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韓国の審査実務ガイドの改訂について

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韓国におけるAI関連発明の特許審査に関する調査

 「近年の判例等を踏まえたAI関連発明の特許審査に関する調査研究報告書」(令和4年2月、日本国際知的財産保護協会)第2部 各国・機関のAI関連発明に関する制度・運用 第6章 韓国

第1部 調査研究の概要
第3 調査研究結果
1 各国・機関のAI関連発明に関する制度・運用
(韓国におけるAI関連発明に関する制度を紹介している。詳細は第2部 第6章に記載されている。)

(6)韓国 P.8

第2部 各国・機関のAI関連発明に関する制度・運用
第6章 韓国
(韓国におけるAI関連の発明に関連する法律、規則、審査基準の該当する条文等について解説している。また、2件の審決例および5件の判例が紹介している。(コンピュータソフトウェア関連発明の成立要件の判断手順のフローチャートあり))

第1 法律・審査基準 P.161
1 発明の定義(発明該当性) P.161
(1)発明に該当しない類型 P.161
(2)CS関連発明の成立要件 P.164
2 新規性及び進歩性 P.165
(1)新規性、進歩性 P.165
3 記載要件 P.166
(1)実施可能要件 P.167
(2)サポート要件及び明確性要件 P.169
4 発明者 P.170

第2 AI関連発明に関する審査基準 P.171
1 AI関連発明の定義に関する規定等 P.171
2 AI関連発明の発明該当性 P.172
3 AI関連発明の新規性及び進歩性 P.174
4 AI関連発明の記載要件 P.177
(1)実施可能要件 P.177
(2)サポート要件 P.179
(3)明確性要件 P.180
5 AI生成発明 P.181
(1)発明者をDABUSとする出願について P.181
(2)専門家協議会について P.181
6 五庁における事例研究について P.182
(1)事例1(発明該当性) P.182
(2)事例2(進歩性) P.182
7 その他 P.183
(1)AI関連発明のカテゴリー P.183

第3 AI関連発明に関する審決・判決 P.183
1 発明該当性に関する判断 P.183
(1)2007後494判決 P.183
(2)2001後3149判決 P.184
(3)2006虚8910判決 P.185
2 特許請求の範囲の明確性に関する判断 P.186
(1)審判番号2019101002015 P.186
3 進歩性に関する判断 P.187
(1)審判番号2021101000882 P.187
(2)2020ホ7074判決 P.188
(3)2021ホ1714判決 P.189

中国、韓国、米国、欧州、英国、フランス、ドイツにおける特許請求の範囲の表現形式に関する調査研究

「特許請求の範囲の表現形式に関する調査研究報告書」(2021年3月、知的財産研究教育財団知的財産研究所)
注)圧縮版のため画像が粗くなっています。精細な画像を確認したい方は、下記【ソース】のリンクをご利用ください。

(目次)
要約
実施体制名簿
はじめに
Ⅰ.本調査研究の背景・目的 p.1

Ⅱ.調査研究内容及び実施方法 p.2
1.公開情報調査 p.2
2.海外質問票調査(知的財産庁) p.3
3.海外質問票調査(企業・事務所) p.3
4.国内ヒアリング調査 p.3
5.とりまとめ p.3

Ⅲ.特許請求の範囲の表現形式に関するルール p.4
(日本、米国、欧州、中国、韓国、英国、フランス、ドイツにおける特許請求の範囲の表現形式について、各国・地域の特許請求の範囲の表現形式に関する法令、知的財産庁や国内外の企業・事務所への調査結果を紹介している。また、特許出願・特許維持の料金(請求項の表現形式に関する項目中心)と比較表について紹介している。)

1.請求項の引用形式 p.4
2.請求項の記載形式 p.12
3.各国・地域の特許出願・特許維持に係る料金 p.23

Ⅳ.特許請求の範囲の表現形式に関する運用の実態 p.36
(マルチマルチクレームを認めていない国の知財庁(米国、中国、韓国)へ調査を行い、特許請求の範囲の表現形式(記載形式・引用形式)に関する運用の実態について紹介している。また、対象8か国への出願ついて国内外の企業、事務所へ調査を行い、出願人が重視する要素や各国・地域の特許請求の範囲の記載ルールの相違点が出願人に与える影響を紹介している。)

