ホーム MM-xy-9700

ミャンマーの知的財産関連機関・サイト

(1)立法機関

・ミャンマー連邦議会(The Pyidaungsu Hluttaw)

http://en.pyidaungsu.hluttaw.mm/

 ミャンマー連邦議会は、ミャンマー連邦共和国の立法府であって、上院の「民族代表院」と、下院の「人民代表院」とから構成される二院制を採用している。

 連邦議会では、「国防および治安」、「外交」、「財務および計画」、「経済」、「農業および畜産業」、「エネルギー、電力、鉱業および林業」、「工業」、「運輸、通信および建設」、「社会」、「管理」、そして「司法」に関する法律を制定する。ミャンマーにおける立法過程は以下のとおりである。

 各省庁が起草した法案が、まず「連邦法務長官府」、「大統領府(大統領法律顧問)」による審査を受けて「連邦政府」の閣議に提出される。連邦政府による承認が得られた法案は、上記「連邦議会」に提出される。連邦議会に法案が提出されると、上院・下院においてそれぞれ審議がなされ、両院の通過後、「大統領」による署名を経て法案成立となる。

 

(2)行政機関

・ミャンマー農業畜産灌漑省 農地管理統計局 土地記録室(Office of Registration Deed, Department of Agriculture Land Management and Statistics, Ministry of Agriculture, Livestock and Irrigation)

https://www.moali.gov.mm/en/content/department-agriculture-land-management-and-statistics

 ミャンマーではコモンローに基づく知的財産(商標、特許、意匠)の保護が存在し、知的財産の権利を保有していることの証拠として、登録法第18条および登録監察官登録命令第13号に基づいて、土地記録室に対し「知的財産の所有者宣言」の申請を行い、当該知的財産を登録することが認められている。

 なお、新知的財産法の成立に伴い、2017年9月以降は特許、意匠を登録することは認められなくなった(商標についても、商標法の施行に伴い、今後登録が認められなくなる)。なお、登録法に基づき登録された商標等の公報は発行されず、閲覧することはできない。

 

・ミャンマー教育省 研究革新局 知的財産部(Office of Intellectual Property, Department of Research and Innovation, Ministry of Education)

http://myanmarip.moe-st.gov.mm/web

 新知的財産法の施行後、知的財産権(商標権、意匠権、特許権)の登録に関する公開、知的財産権の登録簿の保持、知的財産に関わる関連部署の業務を監督することになる。また、知的財産部から知的財産局への格上げ、教育省から商業省への移管が予定されている。

 

・ミャンマー警察(Police Force)

ウェブサイトなし

 内務省傘下の一組織として1964年に設立された。裁判所や税関と連携し、犯罪物の押収、破壊、差止等の業務を行う。知的財産に関する犯罪事件を専門的に取り扱う部門はなく、主に犯罪捜査部(Criminal Investigation Department:CID)が、刑法、特定救済法または関税法に基づいて、職権または権利者から模倣品等の被害届を受理した上で取締りを行う。

 

・ミャンマー計画・財務・工業省 税関局(Customs Department, Ministry of Planning, Finance and Industry)

https://www.customs.gov.mm/

 ヤンゴンを本部所在地とし、輸出入品の検査および監視、出入国時における荷物検査、関税の徴収、商業犯罪の取締り等を取り扱う。また、ミャンマー警察や関連行政機関と連携して、犯罪品の取締りを行う。ミャンマー税関は、海上税関法または関税法に基づいて、職権または権利者からの要請に基づき、輸入禁止品(刑法に定める模倣商標、商業標章法に定める虚偽の商品表示が付された商品商標、著作権法に定める著作権侵害品が含まれる)を差止、没収、処分することができる。

 なお、2019年11月に計画・財務省と工業省が統合された。

 

(3)司法機関

・ミャンマー連邦最高裁判所(The Supreme Court of the Union)http://www.unionsupremecourt.gov.mm/?q=content/supreme-court-union

 首都ネーピードーに存在する最上級の上訴裁判所であって、上告事件および再審事件を審理する権限を有する。また、自治管区および自治区域の裁判所、県裁判所、郡区裁判所その他の下級裁判所が刑事事件および民事事件の裁判を行うにあたっての管轄権を定める権限を有する。さらに、「2国間条約に起因する事項」、「連邦政府、管区および州の間で生じた紛争」、「国際法に反する犯罪」、「法律で規定された事件」等について独自の管轄権を有する。

 

