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フィリピンのその他の法律、規則、審査基準等

 特許・実用新案、意匠、商標を除く、その他知的財産に関連するフィリピンの法律、規則等(英語・日本語)は以下のとおりである。

法令名 情報元 URL 言語
(1)知的財産に関する規律、知的財産庁の設立ならびにその権限および権能その他の目的事項を定める法律(知的財産法)
(共和国法No.8293/2015年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/0B2or2OrWYpIfN3BnNVNILUFjUmM/view?ts=58057027&resourcekey=0-TN5UB67CxjfQLADZofwVxA
日本国特許庁 https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/philippines-tizai.pdf
(2)集中管理団体の認定に関する改正規則
(知的財産庁回状 2020-026/2020年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/1PWyJDV3yOGDveJXVcuczT9LVyhARj9_H/view
(3)著作権登録、移転登録ならびに著作権の譲渡およびライセンスに関する改正規則
(知的財産庁回状 2020-025/2020年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/1hvv7wko_c6Ode1AWEEF9J7X3L8mlUuke/view
(4)政府機関に関する著作権規則
(知的財産庁回状 2020-024/2020年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/1_B0freFf1BhADfRLZ8w8krzfqeKuvQBk/view
(5)再販売権に関する規則
(知的財産庁回状 2020-023/2020年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/17evcmv4mIz5zyTOJcdkJUxi4EUd8s_Zm/view
(6)著作権登録および版権登録納本に関する規則
(知的財産庁 庁命令No.13-171/2013年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/12ugPe9EMn0IVmUto7uZmUUcP-k2fTAwY/view
(7)著作者の実演その他の著作物の利用に関するライセンス条件にかかる紛争解決に関する改正規則
(知的財産庁 庁命令No.13-169/2013年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/117dZlC9tvbwtXBvo2CZ0Q_vydUt48CIl/view
(8)改正刑法
(共和国法No.3815/1930年)
フィリピン官報 https://www.officialgazette.gov.ph/1930/12/08/act-no-3815-s-1930/
(9)医薬品登録における特許および営業秘密に関する改正規則およびガイドライン
(行政命令2005-0001/2005年)
フィリピン食品薬品管理局 https://www.fda.gov.ph/wp-content/uploads/2021/04/Administrative-Order-No.-2005-0001.pdf
(10)集積回路のレイアウト・デザインを保護する目的で知的財産法を改正する法律
(共和国法No.9150/2001年)
フィリピン官報 https://www.officialgazette.gov.ph/2001/08/06/republic-act-no-9150/
(11)国家植物品種保護委員会を設立し、新植物品種を保護する等を目的とする法律
(共和国法No.9168/2002年)
フィリピン官報 https://www.officialgazette.gov.ph/2002/06/07/republic-act-no-9168/
(12)光学メディアの規制、映像メディア規制委員会の再編、刑罰の制定その他の目的で制定される法
(共和国法No.9239/2004年)
フィリピン官報 https://www.officialgazette.gov.ph/2004/02/10/republic-act-no-9239/
(13)裁判外紛争解決手続に関する規則
(庁命令No.99/1998年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/18rcsI27FGapGpemhEpmct8Kxdj6FxTXY/view
(14)知的財産権に関する侵害についての行政庁に対する申し立てに関する規則
(庁命令No.12 186/1998年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/11ncbSL6NSrycAyGMQudo4ehusEJfOYDS/view
(15)知的財産庁に関する仲裁規則
