ホーム ASE:ASEAN

ASEAN特許審査協力(ASPEC)プログラム

(1)ASPECプログラムの概要
 ASEAN特許審査協力(ASEAN Patent Examination Cooperation;以下、「ASPEC」という。)プログラムは、ASEAN加盟国の特許庁間で特許調査および審査の結果を共有する制度であり、2009年6月15日に開始された。このプログラムの目的は、プログラム参加庁間で特許調査および審査の結果を共有することによって重複した業務の削減、特許調査および審査時間の短縮、特許審査の質の向上を図ることである。本稿作成時点(2022年3月)における本プログラムの参加国は、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイおよびベトナムの9か国である。
 特許調査および審査の結果を受領したASEAN加盟国の特許庁は、参考資料としてこれらの資料を考慮することができる。ただし、これらの結果を受け入れる義務があるわけではなく、その国の法律に従い、特許を付与するかどうかを決定する。

(2)ASPECプログラム申請の要件
 ASPEC申請書が提出されたASEAN加盟国の特許庁(第2特許庁“second IP Office”)に行われた特許出願が、他のASEAN加盟国の特許庁(第1特許庁“first IP Office”)に行われた特許出願と「対応する特許出願」である必要がある。
 第2特許庁における特許出願は、以下の場合に第1特許庁における特許出願と「対応する特許出願」とされる。すなわち、第1特許庁における特許出願がパリ条約の優先権により第2特許庁の特許出願とリンクする場合もしくはその逆の場合、第1特許庁および第2特許庁における両特許出願が他のパリ条約加盟国もしくは世界貿易機関に対して同一の優先権を有する場合、または第1特許庁および第2特許庁における両特許出願が同一のPCT出願の国内移行段階である場合に「対応する特許出願」であるとされる。

(3)手続
 ASPECプログラムを申請するためには、第2特許庁に対してASPEC申請書を提出する必要がある。なお、ASPEC申請書は、第1特許庁に対して提出することは要求されない。
 ASPEC申請書には、次の2つの書類を添付しなければならない。1つ目の書類は、第1特許庁に対する出願についての見解書または審査レポートのコピー(以下、「最小限資料」という。)である。2つ目の書類は、添付された最小限資料で言及されている特許請求の範囲のコピーであって、第1特許庁によって特許許可の判断がなされた少なくとも1つの請求項を含む特許請求の範囲のコピーである。出願人は、請求項の対応表を任意で添付することができる。また出願人は、第1特許庁の見解書が複数ある場合、見解書を複数添付することができる。
 出願人は、ASPEC申請書において見解書を添付する場合、監視機関(aspec@ipos.gov.sg)とASPEC文書提出ガイドラインの4.1のリストに挙げられているそれぞれの担当者に対して、(i)第1特許庁における出願番号、(ii)第2特許庁および第2特許庁における出願番号、(iii)ASPECプログラムの申請日、(iv)見解書を添付する旨、(v)出願人の情報が記載されたEメールを送信しなければならない。
 ASPEC申請にかかる上記書類の言語は、英語で作成する必要がある。このため、英語以外の言語で記載された最小限資料は、英語の翻訳文とともに添付しなければならない。ASPEC申請の手数料は、無料である。

(4)留意事項
 2019年8月27日から、ASPEC Acceleration for Industry 4.0 Infrastructure and Manufacturing initiative (ASPEC-AIM)とPatent Cooperation Treaty ASPEC (PCT-ASPEC)という二つの制度が試験的に開始された。
 ASPEC-AIMは、フィンテック、サイバーセキュリティ、ロボティクスなどの4次産業分野における特許出願に対してASPEC申請が行われた場合、当該特許出願が優先的に審査されて短期間でファーストオフィスアクションを受けることができる制度である。ASPEC-AIMを申請するためには、第1特許庁において所定の国際特許分類が示されている必要がある。またASPEC-AIMを申請する場合、ASPEC申請書において当該申請がASPEC-AIMのための申請であることを明記する必要がある。ASPEC-AIMは、2023年8月26日まで実施されることが予定されている。
 PCT-ASEPCは、ASEANの国際調査機関(ISA)で発行された見解書や、国際予備審査機関(IPEA)で発行された国際予備審査報告をASPEC申請書に添付可能とする制度である。PCT-ASEPCを申請する場合、ASPEC申請書において当該申請がPCT-ASEPCのための申請であることを明記する必要がある。また出願人がPCT-ASEPCを申請する際に監視機関と担当者に送信する上述したEメールには、上記(iv)を記載する必要はなく、また上記(i)に代えてPCT出願の出願番号を記載する必要がある。なお、第2特許庁がASEANの国際調査機関や国際予備審査機関の場合でも、PCT-ASPECを申請することができる。また、ASPEC-AIMとPCT-ASPECは第2特許庁において同時に申請することができる。PCT-ASPECは、2022年8月26日まで実施されることが予定されている。

