧が表示される。

図11:「Browse(閲覧)」検索での「P」の検索結果表示画面

(11) 図11画面で、赤線で囲んでいる確認したい法律名をクリックすると、図12のように法文が表示される(図8と同じ)。青線で囲んでいるPDFマークをクリックすると、PDF形式で法文の全文が表示される。

図12:「Singapore Statutes Online(シンガポール法令オンライン)」法文表示画面(図8再掲)

 また、図11中の緑線で囲んでいる「SL(補足法)」をクリックすると、図13のように、本法律に関する補足法の一覧が表示され、補足法のタイトルをクリックすると法文が表示される。

図13:「Subsidiary Legislation(補足法)」一覧表示画面

(12) 参考として、以下に、いくつかの代表的な法令名を記す。
・Constitution of the Republic of Singapore(シンガポール共和国憲法)
・Application of English Law Act(イングランド法適用法)
・Civil Law Act(民事法)
・Contracts (Rights of Third Parties) Act(契約法)
・Penal Code(刑法)
・Criminal Procedure Code(刑事手続法)
・Competition Act(競争法)
・Companies Act(会社法)
・Business Names Registration Act(商号登記法)
・Supreme Court of Judicature Act(最高法院法)
・State Courts Act(裁判所法)
・Arbitration Act(仲裁法)

シンガポールにおける商標審査効率化・ユーザー出願支援のための指定商品・役務に関する料金等施策及び出願支援ツールについての調査

 「商標審査効率化・ユーザー出願支援のための指定商品・役務に関する料金等施策及び出願支援ツールについての調査研究報告書」(令和4年3月、知的財産研究教育財団 知的財産研究所)

目次
Ⅲ.調査結果
1.公開情報調査
(7)シンガポール P.90
(シンガポールにおける商標出願および審査の状況、オンライン出願の普及状況、指定商品・役務に関する料金等施策およびファストトラック制度(SG IP Fast Track)について紹介している。また、シンガポール知的財産庁(Intellectual Property Office of Singapore、以下「IPOS」という。)のWEBサイトからアクセスできるオンライン出願システム「IP2SG」について紹介している。)

3.海外ヒアリング調査結果
(7)シンガポール P.215
(IPOSが承認している商品・役務を掲載した「Classification Database」(事前承認リスト)利用による減額制度、「Classification Database」(事前承認リスト)、ファストトラック制度、およびオンライン出願支援ツールの各々について、現地専門家に対して行ったヒアリング調査結果を紹介している。)

資料Ⅱ 海外ヒアリング調査
(7)シンガポール P.301
(海外ヒアリング調査において現地専門家に提示した質問項目を開示している。具体的には、指定商品・役務に関する料金等施策について5項目31問、審査効率化・ユーザー出願支援のためのオンライン出願支援ツールについて3項目15問の質問内容を開示している。)

シンガポールにおけるモデル契約書(技術検証契約書(AI編))を活用するに際しての留意点

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