韓国における商標出願制度概要
1. 商標登録出願
・韓国では、通常の商標(商品標章、役務標章)以外に、団体標章、地理的表示団体標章、証明標章、地理的表示証明標章、業務標章も登録出願可能である(商標法第36条)。
・出願に必要な書類は、出願書(出願人の住所および名称、商標見本、指定商品・役務ならびに区分を含む)および委任状等である(商標法第36条第1項)。パリ条約等に基づく優先権主張が可能となるのは、第一国の出願日から6か月以内である(商標法第46条第1項、第2項)。
・1出願多区分制度を採っており、出願料は1区分追加ごとに料金が追加される。また、1区分につき指定商品・役務が10を超える場合は、超過の1商品・役務ごとに追加手数料が発生する(商標法第38条第1項、特許料等の徴収規則第5条第1項)。なお、登録料および更新登録料も同様の徴収規則が規定されている(登録料:特許料等の徴収規則第5条第2項第1号、更新登録料:同規則第5条第2項第3号)。
2. 方式審査
・出願書類等に不備がある場合、手続補完命令が発付される。これに応じなければ、出願は不受理となる(商標法第37条第2項および第5項、商標法施行規則第31条)。
3. 実体審査
3-1. 拒絶理由通知、意見書提出通知書
・出願商標は、審査で拒絶理由が発見されれば、拒絶理由通知(韓国語「의견제출통지서(意見提出通知書)」)が発付され、2か月以内に意見書、補正書を提出することができる(商標法第55条、商標法施行規則第32条第2項、同規則第50条第2項)。なお、提出期限の延長申請は1か月ずつ4回まで可能であり、また、2回以上を一度に延長申請することもできる(商標審査基準第1部第4章3.1.2)。
3-2. 商標共存同意制度(いわゆるコンセント制度)
・出願商標が、先に出願された他人の登録商標と同一・類似した商標で、かつ、その指定商品と同一・類似した商品に使用する商標であれば、登録されない。ただし、最近の法改正により、商標登録同意書(以下「同意書」という。)があれば、商標登録を受けることができる場合がある(商標法第34条第1項第7号)。つまり、韓国には商標共存同意制度があり、先の登録商標と同一または類似の出願商標であっても、その商標および指定商品の少なくとも一方が登録商標と同一ではなく類似であり、かつ、先の登録商標権者からの同意書があれば登録が可能である。
・同意書は、商標登録出願書、意見書、異議申立の答弁書または審判に対する意見書に添付して提出できる(商標法施行規則第26条の2第1項)。
3-3. 公告決定または拒絶査定
・拒絶理由が発見されない場合には、出願公告が決定される(商標法第57条)。
・提出された意見書によっても拒絶理由が解消されない場合は、拒絶査定(韓国語「거절결정(拒絶決定)」)となる(商標法第54条)。
・拒絶理由が指定商品の一部にのみある場合は、その指定商品のみ拒絶査定となり、拒絶理由が発見されない商品は公告決定となる(商標法第54条、商標法第57条)。
4. 再審査請求および拒絶査定不服審判
・商標登録拒絶査定を受けた者は、その決定謄本の送達を受けた日から3か月以内に指定商品または商標を補正して当該商標登録出願に関する再審査を請求できる。なお、既に再審査による拒絶査定を受けているとき、または後述する拒絶査定不服審判を請求しているときは、再審査を請求することはできない(商標法第55条の2)。
・審査官の拒絶査定に対して不服がある場合には、拒絶査定の謄本の送達を受けた日から3か月以内に特許審判院に拒絶査定不服審判を請求することができる(商標法第116条)。
・特許審判院の審決に不服があれば、特許法院に審決取消訴訟を提起することができる。また、特許法院の判決に対しては、大法院に上告することができる(商標法第162条)。
5. 異議申立
・公告日から2か月以内であれば、誰でも公告された商標に対して異議申立をすることができる。異議申立書は、所定の様式に基づいて作成し、異議申立の理由および必要な証拠を添付しなければならない(商標法第60条)。異議申立期間の経過後30日以内に異議申立の理由または証拠を提出しなかった場合、異議申立は却下される(商標法第66条第4項)。
・審査官合議体は、異議申立に関して出願人や異議申立人が主張しない理由に関しても審査することができる。この場合、出願人または異議申立人に対し、期間を定めて意見陳述の機会を与えなければならない(商標法第63条)。
6. 登録査定および存続期間
・公告期間中、商標登録出願に対して拒絶理由を発見できなければ登録査定(韓国語「등록결정(登録決定)」)となり、2か月以内に登録料を納付すれば、登録証が発行される(商標法第68条、特許料等の徴収規則第8条第7項第1号)。
・商標権の存続期間は設定登録日から10年間である(商標法第83条第1項)。
7. 商標更新登録申請
・商標更新登録申請は、存続期間満了の1年前から満了日まで申請することができる。また、商標権の存続期間が満了した後においても、満了日から6か月以内であれば更新登録申請が可能であるが、追加費用がかかる(商標法第84条第2項、特許料等の徴収規則第5条第2項第3号(ロ))。
・更新登録申請により、10年ずつ更新することができる(商標法第83条第2項)。
韓国における商標出願制度概要
図1 商標の出願手続フローチャート(再審査請求は2023年2月4日施行予定)
1.商標登録出願
・商標登録出願は、通常の商標出願以外に、団体標章、地理的表示、地理的表示団体標章、証明標章、地理的表示証明標章、業務標章も登録可能である(商標法第36条第6項)。
・出願に必要な書類は、出願書、商標見本、委任状等である(商標法第36条第1項)。パリ条約等に基づく優先権主張が可能となるのは、第一国の出願日から6か月以内である(商標法第46条第1項)。
・1出願多区分性を採っており、1区分追加ごとに料金が追加される(商標法第38条第1項、)。また、1区分につき指定商品・役務が20を超える場合は、超過の1商品・役務ごとに追加手数料が発生する(特許料等の徴収規則第5条第1項)。
2.方式審査
・出願書類等に不備がある場合、手続補完命令が発行される。これに応じなければ、出願が不受理となる(商標法第37条第2項および第5項、商標法施行規則第31条)。
3.審査
3-1.拒絶理由通知、意見書提出通知書
・商標出願は審査で拒絶理由が発見されれば、拒絶理由通知(韓国語「의견제출통지서(意見提出通知書)」)が発付され、2か月以内に意見書、補正書を提出することができる(商標法第55条、商標法施行規則第50条第2項)。なお、1か月ずつ4回延長を申請することができる(商標審査基準第1部第4章3.1.2)。
3-2.公告決定または拒絶査定
・拒絶理由が発見されない場合には、公告決定(商標法第57条)される。
・提出された意見書によっても拒絶理由が解消されない場合は、拒絶査定(韓国語「거절결정(拒絶決定)」(商標法第54条))となる。
・拒絶理由が指定商品の一部にのみある場合は、その指定商品のみ拒絶査定となり、拒絶理由が発見されない商品は登録決定となる(商標法第54条、商標法第68条)*1。
*1:「法律第18817号」2022年2月3日公布、2023年2月4日施行予定。
4.再審査請求および拒絶査定不服審判
・商標登録拒査定を受けた者は、その決定謄本の送達を受けた日から3か月以内に指定商品または商標を補正して該当商標登録出願に関する再審査を請求できる(商標法第55条の2)*2。
*2:「法律第18817号」2022年2月3日公布、2023年2月4日施行予定。
・審査官の拒絶査定に対して不服がある場合には、拒絶査定謄本の送達を受けた日から3か月以内に特許審判院に拒絶査定不服審判を請求することができる(商標法第116条)。
・特許審判院の審決に不服があれば、特許法院に審決取消訴訟を提起することができる。また、特許法院の判決に対しては、大法院に上告することができる(商標法第162条)。
5.異議申立
・公告日から2か月以内であれば、誰でも公告された商標に対して異議申立をすることができる。異議申立書は、所定の様式に基づいて作成し、異議申立の理由と必要な証拠を添付しなければならない(商標法第60条)。異議申立期間の経過後30日以内に商標登録異議申立の理由や証拠を提出しなかった場合には、商標登録異議の申立てを却下される(商標法第66条第4項)。
・審査官合議体は、異議申立に関して出願人や異議申立人が主張しない理由に関しても審査することができる。この場合、出願人または異議申立人に対し、期間を定めて意見陳述の機会を与えなければならない(商標法第63条)。
6.登録決定および存続期間
・公告期間中、登録に瑕疵がなければ登録査定(韓国語「등록결정(登録決定)」)となり、2か月以内に登録料を納付すれば、登録証が発行される(商標法第68条、特許料等の徴収規則第8条第7項第1号)。
・商標権の存続期間は設定登録日から10年間である(商標法第83条第1項)。
7.商標更新登録申請
