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フィリピン、ミャンマー、カンボジア、ラオス、ブルネイの商標制度比較

国または
地域名
パリ
条約
WTO
協定
TLT マドリッド
協定議定書
ニース協定 商標法
(存続期間)
審査制度
フィリピン × ×
(登録日から10年)
ミャンマー × × × × ○(未施行)
(出願日から10年)
*1
カンボジア × ×
(出願日から10年)
ラオス × ×
(登録日から10年)
ブルネイ × ×
(登録日から10年)

*1 方式および絶対的拒絶理由のみ審査され、公開後に異議申立があった場合に実体審査が行われる。

1.パリ条約
 フィリピン、カンボジア、ラオス、ブルネイは加盟しているが、ミャンマーは未加盟である。しかし、ミャンマーにおいては、2019年に制定された商標法(未施行)によればパリ条約またはWTO協定の加盟国への出願による優先権が認められるとされている。

関連記事:
「フィリピンにおける優先権主張の手続」(2020.11.05)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/19547/
「フィリピンにおける指定商品または役務に関わる留意事項」(2019.09.05)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/17673/
「ミャンマーにおける新たな商標出願制度の概要」(2019.06.18)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17451/
「カンボジアにおける優先権主張の手続」(2020.10.27)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/19536/
「カンボジアにおける商標出願制度の概要」(2019.11.21)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17935/
「ラオスにおける商標出願制度概要」(2019.07.18)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17559/
「ブルネイにおける優先権主張の手続(外国優先権)」(2020.09.15)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/19466/

関連情報: 
「ミャンマー 商標法」(翻訳の14頁)(2019.01.30)
https://www.jica.go.jp/project/myanmar/028/materials/ku57pq00003sxpf7-att/trademark_jp.pdf#page=14

2.WTO協定
 フィリピン、ミャンマー、カンボジア、ラオス、ブルネイはすべてWTO協定に加盟している。

関連記事:
「フィリピンにおける地理的表示に関する施行規則の策定検討状況」(2018.08.23)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/trend/15670/
「ラオスにおける知的財産保護を巡る動き」(2020.11.03)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/19543/

関連情報:
「世界貿易機関(WTO)」
https://www.soumu.go.jp/g-ict/international_organization/wto/pdf/wto.pdf
「ミャンマー 商標法」(翻訳の14頁)(2019.01.30)
https://www.jica.go.jp/project/myanmar/028/materials/ku57pq00003sxpf7-att/trademark_jp.pdf#page=14
「カンボジアにおける模倣品流通実態についての調査」(2017年9月)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/jpowp/wp-content/uploads/2020/02/0b21563bae8c13afbd1bbb8dd8de8c42.pdf

3.商標法条約(TLT)
 商標法条約は商標出願手続きの国際的な制度調和と簡素化を図るための条約である。
 フィリピン、ミャンマー、カンボジア、ラオス、ブルネイのすべてが未加盟である。

関連情報:
「商標法条約」1994年10月
https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/tlt-shouhyou94.pdf
「商標法条約に基づく規則」
https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/tlt/rutlt/chap1.html#rule1
「商標法条約締約国」
https://wipolex.wipo.int/en/treaties/ShowResults?search_what=C&treaty_id=5

4.マドリッド協定議定書
 マドリッド協定議定書は、商標についてWIPO国際事務局が管理する国際登録簿に国際登録を受けることにより、指定締約国においてその保護を確保できる条約である。
 フィリピン、カンボジア、ラオス、ブルネイは加盟しているが、ミャンマーは未加盟である。

関連記事:
「フィリピンにおける優先権主張の手続」(2020.11.05)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/19547/
「フィリピンにおける指定商品または役務に関わる留意事項」(2019.09.05)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/17673/
「カンボジアにおけるマドリッド協定議定書に基づく国際商標出願に関する手続」(2020.03.10)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/18342/
「ラオスにおける商標出願制度概要」(2019.07.18)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17559/
「ブルネイにおける商標登録出願制度概要」(2019.07.02)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17517/

関連情報:
「マドリッド協定議定書の概要」
https://www.jpo.go.jp/system/trademark/madrid/seido/mado.html

5.ニース協定
 ニース協定は商標およびサービスマークの登録のための商品およびサービスの分類として各国共通の国際分類を採用することを目的としている。
 フィリピン、ミャンマー、カンボジア、ラオス、ブルネイはすべて未加盟であるが、いずれもニース国際分類を採用している。

関連記事:
「フィリピンにおける指定商品または役務に関わる留意事項」(2019.09.05)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/17673/
「フィリピンにおける商標審査基準関連資料」(2016.02.09)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/10274/
「カンボジアにおけるマドリッド協定議定書に基づく国際商標出願に関する手続」(2020.03.10)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/18342/
「ラオスにおける商標公報へのアクセス方法」(2021.01.12)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/etc/19677/
「ブルネイ商標制度概要」(2016.06.06)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/11269/

