中国における判例の調べ方—中国裁判文書網
中国裁判文書網のウェブサイト(https://wenshu.court.gov.cn/)にアクセスし、そのホームページ上の入力欄にキーワードを簡体字で入力すると、検索することができる。
(なお、本ウェブサイトに何度かアクセスすると、その後、しばらくの間、アクセスが制限されることがある点に留意されたい。)
図1:中国裁判文書網トップページ
(1) 図1に示す中国裁判文書網トップページ画面上部には、刑事案件、民事案件、行政案件、赔偿案件(賠償案件)、执行案件(執行案件)という5タイトルが表示される。任意のタイトルをクリックすると、図2aに示す登録画面が表示される。
図1の画面下部中央には文书总量(文書総量)が表示され、リアルタイムで収蔵数が増加していくのが分かる。
図2a:登録画面
(2) 図2aに示す登録画面の上部の「手机号码(携帯電話番号)」、「密码(パスワード)」を入力し、「登录」ボタンをクリックして、ログインする。
【初めて利用する場合】
(2-1) 初めて利用する場合は、アカウントの登録が必要である。まず、図2a右下の「注册(登録)」をクリックし、図2b「微信扫码注册(ウィーチャットQRコードスキャン登録)」のQRコードを表示する。
図2b:注册(登録)ステップの画面
(2-2) 携帯端末にインストールされたウィーチャット(中国のメッセンジャーアプリ)の「扫一扫(スキャン)」機能を利用して、上記QRコードをスキャンする。
スキャンすると、図2c「扫码成功,请在手机上完成账户绑定(スキャンが成功、携帯端末でアカウントに携帯電話番号をバインドしてください)」の情報が提示される。
図2c:スキャン成功のステップの画面
(2-3) 携帯端末でスキャン後、引き続き、下記携帯画面にしたがって、操作する。
「绑定」をクリック 携帯で赤い枠をクリック 「绑定」が成功
以上で、携帯端末による携帯番号のバインドが、完了した。
(2-4) 携帯端末による上記操作後、パソコン画面が、図2dのパスワード設定画面となるので、パスワードを設定するステップに入る。
・パスワード(少なくとも英語大文字のA-Z、英語小文字のa-z、数字の0-9、特殊文字のうちの3種類を組み合わせて8桁以上から構成し設定する必要がある)を入力し、再度、その下欄にパスワードを再入力する。
・次に、その下の小さい空白四角形「中国裁判文书网用户协议(中国裁判文書網ユーザー協議)」をチェックした後、
・「立即提交(即時提出)」ボタンをクリックすれば、登録が完了する。
図2d:パスワード設定画面
(2-5) 登録が完了すると、図2e画面に変わり、アカウントの入手が成功となる。
図2e:アカウント入手成功画面
(2-6) 図2eの右下の「登录」をクリックすると、下記画面(図2a 登録画面)が表示される。そこで、国番号(日本の場合は、+81)を選択(黒い三角をクリックして選択する、入力不可)し、登録用の携帯電話番号(80あるいは90で開始)、図2dで設定済みのパスワードを入力し、「登录」をクリックすれば、当該サイトにログインすることができる。
図2a:登録画面(再掲)
また、ウィーチャットによる登録方法のほか、携帯端末に「支付宝(アリペイ)」、「钉钉(ディントーク)」のアプリのアカウントを保有している場合、QRコード画面の右下の「其他注册方式(その他の登録方法)」の青い「支」のアイコンをクリックし、アリペイまたはディントークのスキャン機能を利用し、携帯端末でアカウントに携帯電話番号をバインドすることもできる。
上述の携帯番号とパスワードでログインする方法以外に、図2a登録画面の下方の「在线服务(ウィーチャットのオンラインサービス)」、「支付宝(アリペイ)」、「钉钉(ディントーク)」のアプリのアカウントを保有している場合、直接そのアイコンをクリックすると、図2f~2hに示すログイン画面が表示されるので、携帯電話にインストールされたウィーチャットやアリペイやディントークのアプリを利用し、対応するQRコードをスキャンすると、携帯端末のアプリで認証や許可をした後、ウェブサイト側が自動的にログインする。
図2f:在线服务(ウィーチャット)のログイン画面
図2g:支付宝(アリペイ)のログイン画面
図2h:钉钉(ディントークのログイン画面)