・商標更新登録申請は、存続期間満了の1年前から申請することができる。また、商標権の存続期間が満了した後、6か月以内においても更新登録申請が可能であるが、追加費用がかかる(商標法第84条第2項、特許料等の徴収規則第5条第2項第3号(ロ))。
・更新登録申請により、10年ずつ更新することができる(商標法第83条第2項)。
韓国における小売役務の保護の現状
韓国では、2007年以降「特定商品に対する小売業」をニース国際分類第35類の役務に指定して商標登録を受けることができるようになっており、2012年以降は「百貨店業、スーパーマーケット業、大型割引店業」などの総合卸売業および総合小売業も役務として指定可能となっている。まずは、韓国における「小売業(Retail Services)」に関する商標法での保護を沿革的に見た後、現状を説明することとする。
2007年改正商標法施行規則の内容
旧商標法(全部改正 1990.1.13、1990.9.1施行、法律第4210号)第2条では、「サービスマーク」を「役務を営む者」が使用する標章として規定しており、卸売業および小売業を商標法上登録可能な役務としていなかったため、慣行的に「販売代行業、百貨店管理業、スーパーマーケット管理業」などで出願しなければならなかった。
これに関して、特許法院1999.5.27宣言98허(ホ)6612判決では、小売業者が指定役務を「生活必需品販売店管理業」としてサービスマーク登録を受けた後、自分が所有する生活必需品販売店に看板を掲げて直接運営した事案において、「生活必需品販売店管理業とは他人が所有または経営する生活必需品販売店の店舗の数が多いか少ないかに関わらず、役務に含まれないと解釈することが相当である。」と判示して不使用を理由としてサービスマーク登録の取消を認めた。
上記判決により、卸売業または小売業でありながら販売代行業、販売斡旋業または販売店管理業を指定役務として出願して登録を受けた場合、当該役務に対するサービスマーク的使用ではないとしてその登録が取り消される問題が生じた。これに対して、2007年1月1日に施行された改正商標法施行規則では、上記の問題点を解消して国際的な傾向に合わせるようにニース国際分類第9版の採用に合わせて、商標法施行規則別表2の第35類に卸売業と小売業を追加し、卸売業および小売業が商標法上第35類の役務として登録を受けることができるようになった。
2012年改正商標法施行規則の内容
2007年改正商標法施行規則によると、卸売業および小売業を出願するためには「特定商品に対する卸売業および小売業」または「同種の商品群に分類可能な商品集団に対する卸売業および小売業」のように役務の対象を具体的に記載しなければならず、総合卸売業および総合小売業は認められなかった。
しかし、2012年改正商標法施行規則では、ニース国際分類第10版の商品分類および取引実情を反映して、「百貨店業、スーパーマーケット業、大型割引店業」などの総合卸売業および総合小売業を役務として認め、総合卸売業および総合小売業も商標として登録を受けることができるようになった。
2016年全部改正商標法による保護態様
また、2016年9月1日に施行された全部改正商標法は、商標の定義規定を「商標とは自己の商品(地理的表示が使用される商品の場合を除いて、役務または役務の提供に関連したものを含む。以下同じ。)と他人の商品を識別するために使用される標章をいう(第2条第1項第1号)」と改正して、商標とサービスマークの区別を廃止し、多様な形態の商品および役務を商標と一元化して保護できるようにしている。
2016年改正商標法施行規則では、従来包括名称と分類されていた「百貨店業、スーパーマーケット業、大型割引店業」などの総合卸売業および総合小売業を類似群コードS2090から見て狭義の類似群コードに分類して、「特定商品に対する小売業」と「総合卸売業および総合小売業」の区分を明確にした。
小売業に対する保護の現状
現在は、韓国商標法に基づき、ニース国際分類第11版の商品分類基準により第35類の具体的な小売業を指定して商標として出願することができる。出願時に、指定役務を「小売業」と指定した場合には、役務の名称が不明確であるという拒絶理由が通知されるため、指定役務を「特定商品に対する小売業」、「同種の商品群に分類可能な商品集団に対する小売業」または「告示された包括商品名称に対する小売業」などと指定して出願しなければならない。
同種の商品群に分類可能な商品集団の範囲は、該当商品または商品集団の取引実態、需要者の範囲、供給取引先などを総合的に考慮して判断し、告示された商品の名称を基準に出願することが一般的である(例:家具小売業、靴小売業、文房具小売業など)。総合卸売業および総合小売業に対して出願する場合、「百貨店業、スーパーマーケット業、大型割引店業、コンビニエンスストア業、インターネット総合ショッピングモール業、電気通信による通信販売仲介業」の告示された名称を指定して出願することができる。
小売業に対して商標登録を受けた後は、商標としての独占的使用権、他人に対する使用禁止権および登録排除効を有する。特に、使用禁止権および登録排除効に関して、他人の商標および商品または役務と類似判断が問題となることがあるが、審査基準では役務間の類似判断において、総合卸売業および総合小売業である「百貨店業、大型割引店業、スーパーマーケット業、コンビニエンスストア業、インターネット総合ショッピングモール業、電気通信による通信販売仲介業」は互いに類似した役務と推定し、これら「総合卸売業および総合小売業」と「個別商品に対する小売業」は非類似と推定される(例えば、「百貨店業」と「化粧品小売業」は非類似と推定される)。
また、「小売業」と小売業の対象となる「商品」の類似は、商品と役務との間の同種性を基準に判断される。ここで、同種性とは「当該商品がなければ当該役務が存在できないほど極めて密接な関係がある場合」をいうが、特許法院2011.5.19宣告2011ホ1616判決では「ゴルフグローブ、ゴルフボール」と「スポーツ用具小売業」を類似と判断しており、特許法院2011.12.14宣告2011ホ8655判決では「人参ジュース、乳酸菌飲料、ヨーグルト、酵母」と「健康機能食品小売業」を類似と判断した。
したがって、一般的に「小売業」とその対象となる「商品」は、出所混同の恐れがあるとみて類似と判断されており、「小売業」に対する商標出願を行う場合は、小売業の対象となる商品に対する先行商標も調査する必要がある。
また、小売業は商品の流通過程で用役を提供するサービスに該当するため、販売の対象となる商品に商標を付する場合には、「小売業」とその対象となる「商品」の両方を出願することを検討する必要がある。
韓国における知的財産の基礎的情報(全体マップ)-実体編
1. 出願ルート
韓国では、特許権、実用新案権、意匠権、商標権を取得するために、以下のルートにより出願することができる。また、意匠を除いて、国際出願(PCT、マドリッドプロトコル)ができる。
[韓国における出願ルート]
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直接出願 |
国際出願 |
広域出願 |
特許 |
可 |
可 |
不可 |
実用新案 |
可 |
可 |
不可 |
意匠 |
可 |
不可 |
不可 |
商標 |
可 |
可 |
不可 |
<諸外国・地域・機関の制度概要および法令条約等>
https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/mokuji.html
2. 法令・制度等
(1) 主な法律
法域 |
法律・規則(公用語)/(英語) a: 法律・規則等の名称 b: 主な改正内容 URL: |
改正年 (YYYY) |
施行日 (DD/MM/YYYY) |
特許
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(公用語) a. 특허법、법률 제16208호(特許法、法律第16208号) b. (1) 懲罰的損害賠償規程新設(第128条8項) ・損害金額の3倍以内で賠償額を決定 (2) 国選代理人制度新設(第139条の2) ・特許審判院長は審判当事者の申請により国選代理人を選任し、与えることができる。 (ただし、審判請求理由なしや権利濫用は除く。) URL: http://www.law.go.kr/법령/특허법/(16208,20190108)
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2019
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09/07/2019
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(英語) なし。 (日本語) a. 特許法 URL: http://www.choipat.com/menu31.php?id=14&ar_date=2019/01/08#2019/01/08
