マレーシアにおける特許権の権利行使に関する手続
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アルゼンチンにおける商標制度
1.法的枠組み
アルゼンチンにおける商標制度は、アルゼンチン商標法および商標規則(Decreto 242/2019)に規定されている。
アルゼンチンは、パリ条約、GATT-TRIPS協定といった知的財産および商標に関する規則および規定を含んでいる国際条約の加盟国でもある。ただし、マドリッドプロトコルには加盟していない。
2.商標権の主体
国内または外国のいかなる個人または事業体も、アルゼンチンにおいて商標出願を行ない、その商標権者となることができる(商標法第10条)。複数の権利者が一つの商標を共有することもできる(商標法第9条)。
3.出願の方式要件
商標出願を提出するために必要な出願人に関する情報は、以下のとおりである。
(1) 出願人の正式名(商標法第10条)
(2) 実際の住所および連絡先となるブエノスアイレス市内の法定住所(商標規則第10条)
また、条文規定にはないが、個人である場合は、国籍および既婚・未婚の区別が必要とされる。個人による権利の譲受けの際に必要とされるためである。
出願人情報以外の方式要件として、以下のものが要求される(「商標に関する説明(Instructivo de Marcas)」を参照)。
(1) 商標の種類(商標法第1条、第10条)
文字標章、図形標章、混合標章等々。出願人はどの種類の標章を出願するのか提示しなければならない。
(2) 保護を求める区分(商標法第10条、商標規則第12条、決議288/2019)
1出願に複数区分の出願は不可、また「クラス全体」と記載することは不可である。
(3) 優先権書類(商標規則第12条、パリ条約第4条)
海外で行われた出願について、優先権を主張する場合に必要である。
(4) 所有権(商標法第4条、第10条)
所有権は商標の登録によって取得される。自然人であるのか、法人であるのか、また複数人による所有となるのか、また連絡先としてアルゼンチン国内の住所が必要である。
(5) 代表者(商標規則第12条、決議P-62/2001)
個人であるのか、代理人であるのか、代理人であればその代理人名、識別番号と委任状が必要、またINPIからの連絡先メールアドレスが必要である。
(6) コメント
必要と思われる追加情報、非伝統的商標の場合、その種類の説明などを記入する。
アルゼンチンは、商品および役務に関するニース分類の第11版を適用しているが、1出願に2分類以上の分類を指定する出願は認められていないため、出願人は区分ごとに出願をしなければならない。これは1980年に商標法が起草された時点で、複数区分1出願は想定外であり、多区分1出願を認めない規定が設けられなかったが、これが慣例として残っているためである。
出願は、「クラス全体」と記載することは受け付けられないが、該当する区分における全ての商品または役務を個別に記載することで全体を指定することができる(決議288/2019)。
4.存続期間
商標は登録日から10年の存続期間を有し、その後は、更新期日前の5年以内に商取引において使用されていることを条件として、10年ごとに更新することができる(商標法第5条)。
5.保護範囲
以下のものが、商標として登録可能である(商標法第1条)。
(1) 意味の有無を問わないあらゆる言葉、および図案
(2) 紋章
(3) 印章
(4) 肖像
(5) 商品またはそのパッケージに用いられる色の組合せ
(6) パッケージ
(7) 文字と数字の組合せ
(8) 識別力のある書体による文字または数字
(9) キャッチフレーズ
問題となるのは、商標が識別力を有しているかどうかであるため、匂い、音および立体商標もアルゼンチンにおいて登録可能である(商標法第1条、商標に関する説明2.1)。
商標法第2条の規定に基づき、指定商品もしくは役務の必然的もしくは一般的な呼称とみなされる、または、指定商品もしくは役務の機能、品質、その他の特徴の説明とみなされる名称および言葉は、商標として認められない。商品の形状も、商標とはみなされない。また、商品本来の色または商品全体に用いられる単一の色も、商標とはみなされない。
さらに、商標法第3条の規定に基づき、先行商標と同じ商品または役務を対象とする同一または類似の商標は、登録できない。同様に、原産地名称、または指定商品もしくは役務の性質、品質、製造技術、機能、出所、その他の特徴に関して誤認を招くおそれのあるいかなる商標も、登録できない。アルゼンチン国家、地方自治体または他の国家および承認された国際機関により使用されている名称、言葉または象徴も登録できない。営業活動の説明的な呼称も登録することはできない。
最も一般的な拒絶理由は、同一または類似の商品または役務に用いられる先行商標との混同のおそれである。
商標が先行商標と混同を生じるほど類似しているかどうかを判断するためには以下について検討しなければならない。
(1) 商標間における外観類似、称呼類似および観念類似があるかどうか。なお、観念上の相違が存在する場合には、外観上または称呼上の類似が存在するかどうかに関係なく、当該商標の登録は許可される(明示的な条文は無い。これまでの判例等により、経験的に培われたもの)。
(2) 商品または役務の抵触または類似点が存在するかどうか(商標法第3条)。