(3) 図3に示す検索画面トップページに表示されていない判決文を検索したい場合は、ページの一番上にある「高級検索」右側の入力欄に、案件理由、キーワード、案件番号、当事者名称、裁判所名称、弁護士の氏名などのキーワードを簡体字で入力し、「搜索(検索)」ボタンをクリックすると、検索条件にマッチングする判決の案件名が一覧表示される。
図3:中国裁判文書網検索ページ(民事案件の例)
(4) 図3の画面の左側に案件の検索を補助する類型化された選択肢カテゴリーが表示され、各検索項目をクリックすると検索条件を設定できる。
検索項目として、「关键字(キーワード)」、「案由(案件理由)」、「法院层级(裁判所レベル)」、「地域及法院(地域及び裁判所)」、「裁判年份(裁判年度)」、「审判程序(民事、刑事、行政などの帰属)」、「文书类型(文書種類)」、「案例等级(案例レベル)」を選択することができる。
また、トップページから「民事案件」を選択し、検索に「专利」を入力して「搜索」をクリックした場合の選択肢カテゴリーを図4に示す。
図4:「民事案件・专利」で提示される選択肢カテゴリー
(5) 図4に示したとおり、「关键词(キーワード)」には、「专利(特許・実用新案・意匠)」、「侵权行为(侵害行為)」、「合同(契約書)」、「侵权产品(侵害製品)」、「赔偿数额(賠償金額)」などがあるので、検索したいキーワードを選択できる。キーワードの後の括弧にある数字は、当該キーワードに係る案件の件数を示している。右側のローリングバーをスライドすれば、より多くのキーワードが表示される。
「案由(案件理由)」における「知识产权与竞争纠纷(知的財産権と競争紛争)」をクリックすれば、「知识产权合同纠纷(知的財産権契約紛争)」、「知识产权权属、侵权纠纷(知的財産権権利所属、侵害紛争)」などの項目があり、さらに「知识产权权属、侵权纠纷(知的財産権権利所属、侵害紛争)」をクリックすれば、「著作权权属、侵权纠纷(著作権権利帰属、侵害紛争)」、「商标权权属、侵权纠纷(商標権権利帰属、侵害紛争)」、「专利权权属、侵权纠纷(専利権権利帰属、侵害紛争)」などの項目があるので、検索したい案件理由を選択できる。各案件理由の後にある数字は、当該案件理由に係る案件の件数を示している。
「法院层级(裁判所レベル)」には、「最高法院(最高裁判所)」、「高级法院(高等裁判所)」、「中级法院(中等裁判所)」、「基层法院(基礎裁判所)」の4つの項目がある。
「地域及法院(地域および裁判所)」には、行政区画通りに各地域の各レベルの裁判所が表示される。例えば、北京市の下には、北京市第一、二、三、四中等裁判所及び知的財産裁判所があり、各中等裁判所の下に、基礎裁判所がある。
しかし、この項目の下には、高等裁判所がない。例えば、北京市高等裁判所を検索したい場合、「法院层级(裁判所レベル)」の高等裁判所を選択し、「地域及法院(地域および裁判所)」の北京市を選択すれば、北京市高等裁判所に関連する結果が検索される。
「裁判年份(年度)」には、1996年からの年度が表示される。この年度は、案件の受理日ではなく、判決日である。
「审判程序(裁判審級)」には、「民事一审(民事一審)」、「民事二审(民事二審)」、「民事审判监督(民事裁判監督)」、「第三人撤销之诉(第三者訴訟取下の訴訟)」、「特别程序(特別手続)」、「催告(催告)」、「督促(督促)」、「其他(その他)」の8つの項目がある。「民事审判监督(民事審判監督)」項目には、「民事申诉再审审查(民事不服申立再審審査)※1」、「民事抗诉再审审查(民事控訴再審審査)※2」、「民事再审(民事再審)※3」の3つの項目がある。
「文书类型(文書種類)」には、「判决书(判決書)」、「裁定书(裁定書)」、「调解书(調停書)」、「决定书(決定書)」、「通知书(通知書)」、「令(注意)」、「其他(その他)」の項目があり、検索したい法律文書の種類から選択できる。
※1 「民事不服申立再審審査」は、当事者は原審判決を不服として提起した再審申立申請について、再審理を行う必要性について審査した裁判文書である。
※2 「民事控訴再審審査」は、原審判決に対して裁判所の自発的な再審査、検察院の控訴による再審査に関する裁判文書である。
※3 「民事再審」は、何らかの理由により再審審理された事件に係る裁判文書である。