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(公用語) a. 특허법、법률 제15582호(特許法、法律第15582号) b. 微生物寄託等の委託先専門機関の管理等の代行(第58条3項) 微生物寄託・分譲、先行技術調査、特許分類の委託先に専門機関1)を使用するが、その管理および評価を専担機関)に代行させる。 URL:http://www.law.go.kr/법령/특허법/(15582,20180417) 1)「専門機関」とは、特許法施行令(後出)第8条の4で規定され、微生物の寄託・分譲を行う機関。 2)「専担機関」とは、同第8条の5で、以下のように規定される、「専門機関」を管理する機関。 「専門機関業務に対する管理及び評価業務の遂行に必要な専門人材・専担組織及び保安体系を備えたと特許庁長が認める機関又は団体をいう。」 |
2018 |
18/07/2018 |
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(英語) a. PATENT ACT [Enforcement Date 18. Jul, 2018.] URL: http://law.go.kr/LSW/eng/engLsSc.do?menuId=2§ion=lawNm&query=PATENT+ACT&x=0&y=0 ※個々の法令等のリンクアドレスが取得できないように設定されているために、「PATENT ACT」で検索したページを紹介する。 (日本語) a. 特許法 URL: http://www.choipat.com/menu31.php?id=14&ar_date=2018/04/17#2018/04/17
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(公用語) a. 특허법 시행령、대통령령 제29955호(特許法施行令、大統領令第29955号) b. 優先審査の対象に関する適用例(人工知能または事物インターネット等第4次産業革命と関連する技術)の追加 URL: http://www.law.go.kr/%EB%B2%95%EB%A0%B9/%ED%8A%B9%ED%97%88%EB%B2%95%EC%8B%9C%ED%96%89%EB%A0%B9
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2019
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09/07/2019 |
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(英語) なし。 (日本語) a. 特許法施行令 URL:http://www.choipat.com/menu31.php?id=15
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(公用語) a. 특허법 시행규칙、산업통상자원부령 제339호(特許法施行規則、産業通商資源部令第339号) b.別紙第22号書式(優先審査申請書)の施行令改正に合わせた変更
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2019
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09/07/2019
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(英語) なし。 (日本語) a. 特許法施行規則 URL: http://www.choipat.com/menu31.php?id=16
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関連記事:「韓国における職務発明制度について」(2019.5.16) https://www.globalipdb.inpit.go.jp/statistics/17127/
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実用新案 |
(公用語) a. 실용신안법、법률 제16208호(実用新案法、法律第16208号) b. 第33条(「特許法」の準用)の特許法準用条文を特許法改正に合わせて改正し、「第139条の2」を追加。 URL: http://www.law.go.kr/법령/실용신안법/(16208,20190108)
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2019
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09/07/2019
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(英語) なし。 (日本語) a. 実用新案法 URL: http://www.choipat.com/menu31.php?id=125&ar_date=2019/01/08#2019/01/08
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(公用語) a. 실용신안법、법률 제14690호(実用新案法、法律第14690号) b. 罰則規定の罰金額の一部が改定された。
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2017
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021/03/2017 |
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(英語) なし。 (日本語) a. 実用新案法 URL: http://www.choipat.com/menu31.php?id=125&ar_date=2017/03/21#2017/03/21
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(公用語) a. 실용신안법 시행령、대통령령 제29956호(実用新案法施行令、大統領令第29956号) b. 優先審査の対象に国家研究開発事業の成果物が追加された。 URL: http://www.law.go.kr/lsInfoP.do?lsiSeq=209860&efYd=20190709#0000
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2019 |
09/07/2019 |
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(英語) なし。 (日本語) a. 実用新案法施行令 URL: http://www.choipat.com/menu31.php?id=18&ar_date=2019/07/09#2019/07/09
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(公用語) a. 실용신안법 시행규칙、산업통상자원부령 제338호(実用新案法施行規則、産業通商資源部令第338号) b. 審査の順位に関して、原則、出願審査の順に行うが、分割出願または特許出願の変更による場合、原出願の審査請求順位に従う。
URL: http://www.law.go.kr/lsInfoP.do?lsiSeq=208873&efYd=20190610#0000
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2019 |
10/06/2019 |
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(英語) なし。 (日本語) a. 実用新案法施行規則 URL: http://www.choipat.com/menu31.php?id=19&ar_date=2019/06/10#2019/06/10
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関連記事:「韓国における特許・実用新案出願制度概要」(2017.7.20) https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/13908/
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意匠 |
(公用語) a. 디자인보호법、법률 제16203호(デザイン保護法、法律第16203号) b. 国選代理人制度新設(第125条の2) ・特許審判院長は審判当事者の申請により国選代理人を選任し、与えることができる。 (ただし、審判請求理由なしや権利濫用は除く。) URL: http://www.law.go.kr/lsInfoP.do?lsiSeq=206595&efYd=20190709#0000