1.海外質問票調査(知的財産庁)の概要 p.36
2.海外の知的財産庁の審査実務 p.36
3.海外質問票調査(企業・事務所)及び国内ヒアリング調査の概要 p.40
4.出願人が表現形式を検討する際に考慮する要素 p.41
5.表現形式の相違による影響 p.45
6.各国・地域ごとの出願方針 p.83
7.表現形式について特に留意しているその他の国 p.126
8.1出願当たりの請求項数・料金の検討 p.126
9.特許審査ハイウェイ(PPH) p.130
10.国内ヒアリング調査でのその他の意見 p.131

Ⅴ.まとめ p.133
1.特許請求の範囲の表現形式に関するルール p.133
2.特許請求の範囲の表現形式に関する運用の実態 p.133
3.結び p.136

資料編
資料Ⅰ.海外質問票調査(知的財産庁)の質問票 p.1
資料Ⅱ.海外質問票調査(知的財産庁)の結果(詳細) p.4
資料Ⅲ.海外質問票調査(企業・事務所)及び国内ヒアリング調査の質問票 p.11
資料IV.海外質問票調査(企業・事務所)の結果(詳細) p.31
資料V.国内ヒアリング調査の結果(詳細) p.77

韓国における特許制度のまとめ-実体編

1. 特許制度の特徴

(1)特許出願は、審査請求がある時にのみ審査する(特許法第59条第1項)。
 審査請求期間は特許出願日(国際出願日)より従前5年から3年に短縮された(特許法第59条第2項)。

(2)韓国を指定国として指定したPCTによる国際出願は、優先日から2年7か月(国内書面提出期間)以内に発明の説明、請求範囲、図面の説明部分および要約書の韓国語翻訳文を提出しなければならない(特許法第201条第1項)。
 ただし、国内書面提出期間満了日前1か月からその満了日まで、翻訳文の提出期間を延長してほしいという趣旨を書面(特許法第203条第1項)に記載して提出した場合、翻訳文の提出期間を1か月延長することができる(特許法第201条第1項ただし書)。

(3)特許出願が審査段階で拒絶決定(拒絶査定)になると、拒絶決定不服審判の請求前に、明細書または図面を補正して再審査を請求することができる(特許法第67条の2)。
 拒絶決定不服審判の請求後には、明細書等を補正することができず、審査前置制度は廃止された。

(4)特許決定(特許査定)後、特許決定の謄本の送達を受けた日から3か月以内に分割出願が可能である(特許法第52条第1項第3号)。ただし、特許料納付以前でなければならない。

関連記事:「韓国における特許・実用新案出願制度概要」(2021.5.13)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/19854/

関連記事:「韓国における特許取消申請について」(2020.11.12)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/judgment/19558/

関連記事:「韓国における特許出願の拒絶査定不服審判請求時の留意点」(2017.9.14)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/judgment/14030/

関連記事:「韓国における特許・実用新案の審査請求の留意点」(2017.9.21)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/14039/

関連記事:「韓国における特許分割出願制度の活用と留意点」(2017.7.13)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/13898/

関連記事:「韓国におけるパリ条約ルートおよびPCTルートの特許出願の相違点」(2016.3.25)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/10397/

関連記事:「韓国での特許出願における拒絶理由通知に対する対応」(2013.10.8)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/3319/

2. 発明の保護対象
 特許法では、「発明とは、自然法則を利用した技術的思想の創作として高度なものをいう」(特許法第2条第1号)と発明について定義を規定している。

・保護されない発明

(1)公共の秩序または善良な風俗に外れたり公衆の衛生を害するおそれがある発明については、特許を受けることができない(特許法第32条)。

(2)人間を手術、治療または診断する方法である医療行為は産業上、利用することができる発明(特許法第29条第1項本文)に該当しないという理由で拒絶している(特許・実用新案審査基準第3部第1章5.1)。