(庁命令No.61/2011年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/1qUghhvj1_gRXihXHioq1rB266ZZ-wtg5/view
(16)知的財産庁に関するあっせん手続規則
(庁命令No.154/2010年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/1AYwKS5iLX8fnn32LvFhOWV2GRoQNqEcA/view
(17)技術移転法
(共和国法No.10055/2009年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/1pTL_SBKbXMczJ_x-4IMdeZfsKYhVmd24/view
(18)任意ライセンスに関する改正規則
(知的財産庁回状2020-002/2020年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/1xCT_K9WhVmZTAVQgxiDbe3DykMRfC71r/view
(19)技術移転法に関する規則
(科学技術庁および知的財産庁共同命令No.02-2010/2010年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/1DtUnxdw-jHmkrOC3EsF_ZT_s-BGRlDVL/view
(20)個人財産保障法
(共和国法No.11057/2018年)
フィリピン官報 https://www.officialgazette.gov.ph/2018/08/17/republic-act-no-11057/
(21)サイバー犯罪防止法
(共和国法No.10175/2012年)
フィリピン官報 https://www.officialgazette.gov.ph/2012/09/12/republic-act-no-10175/
(22)食品医薬品管理法
(共和国法No.9711/2009年)
フィリピン官報 https://www.officialgazette.gov.ph/2009/08/18/republic-act-no-9711/
(23)安価で高品質な医薬品を誰でも入手できるようにするための法律
(共和国法No.9502/2008年)
フィリピン官報 https://www.officialgazette.gov.ph/2008/06/06/republic-act-no-9502/
(24)消費者保護法
(共和国法No.7394/1992年)
フィリピン官報 https://www.officialgazette.gov.ph/1992/04/13/republic-act-no-7394-s-1992/
(25)食品、医薬品・医療機器および化粧品に関する法律
(共和国法No.3720/1963年)
フィリピン食品薬品管理局 https://www.fda.gov.tw/tc/includes/GetFile.ashx?id=f636694201525184673
(26)硬質界面活性剤を含む洗濯洗剤および業務用洗剤の製造、輸入、頒布および販売を禁止し、その違反に対する制裁を定める法
(共和国法No.8970/2000年)
フィリピン貿易産業省 PDF (ACT PROHIBITING THE MANUFACTURE, ……AND PROVIDING PENALTIES FOR VIOLATION THEREOF) (*現在、情報元のウェブサイトにつながらないため、上記よりPDFをご参照ください。)
(27)適法に刻印または押印された瓶、箱、樽、小樽、バレルその他の類似の容器の使用を規制する法
(共和国法No.623/1951年)
WIPO Lex https://wipolex-res.wipo.int/edocs/lexdocs/laws/en/ph/ph201en.pdf
(28)事業における通称の使用に関する規制、施行時における商務省の義務の規定、および違反罰則その他に関する法律
(共和国法No.3883/1931年)
フィリピン貿易産業省 https://www.dti.gov.ph/sdm_downloads/act-no-3883/
(29)独占禁止法
(共和国法No.10667/2015年)
フィリピン競争委員会 https://www.phcc.gov.ph/philippine-competition-law-r-10667/
(30)不服申立てに関する改正統一法
(庁命令No.12/2002年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/1iATzlGm-pbCvNp9s1clFupWORZELxBLy/view
(31)知的財産権に関する事件手続の改正規則
(行政事務No.10-3-10-SC/2020年)
フィリピン最高裁判所 PDF (2020 REVISED RULES OF PROCEDURE FOR INTELLECTUAL PROPERTY RIGHTS CASES) (*現在、情報元のウェブサイトにつながらないため、上記よりPDFをご参照ください。)
(32)知的財産権の侵害に対する民事訴訟における捜索差押に関する規則
(2002年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/1ZvZFG4XEJQQZkYhx6JLL9c8KzW6o5IEp/view

