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日本とインドネシアにおける特許審査請求期限の比較

1.日本における審査請求期限
 日本においては、特許出願の審査を受けるためには出願審査請求を行う必要がある。出願審査請求は出願の日から3年以内に行うことができ(特許法第48条の3第1項)、この期限内に出願審査請求がされない場合は、その特許出願は取り下げられたものとみなされる(特許法第48条の3第4項)。ただし、所定の期間内に出願審査の請求がなされなかったことにより特許出願が取り下げたものとみなされた場合であっても、当該期間を徒過したことについて「故意によるものでない」ときは、出願審査の請求をすることができるようになった日から2か月以内で、期間経過後1年以内に限り、出願審査の請求を行うことができる(特許法第48条の3第5項)。

 出願が国内優先権の主張を伴う場合や、パリ条約による優先権の主張を伴う場合においても、請求期間の起算日は、優先日(先の出願の出願日)ではなく、優先権主張を伴う出願(後の出願)の実際の出願日である(工業所有権法逐条解説 特許法第48条の3趣旨)。

 PCTルートの場合は、国内書面を提出し、手数料の納付を行った後(外国語特許出願である場合はさらに翻訳文を提出した後)でないと、出願審査請求をすることができない(特許法第184条の17)。この場合の審査請求期限は、国際出願日から3年である。

 また、特許出願の分割に係る新たな特許出願、意匠登録出願または実用新案登録出願の変更に係る特許出願、実用新案登録に基づく特許出願については、原出願から3年の期間経過後であっても、分割または変更による特許出願の日から30日以内に限り、出願審査の請求をすることができる。

 なお、審査請求は出願人だけでなく、第三者も行うことができる(特許法第48条の3第1項)。

条文等根拠:特許法第48条の2、第48条の3第1項、第2項、第3項、第4項、第5項、第184条の17

日本国特許法 第48条の2(特許出願の審査)
 特許出願の審査は、その特許出願についての出願審査の請求をまつて行なう。

日本国特許法 第48条の3(出願審査の請求)
 特許出願があつたときは、何人も、その日から三年以内に、特許庁長官にその特許出願について出願審査の請求をすることができる。

2 第四十四条第一項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願、第四十六条第一項若しくは第二項の規定による出願の変更に係る特許出願又は第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願については、前項の期間の経過後であっても、その特許出願の分割、出願の変更又は実用新案登録に基づく特許出願の日から三十日以内に限り、出願審査の請求をすることができる。

3 出願審査の請求は、取り下げることができない。

4 第一項または第二項の規定により出願審査の請求をすることができる期間内に出願審査の請求がなかつたときは、この特許出願は、取り下げたものとみなす。

5 前項の規定により取り下げられたものとみなされた特許出願の出願人は、経済産業省令で定める期間内に限り、経済産業省令で定めるところにより、出願審査の請求をすることができる。ただし、故意に、第一項に規定する期間内にその特許出願について出願審査の請求をしなかつたと認められる場合は、この限りでない。

(第6から第8項省略)

日本国特許法 第184条の17(出願審査の請求の時期の制限)
 国際特許出願の出願人は、日本語特許出願にあつては第百八十四条の五第一項、外国語特許出願にあつては第百八十四条の四第一項又は第四項及び第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後、国際特許出願の出願人以外の者は、国内書面提出期間(第百八十四条の四第一項ただし書の外国語特許出願にあつては、翻訳文提出特例期間)の経過後でなければ、国際特許出願についての出願審査の請求をすることができない。

2.インドネシアにおける審査請求期限
 インドネシアにおいては、特許出願の審査を受けるためには出願審査請求を行う必要がある(特許法第51条(1))。審査請求は、インドネシア出願日から36か月以内に行わなければならず、出願審査請求がされない場合は、その特許出願は取り下げられたものとみなされる(特許法第51条(2)(3))。なお、審査請求は出願人のみが行うことができる(特許規則第52条(1))。

条文等根拠:特許法第51条(1)(2)(3)、特許規則第52条(1)

インドネシア特許法 第51条
(1) 実体審査の請求は、手数料を納付して大臣に対して書面で行われる。
(2) (1)項における実体審査請求は、出願日から36か月以内に行われる。
(3) (1)項における期間内に実体審査請求が行われなかった場合又はそのための手数料が支払われなかった場合、出願は取下げられたものとみなされる。
(4)から(8) 省略

インドネシア特許規則 第52条
(1) 公開期間の満了後であるが、特許出願の受理の日から 36 月以内に、実体審査の請求は、特許局に対して特許出願人により行うことができる。
(2) (1)にいう実体審査の請求は、手数料の額及び納付手続が大臣により定められた手数料の納付とともに行われる。
(3) 省略

日本とインドネシアにおける特許審査請求期限の比較

日本 インドネシア
提出期限 3年 36か月
基準日 日本の出願日 インドネシアの出願日

日本とブラジルにおける特許審査請求期限の比較

1.日本における審査請求期限
 日本においては、特許出願の審査を受けるためには出願審査請求を行う必要がある。出願審査請求は出願の日から3年以内に行うことができ(特許法第48条の3第1項)、この期限内に出願審査請求がされない場合は、その特許出願は取り下げられたものとみなされる(特許法第48条の3第4項)。ただし、所定の期間内に出願審査の請求がなされなかったことにより特許出願が取り下げたものとみなされた場合であっても、当該期間を徒過したことについて「故意によるものでない」ときは、出願審査の請求をすることができるようになった日から2か月以内で、期間経過後1年以内に限り、出願審査の請求を行うことができる(特許法第48条の3第5項)。

 出願が国内優先権の主張を伴う場合や、パリ条約による優先権の主張を伴う場合においても、請求期間の起算日は、優先日(先の出願の出願日)ではなく、優先権主張を伴う出願(後の出願)の実際の出願日である(工業所有権法逐条解説 特許法第48条の3趣旨)。

 PCTルートの場合は、国内書面を提出し、手数料の納付を行った後(外国語特許出願である場合はさらに翻訳文を提出した後)でないと、出願審査請求をすることができない(特許法第184条の17)。この場合の審査請求期限は、国際出願日から3年である。

 また、特許出願の分割に係る新たな特許出願、意匠登録出願または実用新案登録出願の変更に係る特許出願、実用新案登録に基づく特許出願については、原出願から3年の期間経過後であっても、分割または変更による特許出願の日から30日以内に限り、出願審査の請求をすることができる。
 なお、審査請求は出願人だけでなく、第三者も行うことができる。(特許法第48条の3第1項)。

条文等根拠:特許法第48条の2、第48条の3第1項、第2項、第3項、第4項、第5項、第184条の17

日本国特許法 第48条の2(特許出願の審査)
 特許出願の審査は、その特許出願についての出願審査の請求をまって行なう。

日本国特許法 第48条の3(出願審査の請求)
 特許出願があつたときは、何人も、その日から三年以内に、特許庁長官にその特許出願について出願審査の請求をすることができる。

2 第四十四条第一項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願、第四十六条第一項若しくは第二項の規定による出願の変更に係る特許出願又は第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願については、前項の期間の経過後であっても、その特許出願の分割、出願の変更又は実用新案登録に基づく特許出願の日から三十日以内に限り、出願審査の請求をすることができる。

3 出願審査の請求は、取り下げることができない。

4 第一項または第二項の規定により出願審査の請求をすることができる期間内に出願審査の請求がなかつたときは、この特許出願は、取り下げたものとみなす。

5 前項の規定により取り下げられたものとみなされた特許出願の出願人は、経済産業省令で定める期間内に限り、経済産業省令で定めるところにより、出願審査の請求をすることができる。ただし、故意に、第一項に規定する期間内にその特許出願について出願審査の請求をしなかつたと認められる場合は、この限りでない。