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2019
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08/10/2019
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(英語) なし。 (日本語) a. デザイン保護法(意匠法) URL: http://www.choipat.com/menu31.php?id=23&ar_date=2019/10/08#2019/10/08
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(公用語) a. 디자인보호법 시행령、대통령령 제28549호(デザイン保護法施行令、大統領令第28549号) b. 優先審査の対象に人工知能、IoT等の第4次産業革命関連の技術を活用したデザイン登録出願を追加した。 URL: http://www.law.go.kr/LSW//lsInfoP.do?lsiSeq=200489&efYd=20171229#0000
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2017 |
29.12.2017 |
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(英語) a. Enforcement Decree of THE DESIGN PROTECTION ACT (日本語) a. デザイン保護法(意匠法)施行令 URL: http://www.choipat.com/menu31.php?id=24&ar_date=2017/12/29#2017/12/29
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(公用語) a. 실용신안법 시행규칙、산업통상자원부령 제346호(デザイン保護法施行規則、産業通商資源部令第346号) b. 新規性喪失の例外適用対象証明書類の書類提出書の簡素化 URL: http://www.law.go.kr/LSW//lsInfoP.do?lsiSeq=208873&efYd=20190610#0000
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2019 |
01/10/2019 |
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(英語) なし。 (日本語) a. デザイン保護法(意匠法)施行規則 URL: http://www.choipat.com/menu31.php?id=25&ar_date=2019/09/24#2019/09/24
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関連記事:「韓国における秘密意匠制度」(2018.10.30) https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/16039/
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商標
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(公用語) a. 상표법、법률 제16362호(商標法、法律第16362号) b. 存続期間更新登録の無効審判に関して、商標権者またはその共有者ではないものが登録申請した場合、無効審判を請求できるとした(「共有者」を追加した)。 URL: http://www.law.go.kr/LSW//lsInfoP.do?lsiSeq=208455&efYd=20191024#0000
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2019
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23/04/2019
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(英語) なし。 (日本語) a. 商標法 URL: http://www.choipat.com/menu31.php?id=26&ar_date=2019/04/23#2019/04/23
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(公用語) a. 상표법 시행령、대통령령 제29826호(商標法施行令、大統領令第29826号) b. 商標登録出願の審査の委託先とする専門機関の登録基準の改定した。
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2019
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09/07/2019
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(英語) なし。 (日本語) a. 商標法施行令 URL: http://www.choipat.com/menu31.php?id=27&ar_date=2019/06/11#2019/06/11
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(公用語) a. 상표법 시행규칙、산업통상자원부령 제339호(商標法施行規則、産業通商資源部令第339号) b. 商標登録出願の審査の委託先とする専門機関の登録に関する規定を新設した。
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2019
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09/07/2019 |
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(英語) なし。 (日本語) a. 商標法施行規則 URL: http://www.choipat.com/menu31.php?id=28&ar_date=2019/06/14#2019/06/14
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関連記事:「韓国における商標優先審査制度」(2019.4.18) https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/16903/
関連記事:「韓国における商標の使用意思確認制度」(2019.5.21) https://www.globalipdb.inpit.go.jp/statistics/17242/
関連記事:「韓国における悪意(Bad-faith)の商標出願に関する統計、法制度および運用」(2019.1.31) https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/16480/
関連記事:「韓国における商標の一出願多区分制度」(2018.11.1) https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/16031/
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関連記事:「韓国における著名商標の保護」(2016.3.29) https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/10399/
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著作権
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(公用語) a. 저작권법、법률 제15823호(著作権法、法律第15823号) b. 未分配保証金の使用に関する適用例を追加した。 URL: http://www.law.go.kr/%EB%B2%95%EB%A0%B9/%EC%A0%80%EC%9E%91%EA%B6%8C%EB%B2%95
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2019
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17/04/2019