(3)コンピュータプログラム言語およびコンピュータプログラム自体は、コンピュータを実行する命令に過ぎないこととして特許法の保護対象ではない(特許・実用新案審査基準第3部第1章4.1.8)。

関連記事:「韓国におけるコンピュータソフトウエア関連発明等の特許保護の現状および出願実務について」(2019.1.10)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/16383/

関連記事:「韓国における医薬品等の特許権の延長登録制度と関連制度」(2016.2.5)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/10263/

関連記事:「韓国における特許出願時の留意事項」(2015.3.31)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/8168/

3. 特許を受けるための要件

(1)積極的要件
 産業上の利用可能性(特許法第29条第1項本文)、新規性(特許法第29条第1項各号)、進歩性(特許法第29条第2項)、拡大された先出願の地位(第29条第3項および第4項)、先願主義(特許法第36条)

(2)消極的要件
 公共の秩序または善良な風俗から外れたり公衆の衛生を害するおそれがある発明については、特許を受けることができない(特許法第32条)。

(3)特許出願書類の記載要件
 特許出願に関する手続は、書面の注意を要求しているので、願書、明細書(発明の説明、請求の範囲)、必要な図面および要約書等は、法で定める要件に符合するよう記載しなければならない(特許法第42条、特許法施行令第5条、第6条)。

関連記事:「韓国における特許事由と不特許事由」(2015.3.31)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/8421/

関連記事:「(韓国)選択発明の特許要件および効果の立証に関して判示した事例」(2013.5.2)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/judgment/2734/

4. 職務発明の取り扱い
 職務発明に関しては、発明振興法(第2条、第10条から第19条、第58条)で規定している。
 職務発明とは従業員等が、その職務に関して発明したものが性質上、使用者等の業務範囲に属し、その発明をするようになった行為が従業員等の現在または過去の職務に属する発明をいう(発明振興法第2条第2号)。
 職務発明については、原則的に発明者である従業員等に特許を受けることができる権利が帰属する一方、使用者等には従業員の職務発明に対する通常実施権を認めている(発明振興法第10条)。従業員等が使用者に職務発明を承継し、または専用実施権を設定する場合、使用者は従業員等に相当の補償をしなければならない(発明振興法第15条)。

関連記事:「韓国における職務発明制度について」(2019.5.16)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/statistics/17127/

5. 特許権の存続期間

(1)存続期間
 特許権の存続期間は、特許権の設定登録がされた日から特許出願日後20年になる日までである(特許法第88条第1項)。

(2)特許権の存続期間の延長制度
 特許発明を実施するために他の法令に従い許可を受けたり、登録等をしなければならず、その許可または登録等のために必要な有効性・安全性等の試験に長期間を要する発明の場合には、その実施することができなかった期間に対して5年の期間まで、その特許権の存続期間を一度だけ延長することができる(特許法第89条第1項、特許法施行令第7条)。

(3)審査の遅延による存続期間の延長
 特許出願について、特許出願日からの4年と出願審査請求日からの3年のうち、遅い日より遅延して特許権の設定登録がなされる場合には、その遅延された期間に相当する期間、特許権の存続期間を延長することができる(特許法第92条の2第1項、特許法施行令第7条の2)。

関連記事:「韓国における特許権存続期間の延長制度」(2015.11.17)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/8669/

6. 特許権の行使と侵害

(1)特許権者は侵害禁止請求権、損害賠償請求権、信用回復請求権等を有する(特許法126条、特許法128条、特許法131条)。

(2)特許権侵害の場合、損害と認める金額の3倍を越えない範囲で請求できる懲罰的賠償制度が導入された(特許法第128条第8項および9項)。

(3)特許技術が含まれるソフトウェアは、これを保存した媒体として権利行使が可能であり、方法発明の場合は、その方法を使用する行為またはその方法の使用を請約(申出)する行為まで含まれ、オンライン伝送行為までも権利行使が可能である(特許法第2条第3項ロ目および第94条2項)。