(3) 商品または役務の需要者、さらに販売ルートが同じかどうか(明示的な条文規定は無い。これまでの判例等により、経験的に培われたもの。商品が同じ取引チャネルで提供され、同じ消費者に向けられた場合、そうでない場合よりも混同の可能性が高くなる)。
(4) 双方の商標が図案を含んでいる場合は、商標の文字部分を比較することが最も重要である(明示的な条文規定は無い。これまでの判例等により、経験的に培われたもの)。
著名商標は、指定商品または役務の需要者であるかどうかに関係なく、特別な保護が与えられる。したがって、著名商標は、後願と同じ区分に登録されていなくても、後願の登録を阻止することができる。産業財産庁は著名商標の認定を行わないが、裁判所は、判例を考慮しながら、該当事件で提出された証拠に基づいて、著名商標を認定することができる。ただし、世界的な知名度と評判がある場合、著名性を立証することなく著名商標の認定を受けることができる(法律等に明示的な条文規定は無いが、アルゼンチンではパリ条約やGATTは法律と同等に扱われ、これらの規定に従い、著名商標に特別な保護を与えている)。
6.登録手続
商標出願が提出された後、方式審査が行われ、全ての方式要件が満たされていると判断されると、当該商標は商標公報において公告される(商標法第12条、商標規則第12条)。
公告には、出願された商標、出願人の名前、出願時の指定商品または役務、該当する場合は優先権情報、および出願日が含まれている(商標規則第12条)。
公告の日から30日以内に、第三者は異議申立を提起することができるが、異議申立を提起する正当な利害関係がなければならない(商標法第4条、第13条)。
異議申立期間が終了すると、産業財産庁は当該出願の実体審査を行う。実体審査は、商標法第12条にしたがって異議申立期間の終了から30日以内に行われる。産業財産庁は、登録簿において同一区分に同一または類似の商標が登録されているかどうかについて調査する(なお、現在標準的な審査期間は6か月程度かかっている)。
実体審査において、登録可能性が裁定され(商標法第12条)、問題となる先行商標が見つからなければ、産業財産庁は登録証(現在では電子形式による)を発行し、登録手続が完了する。
一方、産業財産庁が登録簿において問題となる先行商標を見つけた場合、当該先行商標を引用例とする拒絶理由通知が出願人に送達される。出願人は、拒絶理由通知に対して30日の応答期間(最大45日*1)を与えられ、その期間内に先行商標の権利者と友好的に和解する努力を通して、または先行商標の取得により、または和解交渉をより効果的に行う事を目的とした訴訟提起を通して、先行商標の問題を解消する必要がある。この最後の選択肢である訴訟は、先行商標に対する不使用取消訴訟または無効訴訟をいう(商標規則第15条、決議123/2019第6条)。
産業財産庁による最終拒絶としての拒絶査定に不服の場合、連邦裁判所に提訴することができる(商標法第21条)。
*1:商標規則第15条では30日とされ、決議123/2019第6条により、料金の支払いにより1回目の延長で10日、2回目の延長でさらに5日、計15日が加算可能であり、総計45日の応答期間となる。
7.不使用取消
登録商標を維持するには、商標は登録後5年以内に商取引において使用されなければならない。商標の登録日から6年目の初日以降、当該商標の使用がまだ開始されていない場合には、正当な利害関係を有するいかなる第三者も、商品または役務の一部についてであっても、当該商標の不使用を理由に取消しまたは部分的取消を請求することができる。この不使用取消の要求は産業財産庁への請求により対応され、決定に不服のある場合は、決定の通知後30日以内に、産業財産庁を通して、連邦商事審判所への審判請求が可能である(商標法第26条)。
不使用取消を避けるためには、上記の5年以内に少なくとも一つの商品または役務に、商標が使用されていなければならない。なお、使用している商品または役務は不使用取消対象とされている当該商標登録の指定商品または指定役務である必要は無いが、かかる使用は商取引において行われなければならない。
使用が十分に証明されなかった場合、当該商標は取り消され、登録簿から削除されることになる。これは、不使用による取消しの宣言による権利が消滅したとみなされるためである(商標法第23条)。
8.無効
第三者が登録簿から商標を削除するもう一つの手段は、当該商標の無効宣言を求めて無効訴訟を提起することである。第三者の請求に基づいて商標の無効を宣言できるのは、連邦裁判所のみである。
アルゼンチンでは、既に与えられ、有効と推定されている先行の権利を無効とし、消滅させるには、両当事者が互いに自身を守る権利を有するため、裁判によって決定されなければならないというのが一般原則であり、条文規定はない。
無効宣言の理由は、商標法第24条に明確に定められている。
商標は、次の各場合に該当するときは,無効とする。 (a) 本法の規定に違反するとき (b) 当事者が登録出願の際に当該商標が第三者に属していることを知っていたとき又は知っているべき立場にあったとき (c) 商業的利用を目的として商標の登録を主な業務とする者による,商業的使用 産業財産庁は、商標局を通じ、自発的に又は当事者の請求により(a)にいう商標の無効を行政手続で決定する。 商標の無効に関する決定は、決定の通知後30就業日以内に連邦民事商事審判所への直接の申請を通じてのみ審判請求することができ、当該請求は産業財産庁宛てにする。 |
最も一般的な理由は、商標権者が自己の出願時において当該商標が第三者に帰属することを知っていた、または知っていたはずとの理由に基づく冒認出願である。特に、真正な権利者と何の関係もない者により当該商標が出願された場合が最も多い。