(6) 検索例として、案件理由の「知识产权与竞争纠纷(知的財産権と競争紛争)」、裁判所レベルの「高级法院(高等裁判所)」、地域及び裁判所の「北京」、年度の「2023」、審級の「二审(二審)」、文書種類を「判决书(判決書)」をそれぞれクリックすると、図5の画面が表示される。
図5:検索結果
(7) 検索結果の各案件の案件名をクリックするとその判決書が表示される(図6)。
図6:判決書
(8) その他の検索方法として、図3や図7に示す画面において、「高級検索」ボタンをクリックすると、図8に示す表形式の入力画面が表示され、検索条件を直接入力することもできる。
図7:中国裁判文書網トップページ
図8:高級検索画面
(9) 図3や図7に示す画面の右側の「?」ボタンをクリックすると、図9に示す操作説明が表示される。
図9:操作説明画面
(10) 留意点
サイトの収録案件数が多いためか、または、アクセス件数が多いためか、条件を選択または入力して「搜索(検索)」ボタンをクリックしても、目的の表示が完結せず、途中で終了してしまう現象が見られる。このような場合は、ブラウザの更新ボタンを何度かクリックしていると最後まで表示される。
中国における判例の調べ方—中国裁判文書網
(1)中国裁判文書網のウェブサイト(https://wenshu.court.gov.cn/)にアクセスし、そのホームページでキーワードを簡体字で入力すると、検索できる。
図1:中国裁判文書網トップページ
(2)図1に示す中国裁判文書網トップページ画面上部には、刑事案件、民事案件、行政案件、赔偿案件(賠償案件)、执行案件(執行案件)という5つのタイトルが表示される。任意のタイトルをクリックすると、図2aに示す登録画面が表示される。
画面下部中央には文书总量(文書総量)が表示され、リアルタイムで収蔵数が増加している。
図2a:登録画面
(3)図2aに示すログイン画面の上部の「手机号码(携帯電話番号)」、「密码(パスワード)」を入力し、「登录」ボタンをクリックして、ログインする。初めて利用する場合、まず右下の「注册(登録)」をクリックし、登録する必要がある。
図2b:ログイン画面
図2bに示すログイン画面の「请填写手机号码(携帯電話番号を入力してください)」に、国番号(日本の場合は「+81」)を選択した上、携帯電話番号を入力し、下欄の青色の「验证码」(検証コード)を入力し、「中国裁判文书网用户协议」(中国裁判文書網ユーザー協議)をチェックした後、「下一步」(次のステップ)をクリックすると、図2cに示す検証コード入力画面に入る。
図2c:検証コード入力画面
図2cの「获取验证码」(検証コードを取得)をクリックし、携帯電話に発送される検証コードを入力した上、「下一步」(次のステップ)をクリックすると、図2dに示すパスワード設定画面に入る。
図2d:パスワード設定画面(パソコン)
図2e:パスワード設定画面(携帯電話)
図2dまたは2eに示すパスワードの設定画面にてパスワードを設定した後、図2aの登録画面に戻し、携帯番号とパスワードを入力しログインする。なお、パスワードは、英語大文字のA-Z、英語小文字のa-z、数字の0-9、特殊文字のうちの3種類を組み合わせの8桁以上から構成し設定する。
また、下方の「微法院(微チャット法院)」、「支付宝(アリペイ)」、「钉钉(ディントーク)」などのアプリのアカウントを保有している場合、直接そのアイコンをクリックすると、図2f~2gに示すログイン画面が表示される。携帯電話にインストールされた微チャットやアリペイやディントークのアプリを利用し、対応するQRをスキャンすると、携帯端末のアプリで認証や許可をした後、ウェブサイト側が自動的にログインする。
図2f:微チャットのログイン画面
図2g:支付宝(アリペイ)のログイン画面
図2h:钉钉(ディントークのログイン画面)
図3:中国裁判文書網検索ページ(民事案件の例)
(4)図3に示す検索画面トップページに表示されていない判決文を検索したい場合は、ページの一番上にある「高級検索」右側の入力欄に、案件理由、キーワード、案件番号、当事者名称、裁判所名称、弁護士の氏名などのキーワードを簡体字で入力し、「搜索(検索)」ボタンをクリックすると、検索条件にマッチングする判決の案件名が一覧表示される。
(5)図3の画面の左側に案件の検索を補助する類型化された選択肢カテゴリーが表示され、各検索項目をクリックすると検索条件を設定できる。
