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シンガポールにおける知的財産関連機関・サイト

  1. 立法機関

・議会(Parliament of Singapore) https://www.parliament.gov.sg

 議会は、法律を制定し、政府の活動および政策を確認し、国家の財政を精査する機能を有する。法律制定のために、まず、法案が議会に提出される。法案は通常、政府を代表して大臣によって提出される。ただし、議員は、議員立法法案として法案を提出することもできる。法案が法律として成立するためには、議会で3回の読会(reading)を経て、大統領の承諾を得る必要がある。

 

  1. 行政機関

・シンガポール知的財産庁(Intellectual Property Office of Singapore: IPOS) https://www.ipos.gov.sg

 シンガポール知的財産庁は、法務省の傘下にある政府機関である。特許、意匠および商標の出願の審査など、シンガポールにおける知的財産保護に関する制度を管理する。また、庁が管理する知的財産に関する文書等への公衆によるアクセスの提供、知的財産制度の啓発と効果的な利用の促進、知的財産に関連する事項に関する政府の代表、および当該事項に関する政府への助言などの役割を担う。上記サイトでは、特許、意匠及び商標の出願のガイドなど、知的財産に関する各種情報を参照可能である。

 

・シンガポール税関(Singapore Customs) https://www.customs.gov.sg/

 シンガポール税関は、財務省の傘下にある政府機関である。執行、貿易関連文書の発行・管理、貿易円滑化および警備などの機能を統合する機関である。執行に関しては、商標法および著作権法に基づいて国境における模倣品対策を行う。

 

・シンガポール警察(Singapore Police Force) https://www.police.gov.sg/

 シンガポール警察は、内務省の傘下にある政府機関である。犯罪を防止、抑止、および検知し、シンガポールの治安を確保する役割を担う。また、シンガポール警察は、専門犯罪部門として、知的財産権に関する犯罪の捜査等を行う知的財産部隊(Intellectual Property Rights Branch)を持つ。

 

  1. 司法機関

・シンガポール最高裁判所(Supreme Court) https://www.supremecourt.gov.sg/

 シンガポール最高裁判所は、高等法廷(High Court)および控訴法廷(Court of Appeal)で構成されており、民事事件および刑事事件を審理する。高等法廷には、知的財産専門の部門が設けられている。控訴法廷は一般に、民事事件および刑事事件における高等法廷の決定に対する控訴を審理する。上記サイトでは、判決情報等を参照可能である。

 

・下級裁判所(State Courts) https://www.statecourts.gov.sg/cws/pages/default.aspx

 下級裁判所は、地方裁判所(District Courts)、治安判事裁判所(Magistrate Courts)、検死官裁判所(Coroner’s Courts)、および少額事件裁判所(Small Claims Tribunal)で構成される。地方裁判所および治安判事裁判所は、刑事事件および民事事件を審理する。上記サイトでは、事件の統計情報を参照可能である。

 

  1. その他知的財産関係機関・サイト

・世界知的所有権機関シンガポールオフィス(WIPO Singapore Office) https://www.wipo.int/about-wipo/en/offices/singapore/

 ASEAN地域におけるWIPOの活動の中核的役割を担う。主な活動は、ASEAN加盟国が意見等を共有するフォーラムの提供、ASEAN地域における知的財産分野での人材育成、PCT、マドリッド、およびハーグ制度の利用の促進、並びに地域内の関係の強化および加盟国とWIPOとの間の関係の強化などである。

 

・シンガポール国際仲裁センター(Singapore International Arbitration Centre) http://www.siac.org.sg/index.php

 シンガポール仲裁センターは、国際的な紛争解決のための仲裁サービスを提供する。シンガポール仲裁センターによる仲裁裁定は、オーストラリア、中国、香港、インド、インドネシア、ヨルダン、タイ、イギリス、アメリカ、ベトナムなど、ニューヨーク条約の多くの締約国の管轄区域で実施されている。

 