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(英語) a. COPYRIGHT ACT URL: http://www.law.go.kr/LSW/eng/engLsSc.do?menuId=2§ion=lawNm&query=copyright&x=30&y=34#liBgcolor0 (日本語) a. 著作権法 URL: http://www.choipat.com/menu31.php?id=62&ar_date=2018/10/16#2018/10/16
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(公用語) a. 저작권법 시행령、대통령령 제29950호(著作権法施行令、大統領令第29950号) b. 難しい法令用語整備のための大統領令による一部改正。 URL: http://www.law.go.kr/LSW//lsInfoP.do?lsiSeq=209755&efYd=20190702#0000
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(英語) なし。 (日本語) a. 著作権法施行令 URL: http://www.choipat.com/menu31.php?id=126&ar_date=2019/07/02#2019/07/02
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(公用語) a. 저작권법 시행규칙、문화체육관광부령 제274호(著作権法施行規則、文化体育観光部令第274号) b. 一部登録証発行のための書式変更。 URL: http://www.law.go.kr/LSW//lsInfoP.do?lsiSeq=187500&efYd=20161108#0000
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(英語) なし。 (日本語) a. 著作権法施行規則 URL: http://www.choipat.com/menu31.php?id=64&ar_date=2016/11/08#2016/11/08
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関連記事:「韓国における著作権制度」(2014.2.21) https://www.globalipdb.inpit.go.jp/etc/5411/
関連記事:「韓国における著作権侵害判例・事例」(2015.3.30) https://www.globalipdb.inpit.go.jp/precedent/8200/
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不正競争
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(公用語) a. 부정경쟁방지 및 영업비밀보호에 관한 법률、법률 제16204호(不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律、法律第16204号) b. 営業秘密の要件が緩和、懲罰的損害賠償制度の導入、営業秘密侵害行為に対する罰則強化、営業秘密の侵害予備・陰謀犯に対する罰金増額などがなされた。 URL: http://www.law.go.kr/LSW//lsInfoP.do?lsiSeq=206596&efYd=20190709#0000
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2019
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09/07/2019
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(英語) なし。 (日本語) a. 不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律 URL: http://www.choipat.com/menu31.php?id=20&ar_date=2019/01/08#2019/01/08
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(公用語) a. 부정경쟁방지 및 영업비밀보호에 관한 법률、대통령령 제29421호(不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律施行令、大統領令第29421号) b. 規制の見直しにより、原本証明機関に関するいくつかの条項を削除した。
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2019 |
01/10/2019 |
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(英語) なし。 (日本語) なし。 |
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関連記事:「韓国における不正競争防止判例・事例」(2015.3.31) https://www.globalipdb.inpit.go.jp/precedent/8202/
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(2) 審査基準等
(3) 主な条約・協定(加盟状況)
条約名 |
加盟 |
加盟予定 (YYYY) |
未加盟 |
(1) パリ条約 (工業所有権の保護に関するパリ条約) |
☒ |
☐ ( ) |
☐ |
(2) PCT (特許協力条約) |
☒
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☐ ( ) |
☐ |
(3) TRIPs (知的所有権の貿易関連の側面に関する協定) |
☒
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☐ ( ) |
☐ |
(4) PLT (特許法条約) |
☐ |
☐ ( ) |
☒ |
(5) IPC (国際特許分類に関するストラスブール協定) |
☒
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☐ ( ) |
☐ |
(6) ハーグ協定 (意匠の国際登録に関するハーグ協定) |
☒ |
☐ ( ) |
☐
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(7) ロカルノ協定 (意匠の国際分類を定めるロカルノ協定) |
☒
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☐ ( ) |
☐ |
(8) マドリッド協定 (標章の国際登録に関するマドリッド協定議定書) |
☒
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☐ ( ) |
☐ |
(9) TLT (商標法条約) |
☒
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☐ ( ) |
☐ |
(10) STLT (商標法に関するシンガポール条約) |
☒
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☐ ( ) |
☐ |
(11) ニース協定 (標章の登録のため商品及びサービスの国際分類に関するニース協定) |
☒
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☐ ( ) |
☐ |
(12) ベルヌ条約 (文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約) |
☒
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☐ ( ) |
☐ |
(13) WCT (著作権に関する世界知的所有権機関条約) |
☒
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☐ ( ) |
☐ |
(14) WPPT (実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約) |
☒
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☐ ( ) |
☐ |
3. 料金表
[情報1]
(公用語) Title: 특허료 등의 징수규칙(特許料等の徴収規則)
Title: 수수료정보안내(特許庁の手数料(印紙代)) URL:http://www.patent.go.kr/jsp/ka/menu/fee/main/FeeMain01.jsp