ASEANの知的財産情報のポータルサイト(ASEAN IP Portal)の紹介

 ASEAN IP Portalは、ASEANの知的財産制度に関する情報、統計情報、ASEAN特許審査協力(ASPEC)の電子申請フォームおよびASEAN加盟国の各知的財産庁や検索サイトのリンク等で構成されており、ASEAN地域全体の知的財産に関する情報を取得できるサイトである。以下に、ASEAN IP Portalの基本的な使い方を紹介する。

(1)ASEAN IP Portal(https://www.aseanip.org/)にアクセスすると図1aから図1cの画面が表示される。

図1a:トップ画面1

図1b:トップ画面2

図1c:トップ画面3

(2)図1c画面のASEAN加盟国(ブルネイ・ダルサラーム、カンボジア、インドネシア、ラオス人民民主共和国、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)の旗をクリックすると、知的財産庁の情報が表示される。図2はブルネイを選択した例である。

図2:ブルネイ知的財産庁の情報

(3)図1a画面の「I am」「Business Owner/IP Agent」をクリックすると、7つのプルダウンメニューが表示される(図3)。

図3:プルダウンメニュー表示画面(Business Owner/IP Agent)


(4)図3の「file an online ASPEC application to protect my invention in ASEAN」をクリックすると図4の画面が表示される。ASPEC(ASEAN Patent Examination Cooperation)リクエスト申請ができる。

図4:ASPEC REQUEST FORM画面

(5)図3の「know more about the ASEAN IP Rights Action Plan 2016-2025」をクリックすると、図5の画面が表示される。ASEAN加盟10カ国の知的財産庁で構成される知的財産協力に関するASEAN Working Group on Intellectual Property Cooperation(AWGIPC)の10年間の行動計画(ASEAN IP Rights Action Plan 2016-2025)を確認することができる。
(参考:トップ画面のプルダウンメニュー「Resource」、「ASEAN IPR Action Plan 2016-2025」からもアクセスできる(図18)。)

図5:ASEAN IP Rights Action Plan画面

(6)図3の「search for existing trademarks in ASEAN」をクリックすると、ASEAN TM Viewの画面が表示される(図6)。
(参考:トップ画面のプルダウンメニュー「Service」、「ASEAN TM VIEW」からもアクセスできる(図19)。)

図6:ASEAN TM View画面

(7)図3の「search for general trademark classification in ASEAN」をクリックすると、ASEAN TM Classの画面が表示される(図7)。

図7:ASEAN TM Class画面

(8)図3の「search for existing designs in ASEAN」をクリックすると、ASEAN Design Viewの画面が表示される(図8)。
(参考:トップ画面のプルダウンメニュー「Service」、「ASEAN DESIGN VIEW」からもアクセスできる(図19)。)

図8:ASEAN Design View画面

(9)図3の「search for existing patents in ASEAN」をクリックすると、ASEAN PATEN SCOPEの画面が表示される(図9)。
(参考:トップ画面のプルダウンメニュー「Service」、「ASEAN PATENT SCOPE」からもアクセスできる(図19)。)

図9:ASEAN PATEN SCOPE画面

(10)図3の「obtain contact info for the ASEAN IP Offices」をクリックすると、図10の画面が表示される。各国の知的財産庁の情報を確認できる。図11はブルネイとカンボジアをクリックした例である。

図10:ASEAN IP Officesの選択画面

図11:ブルネイ、カンボジアの知的財産庁の情報

(11)図1a画面の「I am」「Student/Researcher」をクリックすると、4つのプルダウンメニューが表示される(図12)。

図12:プルダウンメニュー表示画面(Student/Researcher)

(12)図12の「obtain statistics on ASPEC filings in ASEAN」をクリックすると、図13の画面が表示される。ASPECの統計情報を確認することができる。
(参考:トップ画面のプルダウンメニュー「Statistics」、「ASEAN Patent Examination Cooperation(ASPEC)Statistics」からもアクセスできる(図20)。)

図13:ASPECの統計情報画面

(13)図12の「obtain statistics on IP filings in ASEAN」をクリックすると、図14の画面が表示される。2013年から2019年の商標、特許、意匠出願の統計情報を確認することができる。

図14:出願件数の統計情報

(14)図12の「access the ASEAN IP utilisation case studies」をクリックすると、図15の画面が表示される。加盟国での知的財産の利用事例が紹介されている。

図15:知的財産の利用事例情報

(15)図12の「access the ASEAN case law databases」をクリックすると、図16の画面が表示される。IPR関連の事例が紹介されている。「Case」の案件をクリックすると英文要約が表示される。図17は「Staywell Hospitality Group Pty Ltd v Starwood Hotels & Resorts Worldwide, Inc and another and another appeal」をクリックした例である。

図16:IPR関連の事例リスト

図17:英文要約の例

(16)留意点
 図18から図20はトップ画面のプルダウンメニューの画面である。上記に紹介した情報にアクセスできる項目もあるが、例えば、「IP CASE LAW」や「GI Database」へのアクセスはトップ画面のプルダウンメニューからのみアクセスできる。調査したい内容に応じて、図3や図12の画面、あるいはトップ画面のプルダウンメニューからアクセスするとよい。