・シンガポール調停センター(Singapore Mediation Centre) http://www.mediation.com.sg/

 シンガポール調停センターは、商業調停、少額請求事件を扱う少額事件商業調停(Small Case Commercial Mediation Scheme)、および公平な第三者が意見を提供する中立評価(Neutral Evaluation)などのサービスを提供する。

 

・シンガポール国際調停センター(Singapore International Mediation Centre) http://simc.com.sg/

 シンガポール国際調停センターは、国際的な紛争解決のための調停サービスを提供する。また、シンガポール国際調停センターを利用した紛争解決手続として、仲裁手続の途中で調停手続に移行し、調停が成立しなければ再度仲裁手続を行うArb-Med-Arbというプロセスもある。

 

・WIPO(World Intellectual Property Organization)仲裁調停センター シンガポールオフィス(The WIPO Arbitration and Mediation Center Singapore Office) https://www.wipo.int/amc/en/center/singapore/

 WIPO仲裁調停センターは、国内のまたは国際的な知的財産や技術に関する紛争解決のための調停や仲裁などの手続を提供する。WIPO仲裁調停センターは、シンガポールの他、スイスにある。

 

中国の知的財産権訴訟の現状 - 知的財産権白書の分析

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中国における知的財産専門裁判所(北京、上海、広州)の現状

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中国における知的財産法院の最新動向

【詳細】

 知的財産法院の設置は、中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議による全体計画と中央による司法体制改革を実行するための重要な措置の一つであり、中国の知的財産分野においてマイルストーン的な意義を有する重要な出来事である。昨年末に北京、上海、広州で知的財産法院が相次いで設置されて以来、3つの知的財産法院では、中央の一元的計画に基づいて、最高人民法院の指導の下、鋭意向上の努力と探求がなされ、裁判活動が展開されている。改革の追求が進行して、司法の権威性と信頼性が向上していることで、中国の司法による知的財産権保護の新しい姿が示され、国家イノベーション主導型発展戦略の実施を推進する上で強力なサービスと保障の役割が果たされており、幸先のよい出だしをきっている。

 

1.人的構成の概要

 北京知的財産法院では、主審裁判官の定員30名のうち、第1期として22名の裁判官(院長1名、副院長2名を除く)が選任されているが、大学院卒以上の学歴を有する者が91%を占めていて、その平均年齢は40.2歳、知的財産訴訟に従事した平均年数は10年、最近5年間で1人あたりが担当した知的財産事件は438.5件である。第1期として選任された裁判官補は39名、任用制書記官は29名、司法行政官は12名である。

 上海知的財産法院は、上海市第三中級人民法院と合同で執務しているため、単独では知的財産法院主審裁判官の定員が定められていないが、第1期として10名の裁判官(院長1名、副院長1名、法廷長2名を除く)が選任され、裁判官の平均年齢は43.6歳、知的財産訴訟実務に従事した平均年数は8.4年で、修士または博士の学位を有する者が90%を占めている。また、裁判官補5名、司法補助官6名が選任されている。

 広州知的財産法院の主審裁判官の定員は30名で、第1期の主審裁判官として10名(院長1名、副院長2名を除く)が選任され、裁判官補および行政官として60名が選任されている。

 北京知的財産法院には、立件法廷、裁判第一法廷、裁判第二法廷、裁判監督法廷、総合事務局、技術調査室および司法警察支隊といった7つの機関が設置されている。そして、その指導層は、院長1名、副院長2名、規律検査班長1名から構成される。各裁判業務法廷には、法廷長のみが置かれて副法廷長は置かれず、集団制が採られ、裁判官を中核として「裁判官1名+裁判官補1名+書記官1名」の比較的固定的な裁判体が構成されている。また、裁判官および裁判官補から構成される研究・裁判管理事務局も設けられ、裁判の研究および管理の活動を行っている。

 上海知的財産法院は、上海市第三中級人民法院と合同で執務しているが、「裁判は独立、行政(党務)は合同」というモデルに従って運営されており、裁判第一法廷、裁判第二法廷および技術調査室の3つの機関が設けられている。その他の立件、執行、規律検査監察および総合管理などの事務は、いずれも上海市第三中級人民法院が行っている。