フィリピンのその他の法律、規則、審査基準等

 特許・実用新案、意匠、商標を除く、その他知的財産に関連するフィリピンの法律、規則等(英語・日本語)は以下のとおりである。

法令名 情報元 URL 言語
知的財産に関する規律、知的財産庁の設立ならびにその権限および権能その他の目的事項を定める法律(知的財産法)
(共和国法No.8293/2015年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/0B2or2OrWYpIfN3BnNVNILUFjUmM/view?ts=58057027&resourcekey=0-TN5UB67CxjfQLADZofwVxA
日本国特許庁 https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/philippines-tizai.pdf
集中管理団体の認定に関する改正規則
(知的財産庁回状 2020-026/2020年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/1PWyJDV3yOGDveJXVcuczT9LVyhARj9_H/view
著作権登録、移転登録ならびに著作権の譲渡およびライセンスに関する改正規則
(知的財産庁回状 2020-025/2020年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/1hvv7wko_c6Ode1AWEEF9J7X3L8mlUuke/view
政府機関に関する著作権規則
(知的財産庁回状 2020-024/2020年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/1_B0freFf1BhADfRLZ8w8krzfqeKuvQBk/view
再販売権に関する規則
(知的財産庁回状 2020-023/2020年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/17evcmv4mIz5zyTOJcdkJUxi4EUd8s_Zm/view
著作権登録および版権登録納本に関する規則
(知的財産庁 庁命令No.13-171/2013年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/12ugPe9EMn0IVmUto7uZmUUcP-k2fTAwY/view
著作者の実演その他の著作物の利用に関するライセンス条件にかかる紛争解決に関する改正規則
(知的財産庁 庁命令No.13-169/2013年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/117dZlC9tvbwtXBvo2CZ0Q_vydUt48CIl/view
改正刑法
(共和国法No.3815/1930年)
官報 https://www.officialgazette.gov.ph/1930/12/08/act-no-3815-s-1930/
医薬品登録における特許および営業秘密に関する改正規則およびガイドライン
(行政命令 2005-0001/2005年)
食品薬品管理局 https://www.fda.gov.ph/wp-content/uploads/2021/04/Administrative-Order-No.-2005-0001.pdf
集積回路のレイアウト・デザインを保護する目的で知的財産法を改正する法律
(共和国法No.9150/2001年)
官報 https://www.officialgazette.gov.ph/2001/08/06/republic-act-no-9150/
国家植物品種保護委員会を設立し、新植物品種を保護する等を目的とする法律
(共和国法No.9168/2002年)
官報 https://www.officialgazette.gov.ph/2002/06/07/republic-act-no-9168/
光学メディアの規制、映像メディア規制委員会の再編、刑罰の制定その他の目的で制定される法
(共和国法No.9239/2004年)
官報 https://www.officialgazette.gov.ph/2004/02/10/republic-act-no-9239/
裁判外紛争解決手続に関する規則
(庁命令No.99/1998年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/18rcsI27FGapGpemhEpmct8Kxdj6FxTXY/view
知的財産権に関する侵害についての行政庁に対する申し立てに関する規則
(庁命令No.12 186/1998年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/11ncbSL6NSrycAyGMQudo4ehusEJfOYDS/view
知的財産庁に関する仲裁規則
(庁命令No.61/2011年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/1qUghhvj1_gRXihXHioq1rB266ZZ-wtg5/view
知的財産庁に関するあっせん手続規則
(庁命令No.154/2010年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/1AYwKS5iLX8fnn32LvFhOWV2GRoQNqEcA/view
技術移転法
(共和国法No.10055/2009年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/1pTL_SBKbXMczJ_x-4IMdeZfsKYhVmd24/view
任意ライセンスに関する改正規則
(知的財産庁回状 2020-002/2020年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/1xCT_K9WhVmZTAVQgxiDbe3DykMRfC71r/view
技術移転法に関する規則
(科学技術庁および知的財産庁共同命令No.02-2010/2010年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/1DtUnxdw-jHmkrOC3EsF_ZT_s-BGRlDVL/view
個人財産保障法
(共和国法No.11057/2018年)
官報 https://www.officialgazette.gov.ph/2018/08/17/republic-act-no-11057/
サイバー犯罪防止法
(共和国法No.10175/2012年)
官報 https://www.officialgazette.gov.ph/2012/09/12/republic-act-no-10175/
食品医薬品管理法
(共和国法No.9711/2009年)
官報 https://www.officialgazette.gov.ph/2009/08/18/republic-act-no-9711/
安価で高品質な医薬品を誰でも入手できるようにするための法律
(共和国法No.9502/2008年)
官報 https://www.officialgazette.gov.ph/2008/06/06/republic-act-no-9502/
消費者保護法
(共和国法No.7394/1992年)
官報 https://www.officialgazette.gov.ph/1992/04/13/republic-act-no-7394-s-1992/
食品、医薬品・医療機器および化粧品に関する法律
(共和国法No.3720/1963年)
食品薬品管理局 https://www.fda.gov.tw/tc/includes/GetFile.ashx?id=f636694201525184673
硬質界面活性剤を含む洗濯洗剤および業務用洗剤の製造、輸入、頒布および販売を禁止し、その違反に対する制裁を定める法
(共和国法No.8970/2000年)
(現在、つながりません)
貿易産業省 http://www.bps.dti.gov.ph/index.php/component/edocman/7-laws-and-issuances/8-republic-acts/226-republic-act-no-8970?tmpl=component&Itemid=
適法に刻印または押印された瓶、箱、樽、小樽、バレルその他の類似の容器の使用を規制する法
(共和国法No.623/1951年)
WIPO Lex https://wipolex-res.wipo.int/edocs/lexdocs/laws/en/ph/ph201en.pdf
事業における通称の使用に関する規制、施行時における商務省の義務の規定、および違反罰則その他に関する法律
(共和国法No.3883/1931年)
貿易産業省 https://www.dti.gov.ph/sdm_downloads/act-no-3883/
独占禁止法
(共和国法No.10667/2015年)
競争委員会 https://www.phcc.gov.ph/philippine-competition-law-r-10667/
不服申立てに関する改正統一法
(庁命令No.12/2002年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/1iATzlGm-pbCvNp9s1clFupWORZELxBLy/view
知的財産権に関する事件手続の改正規則
(行政事務No.10-3-10-SC/2020年)
最高裁判所 https://sc.judiciary.gov.ph/15824/
知的財産権の侵害に対する民事訴訟における捜索差押に関する規則
(2002年)
フィリピン知的財産庁 https://drive.google.com/file/d/1ZvZFG4XEJQQZkYhx6JLL9c8KzW6o5IEp/view