関連情報:
「ニース協定と国際分類の概要」
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/trademark/kokusai_bunrui/document/kokusai_bunrui_11-2020/10.pdf
「ミャンマー商標法」(2019年1月)
https://www.jica.go.jp/project/myanmar/028/materials/ku57pq00003sxpf7-att/trademark_jp.pdf
「カンボジア・ラオス・ミャンマーにおける知財統計情報の調査」(2020年2月)
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/asean/ip/pdf/report_202002.pdf

6.商標法
 フィリピンでは、商標は知的財産法により規定されている。存続期間は、登録日から10年である。また、一つの出願で多区分について同一商標を出願できる。さらに、コンセント制度*2も採用している。
 ミャンマーでは、商標は商標法(未施行)により規定される予定である。存続期間は、出願日から10年の予定である。また、一つの出願で多区分について同一商標を出願できる予定である。
 カンボジアでは、商標は商標法により規定されている。存続期間は、出願日から10年である。また、一つの出願で多区分について同一商標を出願できる。
 ラオスでは、商標は知的財産法および商標に関する首相令により規定されている。存続期間は、登録日から10年である。また、一つの出願で多区分について同一商標を出願できる。
 ブルネイでは、商標は商標法により規定されている。存続期間は、登録日から10年である。また、一つの出願で多区分について同一商標を出願できる。
*2:コンセント制度とは、先行登録商標に類似すると判断される場合であっても、当該先行登録商標の商標権者が同意をすれば出願商標の登録を認める制度。

関連記事:
「フィリピンにおける商標登録出願制度概要」(2019.07.25)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17571/
「フィリピンの商標等関連の法律、規則、審査基準等」(2019.04.09)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/16877/
「ミャンマーにおける知的財産法の制定について(前編)」(2020.07.21)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/19350/
「ミャンマーにおける知的財産法の制定について(後編)」(2020.07.21)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/19352/
「ミャンマー知的財産権制度の最新状況」(2019.06.18)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17449/
「カンボジアにおける商標出願制度の概要」(2019.11.21)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17935/
「カンボジアの商標関連の法律、規則等」(2019.03.28)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/16726/
「ラオスにおける商標出願制度概要」(2019.07.18)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17559/
「ラオスの商標関連の法律、規則等」(2019.04.09)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/16880/
「ブルネイにおける商標登録出願制度概要」(2019.07.02)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17517/
「ブルネイの商標関連の法律、規則等」(2019.04.04)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/16818/
「ブルネイ商標制度概要」(2016.06.06)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/11269/

関連情報:
「ミャンマー商標法」(2019年1月)
https://www.jica.go.jp/project/myanmar/028/materials/ku57pq00003sxpf7-att/trademark_jp.pdf
「商標制度におけるコンセント制度についての調査研究報告書」(平成28年2月、株式会社サンビジネス)https://www.globalipdb.inpit.go.jp/jpowp/wp-content/uploads/2017/02/4ad491d9026cbcf4c7b00594654963ac.pdf

7.審査制度
 フィリピンでは、商標は実体審査が行われる。早期審査制度として審査を優先処理する制度がある。出願公告後30日以内に異議申立が出来る。
 ミャンマーでは、商標は方式および絶対的拒絶理由のみが審査され、公開後60日以内に異議申立があった場合に実体審査が行われる予定である。早期審査制度は採用されない。
 カンボジアでは、商標は実体審査が行われる。早期審査制度が採用されていない。登録公告日から90日以内に異議申立が出来る。
 ラオスでは、商標は実体審査が行われる。早期審査制度は採用されていない。公開日から60日以内に異議申立が出来る。
 ブルネイでは、商標は実体審査が行われる。早期審査制度は採用されていない。出願公告後3月以内に異議申立が出来る。

関連記事:
「フィリピンにおける商標の識別性に関する調査」(2021.09.02)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/20806/
「フィリピンにおける商標登録出願制度概要」(2019.07.25)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17571/
「フィリピンにおける商標異議申立制度」(2017.06.08)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/13788/
「フィリピンにおける商標審査基準関連資料」(2016.02.09)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/10274/
「フィリピンにおける商標の審査迅速化のための対応」(2015.03.31)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/8469/
「ミャンマーにおける新たな商標出願制度の概要」(2019.06.18)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17451/
「ミャンマー知的財産権制度の最新状況」(2019.06.18)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17449/
「カンボジアにおける商標出願制度の概要」(2019.11.21)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17935/
「カンボジアにおけるマドリッド協定議定書に基づく国際商標出願に関する手続」(2020.03.10)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/18342/
「ラオスにおける商標出願制度概要」(2019.07.18)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17559/
「ブルネイにおける商標登録出願制度概要」(2019.07.02)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17517/
「ブルネイ商標制度概要」(2016.06.06)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/11269/

関連情報:
「Lao People’s Democratic Republic(LA)(ラオス人民民主共和国)」
https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/la.pdf
「Brunei Darussalam(BN)(ブルネイ・ダルサラーム国)」
https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/bn.pdf