 広州知的財産法院には、立件法廷、特許裁判法廷、著作権裁判法廷、商標および競争裁判法廷、総合事務局、技術調査室および司法警察支隊の7つの機関が設置されている。そして、その指導層は、院長1名、副院長2名から構成される。インフラの建設も最終段階を迎えていて、北京、広州の両知的財産法院ではいずれも庁舎ビルの基本建設と付帯工事が完了して、上海知的財産法院では借上げ庁舎の改造作業がほぼ完了しており、それぞれの活動が整然と展開されるようによいインフラの土台が築かれてきている。

 

2.事件の受理、結審状況

 2015年8月20日までで、3つの知的財産法院における各種知的財産事件の新受件数の合計は10,795件である。そのうち、北京知的財産法院における各種事件の新受件数は6,595件(第一審事件5,622件、第二審事件973件)で、行政事件の割合が高く、特許権・商標権の拒絶査定不服審判、無効審判の審決を不服とする行政事件が全事件の4分の3以上を占めている。また、渉外事件も多く、第一審事件の総件数の39.4%を占めている。上海知的財産法院における各種事件の新受件数は1,052件(第一審事件612件、第二審事件440件)で、著作権事件の占める割合が高く、事件総件数の2分の1を超えている。広州知的財産法院における各種事件の新受件数は3,148件(第一審事件1,842件、第二審事件1,306件)で、特許事件の占める割合が高く、第一審事件全体の90.99%、事件総件数の53.24%を占めている。審理効率も明らかに向上しており、8月20日までで、3つの知的財産法院における各種事件の既済件数は4,160件となっている。そのうち、北京知的財産法院での既済件数は2,348件、上海知的財産法院での既済件数は409件、広州知的財産法院での既済件数は1,403件である。北京、広州の両知的財産法院の主審裁判官1人あたりで100件を超える既済件数となっている。

 

3.組織の特色

3-1.北京

 北京知的財産法院では、他に先駆けて訴訟サービスと裁判事務の活動にボランティアを参加させ、中国で初の知的財産法院ボランティアサービス団を設立している。これは、ボランティアにより相談、訴訟手続の教示、援助などのサービスを提供するものであるが、専門的なボランティアサービスの長期体制が構築されており、体制の運営も徐々に正常化、常態化している。

 人民陪審制度改革テストの要請に鑑み、人民陪審員の選任活動が幅広く実施され、これまでに既に106名の人民陪審員が選任されている。

 

3-2.上海

 上海知的財産法院では、知的財産法院および上海市第三中級人民法院の裁判委員会の統合会議体制が確立され、両法院間の業務連携上または裁判管理上の重大事項が検討、議論されており、合同執務のモデルが順調に進行している。

 初の特任科学技術諮問専門家および特任諮問員が招聘、任用され、知的財産裁判専門家陪審員バンクが設けられ、『特任諮問専門家使用規則』が制定された。

 

3-3.広州

 広州知的財産法院では、目標管理によって行政事務組織が構築されている。活動目標と職務分担に関連して、総合事務局には、政務センター、行政庶務センター、審務センター、情報センター、司法補助職員調整センターおよび司法事務センターといった6つの事務組織が設けられ、縦割りの管理階層が減少して、業務が確実に整然と流れるようにされている。

中国における知的財産裁判所(知識産権法院)

【詳細】

1.知識産権法院の創設

 中国には2014年11月まで、知的財産権専門の裁判所はなかった。知的財産に関する民事、行政、刑事事件は民事訴訟法、行政訴訟法、刑事訴訟法および、一連の知的財産に関する事件の管轄規定に基づき、既存の各裁判所により受理・審理されてきた。

 中国の国会にあたる全人代常務委員会において2014年8月31日、「北京、上海、広州における知識産権法院の設立に関する決定」が可決され、最高人民法院が同規定を公布、11月3日より施行された。