無効宣言を獲得するには、当該商標権者がアルゼンチンに出願した時点より前に当該商標が存在していたこと、さらに当該商標権者が当該商標の存在について知っていたことを立証しなければならない。その場合、カタログ、パンフレット、広告、スポンサー契約および請求書などの証拠を用いることができる。
この無効訴訟に関しては、提訴時効はない。無効理由が相対的な無効、すなわち、商標の登録に悪意が無く、その原因が純粋に混同である場合、商標法第25条の規定により、無効訴訟を提起する権利は10年で消滅するが、絶対的な無効、すなわち、商標の登録が明らかに悪意を持って取得された場合、または、登録が先の権利のコピーである場合、無効を請求する時期に期限はなく、時効は適用されない。アルゼンチンの民法の原則として、条文規定は無いが、悪意が関与する場合、時効は適用されない。
9.未登録商標
アルゼンチンでは、商標の登録は義務づけられていないが、未登録商標が保護されるためには、権利者は継続的に商取引において当該商標を使用しなければならず、相当の期間にわたり当該商標に関する顧客を生み出していなければならない。未登録でも保護され得る商標は、事実上の商標(de facto trademark)と呼ばれており、第三者に対する権利行使が可能である(明示的な条文は無い。これまでの判例等により、経験的に培われたもの)。
ブラジルにおける商標制度のまとめ-手続編
1. 出願に必要な書類
産業財産法第155条に規定されるように、出願は、識別性を有する1の標識に係わるものでなければならず、願書、該当する場合は複製、および出願手数料の納付証明書を含んでいなければならない。
関連記事:
「ブラジルにおける商標出願制度概要」(2019.11.14)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17915/
「ブラジルの商標関連の法律、規則、審査基準等」(2019.04.09)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/16874/
「ブラジルにおける商標制度の運用実態」(2016.01.29)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/10228/
2. 登録できる標章/登録できない標章
2-1. 登録できる標章
産業財産法第122条に規定されるように、視覚的に認識することができる標識であって、識別性を有するものは、法的に禁止されていない限り、標章登録を受けることができる。具体的には、産業財産法第123条第1項に規定されるように、ある製品またはサービスを、出所は異なるが、同一、類似または同種である別の製品またはサービスから識別するために使用される標章である製品標章またはサービスマークは登録され得る。
2-2. 登録できない標章
産業財産法第124条において、登録を受けることができない標章が列挙されている。本条によれば、ブラジル、外国または国際的な盾、紋章、メダル、旗章、記章、公的な名声および記念碑、またはそれらの名称、図形もしくは模造、語句、形象または図形その他の標識であって、道徳もしくは善良の風俗に反するか、または他人の名誉もしくは印象を害するか、または良心、信条、信仰の自由もしくは尊敬および崇拝に値する思想および感情を損なうものなどが登録を受けることができない標章とされている。
2-3. 通常の標章以外の制度
産業財産法第123条第2項、第3項に規定されるように、ブラジルにおいては、ある製品またはサービスが、品質、特性、使用した原料および方法等に関し、一定の技術的基準または規格と合致していることを証明するために使用される標章である証明標章、一定の団体の構成員によって提供される製品またはサービスを識別するために使用される標章である団体標章も登録され得る。
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「ブラジルの商標関連の法律、規則、審査基準等」(2019.04.09)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/16874/
「ブラジルにおける商標の重要判例」(2018.09.25)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/15849/
「ブラジルにおける物品デザインの商標的保護」(2018.09.06)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/15733/
「ブラジルにおける外国語(日本語)商標の取り扱い」(2018.09.04)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/15726/
「ブラジルの商標法における『商標』の定義の観点からの識別性」(2017.12.14)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/14328/
「ブラジルにおける商標制度の運用実態」(2016.01.29)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/10228/
3. 出願の言語