(第6から第8項省略)

日本国特許法 第184条の17(出願審査の請求の時期の制限)
 国際特許出願の出願人は、日本語特許出願にあつては第百八十四条の五第一項、外国語特許出願にあつては第百八十四条の四第一項又は第四項及び第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後、国際特許出願の出願人以外の者は、国内書面提出期間(第百八十四条の四第一項ただし書の外国語特許出願にあつては、翻訳文提出特例期間)の経過後でなければ、国際特許出願についての出願審査の請求をすることができない。

2.ブラジルにおける審査請求期限
 ブラジルにおいては、特許出願の実体審査を受けるためには実体審査請求を行う必要がある。実体審査請求は、ブラジル出願の日から36か月以内に行うことができる(産業財産法第33条)。実体審査請求がされない場合は、その特許出願は却下されるが、却下されてから60日以内に出願人が回復の請求をし、特定の手数料を納付した場合は、出願を回復させることができる。前記の手続をしなかった場合は、出願は最終的に却下される(産業財産法第33条 補項)。

 ブラジル出願がパリ条約による優先権の主張を伴う場合においても、請求期間の起算日は実際にブラジル特許出願がされた日である。

 なお、ブラジルにおいては、出願人または利害関係人が実体審査請求を行うことができる。

条文等根拠:産業財産法第33条、第34条

ブラジル産業財産法 第33条
出願人またはその他の利害関係人は、出願日から36月の期間内に特許出願の審査を請求しなければならない。請求をしなかったときは、その出願は却下される。

補項 特許出願は、出願が却下されてから60日以内に出願人が回復の請求をし、特定の手数料を納付した場合は、回復させることができる。前記の手続をしなかった場合は、出願は、最終的に却下される。

ブラジル産業財産法 第34条
審査請求がなされ及び審査請求をするときは,60日の期間内に次のものを提出しなければならない。提出しなかったときは,その出願は却下される。
(I) 優先権を主張している場合は,他国における対応する出願の特許付与に係る反論、先行技術調査書及び審査結果
(II) 出願に係る手続及び審査を適正に行うために必要な書類;及び
(III) 第16条(2)にいう適切な書類の簡単な翻訳文であり、同条(5)に規定された宣言書により置き換えられた翻訳文

 日本の基礎出願について優先権を主張し、ブラジルに特許出願した場合には、以下のようになる。

日本とブラジルにおける特許審査請求期限の比較

日本 ブラジル
審査請求期間 3年 36か月
起算日 日本の出願日 ブラジルの出願日

日本とフィリピンにおける特許審査請求期限の比較

1.日本における審査請求期限
 日本においては、特許出願の審査を受けるためには出願審査請求を行う必要がある。出願審査請求は出願の日から3年以内に行うことができ(特許法第48条の3第1項)、この期限内に出願審査請求がされない場合は、その特許出願は取り下げられたものとみなされる(特許法第48条の3第4項)。ただし、所定の期間内に出願審査の請求がなされなかったことにより特許出願が取り下げたものとみなされた場合であっても、当該期間を徒過したことについて「故意によるものでない」ときは、出願審査の請求をすることができるようになった日から2か月以内で、期間経過後1年以内に限り、出願審査の請求を行うことができる(特許法第48条の3第5項)。

 出願が国内優先権の主張を伴う場合や、パリ条約による優先権の主張を伴う場合においても、請求期間の起算日は、優先日(先の出願の出願日)ではなく、優先権主張を伴う出願(後の出願)の実際の出願日である(工業所有権法逐条解説 特許法第48条の3趣旨)。

 PCTルートの場合は、国内書面を提出し、手数料の納付を行った後(外国語特許出願である場合はさらに翻訳文を提出した後)でないと、出願審査請求をすることができない(特許法第184条の17)。この場合の審査請求期限は、国際出願日から3年である。

 また、特許出願の分割に係る新たな特許出願、意匠登録出願または実用新案登録出願の変更に係る特許出願、実用新案登録に基づく特許出願については、原出願から3年の期間経過後であっても、分割または変更による特許出願の日から30日以内に限り、出願審査の請求をすることができる。
 なお、審査請求は出願人だけでなく、第三者も行うことができる。(特許法第48条の3第1項)。

条文等根拠:特許法第48条の2、第48条の3第1項、第2項、第3項、第4項、第5項、第184条の17

日本国特許法 第48条の2(特許出願の審査)
 特許出願の審査は、その特許出願についての出願審査の請求をまって行なう。

日本国特許法 第48条の3(出願審査の請求)
 特許出願があつたときは、何人も、その日から三年以内に、特許庁長官にその特許出願について出願審査の請求をすることができる。

2 第四十四条第一項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願、第四十六条第一項若しくは第二項の規定による出願の変更に係る特許出願又は第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願については、前項の期間の経過後であっても、その特許出願の分割、出願の変更又は実用新案登録に基づく特許出願の日から三十日以内に限り、出願審査の請求をすることができる。

3 出願審査の請求は、取り下げることができない。

4 第一項または第二項の規定により出願審査の請求をすることができる期間内に出願審査の請求がなかつたときは、この特許出願は、取り下げたものとみなす。

5 前項の規定により取り下げられたものとみなされた特許出願の出願人は、経済産業省令で定める期間内に限り、経済産業省令で定めるところにより、出願審査の請求をすることができる。ただし、故意に、第一項に規定する期間内にその特許出願について出願審査の請求をしなかつたと認められる場合は、この限りでない。

(第6から第8項省略)

日本国特許法 第184条の17(出願審査の請求の時期の制限)
 国際特許出願の出願人は、日本語特許出願にあつては第百八十四条の五第一項、外国語特許出願にあつては第百八十四条の四第一項又は第四項及び第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後、国際特許出願の出願人以外の者は、国内書面提出期間(第百八十四条の四第一項ただし書の外国語特許出願にあつては、翻訳文提出特例期間)の経過後でなければ、国際特許出願についての出願審査の請求をすることができない。

2.フィリピンにおける審査請求期限
 フィリピンにおいては、特許出願の実体審査を受けるためには審査請求を行う必要がある。審査請求はフィリピンにおける公開日(知的財産法第44条第1項)から6か月以内に行うことができる(知的財産法第48条1項、2022 年特許・実用新案・意匠に関する改正施行規則(以下、施行規則という)804)。出願人が実体審査請求を行わない場合および所定の期間内に対応する手数料を納付しない場合は、その特許出願は取り下げられたものとみなされる(知的財産法第48条第1項、施行規則804)。
 なお、出願から公開までの平均期間については、下記資料を参照されたい。
 *JETRO「ASEANにおける産業財産権の検索データベースの調査2022」114頁
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/asean/ip/pdf/report_202303_asean.pdf

 PCTルートの場合は、フィリピン国内段階移行日から6か月以内に審査請求費用を支払わなければその出願は取り下げられたとみなされる(特許審査マニュアル 4.8)。このため、フィリピン国内で出願の公開はされる(特許審査マニュアル4.11)が、フィリピン国内段階出願の公開日は、審査請求期限の起算日ではない。

条文等根拠:知的財産法第44条第1項、知的財産法第48条、施行規則804

第44条 特許出願の公開
44.1 特許出願は、出願日又は優先日から18月を経過した後、庁により又は庁のために作成された先行技術を記載した文献を引用する調査書とともにIPO公報において公開する。