 上記の規定に基づき、北京知識産権法院が同年11月6日に、広州知識産権法院が12月16日に、上海知識産権法院は12月28日にそれぞれ設立された。知識産権法院は中級人民法院に相当する位置づけにある。なお人民法院(日本における裁判所に相当。)については級別に4級あり、上から最高人民法院、高級人民法院、中級人民法院、基層人民法院となっている。

 

2.知識産権法院の管轄

 「北京、上海、広州の知識産権法院における案件の管轄に関する規定」に基づき、北京、上海、広州の知識産権法院が管轄する案件は以下の通りである。

 2-1.北京市知識産権法院

(1)北京市の管轄区における特許、植物新品種、集積回路配置設計、ノウハウ、コンピューターソフトウェアに関わる第一審の民事および行政案件

(2)北京市の区、県級以上の地方人民政府が著作権、商標、不正競争などに関して実施した行政行為を不服として提起した行政訴訟の一審案件

(3)北京市の管轄区における馳名商標の認定に関わる第一審の民事案件

(4)国務院部門が特許、商標、植物新品種、集積回路配置設計等の知的財産権に関して下した権利付与・確定の査定または決定を不服とする第一審の行政案件

(5)国務院部門が特許、植物新品種、集積回路配置設計に関して下した強制許諾決定および強制許諾の実施料あるいは報酬の裁定を不服とする第一審の行政案件

(6)国務院部門が知的財産権に関して行った権利付与・権利確定に関わるその他の行政行為を不服とする第一審の行政案件

(7)北京市の基層人民法院が下した著作権、商標、技術契約、不正競争に関わる民事および行政判決、裁定を不服として控訴した案件

 2-2.上海知識産権法院

(1)上海市の管轄区における特許、植物新品種、集積回路配置設計、ノウハウ、コンピュータソフトトウェアに関わる第一審の知的財産権民事および行政案件

(2)上海市の区、県級以上の地方人民政府が著作権、商標、不正競争などに関して実施した行政行為を不服として提起した第一審の行政案件

(3)上海市の管轄区における馳名商標の認定に関わる第一審の民事案件

(4)上海市の基層人民法院が下した著作権、商標、技術契約、不正競争に関わる民事および行政判決、裁定を不服として控訴した案件

 2-3.広州知識産権法院

(1)広東省の管轄区内における特許、植物新品種、集積回路配置設計、ノウハウ、コンピューターソフトウェアに関わる第一審の知的財産権民事および行政案件

(2)広州市の区、県級以上の地方人民政府が著作権、商標、不正競争などに関して実施した行政行為を不服として提起した第一審の行政案件

(3)広東省の管轄区内の馳名商標の認定に関わる第一審の民事案件

(4)広州市の基層人民法院が下した著作権、商標、技術契約、不正競争に関わる民事および行政判決、裁定を不服として控訴した案件

 なお、当事者が知識産権法院の下した一審判決、裁定を不服として提起した上訴案件および上級の裁判所に再審を請求した案件については、知識産権法院所在地の高級人民法院の知識財権審判廷が審理する。

 

3.知識産権法院の機構設置

 北京知的財産権法院は、司法体制改革の精神に則って設立された。内部には4つの法廷が設置され、2つの司法補助機構と1つの総合行政機構が設置されている。法廷にはいずれも副裁判長を置かず、主審裁判官と合議法廷の位置づけを明確にしている。

 人事的には分類管理と定員制を実施しており、裁判官は総勢30名、司法補助職員が51名、司法行政職員が15名となっている。広州知識産権法院には立案法廷、特許審判法廷、著作権審判法廷、商標および不当競争審判法廷の4つの審判業務法廷以外に,1つの総合行政機構(総合事務室)と2つの司法補助機構(技術調査室と司法警察小隊)が置かれている。

 審判法廷は行政級別が確定されておらず、裁判長は主審裁判官が兼任し、副裁判長は置かれていない。内訳は政治司法特定項目の担当職員が100名、主審裁判官が30名で、他に院長1名と副院長2名(うち1名は副院長と政治部主任を兼任)がいる。