産業財産法第155条の補項に規定されるように、願書およびその添付書類は、ポルトガル語で作成しなければならない。外国語による書類があるときは、簡単な翻訳文を出願時またはその後の60日以内に提出しなければならず、提出されない場合、その書類は考慮されない。
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4. グレースピリオド
ブラジルの産業財産法において、商標の新規性喪失の例外を規定する条文はない。
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5. 審査
5-1. 実体審査
産業財産法第158条~160条では、審査について規定されている。本規定によれば、方式審査で不備がないと認められた出願は、ブラジル産業財産庁により異議申立のために公告される。そして異議申立期間の終了後、実体審査が行われる。審査の終了後、登録出願の許可または拒絶の決定がなされる。
5-2. 早期審査(優先審査)
ブラジルの商標制度においては、早期審査や優先審査の規定はない。
5-3. 標章の類否判断の概要
ブラジル産業財産庁のブランドマニュアル5.11.1には、標章間の類似性の判断について記載されている。本マニュアルによれば、標章間の類似性の判断は、混同または過度な関連性を生じさせるおそれがある類似性が存在するか否かを検証するために、両標章の図形、称呼、観念を評価することによって行われる。
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6. 出願から登録までのフローチャート
6-1. 出願から登録までの商標出願のフローチャート
6-2. フローチャートに関する簡単な説明
出願後、まず出願は異議申立のために公告される。この公告から60日以内に異議申立が認められ、この期間内は実体審査が行われない。
次に、異議申立が行われた場合、その旨が出願人に通知される。出願人は、60日以内に異議申立に対する意見書を提出することができる。一方、異議申立が行われない場合、実体審査に移行する。
次に、実体審査において登録が許可された場合、許可の決定の日から60日以内に出願人によって登録料が納付されることにより標章登録がなされる(産業財産法第162条)。なお、登録料の納付期間は、出願人が追加手数料を納付することにより30日の延長が認められる(産業財産法第162条)。
一方、実体審査において出願が拒絶された場合、出願人は拒絶の決定の日から60日以内に不服審判を請求することができる。この不服審判の請求が行われた場合、ブラジル産業財産庁は、出願内容を再度レビューして、出願を許可するか、または拒絶する決定を行う。
不服審判において出願が拒絶された場合、その後の行政手続による不服申立は認められず、裁判所手続に移行する。一方、出願が許可された場合、審査において出願が許可された場合と同様に、許可の決定の日から60日以内に出願人によって登録料が納付されることにより標章登録がなされる。
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https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/16874/
「ブラジルにおける商標異議申立制度」(2017.04.25)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/13631/
「ブラジルにおける商標制度の運用実態」(2016.01.29)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/10228/
7. 拒絶査定不服
産業財産法第212条に規定されるように、拒絶の決定に対しては、この決定日から60日以内に不服の審判を請求することができる。
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8. 権利設定前の異議申立
産業財産法第158条に規定されるように、出願が受理された場合、その出願は公告されて、その後の60日の期間内に異議申立が認められる。異議申立が行われた場合、その旨が出願人に通知され、出願人は60日の期間内に意見書を提出することができる。
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9.上記7の判断に対する不服申立
産業財産法第215条に規定されるように、審判請求についての決定は最終決定であり、これに対して行政手続きによる不服申立をすることはできない。しかし出願人は、この決定から5年以内に連邦裁判所に対して拒絶の決定に対する不服を申し立てる訴訟を提起することができる。
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[権利設定後の争いに関する手続]
10. 権利設定後の異議申立
産業財産法第168条~172条では、権利設定後の行政上の無効手続について規定されている。本規定によれば、登録が本法の規定に違反して付与されていたときは、行政手続によりその無効が宣言される。当該無効手続は、登録証交付日から180日の期間内に、職権によりまたは正当な利害関係を有する者の請求に基づいて開始され、登録者は60日の期間内に意見書を提出することができる。
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11. 設定された標章権に対して、権利の無効を申し立てる制度
