中国における知的財産権侵害関連裁判マニュアル
「知的財産権侵害関連裁判マニュアル」(2023年3月、日本貿易振興機構北京事務所(知的財産権部))
目次
初めに P.6
第1章 中国知的財産権司法制度の概要 P.7
(第1節は知的財産事件の訴訟の動向について、新規受理件数、損害賠償額、地域の傾向、最高人民法院による知的財産権司法保護強化の取組等を紹介しながら解説している(2009年から2021年の中国における知的財産権民事事件及び知的財産権の保有件数の統計情報あり)。第2節は知的財産に関連する法律について、特に最近の法律改正(専利法(2020年)、商標法(2019年)、著作権法(2020年)、反不正競争法(2017年、2019年)等)、および最近の最高人民法院の司法解釈等を紹介している。第3節は中国法院の組織体系および管轄、訴訟制度の概要を説明している。第4節は知的財産権訴訟の流れについて説明している(知的財産権民事訴訟、知的財産権行政訴訟、知的財産権刑事訴訟(公訴および自訴事件別)のフローチャート、訴訟費用の解説あり)。)
第1節 中国知的財産権訴訟形態 P.7
一、知的財産権事件の増加動向 P.7
二、知的財産権訴訟損害賠償の動向 P.9
三、知的財産権事件の地域の特徴 P.12
四、知的財産権訴訟の司法環境 P.13
第2節 中国知的財産権司法制度体系 P.15
一、中国法律体系 P.15
二、知的財産権関連法の検索 P.36
第3節 知的財産権判決に関わる法院の組織体系 P.38
一、中国法院の組織体系 P.38
二、知的財産権審判体系 P.40
三、知識産権法院 P.41
四、知識産権法廷 P.43
五、インターネット法院 P.45
六、「三審合一」裁判モデル P.46
第4節 知的財産権訴訟概要 P.48
一、知的財産権訴訟の分類 P.48
二、知的財産権訴訟の流れ P.53
三、知的財産権訴訟の管轄 P.70
四、知的財産権訴訟の費用 P.81
第2章 訴訟準備の実務 P.86
(第1節は知的財産権侵害行為の発見から救済の基本的な方法を紹介している。第2節は訴訟代理人選定のポイントを紹介している。第3節は訴訟提起する場合の訴訟代理人との確認事項について解説している(知的財産権に関連する民事訴訟事件の訴因例の表あり)。第4節は立件前の重要な準備(弁護士による訴訟前調査、証拠準備)および立件申立て(必要書類、申請の手順(民事訴状の例、オンライン立件の例あり))について紹介している。第5節は中国における証拠保全制度を解説している(2017年から2020年までの知的財産権民事訴訟における公証証書の利用率の表あり)。第6節は司法鑑定手続(鑑定のフローチャートあり)について説明している。)
第1節 権利侵害の監視 P.86
一、権利侵害監視のチームの設立 P.86
二、権利侵害のルート探し P.87
三、訴訟の代わりの選択 P.88
第2節 弁護士の選定 P.93
一、弁護士の選択と評価のポイント P.93
二、事務所に関する情報の入手 P.95
三、弁護士の費用について P.96
四、委任契約の締結 P.97
第3節 法律事務所との確認事項 P.97
一、訴訟リスクの評価 P.97
二、当事者の適格の審査 P.99
三、訴訟のタイミングの確認 P.105
四、訴訟の訴因の確認 P.106
五、管轄法院の確認 P.115
六、侵害責任の確認 P.116
第4節 立件の準備 P.118
一、訴訟前の調査 P.118
二、証拠準備 P.123
三、立件の申請 P.129
第5節 証拠の保全 P.135
一、概要 P.135
二、中国公証制度 P.139
三、認証制度について P.146
四、電子証拠保存 P.152
第6節 司法鑑定 P.160
一、自発的鑑定と司法鑑定との区別 P.160
二、司法鑑定の概要 P.162
第3章 訴訟中の実務 P.170
(第1節は民事訴訟の基本的な制度概要、手続の流れ、証拠提出、調停、民事訴訟の書類を解説している。第2節は知的財産権侵害罪の概要、刑事訴訟手続の流れ(フローチャートあり)、刑事附帯民事訴訟について解説している。第3節は行政訴訟の概要、手続の流れ(フローチャートあり)、権利付与・確定をめぐる行政訴訟の訴因の分析結果等を紹介している。)
第1節 民事訴訟実務 P.170
一、民事訴訟の概要 P.170
二、民事訴訟の流れ P.173
三、挙証 P.178
四、証拠調査 P.189
五、訴訟調停 P.199