 上海知識産権法院の内部構成は対外的には公表されていないものの、全体的な枠組みは北京や広州の知識産権法院とほぼ同じであると考えられる。

中国における専利代理人資格試験と代理人の役割

【詳細】

1.中国専利(特許・意匠・実用新案)代理人資格試験について

 中国で専利(特許・意匠・実用新案)代理人となるには、資格証書を取得しなければならず、その資格試験を受けるためには、以下の要件を全て満たさなければならない。

 (i)満18歳以上の中国国民であること。

 (ii)理系専攻の大学卒業以上であること。(または同等の学歴を認められた者)

 (iii)科学技術または法律に関する業務に2年以上従事した経験を有すること。

 

 専利代理人の資格試験は1992年に始められ、2005年からは毎年一回、11月に実施されている。試験科目には、専利(特許・意匠・実用新案)に関する法律知識(150点満点)、専利関連法する法律知識(100点満点)および専利代理実務(150点満点)の3科目がある。試験は、辞書などの一切の参考書の会場への持込が禁止されている。専利に関する法律知識と関連する法律知識の二科目では選択式(マークシート方式)が採用され、専利代理実務については、記述式と選択式が併用されている。

 

 現行では、専利に関する法律知識と関連する法律知識の二科目はその合計点(「法律知識」分野という)、専利代理実務(「代理実務」分野という)については単独で採点されている。毎年、試験委員会が、専利実務の需要とその年の試験の難易度を踏まえて、法律知識と代理実務の合格ラインを決定する。受験者の法律知識または代理実務の成績のいずれかが、その年の合格ラインに達していれば、試験委員会事務室から科目毎の試験合格通知が発行され、合格の有効期間は3年以内と定められている。

 

 受験者が3年以内に不合格だった科目の試験に合格できないと、合格している科目の有効期間も無効となる。「法律知識」と「代理実務」の双方に合格すれば「専利代理人資格証書」が授与される。その後1年間の実習を経て、正式な専利代理人となるための研修を修了した後、専利代理人として実務に従事することが認められる免状が授与される。

 

 2014年には、第16回試験が中国国内23か所の試験会場にて実施された。受験者は過去最高の3万人を数え、2014年の合格ラインは、法律知識分野が150点、代理実務分野が90点であった。2014年の合格者は4777人と中国特許庁により公表されている。

 

2.中国の専利代理機構及び代理人の役割

 中国専利法第19条は、「中国国内に住所又は居所(法人にあっては、営業所)を有しない外国人、外国企業または外国のその他の組織が、中国で専利出願し、そのほかの専利事務手続きを取り扱う場合、法により設立された専利代理機構に処理を委任しなければならない。中国の機関または組織あるいは個人が国内で専利出願し、その他の専利事務手続をする場合、法により設立された専利代理機構に処理を委任することができる」と定めている。

 

 中国の専利代理機関は、パートナー制の専利代理機関、有限責任制の専利代理機関と法律事務所の三種類に分けられる。パートナー制の専利代理機関は、3名以上のパートナーが共同出資して、発起人となり設立されたものである。有限責任制の専利代理機関は、5名以上の株主が共同で出資して発起人となり、パートナーまたは株主は専利代理業務に2年以上従事した経験がなければならない。

 

 パートナー制が法人格をもたない組合形式の組織であるため、パートナー制専利代理機関のパートナーは債務について無限の連帯責任(個人の資産も対象となる)を負う。有限責任制の専利代理機関は、当該機関の全ての資産を以ってその債務について責任を負う。法律事務所が専利代理業務を取扱う場合には、弁護士資格と弁理士資格の双方を保持する弁護士が当該法律事務所に所属していなければならない。法律事務所は、パートナーが発起人となり設立されるもので、パートナーは当該法律事務所の債務について無限の連帯責任を担う。

 

