ブラジルにおける特許権の存続期間に関する連邦最高裁判所判例
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トルコにおける商標の使用と使用証拠
【詳細】
1.商標の使用
トルコでは、商標の登録後5年以内にまたはその後において5年連続して「使用」されない場合には、商標の取消請求が可能となる。ここにいう商標の「使用」は、以下を満たすものでなくてはならない。
・真正な使用、すなわち、トルコにおいて商標が付された商品または役務がマーケットシェアを生み出す水準であること
・トルコで使用されること
・商標が登録された商品および役務の観点から使用されること
産業財産法第9条第2項では、次に掲げる事項を、商標の使用として認める。
(1)登録商標の識別性を改変しないで、要素において異なる様式での登録商標の使用
(2)専ら輸出目的の商品またはその包装上の商標の使用
なお、産業財産法第9条第2項によると、商標所有者の承諾による使用も商標所有者による使用として認められている。
産業財産法では、商標出願において実際の使用もしくは使用意図またはその証拠は要求されていない。また、トルコ特許商標庁(以下、「TÜRKPATENT」)における商標の更新の際も、商標の使用に関する証拠は要求されない。
登録商標が5年以内に使用されない場合も、登録商標が自動的に登録簿から削除されるわけではなく、登録商標の不使用による取消は裁判で争われる。不使用を理由とする登録商標の取消訴訟を回避するためには、登録後5年以内にトルコにおいて使用されなければならない。
2.大統領令の取消し
産業財産法において規定される前に不使用による取消を規定していた、商標の保護に関する大統領令第556号(以下、「大統領令」)第14条は、憲法裁判所判決2016年12月14日付第2016/148 E、2016/189 K号によって、財産権は大統領令により規定されないという理由から取り消された。この憲法裁判所の判決は、2017年1月6日付官報で公表・施行され、当該日時点で確定判決となっていない係争中の全ての訴訟において適用される。
この大統領令を取り消す憲法裁判所の判決が第一審裁判所における紛争に適用されることは認められている。第二審および第三審の段階にある訴訟に関しても適用されるかについては未だ確立された判断は下されていないが、それらの訴訟は、憲法裁判所の取消判決に従う方向で審理しなおされるために第一審に差し戻されている。そのため、大統領令の時代に起こされた係争中の訴訟は、訴訟原因が消滅したとして訴訟が取り下げられている。
憲法裁判所による大統領令第14条を取り消す判決が施行された2017年1月6日の4日後の2017年1月10日には、産業財産法が施行された。産業財産法においても、不使用による取消が規定されているため、取り下げられた従来の取消訴訟および新たな取消訴訟は当該条項に基づいた新たな訴訟として提起されている。
3.権限のトルコ特許商標庁への移行および施行の7年延長
産業財産法第26条によると、取消訴訟における所轄官庁はトルコ特許商標庁である。しかし、当該条項の施行日は産業財産法第192条により7年延長されたため、現在の不使用による取消訴訟の所轄官庁は民事知財裁判所であるが、2024年1月10日から所轄官庁はトルコ特許商標庁となる。
4.不使用の主張‐使用証拠
商標出願は、産業財産法第6条第1項*)に基づき混同の可能性を理由とする異議が申立てられた場合、出願人は、異議の基礎となっている商標(先願商標)が異議の対象となっている商標(後願商標)の出願日または優先日時点において登録から5年以上経過しているものである場合、先願商標が、異議の対象となっている商品または役務について、トルコにおいて、後願商標の出願日前の5年間において使用されていることの証拠、または使用されていない場合には当該不使用を正当化する理由を提出するよう要求することができる。
この異議申立に対する不使用の主張は、トルコ産業財産法により導入された。
商標が登録されている商品または役務に関し使用されていることの証拠として、請求書、目録、価格表、製品コード、製品、包装および看板の見本、広告、広報、市場調査、広告ビデオ、見本市への参加が挙げられる。
*)登録出願が行われる商標は、登録された、またはより前の日付で出願された商標と同一または類似の商標であって、同一または類似の商品または役務を指定するものであり、商標について国民に混同が生じる可能性がある場合、異議に基づき登録が拒絶される。
【留意事項】
使用義務は商標登録された全ての商品または役務に関して発生する。したがって、一部の登録商品または役務が使用されない場合、その一部について取消決定がなされる。一部の商品または役務についてのみの使用証拠も認められる。
また、不使用の主張は、無効および侵害訴訟において抗弁として主張することができる。
トルコにおける商標の使用と使用証拠
【詳細】
商標法第14条では、次に掲げる事項は、商標の使用を構成すると規定されている。
(1)登録商標の識別性を改変しないで、要素において異なる様式での登録商標の使用
(2)専ら輸出目的の商品またはその包装上の商標の使用
(3)商標権者の承諾のある商標の使用
(4)商標を付した商品の輸入
商標法では、商標出願において実際の使用または使用意図は要求されておらず、登録前に使用証拠を提出することも要求されていない。さらには、登録後5年以内や更新時に、特許庁に使用証拠を提出することも要求されていない。商標法第14条に規定された期間内に登録商標が使用されていない場合、登録商標は自動的に取り消されることはないが、不使用を理由とする登録商標の取消は、裁判所にて争われる。
不使用を理由とする登録商標の取消訴訟を回避するためには、登録後5年以内にトルコにおいて使用を開始していなければならない。
2014年4月9日以前は、商標法第42条1項(c)において、登録商標は次に掲げる場合は、裁判所により無効を宣言されると規定されていた。
商標法第42条1項(c)
登録商標が、第14条に違反する場合(ただし、手続の提起日と5年の期間の満了日の間の善意の使用は、無効理由を構成しない。手続が提起されることを知った上で使用がなされた場合は、裁判所は、手続提起に先立つ3月の間になされた使用を考慮に入れない。)
しかし、上記の商標法第42条1項(c)は、憲法裁判所判決2014年4月9日付第2013/147E.-2014/75K号により取り消されている。
上記判決の後、イスタンブール特別知的財産裁判所は、商標法第14条は、遡及効を有する無効ではなく、取消とみなされるべき不使用の制裁措置を定めたものであると主張した。現在、当該判決の効力は商標の専門家および専門機関で議論されているが、現状では、商標法第14条に基づき不使用を理由に裁判所に訴訟を提起した場合、不使用を認定する判決では遡及効を有していない取消のみが認められ、登録日まで遡及する無効を主張することはできなくなっている。
裁判所に提出される使用証拠は、問題となる商品や役務の性質、市場の特性、商標の使用の規模および頻度といった関連する状況を全て考慮し、裁判所の自由裁量により、使用証拠として十分であるかが判断されるので、単に商標として使用されているだけでは不十分な場合がある。
【留意事項】
使用義務は、登録された全ての指定商品または役務に関する使用を意味する。したがって、不使用を理由とした訴訟においては、一部の使用していない商品や役務があった場合には一部取消の決定がなされ、全く使用していない場合には全部取消の決定がなされる。