検索項目として「关键字(キーワード)」、「案由(案件理由)」、「法院层级(裁判所レベル)」、「地域及法院(地域及び裁判所)」、「裁判年份(裁判年度)」、「审判程序(民事、刑事、行政などの帰属)」、「文书类型(文書種類)」、「案例等级(案例レベル)」が選択できる。
トップページから「民事案件」を選択し、検索に「专利」を入力して「搜索」をクリックしたときの選択肢カテゴリーを図4に示す。
図4:「民事案件・专利」で提示される選択肢カテゴリー
(6)図4に示すように、「关键词(キーワード)」には、「专利(特許・実用新案・意匠)」、「侵权行为(侵害行為)」、「合同(契約書)」、「侵权产品(侵害製品)」、「赔偿数额(賠償金額)」などがあるので、検索したいキーワードを選択できる。キーワードの後の括弧にある数字は、当該キーワードに係る案件の件数を示している。右側のローリングバーをスライドすれば、より多くのキーワードが表示される。
「案由(案件理由)」における「知识产权与竞争纠纷(知的財産権と競争紛争)」の「+」をクリックすれば、「知识产权合同纠纷(知的財産権契約紛争)」、「知识产权权属、侵权纠纷(知的財産権権利所属、侵害紛争)」などの項目があり、さらに「知识产权权属、侵权纠纷(知的財産権権利所属、侵害紛争)」の「+」をクリックすれば、「著作权权属、侵权纠纷(著作権権利帰属、侵害紛争)」、「商标权权属、侵权纠纷(商標権権利帰属、侵害紛争)」、「专利权权属、侵权纠纷(専利権権利帰属、侵害紛争)」などがあるので、検索したい案件理由を選択できる。各案件理由の後にある数字は、当該案件理由に係る案件の件数を示している。
「法院层级(裁判所レベル)」には、「最高法院(最高裁判所)」、「高级法院(高等裁判所)」、「中级法院(中等裁判所)」、「基层法院(基礎裁判所)」の4つの項目がある。
「地域及法院(地域および裁判所)」には、行政区画通りに各地域の各レベルの裁判所が表示される。例えば、北京市の下には、北京市第一、二、三、四中等裁判所及び知的財産裁判所があり、各中等裁判所の下に、基礎裁判所がある。
しかし、この項目の下には、高等裁判所がない。例えば、北京市高等裁判所を検索したい場合、「法院层级(裁判所レベル)」の高等裁判所を選択し、「地域及法院(地域および裁判所)」の北京市を選択すれば、北京市高等裁判所に関連する結果を検索することができる。
「裁判年份(年度)」には、1996年以降の年度が表示される。この年度は、案件の受理日ではなく、判決日である。
「审判程序(裁判審級)」には、「民事一审(民事一審)」、「民事二审(民事二審)」、「民事审判监督(民事裁判監督)」、「第三人撤销之诉(第三者訴訟取下の訴訟)」、「特别程序(特別手続)」、「催告(催告)」、「督促(督促)」、「其他(その他)」の8つの項目がある。「民事审判监督(民事審判監督)」項目には、「民事申诉再审审查(民事不服申立再審審査)※1」、「民事抗诉再审审查(民事控訴再審審査)※2」、「民事再审(民事再審)※3」の3つの項目がある。
「文书类型(文書種類)」には、「判决书(判決書)」、「裁定书(裁定書)」、「调解书(調停書)」、「决定书(決定書)」、「通知书(通知書)」、「令(注意)」、「其他(その他)」の項目があり、検索したい法律文書の種類から選択できる。
※1 「民事不服申立再審審査」は、当事者は原審判決を不服として提起した再審申立申請について、再審理を行う必要性について審査した裁判文書である。
※2 「民事控訴再審審査」は、原審判決に対して裁判所の自発的な再審査、検察院の控訴による再審査に関する裁判文書である。
※3 「民事再審」は、何らかの理由により再審審理された事件に係る裁判文書である。
(7)例えば、案件理由の「知识产权与竞争纠纷(知的財産権と競争紛争)」、裁判所レベルの「高级法院(高等裁判所)」、地域及び裁判所の「北京」、年度の「2021」、審級の「二审(二審)」、文書種類を「判决书(判決書)」をそれぞれクリックすると、図5の画面が表示される。
図5:検索結果
(8)検索結果の各案件の案件名をクリックするとその判決書が表示される(図6)。
図6:判決書
(9)その他の検索方法として、図3や図7に示す「高級検索」ボタンをクリックすると、図8に示す表形式の入力画面が表示され、検索条件を直接入力することもできる。
図7:中国裁判文書網トップページ
図8:高級検索画面