第48条 実体審査の請求
48.1 出願は、第41条の規定による公開の日から6月以内に当該出願が第21条から第27条まで及び第32条から第39条までに規定する要件を満たしているか否かを決定することを求める書面による請求を提出し、かつ、所定の期間内に手数料を納付しない限り、取り下げられたものとみなす。
48.2 審査請求の取下は遡及の効果を有さず、手数料は返還されない。

規則 804 実体審査請求
書面による実体審査請求は、対応する手数料の全額納付とともに、特許出願の公開日から6 月以内に行う。実体審査は、特許出願がIP法に規定する特許性の要件を満たしているか否かを決定するために実施される。出願人が実体審査請求を行わない場合及び所定の期間内に対応する手数料を納付しない場合は、出願は、取り下げられたものとする。実体審査請求は、一度行われると、取消不能である。その手数料は返還されない。

 日本の基礎出願について優先権を主張し、フィリピンに特許出願した場合には、以下のようになる。

日本とフィリピンにおける特許審査請求期限の比較

日本 フィリピン
審査請求期間 3年 6か月
起算日 日本の出願日 フィリピンの出願公開日

日本と台湾における特許審査請求期限の比較

1.日本における審査請求期限
 日本においては、特許出願の審査を受けるためには出願審査請求を行う必要がある。出願審査請求は出願の日から3年以内に行うことができ(特許法第48条の3第1項)、この期限内に出願審査請求がされない場合は、その特許出願は取り下げられたものとみなされる(特許法第48条の3第4項)。ただし、所定の期間内に出願審査の請求がなされなかったことにより特許出願が取り下げたものとみなされた場合であっても、当該期間を徒過したことについて「故意によるものでない」ときは、出願審査の請求をすることができるようになった日から2か月以内で、期間経過後1年以内に限り、出願審査の請求を行うことができる(特許法第48条の3第5項)。

 出願が国内優先権の主張を伴う場合や、パリ条約による優先権の主張を伴う場合においても、請求期間の起算日は、優先日(先の出願の出願日)ではなく、優先権主張を伴う出願(後の出願)の実際の出願日である(工業所有権法逐条解説 特許法第48条の3趣旨)。
 
PCTルートの場合は、国内書面を提出し、手数料の納付を行った後(外国語特許出願である場合はさらに翻訳文を提出した後)でないと、出願審査請求をすることができない(特許法第184条の17)。この場合の審査請求期限は、国際出願日から3年である。

 また、特許出願の分割に係る新たな特許出願、意匠登録出願または実用新案登録出願の変更に係る特許出願、実用新案登録に基づく特許出願については、原出願から3年の期間経過後であっても、分割または変更による特許出願の日から30日以内に限り、出願審査の請求をすることができる(特許法第48条の3第2項)。

 なお、審査請求は出願人だけでなく、第三者も行うことができる。(特許法第48条の3第1項)。

条文等根拠:特許法第48条の2、第48条の3第1項、第2項、第3項、第4項、第5項、第184条の17

日本国特許法 第48条の2 特許出願の審査
 特許出願の審査は、その特許出願についての出願審査の請求をまって行なう。

日本国特許法 第48条の3 出願審査の請求
 特許出願があつたときは、何人も、その日から三年以内に、特許庁長官にその特許出願について出願審査の請求をすることができる。

2 第四十四条第一項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願、第四十六条第一項もしくは第二項の規定による出願の変更に係る特許出願または第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願については、前項の期間の経過後であっても、その特許出願の分割、出願の変更または実用新案登録に基づく特許出願の日から三十日以内に限り、出願審査の請求をすることができる。

3 出願審査の請求は、取り下げることができない。

4 第一項または第二項の規定により出願審査の請求をすることができる期間内に出願審査の請求がなかつたときは、この特許出願は、取り下げたものとみなす。

5 前項の規定により取り下げられたものとみなされた特許出願の出願人は、経済産業省令で定める期間内に限り、経済産業省令で定めるところにより、出願審査の請求をすることができる。ただし、故意に、第一項に規定する期間内にその特許出願について出願審査の請求をしなかつたと認められる場合は、この限りでない。

(第6から第8項省略)

日本国特許法 第184条の17 出願審査の請求の時期の制限
 国際特許出願の出願人は、日本語特許出願にあっては第百八十四条の五第一項、外国語特許出願にあっては第百八十四条の四第一項または第四項および第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後、国際特許出願の出願人以外の者は、国内書面提出期間(第百八十四条の四第一項ただし書の外国語特許出願にあっては、翻訳文提出特例期間)の経過後でなければ、国際特許出願についての出願審査の請求をすることができない。

2.台湾における審査請求期限
 台湾においては、特許出願の実体審査を受けるためには審査請求を行う必要がある。審査請求は台湾出願日から3年以内に行うことができ(専利法第38条第1項)、審査請求がされない場合は、その特許出願は取り下げられたものとみなされる(専利法第38条第4項)。審査請求は出願人に限らず、誰でも行うことができる(専利法第38条第1項)。
なお、台湾はPCT未加入であるので、PCTルートは存在しない。
 また、分割出願(専利法第34条)をした場合または実用新案から特許への出願変更(専利法第108条)をした場合、上記の期間が過ぎた後であっても、その分割出願をした日または出願変更をした日から30日以内に審査請求をすることができる(専利法第38条第2項)。

※専利法:日本における特許法、意匠法、実用新案法に相当。以下「専利法」。

条文等根拠:専利法第38条第1項

台湾専利法 第38条
何人も、発明特許出願日から3年以内に、特許主務官庁に対し、その発明特許出願について実体審査の請求をすることができる。

第34条第1項の規定による分割出願、又は第108条第1項の規定による発明特許への出願変更は、前項の期間を過ぎた場合、分割出願又は出願変更を行った日から30日以内に、特許主務官庁に実体審査の請求をすることができる。

前2項の規定により行った審査の請求は取り下げることができない。

第1項又は第2項に規定される期間内に実体審査を請求しなかった場合、当該発明特許出願は取り下げられたものとみなす。

日本の基礎出願に基づいて優先権を主張し台湾に出願した場合には、以下のようになる。

日本と台湾における特許審査請求期限の比較

日本 台湾
審査請求期間 3年 3年
起算日 日本の出願日 台湾の出願日

日本とタイにおける特許審査請求期限の比較

1.日本における審査請求期限
 日本においては、特許出願の審査を受けるためには出願審査請求を行う必要がある。出願審査請求は出願の日から3年以内に行うことができ(特許法第48条の3第1項)、この期限内に出願審査請求がされない場合は、その特許出願は取り下げられたものとみなされる(特許法第48条の3第4項)。ただし、所定の期間内に出願審査の請求がなされなかったことにより特許出願が取り下げたものとみなされた場合であっても、当該期間を徒過したことについて「故意によるものでない」ときは、出願審査の請求をすることができるようになった日から2か月以内で、期間経過後1年以内に限り、出願審査の請求を行うことができる(特許法第48条の3第5項)。

 出願が国内優先権の主張を伴う場合や、パリ条約による優先権の主張を伴う場合においても、請求期間の起算日は、優先日(先の出願の出願日)ではなく、優先権主張を伴う出願(後の出願)の実際の出願日である(工業所有権法逐条解説 特許法第48条の3趣旨)。

 PCTルートの場合は、国内書面を提出し、手数料の納付を行った後(外国語特許出願である場合はさらに翻訳文を提出した後)でないと、出願審査請求をすることができない(特許法第184条の17)。この場合の審査請求期限は、国際出願日から3年である。