(4)特許表示は「特許+特許番号」または「方法特許+特許番号」で表示し、特許出願中の表示は「特許出願(審査中)+出願番号」または「方法特許出願(審査中)+出願番号」とする。特許表示物の虚偽表示をする場合、3年以下の懲役または3千万ウォン以下の罰金に処する(特許法第223条、特許法228条)。

韓国における特許制度のまとめ-実体編

1. 特許制度の特徴

 

(1) 特許出願は、審査請求がある時にのみ審査する(特許法第59条第1項)。

審査請求期間は特許出願日(国際出願日)より従前5年から3年に短縮された(特許法第59条第2項)。

 

(2) 韓国を指定国として指定したPCTによる国際出願は、優先日から2年7か月(国内書面提出期間)以内に発明の説明、請求範囲、図面の説明部分及び要約書の韓国語翻訳文を提出しなければならない(特許法第201条第1項)。

ただし、国内書面提出期間満了日前1か月からその満了日まで、翻訳文の提出期間を延長してほしいという趣旨を書面(特許法第203条第1項)に記載して提出した場合、翻訳文の提出期間を1か月延長することができる(特許法第201条第1項ただし書)。

 

(3) 特許出願が審査段階で拒絶決定(拒絶査定)になると、拒絶決定不服審判の請求前に、明細書または図面を補正して再審査を請求することができる(特許法第67条の2)。

拒絶決定不服審判の請求後には、明細書等を補正することができず、審査前置制度は廃止された。

 

(4) 特許決定(特許査定)後、特許決定の謄本の送達を受けた日から3か月以内に分割出願が可能である(特許法第52条第1項第3号)。ただし、特許料納付以前でなければならない。

 

関連記事:「韓国における特許・実用新案出願制度概要」(2017.7.20)

http://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/13908/

 

関連記事:「韓国における特許取消申請」(2018.10.2)

http://www.globalipdb.inpit.go.jp/judgment/15923/

 

関連記事:「韓国における特許出願の拒絶査定不服審判請求時の留意点」(2017.9.14)

http://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/2619/

 

関連記事:「韓国における特許・実用新案の審査請求の留意点」(2017.9.21)

http://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/14039/

 

関連記事:「韓国における特許分割出願制度の活用と留意点」(2017.7.13)

http://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/13898/

 

関連記事:「韓国におけるパリ条約ルートおよびPCTルートの特許出願の相違点」(2016.3.25)

http://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/10397/

 

関連記事:「韓国での特許出願における拒絶理由通知に対する対応」(2013.10.8)

http://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/3319/

 

 

2. 発明の保護対象

特許法では、「発明とは、自然法則を利用した技術的思想の創作として高度なものをいう」(特許法第2条第1号)と発明について定義を規定している。

 

・保護されない発明

 

(1) 公共の秩序または善良な風俗に外れたり公衆の衛生を害するおそれがある発明については、特許を受けることができない(特許法第32条)。

 

(2) 人間を手術、治療または診断する方法である医療行為は産業上、利用することができる発明(特許法第29条第1項本文)に該当しないという理由で拒絶している。

 

(3) 医薬品の用途発明は、明細書に薬理効果があることを薬理データ等で表した試験例で記載するか、またはこれに代わる程度に具体的に記載しなければならない。

 

(4) コンピュータプログラム言語およびコンピュータプログラム自体は、コンピュータを実行する命令に過ぎないこととして特許法の保護対象ではない。

 

関連記事:「韓国におけるコンピュータソフトウエア関連発明等の特許保護の現状および出願実務について」(2019.1.10)

http://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/16383/

 

関連記事:「韓国における医薬品等の特許権の延長登録制度と関連制度」(2016.2.5)

http://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/10263/

 

関連記事:「韓国における特許出願時の留意事項」(2015.3.31)

http://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/8168/

 

 

3. 特許を受けるための要件

 

(1)積極的要件

産業上の利用可能性(特許法第29条第1項本文)、新規性(特許法第29条第1項各号)、進歩性(特許法第29条第2項)、拡大された先出願の地位(第29条第3項及び第4項)、先願主義(特許法第36条)

 

