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フィリピンにおける指定商品または役務に関わる留意事項

 フィリピン知的財産庁は、指定商品または指定役務に関する一般的なガイドラインとして、「標章の登録のための商品およびサービスの国際分類」(ニース国際分類)の最新版を採用している。

 フィリピン知的財産法第124.1条(k)は、商標出願には「ニ-ス国際分類の類に従って群に纏められた登録を求める商品または役務の名称、および、その商品または役務の各群が属するニ-ス国際分類の類の番号」が含まれていなければならないと規定している。

 「商標、サービスマーク、商号およびマーキングされた容器に関する規則」(以下、商標規則、2017年改正)に基づき、フィリピン知的財産庁は、商品または役務の記述に関するガイドラインを定めている。

 商標規則405は、適用される国際分類は、WIPOが公告するニース分類の最新版に基づくとしている。また、旧版の国際分類に基づいて登録された商標については、更新の際に審査官による書換登録(reclassification)が行われ、書換に伴う区分追加については費用の納付を前提とする旨が規定されている。

 商標規則406は、商品、事業または役務を特定する際に広義の用語を使用することを禁じている。一方で、外国登録に基づいて出願する出願人は、当該外国登録が商品、事業または役務を特定する際に広義の用語を使用している全ての場合について、当該外国登録が指定する商品を指定しなければならないと規定している。類見出し(Class headings)の記載は使用できるが、記載が示すとおりの商品役務を指定するものとされ、当該区分に属する全ての商品を指定するものとはされず、また、商品役務の性質について紛らわしくないことを前提とする。

 商標規則407は、複数の商品または役務について、これらがニース国際分類の一つの分類に属するか複数の分類に属するかにかかわらず、1件の出願で扱うことができると規定している。ニース国際分類の複数の分類に属する商品または役務を1件の出願が含む場合は、当該出願は、1件の登録を取得することになる。

 商標規則408は、複数の分類に属する商品または役務が1件の出願に含まれている場合、2件以上の出願に分割(分割出願)することができると規定している。ただし、同一区分に属する商品を分割出願することはできない。また、同一出願人による複数の商標出願の結合(merge)も請求により可能である。

 

1. 審査実務

 商品または役務の審査は、最新版のニース国際分類に基づいて行われている。フィリピンは、マドリッド・プロトコルに加盟しているため、審査官は加盟以前に比べて商品または役務に関する比較的広義の記述を認めるようになってきている。例えば、「被服、履物および帽子類(clothing, footwear and headgear)」という記述は、現在では認められるようになっている。

 ただし、出願がパリ条約による優先権を主張しており、優先権の基礎となる本国出願の指定商品または指定役務が、フィリピン出願の指定商品または指定役務より狭義の記述となっている場合はこの限りではない。その場合、審査官は、フィリピン出願に指定されている広義の商品または役務の記述を補正し、本国出願に指定されている商品または役務の範囲内に限定するよう出願人に要求する。より広義の記述で登録を得るためには、出願人はパリ条約による優先権を主張しないで、フィリピン出願を行なう必要がある。

 商品および役務に関する広義の記述は認められておらず、明瞭かつ具体的な商品および役務の記述が要求される。

 例えば、「本類に属するその他すべての商品(all other goods in this class)」という記述は、あまりにも広義であるという理由で認められない。

 

2. 出願料

 商品または役務は、ニース国際分類に従って適正に分類されなければならない。出願料は分類の数に基づいて計算され、商標出願に指定された商品または役務の数に基づいて計算されるわけではない。

 現在、商標出願時に支払う出願料(1区分あたり)は、保有資産が一億ペソ以下の個人または法人、フィリピン政府関連機関が対象となる「小規模団体」(Small entity)は1,200ペソ、それ以外の出願人は2,592ペソである(IPOPHL MEMORANDUM CIRCULAR NO.17-002 Section16)。

フィリピンにおける指定商品または役務に関わる留意事項

【詳細】

フィリピン知的財産庁は、指定商品または指定役務に関する一般的なガイドラインとして、「標章の登録のための商品およびサービスの国際分類」(ニース国際分類)の第9版を採用している。

フィリピン知的財産法第124.1条(k)は、商標出願には「ニ-ス国際分類の類に従って群に纏められた登録を求める商品または役務の名称、および、その商品または役務の各郡が属するニ-ス国際分類の類の番号」が含まれていなければならないと規定している。

「商標、サービスマーク、商号およびマーキングされた容器に関する規則」(商標規則、2006年改正)に基づき、フィリピン知的財産庁は、商品または役務の記述に関するガイドラインを定めている。

規則416は、ニース国際分類における商品または役務に関する夫々の分類の類見出し(クラスヘディング)を示したリストを掲げている。

規則417は、商品、事業または役務を特定する際に広義の用語を使用することを禁じている。一方で、外国登録に基づいて出願する出願人は、当該外国登録が商品、事業または役務を特定する際に広義の用語を使用している如何なる場合も、当該外国登録の対象である商品を指定しなければならないと規定している。

それに加えて、規則418は、複数の商品または役務について、これらがニース国際分類のひとつの分類に属するか複数の分類に属するかにかかわらず、1件の出願で扱うことができると規定している。ニース国際分類の複数の分類に属する商品または役務が1件の出願で扱われている場合は、当該出願は、1件の登録を取得することになる。

複数の分類に属する商品または役務が1件の出願に含まれている場合、2件以上の出願に分割(分割出願)することができるという規定も存在する。

 

1.審査基準

商品または役務の審査は、ニース国際分類に基づいて行われている。フィリピンは、マドリッド・プロトコルに加盟しているため、審査官は加盟以前に比べて商品または役務に関する比較的広義の記述を認めるようになってきている。例えば、「被服、履物および帽子類(clothing, footwear and headgear)」という記述は、現在では認められるようになっている。

ただし、出願がパリ条約による優先権を主張しており、優先権の基礎となる本国出願の指定商品または指定役務が、フィリピン出願の指定商品または指定役務より狭義の記述となっている場合はこの限りではない。その場合、審査官は、フィリピン出願に指定されている広義の商品または役務の記述を補正し、本国出願に指定されている商品または役務の範囲内に限定するよう出願人に要求する。より広義の記述で登録を得るためには、出願人はパリ条約による優先権を主張しないで、フィリピン出願を行なう必要がある。

商品および役務に関する広義の記述は認められておらず、明瞭かつ具体的な商品および役務の記述が要求される。

例えば、「本類に属するその他すべての商品(all other goods in this class)」という記述は、あまりにも広義であるという理由で認められない。

 

2.公定出願料

商品または役務は、ニース国際分類に従って適正に分類されなければならない。公定出願料は分類の数に基づいて計算され、商標出願に指定された商品または役務の数に基づいて計算されるわけではない。

現在、出願時に支払われる公定出願料は、ひとつの分類につき61米ドルである。フィリピン知的財産庁は、2016年中に公定料金の25%引き上げを実施する予定である。