 また、特許出願の分割に係る新たな特許出願、意匠登録出願または実用新案登録出願の変更に係る特許出願、実用新案登録に基づく特許出願については、原出願から3年の期間経過後であっても、分割または変更による特許出願の日から30日以内に限り、出願審査の請求をすることができる。
 なお、審査請求は出願人だけでなく、第三者も行うことができる。(特許法第48条の3第1項)。

条文等根拠:特許法第48条の2、第48条の3第1項、第2項、第3項、第4項、第5項、第184条の17

日本国特許法 第48条の2(特許出願の審査)
 特許出願の審査は、その特許出願についての出願審査の請求をまって行なう。

日本国特許法 第48条の3(出願審査の請求)
 特許出願があつたときは、何人も、その日から三年以内に、特許庁長官にその特許出願について出願審査の請求をすることができる。

2 第四十四条第一項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願、第四十六条第一項若しくは第二項の規定による出願の変更に係る特許出願又は第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願については、前項の期間の経過後であっても、その特許出願の分割、出願の変更又は実用新案登録に基づく特許出願の日から三十日以内に限り、出願審査の請求をすることができる。

3 出願審査の請求は、取り下げることができない。

4 第一項または第二項の規定により出願審査の請求をすることができる期間内に出願審査の請求がなかつたときは、この特許出願は、取り下げたものとみなす。

5 前項の規定により取り下げられたものとみなされた特許出願の出願人は、経済産業省令で定める期間内に限り、経済産業省令で定めるところにより、出願審査の請求をすることができる。ただし、故意に、第一項に規定する期間内にその特許出願について出願審査の請求をしなかつたと認められる場合は、この限りでない。

(第6から第8項省略)

日本国特許法 第184条の17(出願審査の請求の時期の制限)
 国際特許出願の出願人は、日本語特許出願にあつては第百八十四条の五第一項、外国語特許出願にあつては第百八十四条の四第一項又は第四項及び第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後、国際特許出願の出願人以外の者は、国内書面提出期間(第百八十四条の四第一項ただし書の外国語特許出願にあつては、翻訳文提出特例期間)の経過後でなければ、国際特許出願についての出願審査の請求をすることができない。

2.タイにおける審査請求
 タイにおいては、実体審査を受けるためには出願審査請求を行う必要がある。出願審査請求は、特許法第9条および第17条に規定された方式要件等を満たすと認定された出願について行われる出願公開(特許法第28条第2項)の日から5年以内に行うことができ、出願審査請求がされない場合は、その特許出願は取り下げられたものとみなされる(特許法第29条)。
 なお、出願から公開までの期間は、2022年度の実績では平均39.8か月(タイ出願人:27.2か月、タイ以外出願人:41.0か月)である。
 *JETRO「ASEANにおける産業財産権の検索データベースの調査2022」198頁https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/asean/ip/pdf/report_202303_asean.pdf
 審査請求は出願人のみが行うことができる(特許法第29条)。なお、出願人がタイ国内に居住していない場合には、出願人を代理するタイ弁理士を通じて審査請求されなければならない(特許規則第13条)。

条文等根拠:特許法第5条、第9条、第17条、第28条、第29条、特許規則第13条

タイ特許法 第5条
 第9条に従うことを条件として、特許は、次の条件が満たされた発明に対して付与されるものとする。
(1) その発明が新規であること
(2) 進歩性を有すること、及び
(3) 産業上利用できること

タイ特許法 第9条
 次の発明は、本法に基づく保護を受けないものとする。
(1) 自然発生する微生物及びそれらの成分、動物、植物、又は動物若しくは植物からの抽出物
(2) 科学的又は数学的法則及び理論
(3) コンピュータ・プログラム
(4) 人間及び動物の疾病の診断、処置又は治療の方法
(5) 公の秩序、道徳、健康又は福祉に反する発明

タイ特許法 第17条
 特許出願は、省令に定める規則及び手続に従わなければならない。特許出願書類には、次の事項が含まれていなければならない。
(1) 発明の名称
(2) 発明の特徴及び目的に関する簡単な説明
(3) 当該発明が帰属するか又は最も密接に関連する技術分野において通常の知識を有する者が当該発明を実施及び使用することができるような完全、簡潔、明瞭かつ正確な言葉で記され、かつ発明者が自らの発明を実施する上で企図する最良の態様が示された、発明の詳細な説明
(4) 明確かつ正確な 1 又は複数のクレーム
(5) 省令に定めるその他の事項
タイが特許に関する国際協定又は国際協力に加盟した場合、かかる国際協定又は国際協力の要件を満たす特許出願は、本法に基づく特許出願とみなされる。

タイ特許法 第28条
担当官が長官に審査報告書を提出した場合において、
(1) 長官は、本出願が第17条の規定に合致していない、又はその発明が第9条の規定に基づいて特許できないと認めるときは、その出願を拒絶するものとし、担当官は、かかる拒絶があった日から15日以内に配達証明付書留郵便又は長官の定めるその他の方法で出願人に拒絶の通知をしなければならない。又は
(2) 長官は、本出願が第17条の規定を具備し、かつその発明が第9条に基づく不特許事由に該当しないものであると認めるときは、省令に定める規則及び手続に従ってその出願の公開を命じるものとする。かかる公開に先立って担当官は、長官の定める方法又は配達証明付書留郵便により出願人に公開手数料を納付するよう通知する。出願人が通知を受領した日から60日以内に公開手数料を納付しない場合、担当官は、再度配達証明付書留郵便をもって出願人に通知を行う。かかる再度の通知を受領した日から60日が経過しても公開手数料を支払わない場合、出願人は、その出願を放棄したものとみなされる。

タイ特許法 第29条
第28条に基づく出願の公開後、出願人は、その出願の公開後5年以内か、又は異議申立及び審判請求が提出されているときはその最終決定後1年以内の何れか遅くに満了する期限内に、担当官にその発明が第5条に合致するか否かの審査の開始を請求しなければならない。出願人がその期間内に請求を提出しないときは、その出願を放棄したものとみなす。
(以下、略)

タイ特許規則 第13条
タイの居住者でない出願人、異議申立人、答弁人または審判請求人は、その者の代理人としてタイ国内で行為する者として長官に登録された代理人を任命しなければならない。委任状は長官に提出するものとする。
(以下、略)

 日本の基礎出願について優先権を主張し、タイに特許出願した場合には、以下のようになる。

日本とタイにおける特許審査請求期限の比較

日本 タイ
審査請求期間 3年 5年
起算日 日本の出願日 タイの出願公開日

日本と中国における特許審査請求期限の比較

1.日本における審査請求期限
 日本においては、特許出願の審査を受けるためには出願審査請求を行う必要がある。出願審査請求は出願の日から3年以内に行うことができ(特許法第48条の3第1項)、この期限内に出願審査請求がされない場合は、その特許出願は取り下げられたものとみなされる(特許法第48条の3第4項)。ただし、所定の期間内に出願審査の請求がなされなかったことにより特許出願が取り下げたものとみなされた場合であっても、当該期間を徒過したことについて「故意によるものでない」ときは、出願審査の請求をすることができるようになった日から2か月以内で、期間経過後1年以内に限り、出願審査の請求を行うことができる(特許法第48条の3第5項)。

 出願が国内優先権の主張を伴う場合や、パリ条約による優先権の主張を伴う場合においても、請求期間の起算日は、優先日(先の出願の出願日)ではなく、優先権主張を伴う出願(後の出願)の実際の出願日である(工業所有権法逐条解説 特許法第48条の3趣旨)。
 PCTルートの場合は、国内書面を提出し、手数料の納付を行った後(外国語特許出願である場合はさらに翻訳文を提出した後)でないと、出願審査請求をすることができない(特許法第184条の17)。この場合の審査請求期限は、国際出願日から3年である。