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(英語) Title: URL:
(日本語) a. 特許料等の徴収規則 URL:http://www.choipat.com/menu31.php?id=110
a. 特許庁の手数料(印紙代) URL:http://www.choipat.com/menu31.php?id=92
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関連記事:「韓国における産業財産権権利化費用」(2018.8.13) https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/17619/
関連記事:「韓国における政府による知的財産に関する各種優遇・支援制度」(2019.8.13) https://www.globalipdb.inpit.go.jp/etc/17621/
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トルコ商標制度概要
トルコ特許商標庁(以下、「TÜRKPATENT」)に行われた商標出願は、TÜRKPATENTにより、形式的審査の後に絶対的拒絶理由の観点から審査され、絶対的拒絶理由の審査を通過した商標は、商標公報(以下、「公報」)で公告される。商標出願の公告から2月以内に、利害関係人により絶対的または相対的拒絶理由に基づいて異議申立が可能である。
商標登録の有効期間は、出願日から10年である。商標登録更新料を支払うことにより、10年ごとの更新が可能となっている。登録日から5年間使用されていない商標は、商標の不使用取消請求により取り消される。
1. 産業財産法
トルコの国内法において商標法は、2017年1月10日に施行された産業財産法第6769号および2017年4月24日に施行された産業財産法の適用に関する規則で規定されている。
トルコは、「先使用主義」を認めている。
2. 標章
ある商品または役務を、他の事業の商品または役務から区別し、商標として登録された場合に、その商標権者に保証される保護の対象を明確に理解できる形式で登録簿に表示できる場合には、下記の標章は商標として登録される。
・文字
・名称
・図形
・立体的形状
・色彩(審査は、色彩が具体化された一定の形の中で使用される場合、識別性を有するか否かの観点から行われる。)
・スローガン
・音
・匂い(出願に化学式を添付する必要がある。)
・トレードドレス
・動き(動きの標章を示す画像の連続は動きの出願時に提出する必要がある。さらに、明確で包括的な動きの説明、提出された画像の説明ならびに画像の数および順番を含む動きの明細書が提出される必要がある。出願対象の動きに関する電子ログを、コンピューター環境で見て保存することができる形で保存されたCDを出願時に提出する必要がある。)
TÜRKPATENTは、味の商標に関する出願を認めていない。
3. 分類
トルコにおいて、商品および役務は、「標章の登録のため商品及びサービスの国際分類に関するニース協定」(以下、「ニース協定」)に従って分類される。
商標出願は、複数の分類についても行うことができる。
商標出願は、出願人の要求に基づいて、TÜRKPATENTにより出願が登録されるまで、複数の出願に分割することができる。分割のために、申請書および料金の支払いを示す書類をTÜRKPATENTに提出する必要がある。登録された商標は分割することができず、分割された出願は、再度まとめることができない。
4. 出願
商標出願は、TÜRKPATENTが有効と認める出願フォームを用いて作成し、TÜRKPATENTに提出する。出願フォームには、下記の情報を記載する必要がある。
- 出願人の身分および連絡先情報
- 出願が代理人により行われる場合、代理人の身分および連絡先情報
- 優先権の主張があれば、その優先権に関する情報
- 商標の見本
- 商標の見本でローマ字以外の文字が使用されている場合、その文字に対応するローマ字
- 商標出願に係る商品または役務のニース協定における区分番号およびこの番号に従って作成されたリスト
- 権限者の署名
- 出願料、出願範囲内に複数の商品または役務の分類がある場合、追加の分類の料金が支払われたことを示す書類
- 同意書が提出される場合には、その同意書に関する情報
- 共同出願人の代表者がいる場合には、その代表者に関する情報
- 追加の文書や添付資料がある場合には、それらの資料に関する情報
優先権を主張する場合は、下記の情報もTÜRKPATENTに提出する必要がある。
- 所轄官庁から取得した優先権を示す書類の原本および特定の要件(トルコ国籍、大学以上を卒業、十分な外国語能力があることの証書を有する等)を満たす翻訳者が承認したトルコ語翻訳(出願から3月以内にTÜRKPATENTに提出されない場合、優先権を利用することはできない)
- 優先権の主張に関する料金が支払われたことを示す書類
パリ条約またはWTO設立協定の加盟国の国民またはこれらの国の国民ではないが居住所または商業施設がこれらの国にある自然人、法人、またはこれらの相続人は、これらの政府の所轄官庁に、商標登録のために適切に行った出願日から6月以内にパリ条約の条項の範囲内で同一の商標および商品および役務について、トルコでの出願について優先権を利用することができる。
商標出願は、電子署名(GSMの認証するモバイル証明を含む。以下同じ。)を使用して、または予約による出願により、行うことができる。
予約による出願:電子署名所有者でないものは、個人番号または税金番号により、オンライン文書システムにログインし、出願を開始することができる。この場合、予約システムにより作成された出願フォームを30日以内にTÜRKPATENTに持参または郵送により提出することにより出願業務は完了する。
オンライン出願:電子署名所有者は、出願業務を電子署名によりオンライン文書システムにログインすることで行うことができる。
5. 審査
TÜRKPATENTに行われた商標出願は、TÜRKPATENTにより、形式的審査の後に絶対的拒絶理由の観点から審査される。商標出願の公告から2月以内に、利害関係人は、絶対的および相対的拒絶理由に基づいて異議申立を行うことができる。
公告された商標について、異議申立がなされなかった場合、または行われた異議申立が最終的に理由なしとされ、登録料が支払われたことに関する情報を含む不足書類が、期間内にTÜRKPATENTに提出された場合、出願は登録簿に登録され、公報で公告される。
絶対的拒絶理由に基づいて、TÜRKPATENTにより商標出願が拒絶された出願人は、決定通知日から2月以内に、書面で理由を記載してTÜRKPATENTの決定に異議申立を行うことができる。
出願人の異議申立がTÜRKPATENTにより認められた場合、商標出願は公報で公告される。
TÜRKPATENTが、産業財産法の範囲内で行った決定により不利益を被る当事者は、この決定に対し、再審査評価委員会に異議申立を行うことができる。
異議申立は、決定通知から2月以内に書面で理由を記載してTÜRKPATENTに行われる。異議申立が審議されるためには、異議申立期間内に料金を支払い、同期間内に料金の支払いが行われたことに関する情報をTÜRKPATENTに提出しなければならない。
TÜRKPATENTは、異議申立に関する見解を通知するために、出願人に1月の期間を与える。
再審査評価委員会決定により不利益を被る当事者は、決定に対し、決定が自身に通知されてから2月以内に、アンカラの民事知財裁判所に訴訟を起こすことができる。
6. 登録証
産業財産法第22条によると、「出願が瑕疵なく行われ、または瑕疵が除かれ、審査、公告が行われ、異議申立が行われず、または行われた異議申立のすべてが最終的に拒絶され、登録料が支払われたことに関する情報も含む不足文書が期間内にTÜRKPATENTに提出され、すべての段階が完了した出願は登録簿に登録され、公報で公告される」。
登録証は、その要求があり、料金が支払われた場合に与えられる。
7. 更新
登録商標の保護期間は、出願日から10年である。この期間は10年ごとに更新できる。
更新請求は、商標権者により、保護期間の満了日の6月前までの期間に行い、同期間内に更新料が支払われたことに関する情報をTÜRKPATENTに提出する必要がある。期間内に請求が行われない、または更新料が支払われたことに関する情報がTÜRKPATENTに提出されない場合、更新請求は、保護期間満了日から6月以内に、追加料金を支払うことにより行うことも可能である。
8. 商標の使用
正当な理由なく、登録された商品または役務について、商標権者によるトルコにおける真正な使用が、登録日から5年以内に開始されていない、または使用が5年連続して中断されている商標は、商標権登録が取消の対象となる。