・管区および州の高等裁判所(High Court of the Region and State)

http://www.unionsupremecourt.gov.mm/?q=content/high-courts-region-and-state

 ミャンマー全国で14か所の管区または州に存在し、5億チャット以上の訴額の刑事事件および民事事件を取り扱うほか、控訴裁判所として下級裁判所である自治管区または自治区域の裁判所、県裁判所(郡区裁判所)によって下された判決、命令、決定に対する控訴判決を下す権限を有する。また、連邦最高裁判所の指導に従いながら、管轄対象となる管区または州区内に存在する下級裁判所に対し、司法に関する業務を監督する。

 

・自治管区および自治区域の裁判所(Courts of the Self-Administered Division/Zone)、県裁判所(District Courts)

http://www.unionsupremecourt.gov.mm/?q=content/courts-self-administered-division-zone

http://www.unionsupremecourt.gov.mm/?q=content/district-courts

 ミャンマー全国において1か所の自治管区裁判所、5か所の自治区域裁判所、67か所の県裁判所が存在し、1000万チャット以上5億チャット未満の訴額の刑事事件および民事事件を取り扱う第1審裁判所である。また、連邦最高裁判所および高等裁判所の指導に従いながら、管轄対象となる全ての郡区裁判所に対し、司法関連業務を監督する。

 

・群区裁判所(Township Courts)

http://www.unionsupremecourt.gov.mm/?q=content/township-courts

 ミャンマー全国において300か所以上存在し、1000万チャット未満の訴額の刑事事件および民事事件を取り扱う第1審裁判所である。

 

(4)その他知的財産関係機関

・日本貿易振興機構(ジェトロ)ヤンゴン事務所

https://www.jetro.go.jp/world/asia/mm.html

 ヤンゴンを所在地として、ミャンマーへの投資・技術提携を検討する日本企業、および現地に進出している日系企業をサポートするための総合的な投資支援を行っている。また、ミャンマー政府・現地専門家と協力し、情報・コンサルティングサービスなどを提供するほか、短期オフィススペースの貸し出しも行っている。

 

・日本貿易振興機構(ジェトロ)バンコク事務所 知的財産部

https://www.jetro.go.jp/world/asia/th/ip/

 アセアン10か国、特にメコン地域(タイ、ベトナム、カンボジア、ラオスおよびミャンマー)を対象国として、日系企業等の知的財産に関する業務をサポートする業務を行っている。具体的な業務としては、アセアンにおける「知的財産制度・模倣品対策に関する情報の調査およびその広報」、「知的財産に関する法律的な助言」、「知的財産に関する研修・セミナー」、「東南アジア知財ネットワーク(SEAIPJ)の事務局」および「現地政府当局へのロビーイング活動」を行っている。

 

・ミャンマー知的財産権利者協会(Myanmar Intellectual Property Proprietors’ Association:MIPPA)

https://www.mippa.org.mm/events

 2014年6月に設立された、知的財産に詳しい弁護士や、ブランド所有者を含む知的財産の実務家等のメンバーで構成されたミャンマー唯一の知的財産に関する団体である。具体的な業務として、ミャンマーにおける知的財産の知識を共有し、知的財産を保護し、知的財産の認知度を高める活動を行っている。また、ミャンマー政府と連携して知的財産法の施行に向けた実務会合を行っている。

 

・ミャンマー商工会議所連合会(Republic of Union of Myanmar Federation of Chambers of Commerce & Industry:UMFCCI)

https://www.umfcci.com.mm/

 ミャンマーの経済発展に貢献し、民間企業の利益を守ることを目的として、国と民間の架け橋として1919年に設立された。主な業務としては、国内外の貿易フェアや展示会等への参与、貿易と市場情報の伝達、商業紛争への仲裁、人材育成セミナーや研修等の企画と公的機関の委員会への参加等が挙げられる。近年、WIPOと協同して知的財産関連の研修・セミナーを開催しており、ビジネスにおいて知的財産の重要性を企業へ広める活動を行っている。

ミャンマーの税関における知財関連法規・運用実態に関する調査

 「ASEAN諸国(ラオス、カンボジア、ブルネイ、ミャンマー)の税関における知財関連法規・運用実態に関する調査」(2018年12月、日本貿易振興機構(JETRO)バンコク事務所 知的財産部)「5.ミャンマー」

 

(目次)

5.ミャンマー P.73

 5.1ミャンマー税関の組織体制 P.73

  5.1.1ミャンマー税関の業務内容及び組織体制 P.73

  5.1.2税関取締実績の統計データ P.77

 5.2ミャンマーにおける知的財産関連法規と税関 P.78

  5.2.1税関差止制度の概要 P.78

  5.2.2事前登録制度の概要 P.82

  5.2.3税関における知的財産関連法規の問題点 P.83

 5.3ミャンマー税関における運用実態 P.85

  5.3.1税関による権利侵害品の差止 P.85

  5.3.2知的財産権の事前登録 P.89

  5.3.3税関における運用実態の問題点 P.90