 なお、審査請求は出願人だけでなく、第三者も行うことができる。(特許法第48条の3第1項)。
条文等根拠:特許法第48条の2、第48条の3第1項、第2項、第3項、第4項、第5項、第184条の17

日本国特許法 第48条の2 特許出願の審査
 特許出願の審査は、その特許出願についての出願審査の請求をまって行なう。

日本国特許法 第48条の3 出願審査の請求
 特許出願があつたときは、何人も、その日から三年以内に、特許庁長官にその特許出願について出願審査の請求をすることができる。

2 第四十四条第一項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願、第四十六条第一項もしくは第二項の規定による出願の変更に係る特許出願または第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願については、前項の期間の経過後であっても、その特許出願の分割、出願の変更または実用新案登録に基づく特許出願の日から三十日以内に限り、出願審査の請求をすることができる。

3 出願審査の請求は、取り下げることができない。

4 第一項または第二項の規定により出願審査の請求をすることができる期間内に出願審査の請求がなかつたときは、この特許出願は、取り下げたものとみなす。

5 前項の規定により取り下げられたものとみなされた特許出願の出願人は、経済産業省令で定める期間内に限り、経済産業省令で定めるところにより、出願審査の請求をすることができる。ただし、故意に、第一項に規定する期間内にその特許出願について出願審査の請求をしなかつたと認められる場合は、この限りでない。

(第6から第8項省略)

日本国特許法 第184条の17 出願審査の請求の時期の制限
国際特許出願の出願人は、日本語特許出願にあっては第百八十四条の五第一項、外国語特許出願にあっては第百八十四条の四第一項または第四項および第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後、国際特許出願の出願人以外の者は、国内書面提出期間(第百八十四条の四第一項ただし書の外国語特許出願にあっては、翻訳文提出特例期間)の経過後でなければ、国際特許出願についての出願審査の請求をすることができない。

2.中国における審査請求期限
 中国においては、特許出願の実体審査を受けるためには実体審査請求を行う必要がある(専利法第35条)。出願審査請求は出願日から3年以内に行うことができ、出願審査請求がされない場合は、その特許出願は取り下げられたものとみなされる(専利法第35条)。
 なお、実体審査請求を行うことができるのは、出願人のみである(専利法第35条第1項)。
 また、中国では、所定の場合を除き、専利法に言う出願日とは、優先権を有する特許出願については優先日を指すので(専利法実施細則第11条)、審査請求期限の起算日が日本では出願日であるのに対し、中国では優先日となることに注意する必要がある。

条文等根拠:専利法第35条、専利法実施細則第11条

専利法 第35条
発明特許出願の出願日から三年間、国務院専利行政部門は出願者が随時提出する請求に基づき、その出願に対して実体審査を行うことができる。出願者に正当な理由がなく、期限を過ぎても実体審査を請求しない場合、当該出願は取り下げられたものと見なされる。
国務院専利行政部門は必要と認める場合、自ら発明特許の出願に対して実体審査を行うことができる。

専利法実施細則 第11条
専利法第二十八条および第四十二条に規定する状況を除き、専利法に言う出願日とは、優先権を有するものについては優先権日を指す。

 日本の基礎出願に基づいて優先権を主張し中国に特許出願した場合には、以下のようになる。

日本と中国における特許審査請求期限の比較

日本 中国
審査請求期間 3年 3年
起算日 日本の出願日 優先日(日本の出願日)

日本と韓国における特許審査請求期限の比較

1.日本における審査請求期限
 日本においては、特許出願の審査を受けるためには出願審査請求を行う必要がある。出願審査請求は出願の日から3年以内に行うことができ(特許法第48条の3第1項)、この期限内に出願審査請求がされない場合は、その特許出願は取り下げられたものとみなされる(特許法第48条の3第4項)。ただし、所定の期間内に出願審査の請求がなされなかったことにより特許出願が取り下げたものとみなされた場合であっても、当該期間を徒過したことについて「故意によるものでない」ときは、出願審査の請求をすることができるようになった日から2か月以内で、期間経過後1年以内に限り、出願審査の請求を行うことができる(特許法第48条の3第5項)。

 出願が国内優先権の主張を伴う場合や、パリ条約による優先権の主張を伴う場合においても、請求期間の起算日は、優先日(先の出願の出願日)ではなく、優先権主張を伴う出願(後の出願)の実際の出願日である(工業所有権法逐条解説 特許法第48条の3趣旨)。

 PCTルートの場合は、国内書面を提出し、手数料の納付を行った後(外国語特許出願である場合はさらに翻訳文を提出した後)でないと、出願審査請求をすることができない(特許法第184条の17)。この場合の審査請求期限は、国際出願日から3年である。
 また、特許出願の分割に係る新たな特許出願、意匠登録出願または実用新案登録出願の変更に係る特許出願、実用新案登録に基づく特許出願については、原出願から3年の期間経過後であっても、分割または変更による特許出願の日から30日以内に限り、出願審査の請求をすることができる。

 なお、審査請求は出願人だけでなく、第三者も行うことができる。(特許法第48条の3第1項)。

条文等根拠:特許法第48条の2、第48条の3第1項、第2項、第3項、第4項、第5項、第184条の17

日本国特許法 第48条の2(特許出願の審査)
 特許出願の審査は、その特許出願についての出願審査の請求をまって行なう。

日本国特許法 第48条の3(出願審査の請求)
 特許出願があつたときは、何人も、その日から三年以内に、特許庁長官にその特許出願について出願審査の請求をすることができる。

2 第四十四条第一項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願、第四十六条第一項若しくは第二項の規定による出願の変更に係る特許出願又は第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願については、前項の期間の経過後であっても、その特許出願の分割、出願の変更又は実用新案登録に基づく特許出願の日から三十日以内に限り、出願審査の請求をすることができる。

3 出願審査の請求は、取り下げることができない。

4 第一項または第二項の規定により出願審査の請求をすることができる期間内に出願審査の請求がなかつたときは、この特許出願は、取り下げたものとみなす。

5 前項の規定により取り下げられたものとみなされた特許出願の出願人は、経済産業省令で定める期間内に限り、経済産業省令で定めるところにより、出願審査の請求をすることができる。ただし、故意に、第一項に規定する期間内にその特許出願について出願審査の請求をしなかつたと認められる場合は、この限りでない。

(第6から第8項省略)

日本国特許法 第184条の17(出願審査の請求の時期の制限)
 国際特許出願の出願人は、日本語特許出願にあつては第百八十四条の五第一項、外国語特許出願にあつては第百八十四条の四第一項又は第四項及び第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後、国際特許出願の出願人以外の者は、国内書面提出期間(第百八十四条の四第一項ただし書の外国語特許出願にあつては、翻訳文提出特例期間)の経過後でなければ、国際特許出願についての出願審査の請求をすることができない。

2.韓国における審査請求期限
 韓国においては、特許出願の審査を受けるためには審査請求を行う必要がある(特許法第59条第1項)。審査請求は韓国出願日から3年以内に行うことができ(特許法第59条第2項)、審査請求がされない場合は、その特許出願は取り下げられたものとみなされる(特許法第59条第5項)。

 PCTルートの場合は、国際出願日が韓国出願日とみなされるので(特許法第199条)、審査請求は国際出願日から3年以内に行うことができる。

 審査請求を行うことができるのは出願人に限られず、誰でも審査請求を行うことができる(特許法第59条第2項)。

 分割出願(特許法第52条)をした場合、分離出願(特許法第52条の2)をした場合または実用新案から特許への出願変更(特許法第53条)をした場合、上記の期間が過ぎた後であっても、その分割出願をした日、分離出願をした日または出願変更をした日から30日以内に審査請求をすることができる(特許法第59条第3項)。