産業財産法第173条~175条では、設定された標章権に対して権利の無効を申し立てる制度として、登録の無効を宣言するための訴訟である無効訴訟について規定されている。本規定によれば、無効訴訟は、標章の登録日から5年が出訴期限とされ、ブラジル産業財産庁または正当な利害関係を有する者が連邦裁判所に提起することができる。無効訴訟に関する決定が確定した場合、その決定はブラジル産業財産庁によって公告される。
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「ブラジルの商標関連の法律、規則、審査基準等」(2019.04.09)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/16874/
「ブラジルにおける悪意(Bad-faith)の商標出願に関する法制度、運用および判例」(2019.02.05)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/16487/
「ブラジルにおける商標制度の運用実態」(2016.01.29)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/10228/
12. 標章の不使用取消制度
産業財産法第143条~第146条では、標章の不使用取消制度について規定されている。本規定によれば、登録の付与から5年が経過した後、正当な利害関係を有する者の請求日時点において、標章の使用がブラジルにおいて開始されなかった場合、または標章の使用が5年以上連続して中断されていたか、もしくは5年の期間内において標章が登録証に記載されている元の識別性についての変更を意味する改変形態で使用された場合、標章の登録は剥奪される。ただし、標章登録者が、その不使用を正当な理由によって弁明したときは標章の登録は剥奪されない。
また、標章の使用は、登録証に記載されている全ての製品またはサービスを含まなければならない。含まない場合、標章の使用が証明された製品またはサービスと類似しておらずまたは同種でない製品またはサービスに関しては、その登録が剥奪される。
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「ブラジルの商標関連の法律、規則、審査基準等」(2019.04.09)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/16874/
「ブラジルにおける『商標の使用』と使用証拠」(2016.05.25)
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/11206/
13. その他の制度
特になし。
メキシコにおける産業財産権保護法(商標関連)について
記事本文はこちらをご覧ください。
トルコ商標制度概要
トルコ特許商標庁(以下、「TÜRKPATENT」)に行われた商標出願は、TÜRKPATENTにより、形式的審査の後に絶対的拒絶理由の観点から審査され、絶対的拒絶理由の審査を通過した商標は、商標公報(以下、「公報」)で公告される。商標出願の公告から2月以内に、利害関係人により絶対的または相対的拒絶理由に基づいて異議申立が可能である。
商標登録の有効期間は、出願日から10年である。商標登録更新料を支払うことにより、10年ごとの更新が可能となっている。登録日から5年間使用されていない商標は、商標の不使用取消請求により取り消される。
1. 産業財産法
トルコの国内法において商標法は、2017年1月10日に施行された産業財産法第6769号および2017年4月24日に施行された産業財産法の適用に関する規則で規定されている。
トルコは、「先使用主義」を認めている。
2. 標章
ある商品または役務を、他の事業の商品または役務から区別し、商標として登録された場合に、その商標権者に保証される保護の対象を明確に理解できる形式で登録簿に表示できる場合には、下記の標章は商標として登録される。
・文字
・名称
・図形
・立体的形状
・色彩(審査は、色彩が具体化された一定の形の中で使用される場合、識別性を有するか否かの観点から行われる。)
・スローガン
・音
・匂い(出願に化学式を添付する必要がある。)
・トレードドレス
・動き(動きの標章を示す画像の連続は動きの出願時に提出する必要がある。さらに、明確で包括的な動きの説明、提出された画像の説明ならびに画像の数および順番を含む動きの明細書が提出される必要がある。出願対象の動きに関する電子ログを、コンピューター環境で見て保存することができる形で保存されたCDを出願時に提出する必要がある。)
TÜRKPATENTは、味の商標に関する出願を認めていない。
3. 分類
トルコにおいて、商品および役務は、「標章の登録のため商品及びサービスの国際分類に関するニース協定」(以下、「ニース協定」)に従って分類される。
商標出願は、複数の分類についても行うことができる。
商標出願は、出願人の要求に基づいて、TÜRKPATENTにより出願が登録されるまで、複数の出願に分割することができる。分割のために、申請書および料金の支払いを示す書類をTÜRKPATENTに提出する必要がある。登録された商標は分割することができず、分割された出願は、再度まとめることができない。
4. 出願
商標出願は、TÜRKPATENTが有効と認める出願フォームを用いて作成し、TÜRKPATENTに提出する。出願フォームには、下記の情報を記載する必要がある。