フィリピンにおける地理的表示に関する施行規則の策定検討状況

 2013年後半、フィリピン知的財産庁は地理的表示の保護に適用される規則原案を関係者に提示し、パブリックコメントを募集した。約1年後、知的財産庁は改訂した規則原案を公表し、関係者に通知し、2014年12月14日までに追加コメントを提出するよう求めていた。

 

 こうした動きは、フィリピンにおける知的財産と貿易や産業分野で歓迎されるものである。現在、フィリピン知的財産庁は、必要な保護を確保し、地方経済を振興するため、各地方の団体や生産者と協力している。フィリピン知的財産庁のRicardo Blancaflor長官により、地理的表示として保護される特産品として以下の品目が特定されている。

(1)「Aklan piña」布

(2)「Batangas Barako」コーヒー

(3)「Bicol pili」ナッツ

(4)「Cebu」乾マンゴー

(5)「Dagupan bangus」ミルクフィッシュ

(6)「Guimaras」生マンゴー

(7)「(South Cotabato産)Lake Sebu Tinalak」織物

(8)「Lumban」バロン(民族衣装)

 

 地理的表示の保護は、フィリピンが既に加盟・締約している国際協定の中に規定されている。これらの国際協定には、工業所有権の保護に関するパリ条約やWTOのTRIPS協定などが含まれている。

 

 また、フィリピン議会においても、フィリピン知的財産法改正法案に地理的表示の保護が盛り込まれた。知的財産法では、商標が「特に、その商品またはサービスの性質、品質、特徴または地理的出所について公衆の誤解を招く可能性が高い」場合は、その商標を登録することはできないと規定している。

 

 改正法案

 

・地理的表示の定義

 地理的表示は、その商品の特定の品質、評判その他の特性が本質的にその地理的出所または人的要素もしくはその両方に帰する場合に、ある領域、地域または地方に由来するものとして商品を特定する表示をいう。

 

・出願人適格

(1)製品の採取、生産または製造に直接関与する自然人または法人

(2)商品を生産するまたは製品の貿易に従事する個人または機関

(3)地理的出所の対象となる地域に対する責任を負う政府機関または地方政府単位、ならびにその法律によりフィリピン国民に対して同等の権利と保護を提供する外国の国民の地理的表示に関係する外国政府の代表者

(4)地理的表示の規制または保護を具体的に委託された協会団体

 

・不登録事由

 以下に該当する表示は自動的に拒絶される。

(1)法律、規制、公共の秩序、公共政策または道徳に反する表示

(2)原産国または原産地でもはや保護されていない表示

(3)商品および/またはその使用の特性、性質、品質および出所と生産プロセスについて誤解を招くか、または虚偽を述べている表示

(4)製品または商品の著しい一般名または慣用名である表示

(5)地理的出所の所定の定義に当てはまらない表示

(6)同じ商品または混同を生じるほど類似した商品に関して先に出願または登録された地理的出所表示とまったく同一の表示

 

・異議申立を提起できる主体

 その登録によって損害を被る者は誰でも、地理的表示の登録可能性に関する第三者所見通知を提出することができる。

 

・取消根拠

 利害関係を有する個人または団体による、保護の正当な理由がもはや存在しないとする申立が検証されて、その申立が妥当であると判断されたときは、登録官は、以下のいずれかの根拠に基づいてその登録を取り消すものとする。

(1)保護の条件が満たされていなかった

(2)商品の評判、品質または特性を決定する地理的出所または人的要素もしくはその両方が変化し、その変化の結果、資格を喪失した

(3)裁判所または審判所が、その生産者が地理的出所、保護の基準またはその他の製品仕様に対する有効な支配権を持たないと判決した

(4)虚偽の根拠および文書を通じて登録が取得された

 