(10)図3や図7に示す画面の右側の「?」ボタンをクリックすると図9に示す操作説明が表示される。
図9:操作説明画面
(11)留意点
サイトの収録案件数が多いためか、または、アクセス件数が多いためか、条件を選択または入力して「搜索(検索)」ボタンをクリックしても、目的の表示が完結せず、途中で終了してしまう現象が見られる。このような場合、ブラウザの更新ボタンを何度かクリックしていると最後まで表示される。
中国における判例の調べ方—中国裁判文書網
(1) 中国裁判文書網のウェブサイト(http://wenshu.court.gov.cn/Index)にアクセスし、そのホームページでキーワードを簡体字で入力すれば、検索できます。
中国裁判文書網トップページ
(2)検索画面には、刑事案件、民事案件、行政案件、赔偿案件(賠償案件)、执行案件(執行案件)という5タイトルが表示されますので、任意のタイトルをクリックして判決文を表示させることができます。
画面下部中央に文书总量(文書総量)が表示され、リアルタイムで収蔵数が増加していきます。
中国裁判文書網検索ページ(民事案件の例)
検索画面トップページに表示されていない判決文を検索したい場合は、ページの一番上にある「高級検索」右側の入力欄に、案件番号、当事者名称、裁判所名称などのキーワードを簡体字で入力し、「搜索」(検索)ボタンをクリックすると、検索条件にヒットする判決の案件名が一覧表示されます。
また、「高級検索」ボタンをクリックすると、表形式の入力画面が表示され、検索条件を直接入力することもできますが、ここでは説明を省略します。右側の「?」ボタンをクリックすると操作説明が表示されます。
(3)画面の左側に案件の検索を補助する類型化された選択肢「所有类目(すべてのカテゴリー)」が表示され、各検索項目をクリックすると検索条件を設定できます。
検索項目として「按关键词筛选(キーワード)」、「按案由筛选(案件理由)」、「按法院层级筛选(裁判所レベル)」、「按地域及法院筛选(地域及び裁判所)」、「按裁判年份筛选(年度)」、「按审判程序筛选(裁判審級)」、「按文书类型筛选(文書種類)」が選択できます。
トップページから「民事案件」を選択し、検索語に「专利」を入力して「搜索」をクリックしたときの「所有类目」を以下に示します。
「民事案件・专利」で提示される「类目(カテゴリー)」選択肢
「按关键词筛选(キーワード)」には、「专利(特許・実用新案・意匠)」、「侵权行为(侵害行為)」、「技术特征(技術特徴)」、「赔偿数额(賠償金額)」などがありますので、検索したいキーワードを選択できます。キーワードの後の括弧にある数字は、当該キーワードに係る案件の件数を示しています。「查看更多(もっと見る)」をクリックすれば、より多くのキーワードが表示されます。
「按案由筛选(案件理由)」には、「知识产权与竞争纠纷(知的財産権と競争紛争)」、「侵害发明专利权纠纷(権利侵害紛争)」などの項目がありますので、検索したい案件理由を選択できます。各案件理由の後にある数字は、当該案件理由に係る案件の件数を示しています。
「按法院层级筛选(裁判所レベル)」には、「最高法院(最高裁判所)」、「高级法院(高等裁判所)」、「中级法院(中等裁判所)」、「基层法院(基礎裁判所)」の4つの項目があります。
「按地域及法院筛选(地域および裁判所)」には、行政区画通りに各地域の各レベルの裁判所が表示されます。例えば、北京市の下には、北京市第一、二、三、四中等裁判所及び知的財産裁判所があり、各中等裁判所の下に、基礎裁判所があります。
しかし、この項目の下には、高等裁判所がありません。例えば、北京市高等裁判所を検索したい場合、「按法院层级筛选(裁判所レベル)」の高等裁判所を選択し、「按地域及法院筛选(地域および裁判所)」の北京を選択すれば、北京市高等裁判所に関連する結果が検索されます。
「按裁判年份筛选(年度)」には、1996年からの年度が表示されます。この年度は、案件の受理日ではなく、裁判日です。
「按审判程序筛选(裁判審級)」には、「一审(一審)」、「二审(二審)」、「再审(再審)※1」、「再审审查与审判监督(再審審査と審判監督)※2」、「其他(その他)」の5つの項目があります。