(2)消極的要件

公共の秩序または善良な風俗に外れたり公衆の衛生を害するおそれがある発明については、特許を受けることができない(特許法第32条)。

 

(3)特許出願書類の記載要件

特許出願に関する手続は、書面の注意を要求しているので、願書、明細書(発明の説明、請求の範囲)、必要な図面及び要約書等は、法で定める要件に符合するよう記載しなければならない(特許法第42条、特許法施行令第5条、第6条)。

 

関連記事:「韓国における特許事由と不特許事由」(2015.3.31)

http://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/8421/

 

関連記事:「(韓国)選択発明の特許要件及び効果の立証に関して判示した事例」(2013.5.2)

http://www.globalipdb.inpit.go.jp/judgment/2734/

 

 

4. 職務発明の取り扱い

職務発明に関しては、発明振興法(第2条、第10条から第19条、第58条)で規定している。

職務発明とは従業員等が、その職務に関して発明したものが性質上、使用者等の業務範囲に属し、その発明をするようになった行為が従業員等の現在または過去の職務に属する発明をいう(発明振興法第2条第2号)。

職務発明については、原則的に発明者である従業員等に特許を受けることができる権利が帰属する一方、使用者等には従業員の職務発明に対する通常実施権を認めている(発明振興法第10条)。従業員等が使用者に職務発明を承継し、または専用実施権を設定する場合、使用者は従業員等に相当の補償をしなければならない(発明振興法第15条)。

 

関連記事:「韓国における職務発明制度について」(2019.5.16)

http://www.globalipdb.inpit.go.jp/statistics/17127/

 

 

5. 特許権の存続期間

 

(1)存続期間

特許権の存続期間は、特許権の設定登録がされた日から特許出願日後20年になる日までである(特許法第88条第1項)。

 

(2) 特許権の存続期間の延長制度

特許発明を実施するために他の法令に従い許可を受けたり、登録等をしなければならず、その許可または登録等のために必要な有効性・安全性等の試験に長期間を要する発明の場合には、その実施することができなかった期間に対して5年の期間まで、その特許権の存続期間を一度だけ延長することができる(特許法第89条第1項、特許法施行令第7条)。

 

(3) 審査の遅延による存続期間の延長補償

特許出願について、特許出願日からの4年と出願審査請求日からの3年のうち、遅い日より遅延して特許権の設定登録がなされる場合には、その遅延された期間に相当する期間、特許権の存続期間を延長することができる(特許法第90条の2第1項、特許法施行令第7条の2)。

 

関連記事:「韓国における特許権存続期間の延長制度」(2015.11.17)

http://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/8669/

 

韓国におけるコンピュータソフトウエア関連発明等の特許保護の現状および出願実務について

 「各国における近年の判例等を踏まえたコンピュータソフトウエア関連発明等の特許保護の現状に関する調査研究報告書」(平成29年11月、日本国際知的財産保護協会)第2部E、第4部E

 

(目次)

第2部 各国におけるコンピュータソフトウエア関連発明等の特許保護の現状

 A. 総括

  1 各国・地域の制度・運用の概要一覧表 P.11

  2 主要対象国におけるCS関連発明等の特許性に関する重要審決・判決一覧

   2.4 韓国におけるCS関連発明等の特許性に関する重要判決一覧 P.25

 

 E. 韓国 P.159

  1 法律、審査基準 P.159

   1.1 発明の定義及び/又は特許可能な発明の定義 P.159

   1.2 発明が特許されるための要件 P.161

   1.3 CS関連発明等の定義 P.164

    1.3.1 CS関連発明の定義 P.164

    1.3.2 BM関連発明の定義 P.164

   1.4 CS関連発明等が特許可能な発明として認められるか P.164

    1.4.1 CS関連発明 P.164

    1.4.2 BM関連発明 P.165

   1.5 CS関連発明等の特許性の審査基準 165

    1.5.1 保護適格性の審査基準 P.166

    1.5.2 進歩性の審査基準 P.167

   1.6 CS関連発明等の審査基準における特記事項 P.170

   1.7 保護対象として認められる可能性のあるCS関連発明等のクレーム形式 P.172

  2 歴史的変遷 P.174

   2.1 判決 P.174

   2.2 審査基準の変遷 P.176

  3 主要判決 P.178

   3.1 判決一覧 P.178

   3.2 大法院20030516言渡2001フ3149判決 P.178

   3.3 ソウル中央地方法院2004107言渡2003ガハプ38530判決 P.179

   3.4 大法院20081224言渡2007フ265判決 P.179

 