図18:トップ画面 プルダウンメニュー(RESOURCES)

図19:トップ画面 プルダウンメニュー(SERVICES)

図20:トップ画面 プルダウンメニュー(STATISTICS)

ASEANにおける各国横断検索が可能な産業財産権データベースの調査報告

 「ASEANにおける各国横断検索が可能な産業財産権データベースの調査報告」(2020年3月、日本貿易振興機構(JETRO)バンコク事務所知的財産部)

注)圧縮版のため画像が粗くなっています。精細な画像を確認したい方は、下記【ソース】のリンクをご利用ください。

(目次)
第1章 はじめに
1.背景、目的 p.4
2.調査概要 p.5

第2章 特許データベースPATENTSCOPE
(シンガポール、ベトナム、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ラオスの9か国の情報を検索できる。利用マニュアル(日本語版)のURL、Simple Search、Fields Combination、Advanced Searchで表示される文言の日本語訳を紹介している。また、検索・表示項目留意点を説明している。)
1.概要 p.7
2.検索データベース仕様一覧 p.8
3.検索データベース取扱い説明 p.10
3.1検索 p.11
3.2検索結果の表示 p.19
3.3PATENTSCOPEのその他の機能 p.22
4.PATENTSCOPE検索・表示項目留意点 p.23

第3章 特許データベースASEAN PATENTSCOPE
(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの9か国の特許情報を検索できる。簡易検索で表示される文字列関連フィールドの日本語訳を紹介している。また、検索上の留意点を説明している。)
1.概要 p.28
2.ASEAN PATENTSCOPE取扱い説明 p.29
2.1簡易検索 p.29
2.2検索結果表示 p.35
2.3検索上の留意点 p.42

第4章 意匠データベースASEAN DesignView
(ブルネイ、インドネシア、カンボジア、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの9か国の意匠情報を検索できる。Advanced Search(詳細検索)で表示される検索項目、文字列関連フィールドの日本語訳、簡易統計の操作手順を紹介している。また、検索・表示項目留意点を説明している。)
1.検索データベース仕様一覧 p.46
2.検索データベース取扱い説明 p.48
3.ASEAN DesignView検索・表示項目留意点 p.61

第5章 商標データベースASEAN TMview
(ブルネイ、インドネシア、カンボジア、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの9か国の商標情報を検索できる。Advanced Search(詳細検索)で表示される検索項目、文字列関連フィールドの日本語訳、簡易統計の操作手順を紹介している。また、検索・表示項目留意点を説明している。)
1.検索データベース仕様一覧 p.66
2.検索データベース取扱い説明 p.68
3.ASEAN TMview検索・表示項目留意点 p.81

第6章 商標データベースGlobal Brand Database
(WIPOホームページから検索できる。検索手順および文字列関連フィールドの日本語訳を説明している。また、検索・表示項目留意点を説明している。)
1.概要 p.86
2.検索データベース仕様一覧 p.89
3.検索データベース取扱い説明 p.91
4.Global Brand Databese検索・表示項目留意点 p.115

第6章 FOPISER
(2020年1月現在、ASEAN ではシンガポール・ベトナム・タイの特許・実用新案、ベトナム・タイ商標の検索が可能である。特許・実用新案の検索画面、結果一覧の表示、詳細画面の表示(スクリーニング)は日本特許検索用のJ-PlatPatと同様である。検索・表示項目留意点を説明している。)
1.特許・実用新案データベースFOPISER p.121
1.1検索データベース仕様一覧 p.121
1.2検索データベースFOPISER取扱い説明 p.122
1.3特許・実用新案データベースFOPISER検索・表示項目留意点 p.127
2.商標データベースFOPISER p.130
2.1検索データベース仕様一覧 p.130
2.2検索データベースFOPISER取扱い説明 p.131
2.3商標データベースFOPISER検索・表示項目留意点 p.135

TPP11に対するASEAN諸国の状況

記事本文はこちらをご覧ください。

ASEANにおける各国横断検索が可能な産業財産権データベースの調査

 「ASEANにおける各国横断検索が可能な産業財産権データベースの調査」(2019年4月、日本貿易振興機構(JETRO)バンコク事務所 知的財産部)

 

(目次)