 専利代理機関の取扱い事項は以下のとおり。

 (i)専利実務に関するコンサルティング

 (ii)専利出願文書の代理作成。専利出願手続き。実体審査または復審の請求に関する事務

 (iii)異議申立て、専利権無効宣告の請求に関する事務

 (iv)専利出願権、専利権の譲渡および専利許諾に関する事務

 (v)依頼を受け、専利代理人を派遣し、専利顧問を担当させること

 (vi)その他の関連事務

 

 専利権侵害をめぐる訴訟は民事訴訟の範疇に含まれる。2013年1月1日に改正後の民事訴訟法が施行され、その第58条は「当事者および法定代理人は、1名または2名の訴訟代理人を委任することができる。弁護士、当事者の近親者、中華全国専利代理人協会等の加盟団体または所属する企業や大学等が推薦する者、人民法院が許可するその他の公民は、いずれも訴訟代理人として委任されることができる」と定めている。原則として、専利代理人が専利権侵害事件のような案件の訴訟代理をすることはできないが、中華全国専利代理人協会が最高裁に推薦し、認められた専利代理人であれば、訴訟代理を務めることができる。

中国における医薬品等の特許権の延長登録制度と関連制度

【詳細】

 医薬品等の特許権の存続期間の延長登録制度及びその運用の在り方に関する調査研究報告書(平成27年2月、知的財産研究所)Ⅳ-5

 

(目次)

Ⅳ 海外の特許権の延長制度と関連制度

 5 中国 P.150

  (1) 延長登録制度 P.150

   (i) 賛成説 P.150

   (ii) 反対説 P.151

   (iii) その他 P.153

   )iv) ユーザからの要望 P.155

  (2) ジェネリック医薬品の参入に関する近年の判決 P.156

  (3) 医薬品の販売承認の流れ P.159

  (4) 承認事項の(一部)変更の承認申請 P.166

  (5) パテントリンケージ P.166

  (6) データ保護 P.168

  (7) 承認情報の公示方法 P.168

  (8) 試験研究のための実施行為に関する特許権侵害の免責規定 P.169

資料編

 資料編Ⅲ 海外質問票調査

  【質問項目及び回答】【中国】 P.549

インドにおける知的財産権制度概要と最近の動き

【詳細】

 ブラジル・メキシコ・コロンビア・インド・ロシアの産業財産権制度及びその運用実態に関する調査研究報告書(平成27年3月、日本国際知的財産保護協会)第2部-IV-AおよびIV-F

 

(目次)

第2部 各国の産業財産権制度・運用調査結果

 IV インド共和国

  A 概要 P.245

   1 産業財産権法制 P.245

   2 産業財産権制度の管轄機関 P.247

   3 産業財産権制度の動向 P.240

   4 国際協力 P.260

  F 最近の動き P.323

 参考資料 総括表

  A 概要 P.407

ブラジルにおける知的財産権制度概要と最近の動き

【詳細】

 ブラジル・メキシコ・コロンビア・インド・ロシアの産業財産権制度及びその運用実態に関する調査研究報告書(平成27年3月、日本国際知的財産保護協会)第2部-Ⅰ-AおよびⅠ-F

 

(目次)

第2部 各国の産業財産権制度・運用調査結果

 Ⅰ ブラジル連邦共和国

  A 概要 P.9

   1 産業財産権法制 P.9

   2 産業財産権制度の管轄機関 P.14

   3 産業財産権制度の動向 P.15

   4 国際協力 P.20

  F 最近の動き P.93

 参考資料 総括表

  A 概要 P.407

ロシアにおける知的財産権制度概要と最近の動き

【詳細】

 ブラジル・メキシコ・コロンビア・インド・ロシアの産業財産権制度及びその運用実態に関する調査研究報告書(平成27年3月、日本国際知的財産保護協会)第2部-V-AおよびV-F

 

(目次)

第2部 各国の産業財産権制度・運用調査結果

 V ロシア連邦

  A 概要 P.327

   1 産業財産権法制 P.327

   2 産業財産権制度の管轄機関 P.329

   3 産業財産権制度の動向 P.330

   4 国際協力 P.332

  F 最近の動き P.402

 参考資料 総括表

  A 概要 P.407