 地理的表示の保護を求める関係者は、2015年中に新しい規則が最終的に公布される可能性が高いと期待していたが、2018年2月現在、当該施行規則の検討に関しては、未だ進展が無い。

フィリピンにおける地理的表示に関する施行規則の策定検討状況

【詳細】

2013年後半、フィリピン知的財産庁は地理的表示の保護に適用される規則原案を関係者に提示し、パブリックコメントを募集した。約1年後、知的財産庁は改訂した規則原案を公表し、関係者に通知し、2014年12月14日までに追加コメントを提出するよう求めた。

最近のこうした状況を鑑みて、地理的表示の保護を求める関係者は、2015年中に新しい規則が最終的に公布される可能性が高いと期待している。

こうした動きは、フィリピンにおける知的財産と貿易や産業分野で歓迎されるものである。現在、フィリピン知的財産庁は、必要な保護を確保し、地方経済を振興するため、各地方の団体や生産者と協力している。フィリピン知的財産庁のRicardo Blancaflor長官により、地理的表示として保護される特産品として以下の品目が特定されている。

(1)「Aklan piña」布

(2)「Batangas Barako」コーヒー

(3)「Bicol pili」ナッツ

(4)「Cebu」乾マンゴー

(5)「Dagupan bangus」ミルクフィッシュ

(6)「Guimaras」生マンゴー

(7)「(South Cotabato産)Lake Sebu Tinalak」織物

(8)「Lumban」バロン(民族衣装)

 

地理的表示の保護は、フィリピンが既に加盟・締約している国際協定の中に規定されている。これらの国際協定には、工業所有権の保護に関するパリ条約やWTOのTRIPS協定などが含まれている。

また、フィリピン議会においても、フィリピン知的財産法改正法案に地理的表示の保護が盛り込まれた。知的財産法では、商標が「特に、その商品またはサービスの性質、品質、特徴または地理的出所について公衆の誤解を招く可能性が高い」場合は、その商標を登録することはできないと規定している。

 

改正法案

・地理的表示の定義

地理的表示は、その商品の特定の品質、評判その他の特性が本質的にその地理的出所および/または人的要素に帰される場合に、ある領域、地域または地方に由来するものとして商品を特定する表示をいう。

 

・出願人適格

(1)製品の採取、生産または製造に直接関与する自然人または法人

(2)商品を生産するまたは製品の貿易に従事する個人または機関

(3)地理的出所の対象となる地域に対する責任を負う政府機関または地方政府単位、ならびにその法律によりフィリピン国民に対して同等の権利と保護を提供する外国の国民の地理的表示に関係する外国政府の代表者

(4)地理的表示の規制または保護を具体的に委託された協会団体

 

・不登録事由

以下に該当する表示は自動的に拒絶される。

(1)法律、規制、公共の秩序、公共政策または道徳に反する表示

(2)原産国または原産地でもはや保護されていない表示

(3)商品および/またはその使用の特性、性質、品質および出所と生産プロセスについて誤解を招くか、または虚偽を述べている表示

(4)製品または商品の著しい一般名または慣用名である表示

(5)地理的出所の所定の定義に当てはまらない表示

(6)同じ商品または混同を生じるほど類似した商品に関して先に出願または登録された地理的出所表示とまったく同一の表示

 

・異議申立を提起できる主体

その登録によって損害を被る者は誰でも、地理的表示の登録可能性に関する第三者所見通知を提出することができる。

 

・取消根拠

利害関係を有する個人または団体による、保護の正当な理由がもはや存在しないとする申立が検証されて、その申立が妥当であると判断されたときは、登録官は、以下のいずれかの根拠に基づいてその登録を取り消すものとする。

(1)保護の条件が満たされていなかった

(2)商品の評判、品質または特性を決定する地理的起源および/または人的要因が変化し、その変化の結果、資格を喪失した

(3)裁判所または審判所が、その生産者が地理的出所、保護の基準またはその他の製品仕様に対する有効な支配権を持たないと判決した

(4)虚偽の根拠および文書を通じて登録が取得された

 

前述したように、地理的表示の保護に関する施行規則が2015年中にも公布されるものと期待されている。フィリピン知的財産法の法改正と併せて、今後の動向が注目される。