第1章 はじめに P.4

 1.背景、目的 P.4

 2.調査概要 P.5

第2章 特許データベースPATENTSCOPE P.7

 1.概要 P.7

 2.検索データベース仕様一覧 P.8

 3.検索データベース取扱い説明 P.10

  3.1 検索 P.11

  3.2 検索結果の表示 P.15

  3.3 PATENTSCOPEのその他の機能 P.17

 4.PATENTSCOPE検索・表示項目留意点 P.18

第3章 特許データベースASEAN PATENTSCOPE P.23

 1.概要 P.23

 2.検索データベース仕様一覧 P.24

 3.検索データベースASEAN PATENTSCOPE取扱い説明 P.27

  3.1簡易検索(SEARCH) P.27

  3.2 詳細検索(ADVANCED SEARCH) P.34

  3.3 検索結果一覧 P.41

  3.4 案件詳細表示画面 P.45

 4.ASEAN PATENTSCOPE検索・表示項目留意点 P.49

第4章 意匠データベースASEAN DesignView P.55

 1.検索データベース仕様一覧 P.55

 2.検索データベース取扱い説明 P.57

 3.ASEAN DesignView検索・表示項目留意点 P.70

第5章 商標データベースASEAN TMview P.75

 1.検索データベース仕様一覧 P.75

 2.検索データベース取扱い説明 P.77

 3.ASEAN TMview検索・表示項目留意点 P.90

第6章 商標データベースGlobal Brand Database P.95

 1.概要 P.95

 2.検索データベース仕様一覧 P.98

 3.検索データベース取扱い説明 P.100

  3.1 検索(Search By) P.100

  3.2 絞り込み-フィルタリング(Filter By) P.107

  3.3 検索履歴 P.115

  3.4 検索結果画面 P.117

  3.5 ダウンロード P.119

  3.6 詳細情報画面 P.122

 4.Global Brand Database検索・表示項目留意点 P.123

第6(「7」の誤記:作成者注)章 FOPISER P.128

 1.特許・実用新案データベースFOPISER P.128

  1.1 検索データベース仕様一覧 P.128

  1.2 検索データベースFOPISER取扱い説明 P.129

  1.3 特許・実用新案データベースFOPISER検索・表示項目留意点 P.134

 2.商標データベースFOPISER P.137

  2.1 検索データベース仕様一覧 P.137

  2.2 検索データベースFOPISER取扱い説明 P.138

  2.3 商標データベースFOPISER検索・表示項目留意点 P.141

ASEANにおける各国横断検索が可能な産業財産権データベースの調査報告

 「ASEANにおける各国横断検索が可能な産業財産権データベースの調査報告」(2018年3月、日本貿易振興機構バンコク事務所知的財産部)第1章から第7章

 

(目次)

第1章 はじめに P.4

 1. 背景、目的 P.4

 2. 調査概要 P.5

第2章 特許データベースPATENTSCOPE P.7

 1. 概要 P.7

 2. 検索データベース仕様一覧 P.8

 3. 検索データベース取扱い説明 P.10

  3.1 検索 P.11

  3.2 検索結果の表示 P.15

  3.3 PATENTSCOPEのその他の機能 P.19

 4. PATENTSCOPE検索・表示項目留意点 P.20

第3章 特許データベースASEAN PATENTSCOPE P.25

 1. 概要 P.25

 2. 検索データベース仕様一覧 P.26

 3. 検索データベースASEAN PATENTSCOPE取扱い説明 P.29

  3.1 簡易検索(SEARCH) P.29

  3.2 詳細検索(ADVANCED SEARCH) P.36

  3.3 検索結果一覧 P.43

  3.4 案件詳細表示画面 P.47

 4. ASEAN PATENTSCOPE検索・表示項目留意点 P.51

第4章 意匠データベースASEAN DesignView P.57

 1. 検索データベース仕様一覧 P.57

 2. 検索データベース取扱い説明 P.59

 3. ASEAN DesignView検索・表示項目留意点 P.72

第5章 商標データベースASEAN TMview P.77

 1. 検索データベース仕様一覧 P.77

 2. 検索データベース取扱い説明 P.79

 3. ASEAN TMview 検索・表示項目留意点 P.92

第6章 商標データベースGlobal Brand Database P.97

 1. 概要 P.97

 2. 検索データベース仕様一覧 P.100

 3. 検索データベース取扱い説明 P.102

  3.1 検索(Search By) P.102

  3.2 絞り込み-フィルタリング(Filter By) P.109

  3.3 検索履歴 P.117

  3.4 検索結果画面 P.119

  3.5 ダウンロード P.121

  3.6 詳細情報画面 P.124

 4. Global Brand Database検索・表示項目留意点 P.125

第6章 FOPISER P.130

 1. 特許・実用新案データベースFOPISER P.130

  1.1 検索データベース仕様一覧 P.130

  1.2 検索データベースFOPISER取扱い説明 P.131

  1.3 特許・実用新案データベースFOPISER検索・表示項目留意点 P.136

 2. 商標データベースFOPISER P.139

  2.1 検索データベース仕様一覧 P.139

  2.2 検索データベースFOPISER取扱い説明 P.140

  2.3 商標データベースFOPISER検索・表示項目留意点 P.143

インドネシアのマドリッド協定議定書の加盟

 2017年10月2日、インドネシアはマドリッド協定議定書への加入書を世界知的所有権機関(WIPO)の国際事務局に寄託した。マドリッド協定議定書は、インドネシアにおいて2018年1月2日に発効する。これにより、マドリッド協定議定書の加盟国数は100か国となる。

 