「按文书类型筛选(文書種類)」には、「判决书(判決書)」、「裁定书(裁定書)」、「调解书(調停書)」のほか、ここには表示されていませんが、「决定书(決定書)」、「通知书(通知書)」、「令(注意)」の項目があり、検索したい法律文書の種類から選択できます。
※1 「再審」は、何らかの理由により再審査された事件に係る裁判文書です。
※2 「再審審査」は、再審申立てについて、再審理を行う必要性について審査した裁判文書です。また、「審判監督」は、判決に対しての当事者からの再審査申立て、裁判所の自発的な再審査、検察院の控訴による再審査に関する裁判文書です。
例として、案件理由の「知识产权与竞争纠纷(知的財産権と競争紛争)」、裁判所レベルの「高级法院(高等裁判所)」、地域及び裁判所の「北京」、年度の「2018」、審級の「二审(二審)」、文書種類を「判决书(判決書)」をそれぞれクリックすると、以下の画面が表示されます。
検索結果
各案件の案件名をクリックするとその判決書を読むことができます。
判決書
【留意点】
サイトの収録案件数が多いためか、または、アクセス件数が多いためか、条件を選択または入力して「搜索(検索)」ボタンをクリックしても、目的の表示が完結せず、途中で終了してしまう現象が見られます。このような場合、ブラウザの更新ボタンを何度かクリックしていると最後まで表示されます。
中国最高人民法院の判決の調べ方
中国最高人民法院の判決を調べるにはいくつか方法があるが、いずれも完全ではないので、様々な方法により調査する必要がある。以下に、比較的よく利用される代表的なサイトを挙げる。
(1)「中国知識産権裁判文書(中国知识产权裁判文书网)」サイト(http://ipr.court.gov.cn/)
直接http://ipr.court.gov.cn/へアクセスするか、あるいは最高人民法院のトップページ(http://www.court.gov.cn/)の下部にある「中国知识产权裁判文书网」をクリックすると当該サイトが表示される。当該サイトの使い方の詳細な説明は別コンテンツ「判例の調べ方―最高人民法院・中国知識産権裁判文書網」参照。
このサイトは最高人民法院が管理している無料のサイトで、最高人民法院の判決だけでなく、地方人民法院が出した知財事件の判決文も掲載されている。過去においては、全ての判決が掲載されるわけではなく、むしろ未掲載の判決の方が多いと言われていたが、2014年『最高人民法院关于人民法院在互联网公布裁判文书的规定』が発効して以降、殆どの判決、決定などが掲載されるようになっている。
(2)「中華人民共和国最高人民法院(中华人民共和国最高人民法院)」サイト(http://www.court.gov.cn/)
(1)は最高人民法院の判決だけでなく地方人民法院の判決を検索できるサイトであるが、最高人民法院の判決のみを調べる場合には、最高人民法院のホームページの上部にある「裁判文书(裁判文書)」から検索することもできる。「裁判文书(裁判文書)」をクリックすると、キーワードやファイル番号などによる検索が可能である検索ページが表示される。検索範囲は、最高人民法院の判決や決定に限定される。
(3)法律図書館「裁判文書」サイト(http://www.law-lib.com/cpws/)
法律図書館は杭州法図網絡科技有限公司が運営する総合的法律専門サイトである。最高人民法院を含む人民法院が出した判決の検索が可能であるが、最高人民法院の知財判決に絞った検索ができないうえ、キーワードの検索対象がタイトルに限られるため、十分な検索ができない場合がある。
(4)その他
最高人民法院を含む人民法院が出した判決の検索が可能な有料のサービスとして、北大英華公司と北大法制信息中心が共同創立したサイトとして北大法宝法律データベース(http://www.pkulaw.cn/)、北大法律信息網「司法案例」サイト(http://vip.chinalawinfo.com/case/)、北京汇法正信科技有限公司が運営する汇法網(http://www.lawxp.com/)、北京大学が出資する北京法意科技有限公司が運営する北大法意(http://www.lawyee.org/)等のサイトがある。
なお、含まれている判決は最高人民法院のものに限られないが、中国における重要な判例の検索に際しては、最高人民法院が毎年3月頃に発表する「知的財産権に関する10の重大案件および50の典型的案件」に掲載された判決番号を参考にして検索できる。