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ロシアとユーラシアにおける医薬特許出願実務の相違点【その2】

【詳細及び留意点】

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ロシアとユーラシアにおける医薬特許出願実務の相違点【その1】

【詳細及び留意点】

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ロシアにおける新規化学物質に関する特許出願の特徴

【詳細】

 新規化学物質(New Chemical Entity : NCE)に関するロシア特許出願の特徴は以下の通りである。

 

(1)出願時の明細書には、保護を受けようとする全てのNCEの用途が記載されていなければならない。この用途は、出願の審査過程で追加提出することはできない。当初の出願書類の範囲を越えることになるからである。

例えば、化学的に異なる複数の置換基を有するNCEの保護を目的とした特許出願がなされるとする。

(式中、R1からR6は互いに異なり、それぞれハロゲン、または、アルキル基を表す。)

(式中、R1からR6は互いに異なり、それぞれハロゲン、または、アルキル基を表す。)

 

 出願時の明細書には、化学的に異なる複数の置換基を有するNCEの合成例が記載されていなければならず、かつ、化学的に異なる複数の置換基を有するいくつかのNCEに関して、その用途を実現できるという蓋然性についての証拠が含まれていなければならない。これらの実施例は、審査官から求められた場合に後から提出することもできる。

 

(2) NCEを用いた治療方法はロシアで特許可能である。

 治療方法についての発明(例えば、あるNCE群が抗炎症活性を示した場合)に関する請求項は、次のように記載することができる。「化学構造(I)を有する化合物の有効量を、治療を必要とする患者に注射することによって炎症性疾患を治療する方法」。ここで、出願時の明細書には、当該NCEの有効量が示されていなければならない。当該治療方法の有効性を示す実施例は、審査過程において後から提出することもできる。