 2018年当初より、外国の企業および商標所有者はマドリッド制度を利用して、インドネシアにおける商品および役務に関する商標保護を申請できるようになる。インドネシアはグローバル市場のリーダーであり、G20経済圏で最も急速な成長を遂げている上位5か国の一つに数えられている。

 

 インドネシアは、マドリッド協定に参加する東南アジア諸国連合(ASEAN)で8番目の国である。この加盟は、ASEAN全域における技術移転の促進、および知的財産権を巡る協力強化を通したイノベーションの推進というASEANが掲げる目標に向けた更なる一歩となる。

 

 マドリッド制度は、一件の国際商標出願において多くの国々を指定することが可能な制度である。マドリッド国際出願手続は、従来の各国直接出願と比べて効率化と費用削減をもたらす。

 

1. 本国官庁としてのインドネシア知的財産総局(Directorate General of Intellectual Property Rights、以下「DGIP」という。)

 

 インドネシア商標および地理的表示法第20/2016号の第52条に従い、以下のことが定められている。

 

(1)国際商標登録出願は、以下のいずれかの形式で行うことができる。

 (a)インドネシアを本国とし、DGIPを経由してWIPO国際事務局宛てに送付される出願。

 (b)指定国の1つとして、WIPO国際事務局を経由してDGIPにより受領される出願。

 

(2)上記(1)の項目(a)に定められた国際商標登録出願は、以下の者によってのみ提出することができる。

 (a)インドネシア国民である出願人。

 (b)インドネシア共和国の領域内に本拠を置く、または合法的に居住する出願人。

 (c)インドネシア共和国の領域内で実際に産業または商業活動をしている出願人。

 

(3)上記(2)に規定された出願人は、国際商標登録出願の基礎として、インドネシアにおいて既に商標を出願しているか、または商標を登録している必要がある。

 

(4)国際商標登録出願に関する追加規定は、標章の国際登録に関するマドリッド協定議定書に基づいており、政令により規定されなければならない(新しい手続および手数料について説明する詳細な規定は、2017年後期に施行される予定である。)。

 

 先述したように、DGIPへの国際出願を選択するインドネシアの出願人は、基礎となるインドネシア商標出願または登録を有していなければならない。

 

 出願人は、オンラインシステムにより直接DGIPに国際登録出願の願書を提出しなければならない。DGIPは、国際出願を認証し、WIPO国際事務局へ送付する。

 

手数料および登録の有効性

 

 マドリッド制度では、単一の国際出願で多数の国を指定でき、時間と費用を効率的に節約できる。また、複数の言語への翻訳費用がかからず、複数の指定国の行政手続に煩わされることもない。

 

 DGIPに支払う手数料は、商標出願1件につき50万IDルピア(約50USドル)である。

 

 WIPOに支払う基本手数料は、以下のとおりである。

‒   653スイスフラン:白黒の標章

‒   903スイスフラン:カラーの標章

 

 マドリッド協定議定書に基づく指定国の個別手数料は、下記WIPOのサイトに掲載されている。

http://www.wipo.int/madrid/en/fees/ind_taxes.html

http://www.wipo.int/madrid/en/fees/calculator.jsp

 

 DGIPは国際出願を受理後、WIPOに送付する前に、願書を認証するための方式審査を行う。この方式審査の結果不備がない場合は、DGIPは当該願書をWIPOに送付する。

 

 WIPOは国際出願を受理後、マドリッド協定、マドリッド協定議定書および共通規則に定められた要件について審査を行う。ただし、この審査は、指定商品または役務の分類、および指定商品または役務の記述の明瞭性を含む、方式要件だけに限られている。

 

 国際出願に不備がなければ、WIPOは当該国際出願を国際登録簿に記録し、WIPO国際商標公報において当該国際登録を公開し、各指定国に通報する。この公報は、マドリッド制度ウェブサイトを利用して電子形式(電子公報)で入手可能である。

 

 標章が保護を受けられるかどうか、または指定国の知的財産官庁に既に登録されている標章と抵触するかどうかといった実体的事項は、適用される国内法に基づき指定国により審査される。

 

 国際登録は10年間有効であり、手数料の支払いをもって国際登録日から10年ごとに更新可能である。各指定国における保護は、国際登録の更新に基づいて更新される。

 

2. 指定国官庁としてのDGIP

 

 国際出願に関して、インドネシア特有の要件は以下のとおりである。

 

 第一に、インドネシアを本国とする国際出願の指定商品または役務は、インドネシア基礎商標出願または登録商標に関する指定商品または役務と一致しなければならない。DGIPの厳格な審査基準の一部として、商品および役務の範囲が狭いことに留意すべきである。

 

 第二に、他の国からのインドネシアを指定する国際出願は、現行の審査ガイドラインに従いインドネシア語で審査される。それゆえ、インドネシアの商標実務に合わせて指定商品または役務の補正が必要になる場合がある。

 

 DGIPはマドリッド協定議定書による国際出願に対応するため、20名の担当官を割り当てる予定である。

 

実体審査

 