商標が、商標権者のライセンスに基づき、ライセンシーによって使用されることも商標者による使用として認められる。
下記の状況も商標の使用とみなされる。
- 商標の識別性を変えることなく、異なる形態で登録商標を使用すること
- 商標を輸出のためだけに商品またはその包装に使用すること
9. 無効
絶対的および相対的拒絶理由が存在する商標は、裁判所による商標権の無効に関する決定の対象となる。
利害関係人、検察官、または関係する公的機関は、商標権の無効を裁判所に請求することができる。
商標権者は、自らの商標登録より遅れる商標登録について、その商標の使用を知っていた、または知りえたにもかかわらず、連続して5年間の商標の使用を黙認した場合、その商標登録が悪意でなされたものでない限り、自らの商標登録を無効の理由として主張できない。
先行する商標との混同の可能性(Likelihood of confusionおよびLikelihood of association)があるとの主張により起こされた無効訴訟において、使用証拠の要求は抗弁として主張することができる。この場合、使用に関する5年の期間は、訴訟日を基準とする。無効が要求されている商標の出願日または優先日において、原告の商標が最低5年間登録されている場合、原告は出願日または優先日に、産業財産法第19条第2項で規定されている使用証拠要件を満たしていることを証明する必要がある。
10. 商標権の取消
下記の場合、請求に基づきTÜRKPATENTにより商標権の取消決定がなされる(産業財産法第192条によると、この権限は産業財産法の施行から7年後に、民事知財裁判所からTÜRKPATENTに移転する)。
- 正当な理由なく、登録された商品または役務について、商標権者によるトルコにおける真正な使用が商標の登録日から5年以内に開始されていない、または使用が5年間連続して中断されている場合
- 商標登録者が必要な措置等を取らなかった結果、商標が、登録されている商品または役務の普通名称として浸透した場合
- 商標権者またはそのライセンシーによる使用の結果、商標が登録されている商品または役務の性質、品質または産地に関して、国民に誤解を生じさせる場合
- 証明商標または団体商標が契約書に反する形で使用されている場合
商標権の取消は利害関係人が請求することができる。商標権の取消請求は、請求日に登録簿に所有者として登録されている者、またはその承継人を相手方として請求する。
台湾における小売役務の保護の現状
- 台湾における小売役務の保護
台湾では、1997年12月23日から小売役務を指定役務とする商標登録出願の受理が開始され、1998年4月20日に、審査の根拠として「小売サービスマークの登録審査要点」が公告された。「小売サービスマークの登録審査要点」が施行された後、商標法が2回にわたり改正(2010年8月25日改正、2011年6月29日改正)されて「サービスマーク」という名称が削除されたほか、前記の「要点」に記載された小売役務の分類がニース国際分類表と異なったため、知的財産局は、「小売サービスマークの登録審査要点」に代わるものとして2012年4月に「小売役務審査基準」を制定、同年7月に実施し、小売役務の類型や小売役務とその他の商品および役務との類似関係の判断原則などについて詳しく説明し、審査の参考に供した。
「小売役務審査基準」によると、小売役務は、「総合性商品の小売役務」(多様な商品を一括して取り扱う)および「特定商品の小売役務」(特定商品のみを取り扱う)の二つの類型に分けられている。しかし、審査上、「総合性商品の小売役務」「特定商品の小売役務」という指定役務は、不明確で認められないため、経済部商業司が編集した「会社商号の営業項目コード」を参考にし、市場の経営形態に合わせ、受理される具体的な指定役務を例示している。例えば、「総合性商品の小売役務」については、「スーパーマーケット、デパート」が受理される指定役務であるのに対し、「特定商品の小売役務」においては、「時計の小売役務、農産物の小売役務」などが受理される指定役務である。
- 「小売役務」と「その他の商品・役務」との類似性の認定
「小売役務審査基準」で明示された類似関係の判断原則は、以下の通りである。
(1) 「総合性商品の小売役務」vs.「総合性商品の小売役務」
総合性商品の小売役務同士の間には、消費者のニーズを満足させるため、および役務の提供者などの要素において共通または関連するところがあるため、原則的には類似関係を有するものと認められる。
(2) 「総合性商品の小売役務」vs.「特定商品の小売役務」「商品」「その他の役務」
「総合性商品の小売役務」は、「特定商品の小売役務」「商品」「その他の役務」と性質が異なるため、原則的には非類似と認められる。
(3) 「特定商品の小売役務」vs.「特定商品の小売役務」
特定商品の小売役務同士の間は、取り扱う商品が違えば、原則的には非類似と認められる。例えば、「農産物の小売役務」と「家具の小売役務」の間では商品の性質がかなり異なり、明らかに市場を区別することができるので、お互い類似しないものである。しかし、取り扱う商品の種類または性質が極めて近い場合、例えば、「娯楽用品の小売役務」と「運動用品および器具の小売役務」の間は、原則的に類似関係を有するものと認められる。
(4) 「特定商品の小売役務」vs.「商品」
「特定商品の小売役務」については、「特定商品」が概括的なもので範囲が広ければ、原則的には、当該概括的「特定商品」でカバーできる個別の商品まで類似扱いされることはない。例えば、「農産物の小売役務」について、「農産物」は「野菜、果物、花」などの商品をカバーできるものの、「農産物の小売役務」と「野菜、果物、花」とは、原則として非類似と認められる。しかし、一般社会通念および取引の状況に照らして、役務または商品の提供者が同一または関連性があるという誤認が生じやすい場合は、類似関係を有すると認められる。その例としては、「飲料の小売役務」と「炭酸水、清涼飲料」が挙げられる。
知的財産局が公開した「『特定商品の小売役務』と『当該特定商品』の間の類似検索関係参考表」において、類似すると認められているものは、下記の通りである。
(5) 「特定商品の小売役務」vs.「その他の役務」
「特定商品の小売役務」と「その他の役務」は、互いに性質が異なるため、原則的には非類似と認められる。例えば、「販売代行」と「小売役務」は、原則として非類似と認められる。しかし、両者の出所が同一である、または同一ではないが出所の間に関係があるという誤認を容易に消費者に生じさせるものである場合、例えば、「被服の販売代行」と「被服の小売役務」は、原則的には類似するものと認めることができる。
- 商品商標、役務商標と小売役務商標の使用上の相違点
商品商標と役務商標は、保護対象が商品または役務そのものであるのに対し、小売役務商標は、保護対象が出願人の提供する販売に関する一連のサービスである。したがって、商標の使用をするのはどちらに該当するか疑義が発生する可能性がある。以下に事例を挙げて説明する。
(1) 事例1(商品商標との相違点)
「特定商品Aの小売」および「ネットショッピング」を指定して甲商標の登録を取得した場合、実際の甲商標を商品Aに表示し、実店舗およびインターネットで販売することが「特定商品Aの小売」あるいは「ネットショッピング」における商標使用に該当するかが問われた事例においては、商品Aに甲商標を表示し、実店舗およびネットで販売することは、甲商標の商品Aへの使用であって、「特定商品Aの小売」および「ネットショッピング」における使用には該当しないと認められた。
「登録商標の特定商品における使用」とは、例えば、家具、電気製品そのもの、および商品の包装パッケージに登録商標を表示することを指す。一方、「登録商標の小売役務における使用」とは、例えば、業者が実店舗またはインターネットで各種ブランドの家具、電気製品を取り扱い、消費者に選択・購入させるサービスを提供し、当該実店舗またはホームページで登録商標を表示する行為を指す。
(2) 事例2(役務商標との相違点)
「食品、飲料の小売」において商標の登録を取得し、自ら開設するレストランにおいて、客にジュースを販売するサービスを提供することは、「食品、飲料の小売」における使用とは認められない。
「食品、飲料の小売」とは、ある場所で食品、飲料を揃え、消費者にこれらの商品を見せて、選択・購入の便宜を図るサービスのことであり、例えば、食料品店、飲料店がこれに該当する。一方、「レストラン」は料理(食品)、ジュース(飲料)を客に提供(販売)するものの、主には、座席が設けられた環境で、消費者が注文して、その場で食事・喫茶できるというサービスである。両者の性質、効能は異なるため、商標権者は「食品、飲料の小売」において登録を取得したものの、実際にはレストランを開いて、料理、ジュースを提供している場合、「食品、飲料の小売」における商標の使用とは認められない。
- 小売役務に関する制度における日本と台湾の相違
(1) 台湾における政府料金の追加
