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ベトナムにおけるコンピュータプログラム関連発明の特許審査ガイドラインの改正

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ロシアにおける特許新規性喪失の例外

 ロシアにおける特許の新規性喪失の例外に関して、ロシア特許制度では、特許出願前に発明の開示が行われた場合について、その発明の開示が新規性喪失の例外と認められる猶予期間が定められている。

 

 すなわち、発明者もしくは出願人により、またはこれらの者から直接的もしくは間接的に情報を入手したあらゆる者により、発明の開示(以下、「先行開示」と言う)が行われた場合には、6か月の猶予期間が与えられる(ロシア連邦民法第IV部の第1350条(3)項、「出願の調査・審査に関する規則」の規則17)。

 

 先行開示の例としては、学術会議、博覧会または論文発表などにおける開示が挙げられる。ここで、先行開示が意図的に行われたかどうかは問われない。

 

 この6ヶ月の猶予期間内にロシア国内に特許出願が行われた場合、ロシアでの実体審査段階において新規性および進歩性を判断する際に、先行開示は考慮されない。ロシア国内の特許出願としては、優先権の有無を問わずロシア国内への直接出願であればよく、PCT出願も含まれる。したがって、ロシア国外の出願人は、先行開示から6か月以内にPCT出願を管轄受理官庁に行う必要がある。

 

 ロシア特許庁に猶予期間の申請手続きを自発的に行う必要はない。ただし、審査官または第三者により先行開示の存在が指摘された場合には、出願人は、その先行開示より6ヵ月以内に特許出願を行ったことと、その先行開示が発明者もしくは出願人により、またはこれらの者から直接的もしくは間接的に情報を入手した者により行われたことを示す証拠を提出する必要がある。

 

 ロシアにおける特許取得は、ロシア特許庁にロシア国内特許出願を行う代わりに、ユーラシア特許制度を利用して、ユーラシア特許庁にユーラシア特許出願を行うことによっても可能である。ただし、ロシアとユーラシアでは、猶予期間の判断が異なることに注意が必要である。ユーラシア特許出願の場合、優先権出願を行う前の6か月以内に先行開示が行われた場合には、新規性喪失の例外とみなされる(ユーラシア特許条約に基づく特許規則の規則3(2))。したがって、出願人は先行開示から6か月以内に優先権出願(即ち、対応するユーラシア出願の優先権主張の基礎となる出願)を行えば、十分である。この場合、猶予期間内にユーラシア出願またはPCT出願を提出する必要はない。猶予期間の申請は、ユーラシア出願時にユーラシア特許庁に提出しなければならない。

 

 新規性喪失の例外の他の例が、ロシア連邦民法第IV部の第1385条(3)項、および「出願の調査・審査に関する規則」の規則17に明示されている。この条項に従い、先の特許出願が公開されたものの、公開日以前にその先の特許出願が放棄された、または取り下げられたとみなされた場合、この特許出願は同じ出願人の後の特許出願に対する先行技術とはみなされない。ただし、かかる後の特許出願が先の(放棄された、または取り下げられた)出願の公開日から12か月以内になされていることを条件とする。この規定は、ロシア特許庁が出願人に与えた別の種類の「猶予期間」とみなすことができる。この猶予期間は、例えば同じ出願人により提出されたが、公開日の前に放棄された、または取り下げられた特許出願に関する情報をロシア特許庁が公開してしまった場合などに利用することができる。

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