 商標および地理的表示法第20/2016号に従い、DGIPは国際出願を認可または拒絶する決定を18か月以内に行う。

 

 DGIPが指定商品または役務の全部または一部について国際出願を拒絶しても、他の指定国の決定には影響を及ぼさない。

 

 暫定的拒絶は、商標および地理的表示法第20/2016号の第20条、第21条(1)項および第21条(2)項または異議申立に基づいて行うことができる。国際出願の出願人は、暫定的拒絶通報後、拒絶理由に対してDGIPに応答することができる。

 

審査および審理される商標の識別性/非識別性に関する基準

 

 第20条の規定に従い、以下のいずれかに該当する標章は登録できない。

 (a)国家のイデオロギー、法規、道徳規範、宗教、倫理または公序良俗に反する。

 (b)登録対象の商品または役務と類似している、これを説明している、またはその単なる言及にすぎない。

 (c)登録対象の商品もしくは役務の出所、品質、型式、サイズ、種類、使用目的について、または類似の商品もしくは役務に関して保護されている植物品種の名称について、公衆の誤認を生じるおそれのある要素を含んでいる。

 (d)提供される商品または役務の品質、便益または効能と一致しない情報が含まれている。

 (e)識別性のある特徴が何もない。

 (f)一般名称または公有財産の象徴となっている。

 

審査および審理される商標の類似性/非類似性に関する基準

 

 第21条(1)項の規定に従い、標章の要部または全体が以下のいずれかに該当する標章は拒絶される。

 (a)同じ種類の商品または役務に関して既に登録または出願されている、他者により所有される商標と類似している。

 (b)同じ種類の商品または役務に関して他者により所有されている周知商標と類似している。

 (c)特定の条件を満たすことを前提として、同じ種類ではない商品または役務に関して所有されている周知商標と類似している。

 (d)既知の地理的表示と類似している。

 

 第21条(2)項の規定に従い、以下のいずれかに該当する標章は拒絶される。

 (a)有名人の名前、略称、写真または他者が所有する法人の名称に相当する、またはこれと類似している。ただし、正当な権利者の書面による同意がある場合を除く。

 (b)国家または国内もしくは国際機関の名称、略称、旗、紋章、シンボルまたは象徴を模倣している、またはこれと類似している。ただし、管轄当局の書面による同意がある場合を除く。

 (c)国家または政府機関により使用される公的な標識、印章または証印を模倣している、またはこれと類似している。ただし、管轄当局の書面による同意がある場合を除く。

 

 国際出願の出願人が拒絶への応答を望む場合、出願人の応答はインドネシアの法律に従わなければならない。

 

 DGIPが国際出願の保護を認可する場合、DGIPは保護認容声明を発行する。WIPOはこの決定を記録し、国際出願の出願人に通知する。

 

インドネシアにおける暫定的拒絶通報の期間

 

 インドネシアは、DGIPが国際登録の暫定的拒絶通報を発行すべき期間として、18か月を選択した。ただし、第三者により異議申立が提起された場合、DGIPは18か月の期限後に暫定的拒絶通報をWIPOに通知することができる。

中国からASEAN各国への模倣品流通

ASEANにおける模倣品及び海賊版の消費・流通実態調査(2014年3月、日本貿易振興機構バンコク事務所知的財産部)二の3  

(目次)

二 ASEAN諸国における模倣被害の概況

 3 中国からASEAN各国への模倣品の流通 P.35

  ① 中国から中国外への模倣品流出 P.35

  ② 中国からASEAN諸国への模倣品の流入 P.36

  ③ 中国からASEANへの模倣品流入の流れ P.39

  ④ 中国からASEAN諸国への模倣品流出の防止策 P.45

ASEAN特許審査協力(ASPEC)プログラム

【詳細】 (1) 概要 ASEAN特許審査協力(ASEAN Patent Examination Co-operation, 以下、「ASPEC」という。)プログラムはASEANの特許庁間で特許業務の分担をする制度であり、ASEAN諸国で2009年6月15日に開始し、2012年4月15日に強化されている。このプログラムの目的は、参加庁間で調査及び審査結果を共有することによって重複した業務の削減、調査及び審査時間の短縮、特許審査の質の向上を図ることにあり、あるASEAN加盟地域に出願した特許出願人は、他のASEAN加盟地域の調査及び審査結果を提出することができる。 本稿作成時点における参加国は、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ及びベトナムの9か国である。   (2) ASPECプログラム申請の要件

  • ASPEC申請書が提出されたASEAN加盟地域の特許庁(第2特許庁“second IP Office”)に対して行った特許出願について、他のASEAN加盟地域の特許庁(第1特許庁“first IP Office”)に対しても「同一の特許出願」がなされている場合、この「同一の特許出願」の調査及び審査資料はASPECプログラムのために利用され得る。
  • 第1特許庁における特許出願がパリ条約の優先権により第2特許庁の特許出願とリンクする場合、その逆の場合、あるいは第1特許庁及び第2特許庁における両特許出願が他のパリ条約加盟国に対し同じ優先権を有する場合に「同一の出願」であるということができる。

