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韓国意匠出願における新規性喪失の例外規定

 新規性喪失の例外規定の適用要件および手続は次のとおりである(意匠法第36条)。

 

(1)公知の対象

 公知の対象には、韓国国内または国外で意匠を公知にする全ての行為が含まれる。例としては、博覧会・展示会の出品は勿論のこと、自身が市販しながら作成したカタログ等、意匠を公知にする全ての行為が含まれる。ただし、出願によって公開された公開公報等は除外される。

 

(2)公知にした者

 公知にした者は、意匠が公知になった時点で意匠登録を受ける権利を有する者でなければならない。創作者の許可を受けた者であったとしても、意匠登録を受ける権利の承継人でない者が公知にした場合、この規定の適用を受けることができない。ただし、公開を委託して新聞記事に載せ、記事内に創作者または承継人が記載されていれば、適用を受けることができる。

 

(3)時期的制約

 出願は公知日から6ヶ月以内にしなければならない。

 

 複数回公開された場合には、最初の公開日から6ヶ月以内に出願しなければならない。基礎出願の後に公開し、優先権主張を伴う韓国出願を行った場合は、優先権の主張が認められれば、新規性喪失の例外の適用を受けなくても、基礎出願時には公知になっていないことから新規性は否定されない。しかし、意匠を公知にした後に基礎出願を行い、その後に優先権主張を伴う韓国出願を行う場合は、基礎出願時に既に公知になっているので、公知の日から6ヶ月以内に、新規性喪失の例外規定の適用を受けられるようにする必要がある。

 

(4)新規性喪失の例外主張および証拠書類の提出

(ⅰ)この規定の適用を受けるためには、次のいずれか一つに該当するときにその趣旨を書いた書面とこれを証明することのできる書類を提出しなければならない(意匠法第36条第2)。

・意匠登録出願を提出する時。(この場合、証明することのできる書類は意匠登録出願日より30日以内に提出しなくてはならない。)

・拒絶理由通知に対する意見書を提出する時

・意匠一部審査登録の異議申立に対する答弁書を提出する時

・審判請求(意匠登録無効審判の場合に限る)に対する答弁書を提出する時

 

(ⅱ)提出した証拠資料に問題がある場合、補正命令が出される。たとえば、公知にした者と出願人(創作者)が一致しない場合、公知日について原書の記載と証拠資料の記載が一致しない場合等には、補正命令が出され、その時に補正をすることができる。

 

【留意事項】

(1)新規性喪失の例外規定の適用を受けるためには、公知となった日から6ヶ月以内に出願しなければならない。

 

(2)新規性喪失例外主張および証明書類の提出は、従前と異なり、出願時だけでなく出願補正期間内や意匠登録後の異議申立または無効審判が請求された場合にも可能であるため、新規性喪失例外主張を適切に活用すれば有利な立場になることができる。