条文等根拠:特許法第59条、特許法第199条

韓国特許法 第59条(特許出願審査の請求)
①特許出願に対し審査請求があるときにのみこれを審査する。
②誰でも特許出願に対し特許出願日から3年以内に特許庁長に出願審査の請求をすることができる。ただし、特許出願人は、次の各号のいずれか に該当する場合には、出願審査の請求をすることができない。
 1 明細書に請求範囲を記載しなかった場合
 2 第42条の3第2項による韓国語翻訳文を提出しなかった場合(外国語特許出願の場合に限定する)

③第34条及び第35条による正当な権利者の特許出願、分割出願、分離出願または変更出願に関しては、第2項による期間が過ぎた後にも正当な権利者が特許出願をした日、分割出願をした日、分離出願をした日または変更出願をした日からそれぞれ30日以内に出願審査の請求をすることができる。

④出願審査の請求は、取下げることができない。

⑤第2項又は第3項の規定によって出願審査の請求をすることができる期間に出願審査の請求がなければ、その特許出願は取り下げたものとみなす。

韓国特許法 第199条(国際出願による特許出願)
①「特許協力条約」によって国際出願日が認められた国際出願として特許を受けるために大韓民国を指定国に指定した国際出願は、その国際出願日に出願された特許出願とみなす。

②第1項による特許出願とみなす国際出願(以下、“国際特許出願”という。)に関しては、第42条の2、第42条の3及び第54条を適用しない。

 日本の基礎出願に基づいて優先権を主張し、韓国に特許出願した場合には、以下のようになる。


日本と韓国における特許審査請求期限の比較

日本 韓国
審査請求期間 3年 3年
起算日 日本の出願日 韓国の出願日

マレーシアにおける2022年特許法改正の概要(前編)

記事本文はこちらをご覧ください。

日本とマレーシアにおける特許審査請求期限の比較

1.日本における審査請求期限
 日本において特許出願の審査を受けるためには、出願審査の請求を行う必要がある(特許法第48条の2)。出願審査の請求は出願の日から3年以内に行うことができ、この期限内に出願審査の請求がされない場合は、その特許出願は取下げられたものとみなされる(特許法第48条の3第4項)。なお、特許出願が取下げられたものとみなされた場合でも、出願審査の請求をすることができなかったことについて正当な理由があるときは、経済産業省令で定める期間内に限り、正当な理由があることを証明する書面を添付し、出願審査の請求をすることができる(特許法第48条の3第5項、特許法施行規則第31条の2第6項)。

 出願が国内優先権の主張を伴う場合や、パリ条約による優先権の主張を伴う場合においても、請求期間の起算日は実際に特許出願がされた日である。
 PCTルートの場合は、国内書面を提出し、手数料の納付を行った後(外国語特許出願である場合はさらに翻訳文を提出した後)でないと、出願審査の請求をすることができない(特許法第184条の17)。
 なお、出願審査の請求は出願人だけでなく、第三者も行うことができる。(特許法第48条の3第1項)。

日本特許法 第48条の2 特許出願の審査

特許出願の審査は、その特許出願についての出願審査の請求をまつて行なう。

日本特許法 第48条の3 出願審査の請求

特許出願があつたときは、何人も、その日から三年以内に、特許庁長官にその特許出願について出願審査の請求をすることができる。
2 第四十四条第一項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願、第四十六条第一項若しくは第二項の規定による出願の変更に係る特許出願又は第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願については、前項の期間の経過後であつても、その特許出願の分割、出願の変更又は実用新案登録に基づく特許出願の日から三十日以内に限り、出願審査の請求をすることができる。
3 出願審査の請求は、取り下げることができない。
4 第一項の規定により出願審査の請求をすることができる期間内に出願審査の請求がなかつたときは、この特許出願は、取り下げたものとみなす。
5 前項の規定により取り下げられたものとみなされた特許出願の出願人は、第一項に規定する期間内にその特許出願について出願審査の請求をすることができなかつたことについて正当な理由があるときは、経済産業省令で定める期間内に限り、出願審査の請求をすることができる。
6 前項の規定によりされた出願審査の請求は、第一項に規定する期間が満了する時に特許庁長官にされたものとみなす。
7 前三項の規定は、第二項に規定する期間内に出願審査の請求がなかつた場合に準用する。
8 第五項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定により特許出願について出願審査の請求をした場合において、その特許出願について特許権の設定の登録があつたときは、その特許出願が第四項(前項において準用する場合を含む。)の規定により取り下げられたものとみなされた旨が掲載された特許公報の発行後その特許出願について第五項の規定による出願審査の請求があつた旨が掲載された特許公報の発行前に善意に日本国内において当該発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者は、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許権について通常実施権を有する。

日本特許法施行規則 第31条の2 出願審査請求書の様式等

出願審査請求書は、様式第四十四により作成しなければならない。
2 特許法第百九十五条の二又は第百九十五条の二の二の規定の適用を受けようとするときは、出願審査請求書にその旨を記載しなければならない。
3 特例法第三十九条の三の規定による同法第三十九条の二の調査報告の提示は、出願審査請求書に特例法施行規則第六十条の二第一号の調査報告番号を記載して行わなければならない。
4 特許法第四十八条の三第五項(同条第七項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の経済産業省令で定める期間は、同条第五項に規定する正当な理由がなくなつた日から二月とする。ただし、当該期間の末日が同条第一項に規定する期間(同条第七項において準用する場合にあっては、同条第二項に規定する期間。以下この項において同じ。)の経過後一年を超えるときは、同条第一項に規定する期間の経過後一年とする。
5 特許法第四十八条の三第五項の規定により出願審査の請求をする場合には、同項に規定する期間内に様式第三十一の九により作成した回復理由書を提出しなければならない。
6 前項の回復理由書を提出する場合には、特許法第四十八条の三第五項に規定する正当な理由があることを証明する書面を添付しなければならない。ただし、特許庁長官が、その必要がないと認めるときは、この限りでない。
7 第五項の回復理由書の提出は、二以上の事件に係る回復理由書について、当該書面の内容(当該回復理由書に係る事件の表示を除く。)が同一の場合に限り、一の書面ですることができる。

日本特許法 第184条の17 出願審査の請求の時期の制限

国際特許出願の出願人は、日本語特許出願にあっては第百八十四条の五第一項、外国語特許出願にあつては第百八十四条の四第一項又は第四項及び第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後、国際特許出願の出願人以外の者は、国内書面提出期間(第百八十四条の四第一項ただし書の外国語特許出願にあつては、翻訳文提出特例期間)の経過後でなければ、国際特許出願についての出願審査の請求をすることができない。

2.マレーシアにおける審査請求
 マレーシアにおいては、実体審査を受けるためには実体審査請求または修正審査請求を行う必要がある(特許法第29A条)。

 実体審査請求および修正審査請求は、マレーシア出願の日から18か月以内に行うことができる(特許規則27(1))。ただし、PCTルートの場合は、国際出願日から4年である(特許規則27(1A))。また、修正審査請求については出願日から5年まで延長が認められる(特許規則27B)。
 なお、マレーシアにおいては出願人のみが実体審査請求を行うことができる。