  「同一の特許出願」の類型は、下記の二種類である(例:ベトナム知的財産庁にASPEC申請書が提出された場合)。 タイプ1 ベトナム出願がマレーシア出願に対して有効に優先権を主張でき、ASPEC申請書がベトナムにおいて提出された場合、ベトナムの審査官はマレーシア出願の調査及び審査結果を参照することができる。 タイプ2 ベトナム出願及びフィリピン出願がともにオーストラリア出願に対し優先権を有効に主張することができ、ベトナムにおいてASPEC申請書が提出された場合、ベトナムの審査官はフィリピン出願の調査及び審査結果を参照することができる。   (3) 手続

  • 他のASEAN地域における出願と「同一の特許出願」を行い、ASPECプログラムを利用したい場合、「同一の特許出願」を行う特許庁へASPEC申請書を提出する必要がある。調査及び審査結果を受領したASEAN加盟地域の特許庁は、参考資料としてこれらの資料を参照・考慮することができる。ただし、これらの結果を受け入れる義務があるわけではなく、その国の法律に従い、特許を付与するかどうかを決定する。
  • ASPEC申請書等は、ベトナムでは、実体審査の間(特許査定/拒絶査定が出るまで)に提出する。マレーシアでは、審査請求時又は拒絶理由通知への対応時に提出する。シンガポールでは、調査レポート請求時、調査及び審査レポート請求時、審査レポート請求時に提出する。
  • マレーシア知的財産公社、シンガポール知的財産庁、ベトナム国家知的財産庁へは、ASPEC申請書は持参、郵送、FAXにより提出できる。
  • ASPEC申請の参加庁への手数料は、無料である。
  • 特許出願人は、他のASEAN地域における同一の出願の調査報告書及び審査報告書のコピー(最低限の資料)及び提出された最低限の資料で言及されているクレームのコピーとともに、所定のASPEC申請書を提出しなければならず、最低限の資料が提出されていない場合は、当該ASPEC申請は有効なものと認められない。
  • 可能であれば、追加資料として、現在出願しているクレームと対応する出願において審査されたクレームの関連性を示す対応表及び先行技術のリスト及び意見書のコピーも申請書に添付することができる。
  • ASPEC申請にかかる上記書類の言語は、英語で作成する必要がある。

  【留意事項】

  • 日本出願を基礎としてASEAN諸国にPCT出願する場合で、日本では(早期)審査請求をしていないがASEAN諸国では早期権利化を望む場合は、例えばシンガポールにPCT成果物(ISR)でのPPH申請等を行い、そのシンガポールの審査結果をもって他のASPEC参加国にASPEC申請を行う方法が考えられる。特に、日本での登録に基づく修正実体審査制度が整備されていない国では有効であろう。シンガポールは、審査官を今後5年以内に120名程度に増員する計画もあり、参加国での整備が進めば、シンガポールの審査結果に基づくASPEC申請の増加が見込まれる。ただし、ASPECプログラムにより、あるASEAN加盟地域における調査及び審査結果の情報は他のASEAN加盟地域と共有されることになるが、特許すべきか否かは、それぞれのASEAN加盟地域の基準によって判断される点に、留意する必要がある。
  • ASPECの申請書類の言語は英語で作成する必要があるため、英語以外の言語のASPEC資料(先行技術の資料、引用資料等)は、英語の翻訳文を併せて提出しなければならない。
  • ベトナムでは、実体審査の間(特許査定/拒絶査定が出るまで)であればASPEC申請を行うことができるが、他のASEAN加盟地域で良い審査結果が得られた場合は、その結果が得られ次第、すぐにASPEC申請を行うことが望ましい。

ASEANの知的財産情報のポータルサイト(ASEAN IP Portal)の紹介

【詳細】 (1) ASEAN IP Portalサイト開設の背景 ASEANでは2015年のASEAN経済統合に向けて様々な取組みを行っているが、知財分野について協働する組織として、ASEAN各国の知財当局から構成されるASEAN知的財産協力作業部会(AWGIPC)が存在する。AWGIPCでは、ASEAN知財行動計画2011-2015(ASEAN IPR Action Plan 2011-2015)を策定し、この計画に沿って活動を行っている。この計画には28のイニシアチブが定めされており、その中で、ASEAN諸国の知財知識ネットワーク内における情報の共有や流れの促進、ASEAN諸国における知的財産制度の強化、ASEAN地域における知財意識のレベルアップのためのASEAN IP Portalサイトの開設・運営・定期的な更新等が掲げられている。計画では、2012年開設を目指していたようだが、AWGIPCは、2013年4月26日に、ASEAN IP Portal(http://www.aseanip.org)を立ち上げた。これは、ASEAN諸国の知的財産に関する情報を総合的・包括的に収集・提供するワンストップポータルサイトである。   (2) 掲載内容 ASEAN IP Portalには、ASEAN諸国の知的財産に係る法令、統計、登録手続等の情報が掲載されているほか、ASEAN各国・日本・中国・欧州特許庁ウェブサイトやWIPOウェブサイト等へもリンクが貼られており、マレーシア、シンガポール、ベトナムを含むASEAN諸国の知財情報を収集することができる。具体的には以下のような情報等が掲載されている。  