- 出願人の身分および連絡先情報
- 出願が代理人により行われる場合、代理人の身分および連絡先情報
- 優先権の主張があれば、その優先権に関する情報
- 商標の見本
- 商標の見本でローマ字以外の文字が使用されている場合、その文字に対応するローマ字
- 商標出願に係る商品または役務のニース協定における区分番号およびこの番号に従って作成されたリスト
- 権限者の署名
- 出願料、出願範囲内に複数の商品または役務の分類がある場合、追加の分類の料金が支払われたことを示す書類
- 同意書が提出される場合には、その同意書に関する情報
- 共同出願人の代表者がいる場合には、その代表者に関する情報
- 追加の文書や添付資料がある場合には、それらの資料に関する情報
優先権を主張する場合は、下記の情報もTÜRKPATENTに提出する必要がある。
- 所轄官庁から取得した優先権を示す書類の原本および特定の要件(トルコ国籍、大学以上を卒業、十分な外国語能力があることの証書を有する等)を満たす翻訳者が承認したトルコ語翻訳(出願から3月以内にTÜRKPATENTに提出されない場合、優先権を利用することはできない)
- 優先権の主張に関する料金が支払われたことを示す書類
パリ条約またはWTO設立協定の加盟国の国民またはこれらの国の国民ではないが居住所または商業施設がこれらの国にある自然人、法人、またはこれらの相続人は、これらの政府の所轄官庁に、商標登録のために適切に行った出願日から6月以内にパリ条約の条項の範囲内で同一の商標および商品および役務について、トルコでの出願について優先権を利用することができる。
商標出願は、電子署名(GSMの認証するモバイル証明を含む。以下同じ。)を使用して、または予約による出願により、行うことができる。
予約による出願:電子署名所有者でないものは、個人番号または税金番号により、オンライン文書システムにログインし、出願を開始することができる。この場合、予約システムにより作成された出願フォームを30日以内にTÜRKPATENTに持参または郵送により提出することにより出願業務は完了する。
オンライン出願:電子署名所有者は、出願業務を電子署名によりオンライン文書システムにログインすることで行うことができる。
5. 審査
TÜRKPATENTに行われた商標出願は、TÜRKPATENTにより、形式的審査の後に絶対的拒絶理由の観点から審査される。商標出願の公告から2月以内に、利害関係人は、絶対的および相対的拒絶理由に基づいて異議申立を行うことができる。
公告された商標について、異議申立がなされなかった場合、または行われた異議申立が最終的に理由なしとされ、登録料が支払われたことに関する情報を含む不足書類が、期間内にTÜRKPATENTに提出された場合、出願は登録簿に登録され、公報で公告される。
絶対的拒絶理由に基づいて、TÜRKPATENTにより商標出願が拒絶された出願人は、決定通知日から2月以内に、書面で理由を記載してTÜRKPATENTの決定に異議申立を行うことができる。
出願人の異議申立がTÜRKPATENTにより認められた場合、商標出願は公報で公告される。
TÜRKPATENTが、産業財産法の範囲内で行った決定により不利益を被る当事者は、この決定に対し、再審査評価委員会に異議申立を行うことができる。
異議申立は、決定通知から2月以内に書面で理由を記載してTÜRKPATENTに行われる。異議申立が審議されるためには、異議申立期間内に料金を支払い、同期間内に料金の支払いが行われたことに関する情報をTÜRKPATENTに提出しなければならない。
TÜRKPATENTは、異議申立に関する見解を通知するために、出願人に1月の期間を与える。
再審査評価委員会決定により不利益を被る当事者は、決定に対し、決定が自身に通知されてから2月以内に、アンカラの民事知財裁判所に訴訟を起こすことができる。
6. 登録証
産業財産法第22条によると、「出願が瑕疵なく行われ、または瑕疵が除かれ、審査、公告が行われ、異議申立が行われず、または行われた異議申立のすべてが最終的に拒絶され、登録料が支払われたことに関する情報も含む不足文書が期間内にTÜRKPATENTに提出され、すべての段階が完了した出願は登録簿に登録され、公報で公告される」。
登録証は、その要求があり、料金が支払われた場合に与えられる。
7. 更新
登録商標の保護期間は、出願日から10年である。この期間は10年ごとに更新できる。
更新請求は、商標権者により、保護期間の満了日の6月前までの期間に行い、同期間内に更新料が支払われたことに関する情報をTÜRKPATENTに提出する必要がある。期間内に請求が行われない、または更新料が支払われたことに関する情報がTÜRKPATENTに提出されない場合、更新請求は、保護期間満了日から6月以内に、追加料金を支払うことにより行うことも可能である。
8. 商標の使用
正当な理由なく、登録された商品または役務について、商標権者によるトルコにおける真正な使用が、登録日から5年以内に開始されていない、または使用が5年連続して中断されている商標は、商標権登録が取消の対象となる。
商標が、商標権者のライセンスに基づき、ライセンシーによって使用されることも商標者による使用として認められる。
下記の状況も商標の使用とみなされる。
- 商標の識別性を変えることなく、異なる形態で登録商標を使用すること
- 商標を輸出のためだけに商品またはその包装に使用すること
9. 無効
絶対的および相対的拒絶理由が存在する商標は、裁判所による商標権の無効に関する決定の対象となる。