マレーシア特許法 第29A条 実体審査または修正実体審査の請求

(1) 特許出願が第29条に基づく審査を受けており,かつ,取下げまたは拒絶がされていないときは,出願人は,所定の期間内に,その出願について実体審査の請求をしなければならない。
(2) 特許出願においてクレームされている発明と同一または基本的に同一の発明に関し,特許または工業所有権の保護に関するその他の権利が,マレーシア以外の所定の国においてまたは所定の条約に基づいて,その出願人または前権利者に付与されているときは,出願人は,所定の期間内に,実体審査を請求する代わりに修正実体審査を請求することができる。
(3) 実体審査請求又は修正実体審査請求は,登録官の定める様式により行うものとし,かつ,所定の手数料が登録官に納付され,それ以外の所定の要件が遵守されるまでは,提出されたとみなされないものとする。
(4) (削除)
(5) 出願人が以下を怠った場合,
 (a)(1)に基づく実体審査請求書を提出する。また,
 (b)所定の期間内に(2)に基づく修正実体審査の請求を提出する。
特許出願は,その期間満了時に取下げられたものとみなされる。
(6) (5)(b)に拘らず,登録官は,所定の手数料の支払いとともに,登録官によって決定された形式での出願人の請求により,(2)項で言及される修正実体審査の提出の延期を許可することができる。
(6a) (6)に基づく延期は,特許または工業所有権保護の他の権原が付与されていないか,または修正実体審査の請求を提出するための所定の期間の満了までに得られないという理由にのみ許可される。
(7) (6)に基づく延期は,当該延期請求書が(2)に基づく請求をするための所定期間の満了までに提出されなかったときは承認されないものとし,かつ,本法に基づいて制定される規則に定められている期間よりも長い期間については,延期は,求めることも,また,承認を受けることもできない。
(8) 延期を承認する登録官の権限は阻害しないものとするが,本条の適用上の所定の期間は,第82条の規定に基づく延長を受けることができない。

マレーシア特許規則27 実体審査請求

(1) 実体審査の請求は,出願日から18か月以内に,所定の手数料を納付し登録官によって決められた形式を提出することにより登録官に対してなされなければならない。
(1A) (1)にかかわらず,国内移行された国際出願の実体審査の請求は,国際出願提出日から4年以内に,所定の手数料を納付し登録官によって決められた形式を提出することにより登録官に対してなされなければならない。
(2) 規則19Aに基づき出願の分割がなされる場合,更なる実体審査を求める請求は,出願の分割を申し立てるときになされなければならない。
(2A) (2)基づく出願の分割について実体審査の請求がなされない場合、出願の分割は取り下げられたものとみなされる。
(3) 実体審査の請求には,該当する場合は,次のものが添付されなければならない。
(a) 当該出願において請求されている発明と同一又は本質的に同一であるものに関して所定の工業所有権所轄当局に出願されている特許又はその他の工業所有権の出願番号及び出願日に関する情報
(b) 当該出願において請求されている発明と同一又は本質的に同一であるものに関して所定の工業所有権所轄当局によって与えられた特許又はその他の工業所有権に付された番号に関する情報
(c) 当該出願において請求されている発明と同一又は本質的に同一であるものに関して所定の工業所有権所轄当局によって行われた調査又は審査の結果,及び,調査又は審査の結果が英語で記載されていない場合はかかる調査又は審査の認証付き英語の翻訳。
(4) (削除)
(5) 出願が特許法第29A条(5)の規定により取下げられたものとみなされる場合,登録官は,理由を付して,その事実を書面で出願人に通知するものとする。
(6) 本規則の適用上,「所定の工業所有権所轄当局」とは,場合に応じて,国内官庁としての,又は該当する場合は国際調査機関としての又は特許協力条約に基づく国際予備審査機関としての地位を有する,オーストラリア特許庁,日本国特許庁,大韓民国特許庁,英国特許庁,アメリカ合衆国特許庁又は欧州特許庁を意味する。

マレーシア特許規則27A 修正実体審査請求

(1) 修正実体審査請求は,出願日から18か月以内に,所定の手数料を納付し登録官によって決められた形式を提出することにより登録官に対してなされなければならない。
(1A) (1)にかかわらず,国内移行された国際出願の修正実体審査の請求は,国際出願提出日から4年以内に,所定の手数料を納付し登録官によって決められた形式を提出することにより登録官に対してなされなければならない。
(2) 規則19Aに基づき出願の分割がなされる場合,更なる修正実体審査を求める請求は,出願の分割を申し立てるときになされなければならない。
(2A) (2)基づく出願の分割について実体審査の請求がなされない場合,出願の分割は取り下げられたものとみなされる。
(3) 修正実体審査の請求には,次のものが添付されなければならない。
(a) 所定の国において,又は所定の条約の下に出願人若しくはその権原の前主に与えられた特許証又はその他の工業所有権保護証の認証謄本,かかる特許証若しくはその他の工業所有権保護証が英語以外の言語で作成されている場合は,その英語による認証翻訳文,及び
(b) 所定の国による,又は所定の条約に基づく特許若しくはその他の工業所有権保護が既に与えられている場合における同発明の明細書,クレーム又は図面が,形式の点は別として,当該出願においてクレームされている同発明の明細書,クレーム又は図面と異なっている場合,その差異を解消するために要求される修正
(4) 出願が特許法第29A条(5)に基づき取り消されたものとみなされる場合,登録官は,理由を付して,その事実を書面で出願人に通知するものとする。
(5) 本規則の適用上,
「所定の国」とは,各場合に応じて,オーストラリア,日本国,大韓民国,英国又はアメリカ合衆国を意味する。
「所定の条約」とは,欧州特許条約を意味する。

マレーシア特許規則27B 修正実体審査の請求の猶予

(1) 規則27Aに基づく修正実体審査の請求の猶予の申立て,所定の手数料の支払いとともに,登録官によって決められた形式で登録官に対してなされるものとする。
(2) 特許法第29A条(7)の適用上,及び第27B条(3)に従って,修正実体審査の請求の提出に認められる最大の遅延期間は,出願日から5年とする。
(3) (2)の所定の期間内に修正実体審査の請求の申立てができない場合、当該出願はかかる所定の期間満了から3か月以内に実体審査請求の申立てをすることができる。

Practice Direction No.1~3 of 2016(要約)

(1) 特許出願の補正は、実体審査・修正実体審査の審査報告書発行日から2か月以内に行わなければならない。
(2) マレーシア特許規則第19A条に基づく特許出願の分割請求は、実体審査・修正実体審査の審査報告書の発行日から3か月以内に行わなければならない。
(3) 特許出願の補正等により、クレームが追加された場合には、追加されたクレームに関する審査手数料が全額納付されない限り、特許法28条に基づく出願日として記録されない。

◆日本の基礎出願について優先権を主張しマレーシアに出願した場合には、以下のようになる。

日本とマレーシアにおける特許審査請求期限の比較

日本 マレーシア
提出期限 3年 18か月
基準日 日本出願の日 マレーシア出願の日

日本とインドにおける特許審査請求期限の比較

1.日本における審査請求期限

1-1.審査請求

 日本において特許出願の審査を受けるためには、出願審査の請求を行う必要がある。出願審査の請求は、出願日から3年以内に行うことができ、この期限内に出願審査の請求がされない場合は、その特許出願は取下げられたものとみなされる。
 出願が国内優先権の主張を伴う場合や、パリ条約による優先権の主張を伴う場合においても、請求期間の起算日は実際に特許出願がされた日である。
 PCTルートの場合は、国内書面を提出し、手数料の納付を行った後(外国語特許出願である場合はさらに翻訳文を提出した後)でなければ、出願審査の請求をすることができない(特許法第184条の17)。
 なお、出願審査の請求は、出願人だけでなく、第三者も行うことができる。(特許法第48条の3第1項)。
条文等根拠:特許法第48条の2、第48条の3第1項、第48条の3第4項、第184条の17