  • About AWGIPC:「ASEAN知財行動計画2011-2015(ASEAN IPR ACTION PLAN)」(2011年8月策定)やASEAN知財協力作業部会(AWGIPC)の紹介等
  • Activities:ASEAN IPの活動、AWGIPCの会合スケジュールの紹介等
  • Statistics:地理的表示・知財行動計画に基づく創造産業・著作権登録等に関する各国調査表、各国の商標・意匠等の出願・登録に係る統計、各国の商標登録に要する期間、各国の知的財産権に係る執行機関情報
  • Resources:各国の知財登録手続、特にASEAN諸国特有の商品・役務のリスト(WIPOに提出予定)、知財関連法令情報(現時点では、上部メニュー「Resources」のプルダウンメニュー「Law & Regulation」のページに掲載されているのはタイの法令情報のみである)
  • International Corporation:日本特許庁、中国特許庁、欧州特許庁、ASEAN-オーストラリア・ニュージーランドFTA(AANZFTA)、USTPO、WIPO、ECAP III等のサイトへのリンク
  • Networking:ASEAN各国の主要な執行機関情報、ASEAN各国の特許庁ウェブサイトへのリンク
  • Database search:OHIMウェブサイトへのリンク
  • ASPEC:アセアン特許審査協力プログラム関連のニュース、手続の紹介
  • International Registration:WIPOウェブサイト(PCT、マドリッド協定、ヘーグ協定、リスボン協定のページ)へのリンク

  ASEAN IP Portalのトップ画面上部メニュー(「About AWGIPC」「Activities」)のいずれかをクリックすると、画面右側に「select country」というプルダウンメニューが表示される。このプルダウンメニューから国を選ぶと、選択した国の知財政策、関連機関の構造・連絡先、登録手続、法令・規則、統計情報等が掲載されたページが開く。上述の通り、現時点では、上部メニュー「Resources」のプルダウンメニュー「Law & Regulation」のページに掲載されているのはタイの法令情報のみであるが、その他の国については、このプルダウンメニューから各国の情報にアクセスすれば、法令情報を閲覧できる。

国名選択プルダウンメニュー

国名選択プルダウンメニュー

  例えば、マレーシアを選択した場合、以下のような画面が表示される。各国のページとも左側にメニューが表示されているので、希望のものをクリックすれば当該情報が閲覧できる。

マレーシアのページ

マレーシアのページ

  (2) ASEAN IP Direct ASEAN IP Portalトップ画面上部メニュー右から2番目の「International Corporation」にポインタを合わせ、プルダウンメニュー一番下の「IP Direct」をクリックすると、シンガポール知財庁サイトにあるASEAN知財ディレクトリのページが開く。ASEAN知財ディレクトリは、ASEAN各国における知的財産保護に係る機関・執行機関・技術移転/ライセンス契約関連機関等の公的関連機関情報、助成金/借入金や技術·研究開発への投資のための政府の奨励策に関する情報源、著作権管理団体等の包括的情報を各国ごとに表形式で提供し、関連機関等のウェブサイトへのリンクが貼られている。ASEAN IP Directは、企業やその他の当事者に有効かつ包括的な「ワンストップ」リソースとしてのASEAN諸国の知財制度の活用を支援し、ASEANにおける貿易と投資を推進するものとして期待されている。

ASEAN IP Portal トップ画面

ASEAN IP Portal トップ画面

  【留意事項】

  • 本サイトは、2013年4月26日に開設されたばかりで一部構築中であり、時々アクセスできない等、未だ不安定な部分があるが、マレーシア、シンガポール、ベトナムを含むASEAN諸国の知財情報等がまとめて掲載されているため、ASEAN各国の知財庁のサイトを個別に訪問するよりも、情報を効率的に収集することができる。また、各国知財庁のウェブサイトはアクセスできなくなることも多いので、そのような場合に代替サイトとして活用することも期待される。
  • また、今後は判例や税関関連情報等の掲載が予定されており、このような情報が整備されるとASEAN知財情報を一括して収集できる非常に便利なサイトとなる。また、ASEAN知財行動計画には28のイニシアチブが定められており、その中には、ASEAN各国知財庁間における共通電子データ管理システムの構築や検索システムの連携、データベースの整備、特許文献や商標文献の電子化といた各国知財当局のインフラ整備といった項目も掲げられていることから、将来的には、このようなインフラ整備と、IP Portalとのリンクが期待される。
  • ASPEC(アセアン特許審査協力プログラム)のプルダウンメニューにある手続(「Notice & Procedures」のページ)は、本コンテンツ作成時点においてInternet Exploreでは表示されない。なお、ASPECについては、本データベース内コンテンツ「ASEAN特許審査協力(ASPEC)プログラム」を参照いただきたい。