利害関係人、検察官、または関係する公的機関は、商標権の無効を裁判所に請求することができる。
商標権者は、自らの商標登録より遅れる商標登録について、その商標の使用を知っていた、または知りえたにもかかわらず、連続して5年間の商標の使用を黙認した場合、その商標登録が悪意でなされたものでない限り、自らの商標登録を無効の理由として主張できない。
先行する商標との混同の可能性(Likelihood of confusionおよびLikelihood of association)があるとの主張により起こされた無効訴訟において、使用証拠の要求は抗弁として主張することができる。この場合、使用に関する5年の期間は、訴訟日を基準とする。無効が要求されている商標の出願日または優先日において、原告の商標が最低5年間登録されている場合、原告は出願日または優先日に、産業財産法第19条第2項で規定されている使用証拠要件を満たしていることを証明する必要がある。
10. 商標権の取消
下記の場合、請求に基づきTÜRKPATENTにより商標権の取消決定がなされる(産業財産法第192条によると、この権限は産業財産法の施行から7年後に、民事知財裁判所からTÜRKPATENTに移転する)。
- 正当な理由なく、登録された商品または役務について、商標権者によるトルコにおける真正な使用が商標の登録日から5年以内に開始されていない、または使用が5年間連続して中断されている場合
- 商標登録者が必要な措置等を取らなかった結果、商標が、登録されている商品または役務の普通名称として浸透した場合
- 商標権者またはそのライセンシーによる使用の結果、商標が登録されている商品または役務の性質、品質または産地に関して、国民に誤解を生じさせる場合
- 証明商標または団体商標が契約書に反する形で使用されている場合
商標権の取消は利害関係人が請求することができる。商標権の取消請求は、請求日に登録簿に所有者として登録されている者、またはその承継人を相手方として請求する。
インドネシアにおける冒認商標出願への対応
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アルゼンチンにおける商標制度
1.法的枠組み
アルゼンチンにおける商標制度は、アルゼンチン商標法および商標規則に規定されている。
アルゼンチンは、パリ条約、GATT-TRIPS協定といった知的財産および商標に関する規則および規定を含んでいる国際条約の加盟国でもある。ただし、マドリッドプロトコルには加盟していない。
2.商標権の主体
国内または外国のいかなる個人または事業体も、アルゼンチンにおいて商標出願を行ない、その商標権者となることができる。複数の権利者が一つの商標を共有することもできる。
3.出願の方式要件
商標出願を提出するために必要な出願人に関する情報は、次のとおりである。
(1)出願人の正式名
(2)実際の住所および連絡先となるブエノスアイレス市内の法定住所
(3)個人である場合は、国籍および既婚・未婚の区別
出願人情報以外の方式要件として、次のものが要求される
(1)商標見本
(2)指定商品または役務
(3)優先権を主張する場合は優先権情報
(4)代理人委任状(公証人およびアポスティーユにより認証されたもの)
アルゼンチンは、商品および役務に関するニース国際分類の第11版を適用しているが、1出願に2分類以上の分類を指定する出願は認められていないため、出願人は区分ごとに出願を提出しなければならない。出願は、該当する区分における全ての商品または役務を指定することができる。
4.存続期間
商標は登録日から10年の存続期間を有し、その後は、更新期日前の5年以内に商取引において使用されていることを条件として、10年ごとに更新することができる。
5.保護範囲
以下のものが、商標として登録可能である。
(1)意味の有無を問わないあらゆる言葉、および図案
(2)紋章
(3)印章
(4)肖像
(5)商品またはそのパッケージに用いられる色の組合せ
(6)パッケージ
(7)文字と数字の組合せ
(8)識別力のある書体による文字または数字
(9)キャッチフレーズ
問題となるのは、商標が識別力を有しているかどうかであるため、匂い、音および立体商標もアルゼンチンにおいて登録可能である。
商標法第2条の規定に基づき、指定商品もしくは役務の必然的もしくは一般的な呼称とみなされる、または、指定商品もしくは役務の機能、品質、その他の特徴の説明とみなされる名称および言葉は、商標として認められない。商品の形状も、商標とはみなされない。また、商品本来の色または商品全体に用いられる単一の色も、商標とはみなされない。一般的および日常的に使用されるようになった名称、言葉および語句も、商標として登録できない。
さらに、商標法第3条の規定に基づき、先行商標と同じ商品または役務を対象とする同一または類似の商標は、登録できない。同様に、原産地名称、または指定商品もしくは役務の性質、品質、製造技術、機能、出所、その他の特徴に関して誤認を招くおそれのあるいかなる商標も、登録できない。アルゼンチン国家、地方自治体または他の国家および承認された国家により使用されている名称、言葉または象徴も登録できない。営業活動の説明的な呼称も登録することはできない。
最も一般的な拒絶理由は、同一または類似の商品または役務に用いられる先行商標との混同のおそれである。
商標が先行商標と混同を生じるほど類似しているかどうかを判断するためには下記について検討しなければならない。