日本特許法 第48条の2 特許出願の審査
特許出願の審査は、その特許出願についての出願審査の請求をまつて行なう。
日本特許法 第48条の3 出願審査の請求
 特許出願があつたときは、何人も、その日から三年以内に、特許庁長官にその特許出願について出願審査の請求をすることができる。
2 第四十四条第一項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願、第四十六条第一項若しくは第二項の規定による出願の変更に係る特許出願又は第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願については、前項の期間の経過後であつても、その特許出願の分割、出願の変更又は実用新案登録に基づく特許出願の日から三十日以内に限り、出願審査の請求をすることができる。
3 出願審査の請求は、取り下げることができない。
4 第一項の規定により出願審査の請求をすることができる期間内に出願審査の請求がなかつたときは、この特許出願は、取り下げたものとみなす。
5 前項の規定により取り下げられたものとみなされた特許出願の出願人は、第一項に規定する期間内にその特許出願について出願審査の請求をすることができなかつたことについて正当な理由があるときは、経済産業省令で定める期間内に限り、出願審査の請求をすることができる。
6 前項の規定によりされた出願審査の請求は、第一項に規定する期間が満了する時に特許庁長官にされたものとみなす。
7 前三項の規定は、第二項に規定する期間内に出願審査の請求がなかつた場合に準用する。
8 第五項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定により特許出願について出願審査の請求をした場合において、その特許出願について特許権の設定の登録があつたときは、その特許出願が第四項(前項において準用する場合を含む。)の規定により取り下げられたものとみなされた旨が掲載された特許公報の発行後その特許出願について第五項の規定による出願審査の請求があつた旨が掲載された特許公報の発行前に善意に日本国内において当該発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者は、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許権について通常実施権を有する。
日本特許法 第184条の17 出願審査の請求の時期の制限
 国際特許出願の出願人は、日本語特許出願にあつては第百八十四条の五第一項、外国語特許出願にあつては第百八十四条の四第一項又は第四項及び第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後、国際特許出願の出願人以外の者は、国内書面提出期間(第百八十四条の四第一項ただし書の外国語特許出願にあつては、翻訳文提出特例期間)の経過後でなければ、国際特許出願についての出願審査の請求をすることができない。

1-2.優先審査

 特許出願の審査を早期に受けるための手段として、日本特許法において、優先審査が規定されている。
条文等根拠:特許法第48条の6、特許法施行規則第31条の3

日本特許法 第48条の6 優先審査
 特許庁長官は、出願公開後に特許出願人でない者が業として特許出願に係る発明を実施していると認める場合において必要があるときは、審査官にその特許出願を他の特許出願に優先して審査させることができる。
日本特許法施行規則 第31条の3 優先審査に関する事情説明書の提出
 特許出願人は、特許法第四十八条の六に規定する優先審査に関し、特許出願に係る発明の実施の状況等を記載し、根拠となる書類又は物件を添付した事情説明書を特許庁長官に提出することができる。出願公開がされた他人の特許出願に係る発明を業として実施している者も、同様とする。

 特許出願の審査の順序のようなことは、特許庁の事務の取扱方法に関するものであり、庁内部の指揮命令に属するので必ずしも法定する必要のないものである(*)。そこで、日本では、法令に規定されていない「早期審査」の運用が設けられ、優先審査よりも多く活用されている。ただし、早期審査の申請が可能なのは特許出願人のみであり、他人は、優先審査制度を活用する必要がある。
(*)特許法第48条の6に関する逐条解説に基づく。
(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説〔第21版〕」「特許法」214ページ https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/kaisetu/kogyoshoyu/document/chikujokaisetsu21/tokkyo.pdf

1-3.早期審査

 日本において、早期審査の申請が可能な出願は以下のとおりである。
(1) 出願審査の請求がなされていること
(2) 以下のいずれか1つの条件を満たしていること
・中小企業、個人、大学、公的研究機関等の出願
・外国関連出願
・実施関連出願
・グリーン関連出願
・震災復興支援関連出願
・アジア拠点化推進法関連出願
(3) 特許法第42条第1項の規定により取下げとならないものであること
(4) 代理人が弁理士、弁護士または法定代理人のいずれかに該当すること

参照:「特許出願の早期審査・早期審理ガイドライン(令和3年5月)」(https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/document/index/guideline.pdf

2.インドにおける審査請求

2-1.審査請求

 インドにおいて特許出願の実体審査を受けるためには、実体審査請求を行う必要がある。実体審査請求は、出願日からまたは原出願の優先日から48か月以内に行うことができる。実体審査請求がされない場合は、その特許出願は取下げられたものとして取り扱われる。
 なお、インドにおいては実体審査請求を行うことができるのは、出願人または利害関係人である。
条文等根拠:特許法第11B条、特許規則24B(1)(i)

インド特許法 第11B条 審査請求
(1) 如何なる特許出願についても、出願人または他の利害関係人が所定の期間内に所定の方法により審査請求をしない限り、審査しないものとする。
(2) [削除]
(3) 2005年1月1日前に第5条(2)に基づいて出願された特許のクレームに係る出願の場合は、その審査請求は、出願人または他の利害関係人が所定の方法により所定の期間内にしなければならない。
(4) 出願人または他の利害関係人が(1)または(3)に規定の期間内に特許出願の審査請求をしない場合は、当該出願は出願人により取り下げられたものとして取り扱われる。ただし、
(i) 出願人は、自己の行った出願については、所定の方法により請求して、出願後で特許付与前にはいつでも、これを取り下げることができ、かつ
(ii) 秘密保持の指示が第35条に基づいて発せられた場合は、審査請求については、当該秘密保持の指示取消の日から所定の期間内に、これを行うことができる。
インド特許規則 24B(1)(i) 出願の審査
 第11B条に基づく審査請求は、様式18により、出願の優先日又は出願日の何れか先の日から48月以内にしなければならない。

2-2.早期審査請求

 インドにおいて、早期審査請求が可能な出願はインド特許規則に規定されている。

インド特許規則 24C(1) 出願の早期審査
(1) 出願人は、次の理由の何れかに基づいて、様式18Aにより第1附則に定める手数料を添えて規則24Bに定める期間内に正式に認証された電子送信によってのみ早期審査請求を提出することができる。
(a) 対応する国際出願においてインドが管轄国際調査機関として指定されており又は国際予備審査機関として選択されていること、又は
(b) 出願人がスタートアップ企業であること、又は
(c) 出願人が小規模企業であること、又は
(d) 出願人が自然人である場合、または共同出願人の場合、出願人全員が自然人であり、出願人または出願人の少なくとも1人が女性であること、又は
(e) 出願人が政府の部門(department of the Government)であること、又は
(f) 政府が所有または管理する中央、州または県の法律により設立された機関であること、又は
(g) 出願人が2013年会社法(18 of 2013)第2節(45)に定義される政府系企業であること、又は
(h) 出願人が政府によって全額または実質的に資金提供されている機関であること、又は
(i) 中央政府の部門長からの要請に基づいて中央政府が通知した部門に関連する出願であること:ただし、そのような通知の前にパブリックコメントを募集する、又は
(j) 出願人がインド特許意匠商標総局と外国特許庁との間の協定に基づく特許出願の処理に関する取り決めに基づいた資格を有する場合。

◆日本の基礎出願について優先権を主張しインドに出願した場合には、以下のようになる。

日本とインドにおける特許審査請求期限の比較

日本 インド
提出期限 3年 48か月
基準日 日本の出願日 インド出願日ではなく、日本の基礎出願日(優先日)