六、民事訴訟書類 P.206
第2節 刑事訴訟実務 P.213
一、知的財産権侵害罪の概要 P.214
二、刑事訴訟の流れ P.224
三、刑事附帯民事訴訟 P.233
第3節 行政訴訟の実務 P.239
一、行政訴訟の概要 P.239
二、行政訴訟の流れ P.248
三、権利付与・権利確定をめぐる行政訴訟 P.253
第4章 訴えられた場合の対処法 P.264
(第1節では警告状を受け取った時の対応のポイントを解説している。第2節では侵害訴訟を提起された場合の対応(法律で規定されている抗弁事由の説明あり)について解説している。第3節では専利権侵害への10の抗弁事由、商標権侵害への4つの抗弁事由、著作権侵害への4つの抗弁事由を紹介し、さらに、不正競争侵害(混同行為および営業秘密侵害行為によるもの)への抗弁事由についても説明している。第4節では、権利侵害の告発を受けた場合に取り得る、ダメージ低減のための一般的な措置を紹介している。)
第1節 警告状を受け取った時の対処 P.264
一、警告状に対する評価 P.264
二、警告状の送付先に対する調査 P.265
三、警告状に対する対処手段 P.267
第2節 侵害訴訟への防衛 P.269
一、手続き上の異議申立の可能性について P.269
二、知的財産権を用いて抗弁理由を探す P.272
三、相手の侵害訴訟へ反撃する P.274
四、できる限り権利侵害賠償額を引き下げる P.278
第3節 起訴された場合の抗弁事由 P.279
一、専利権侵害への抗弁事由 P.279
二、商標権侵害への抗弁事由 P.282
三、著作権侵害への抗弁事由 P.291
四、不正競争侵害への抗弁事由 P.295
第4節 いざという時のための準備 P.297
一、製品販売の一時停止 P.298
二、クライアントからの支持を得る P.298
三、権利侵害回避デザインを行う P.299
四、未権利化市場の活用 P.299
五、予備危機管理広報活動 P.300
第5章 訴訟後の実務 P.303
(第1節は、人民法院に発効した判決内容の強制執行を申し立てる際のアドバイスを提示している。第2節は、判決結果が公表される方法を紹介している。また、企業が判決結果を公表する際の留意点を解説している。第3節は、再発防止の手段や懲罰的賠償または重罰に関する規定を紹介している。)
第1節 判決の履行 P.303
一、有効な執行のためのアドバイス P.303
二、強制執行のための手掛りの調査 P.305
三、強制執行の督促手段 P.308
四、強制執行の注意事項 P.310
第2節 判決結果の公表 P.312
一、法院の公表 P.312
二、企業のホームページでの侵害者の情報の公開 P.315
三、適切な宣伝 P.315
四、その他の侵害者への警告の証拠 P.315
第3節 再発防止のための監視 P.316
一、再発の可能性について P.316
二、再発防止の手段 P.316
三、再犯重罰に関する規定 P.321
第6章 訴訟に関するトピックス及び専門研究 P.324
(13の侵害問題の概要と対処方法、研究テーマ等を解説している。)
一、商標の悪意ある抜け駆け出願への対処法 P.324
二、OEM生産の商標侵害問題 P.331
三、商標・専利に係る並行輸入の問題 P.337
四、企業名称による商標権侵害又は不正競争の法律問題研究 P.347
五、インターネットによる知的財産権侵害の対策研究 P.354
六、不法アップグレード及び改修等の権利侵害取締に関する事件処理ガイドライン P.360
七、フォントタイプ関連の著作権の問題 P.369
八、中国医薬品パテントリンケージ制度について P.376
九、グラフィックユーザーインターフェイスの意匠権侵害の問題研究 P.384
十、分業化による他人の専利権侵害行為に関する責任研究 P.393
十一、意匠・実用新案権に関わる判例研究 P.400
十二、知的財産権行政差止命令等の知的財産権保護制度の設置に関する検討 P.408
十三、知的財産権侵害に係る懲罰的賠償制度の研究 P.412
添付資料 P.418
(「資料一」では、知的財産権紛争関連の法令等のURLを紹介している。「資料二」では、5件の専利の侵害事例、5件の商標の侵害事例、3件の著作権の侵害事例、3件のその他の種類の侵害事例を解説している。)
資料一、知的財産権関連の主な法律制度の概要 P.418
資料二、中国における知的財産権関連の高額賠償の典型的事例の概要 P.450