第4部 海外質問票調査及びサンプル調査

 E. 韓国 P.454

  1 CS関連発明等に関する主な論点と判断方法について P.454

  2 CS関連発明等に関する最近の審査実務の傾向や変化について P.455

  3 CS関連発明等に関する拒絶理由とその解消方法について P.455

  4 CS関連発明等の特許明細書等の記載に関する留意点について P.457

  5 機能的記載のクレームの制限及び留意点について P.458

  6 権利行使の観点からのクレームの書き方について P.460

  7 CS関連発明等に関する問題点等、全般について P.461

  8 CS関連発明等に関する法律や審査基準等の今後の動向について P.462

韓国における用途発明の特許権の効力範囲を踏まえた食品の保護

 「用途発明の特許権の効力範囲を踏まえた食品の保護の在り方に関する調査研究報告書」(平成27年11月、知的財産研究所)Ⅶ-6

 

(目次)

Ⅶ 各国・地域における用途発明の取扱い

 6 韓国 P.62

  (1) 食品の用途発明に用いられるクレームの扱いについて P.62

  (2) 食品の用途発明に対して付与された特許権の効力が及ぶ範囲 P.63

   (i) 特許権の侵害となる行為について P.63

   (ii) 第三者による行為の想定例について P.63

  (3) 食品の用途発明に関する記載要件、新規性、進歩性の判断基準 P.64

  (4) 食品の機能表示制度について P.65

  (5) その他 P.66

   (i) 機能性食品の技術分野における特許権による保護に関する近年の議論、運用変更、法改正等について P.66

   (ii) 機能性食品の用途発明に関連した特許出願数について P.66

   (iii) 食品の機能性表示と特許権による保護の関係について P.67

 8 海外調査結果まとめ

  図表Ⅶ-4 各国における食品の用途発明について認められるクレーム P.76

  図表Ⅶ-5 各国における食品の用途発明に対して付与される特許権の効力範囲 P.78

韓国における改正特許審査指針書の概要

【詳細】

韓国では、特許審査指針書が2015年1月1日付で改正され、主な改正内容は以下に示す通りである。

 

(1)審査着手前の予備審査制度

(i)目的:意見提出通知(日本における拒絶理由通知書に相当。)の発行前に出願人と審査官との間で審査情報を相互提供し、適正な権利化および早期権利化を図ることを目的とする。

(ii)対象:優先審査決定された出願のうち、難易度が高いとされる技術分野の出願

 

(2)補正案レビュー制度

(i)目的:出願人が意見提出通知における拒絶理由に対して最終補正書を提出する前に、審査官と補正案についての意見交換を行い、出願人の特許権利化の可能性を高め、審査官の正確な審査を図ることを目的にする。

(ii)対象:意見書提出期間満了日1ヵ月前に補正案を提出した全ての出願

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(3)優先審査対象の拡大

(i)改正前:出願人が出願した発明を業として実施中または実施準備中の出願を優先審査の対象とする。(自己実施要件)

(ii)改正後:国家または自治体が主催・主管した展覧会や品評会で選定され、国家または地方自治体から出願や事業化支援を受けた出願は自己実施要件に該当するものと見なす。

 

(4)非弁理士の代理業務禁止の明確化

(i)改正前の審査基準:出願代理業務は、業としなければ誰でも可能であった。

(ii)改正後の審査基準:弁理士でない者は、業とするか否かに関係なく特許等の代理業務を禁止した。ただし、民事訴訟法第88条の準用により出願人と一定の関係、すなわち4親等内の親族関係や雇用契約関係が立証できる場合、非弁理士の代理業務を許容する。