(1)商標間における外観類似、称呼類似および観念類似があるかどうか。なお、観念上の相違が存在する場合には、外観上または称呼上の類似が存在するかどうかに関係なく、当該商標の登録は許可される。
(2)商品または役務の抵触または類似点が存在するかどうか。
(3)商品または役務の需要者、さらに販売ルートが同じかどうか。
(4)双方の商標が図案を含んでいる場合は、商標の文字部分を比較することが最も重要であること。
著名商標は、指定商品または役務の需要者であるかどうかに関係なく、特別な保護を与えられる。したがって、著名商標は、後願と同じ区分に登録されていなくても、後願の登録を阻止することができる。
特許庁は著名商標の認定を行わないが、裁判所は、判例を考慮しながら、該当事件で提出された証拠に基づいて、著名商標を認定することができる。ただし、世界的な知名度と評判がある場合、著名性を立証することなく著名商標の認定を受けることができる。
6.登録手続
商標出願が提出された後、方式審査が行われ、全ての方式要件が満たされていると判断されると、当該商標は商標公報において公告される。
公告には、出願された商標、出願人の名前、出願時の指定商品または役務、該当する場合は優先権情報、および出願日が含まれている。
公告の日から30日以内に、第三者は異議申立を提起することができるが、異議申立を提起する正当な利害関係がなければならない。
異議申立期間が終了すると、特許庁は当該出願の実体審査を行う。実体審査は、異議申立期間の終了から約6ヵ月後に行われる。特許庁は、登録簿において同一区分に同一または類似の商標が登録されているかどうかについて調査する。
実体審査において、問題となる先行商標が見つからなければ、特許庁は登録証(現在では電子形式による)を発行し、登録手続が完了する。
一方、特許庁が登録簿において問題となる先行商標を見つけた場合、当該先行商標を引例とする拒絶理由通知が出願人に送達される。出願人は、拒絶理由通知に対して150日の応答期間を与えられ、その期間内に先行商標の権利者と友好的に和解する努力を通して、または先行商標の取得により、または和解交渉をより効果的に行う事を目的とした訴訟提起を通して、先行商標の問題を解消する必要がある。この最後の選択肢である訴訟は、先行商標に対する不使用取消訴訟または無効訴訟をいう。
特許庁による最終拒絶としての拒絶査定通知に不服の場合、連邦裁判所に提訴することができる。
7.不使用取消
登録商標を維持するには、商標は登録後5年以内に商取引において使用されなければならない。商標の登録日から6年目の初日以降、当該商標の使用がまだ開始されていない場合には、正当な利害関係を有するいかなる第三者も、当該商標の不使用を理由に取消を請求することができる。この不使用取消請求については、特許庁は決定を下す権限がないため、連邦裁判所に提起しなければならない。
不使用取消を避けるためには、上記の5年以内に少なくとも一つの商品または役務に、商標が使用されていなければならない。なお、使用している商品または役務は不使用取消対象とされている当該商標登録の指定商品または指定役務である必要は無いが、かかる使用は商取引において行われなければならない。
使用が十分に証明されなかった場合、当該商標は取り消され、登録簿から削除されることになる。
8.無効
第三者が登録簿から商標を削除するもう一つの手段が、当該商標の無効宣言を求めて無効訴訟を提起することである。第三者の請求に基づいて商標の無効を宣言できるのは、連邦裁判所のみである。
無効宣言の理由は、商標法第24条に明確に定められている。
第24条
登録商標は次の各場合に該当するときは、無効とする。
(a) 本法の規定に違反するとき
(b) 当事者が登録出願の際に当該商標が第三者に属していることを知っていたとき又は知っているべき立場にあったとき
(c) 登録商標の売却目的で商標登録にかかわる常習者が当該商標の売却目的でこれを登録したとき
最も一般的な理由は、商標権者が自己の出願時において当該商標が第三者に帰属することを知っていた、または知っていたはずとの理由に基づく冒認出願である。特に、真正な権利者と何の関係もない者により当該商標が出願された場合が最も多い。
無効宣言を獲得するには、当該商標権者がアルゼンチンに出願した時点より前に当該商標が存在していたこと、さらに当該商標権者が当該商標の存在について知っていたことを立証しなければならない。その場合、カタログ、パンフレット、広告、スポンサー契約および請求書などの証拠を用いることができる。
この無効訴訟に関しては、提訴時効はない。
9.未登録商標
アルゼンチンでは、商標の登録は義務づけられていないが、未登録商標が保護されるためには、権利者は継続的に商取引において当該商標を使用しなければならず、相当の期間にわたり当該商標に関する顧客を生み出していなければならない。未登録でも保護され得る商標は、事実上の商標(de facto trademark)と呼ばれており、第三者に対する権利行使が可能である。
トルコにおける未登録周知商標の保護
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ブラジルにおける特許権の行使-潜在的リスクの回避方法
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メキシコにおける冒認商標出願対応
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