日本では、小売役務商標を出願する場合、多くの小売役務を指定しても1区分の料金の納付で足りるが、台湾では、特定商品の小売役務を指定する場合、5個以内であれば1区分の料金で、5個を超えた場合は、料金(1個につきNT$500)が追加される。
(2) 日本における商標の使用または商標の使用の意思を確認するための審査
総合小売役務を指定する場合:台湾では、出願人が個人か法人かを問わず、総合小売役務を指定することができるが、日本では、個人が総合小売役務を指定して出願した場合、個人(自然人)が総合小売役務を行うことは通常考え難いという理由により、拒絶理由通知が発せられ、商標の使用または商標の使用の意思を確認するための証拠提出が要求される。一方、法人(会社)が総合小売役務を指定して出願した場合でも、総合小売役務が特定商品の小売役務と異なる特徴があることを理由に、「自己の業務に係る商品または役務についての使用」であるか否かについて調査が行われ、出願人が総合小売等役務を行っていると認められなかった場合、同様に証拠提出が求められる。
類似の関係にない複数の特定商品の小売役務を同時に指定する場合:台湾では、特定商品の小売役務をたくさん指定しても問題ないが、日本では、通常、同時に取り扱わない商品同士を取り扱う小売役務を指定した場合には(例えば、「書籍」と「魚介類」、「飲食料品」と「被服」など、類似する小売役務の分野を超えて複数の類似群に属する小売役務を同時に指定)、その商標を記載された役務に使用しているかまたは使用の意思があるかについて疑問が生じるので、商標の使用または商標の使用の意思を確認するため、拒絶理由通知が発せられ、証拠書類の提出が求められる。
韓国における小売役務の保護の現状
韓国では、2007年以降「特定商品に対する小売業」をニース国際分類第35類の役務に指定して商標登録を受けることができるようになっており、2012年以降は「百貨店業、スーパーマーケット業、大型割引店業」などの総合卸売業および総合小売業も役務として指定可能となっている。まずは、韓国における「小売業(Retail Services)」に関する商標法での保護を沿革的に見た後、現状を説明することとする。
2007年改正商標法施行規則の内容
旧商標法第2条では、「サービスマーク」を「役務を営む者」が使用する標章として規定しており、卸売業および小売業を商標法上登録可能な役務としていなかったため、慣行的に「販売代行業、百貨店管理業、スーパーマーケット管理業」などで出願しなければならなかった。
これに関して、特許法院1999.5.27宣告98허6612判決では、小売業者が指定役務を「生活必需品販売店管理業」としてサービスマーク登録を受けた後、自分が所有する生活必需品販売店に看板を掲げて直接運営した事案において、「生活必需品販売店管理業とは他人が所有または経営する生活必需品販売店をその他人に代わって管理する役務を提供し、その対価をもらって自分の収入とすることを業とすることをいい、自分の生活必需品販売店を所有する者が自ら自分の販売店を運営することは、その生活必需品販売店の店舗の数が多いか少ないかに関わらず、役務に含まれないと解釈することが相当である。」と判示して不使用を理由としてサービスマーク登録の取消を認めた。
上記判決により、卸売業または小売業でありながら販売代行業、販売斡旋業または販売店管理業を指定役務として出願して登録を受けた場合、当該役務に対するサービスマーク的使用ではないとしてその登録が取り消される問題が生じた。これに対して、2007年1月1日に施行された改正商標法施行規則では、上記の問題点を解消して国際的な傾向に合わせるようにニース国際分類第9版の採用に合わせて、商標法施行規則別表2の第35類に卸売業と小売業を追加し、卸売業および小売業が商標法上第35類の役務として登録を受けることができるようになった。
2012年改正商標法施行規則の内容
2007年改正商標法施行規則によると、卸売業および小売業を出願するためには「特定商品に対する卸売業および小売業」または「同種の商品群に分類可能な商品集団に対する卸売業および小売業」のように役務の対象を具体的に記載しなければならず、総合卸売業および総合小売業は認められなかった。
しかし、2012年改正商標法施行規則では、ニース国際分類第10版の商品分類および取引実情を反映して、「百貨店業、スーパーマーケット業、大型割引店業」などの総合卸売業および総合小売業を役務として認め、総合卸売業および総合小売業も商標として登録を受けることができるようになった。
2016年全面改正商標法による保護態様
また、2016年9月1日に施行された全面改正商標法は、商標の定義規定を「商標とは自己の商品(地理的表示が使用される商品の場合を除いて、役務または役務の提供に関連した物を含む。以下同じ。)と他人の商品を識別するために使用される標章をいう(第2条第1項第1号)」と改正して、商標とサービスマークの区別を廃止し、多様な形態の商品および役務を商標と一元化して保護できるようにしている。
2016年改正商標法施行規則では、従来包括名称と分類されていた「百貨店業、スーパーマーケット業、大型割引店業」などの総合卸売業および総合小売業を類似群コードS2090から見て狭義の類似群コードに分類して、「特定商品に対する小売業」と「総合卸売業および総合小売業」の区分を明確にした。
小売業に対する保護の現状
現在は、韓国商標法に基づき、ニース国際分類第11版の商品分類基準により第35類の具体的な小売業を指定して商標として出願することができる。出願時に、指定役務を「小売業」と指定した場合には、役務の名称が不明確であるという拒絶理由が通知されるため、指定役務を「特定商品に対する小売業」、「同種の商品群に分類可能な商品集団に対する小売業」または「告示された包括商品名称に対する小売業」などと指定して出願しなければならない。
同種の商品群に分類可能な商品集団の範囲は、該当商品または商品集団の取引実態、需要者の範囲、供給取引先などを総合的に考慮して判断し、告示された商品の名称を基準に出願することが一般的である(例:家具小売業、靴小売業、文房具小売業など)。総合卸売業および総合小売業に対して出願する場合、「百貨店業、スーパーマーケット業、大型割引店業、コンビニエンスストア業、インターネット総合ショッピングモール業、電気通信による通信販売仲介業」の告示された名称を指定して出願することができる。
小売業に対して商標登録を受けた後は、商標としての独占的使用権、他人に対する使用禁止権および登録排除効を有する。特に、使用禁止権および登録排除効に関して、他人の商標および商品または役務と類似判断が問題となることがあるが、審査基準では役務間の類似判断において、総合卸売業および総合小売業である「百貨店業、大型割引店業、スーパーマーケット業、コンビニエンスストア業、インターネット総合ショッピングモール業、電気通信による通信販売仲介業」は互いに類似した役務と推定し、これら「総合卸売業および総合小売業」と「個別商品に対する小売業」は非類似と推定される(例えば、「百貨店業」と「化粧品小売業」は非類似と推定される。)。
また、「小売業」と小売業の対象となる「商品」の類否は、商品と役務との間の同種性を基準に判断される。ここで、同種性とは「当該商品がなければ当該役務が存在できないほど極めて密接な関係がある場合」をいうが、特許法院2011.5.19宣告2011허1616判決では「ゴルフグローブ、ゴルフボール」と「スポーツ用具小売業」を類似と判断しており、特許法院2011.12.14宣告2011허8655判決では「人参ジュース、乳酸菌飲料、ヨーグルト、酵母」と「健康機能食品小売業」を類似と判断した。
したがって、一般的に「小売業」とその対象となる「商品」は、出所混同のおそれがあるとみて類似と判断されており、「小売業」に対する商標出願を行う場合は、小売業の対象となる商品に対する先行商標も調査する必要がある。
また、小売業は商品の流通過程で用役を提供するサービスに該当するため、販売の対象となる商品に商標を付す場合には、「小売業」とその対象となる「商品」の両方を出願することを検討する必要がある。
トルコ商標制度概要
【詳細】
1.商標法
トルコでは、1995年6月27日に施行され、その後たびたび改正が行われてきた商標の保護に関する法律第556号(以下、商標法)に、商標の保護が規定されている。商標法施行規則は、1995年11月5日に発効した後、1999年4月20日、2002年10月2日、2005年4月9日、2013年3月30日および2015年1月18日に改正が行われている。トルコは、「先使用主義」を採用している国である。
2.保護される標章の種類
視覚的に表示可能で、印刷により刊行および複製可能な字句などで、特定の者または事業体の商品または役務と他者のものとを識別できる下記の標識は、商標として登録することができる。
- 文字
- 名称
- 図案
- 特定の立体的形状
- 色彩(商標が複数の色彩の組合せから成り、識別性を有する場合に限られる)
- スローガン
- 音
- 匂い(香の商標)(出願する場合、当該商標の視覚的複製を示すために、その匂いの化学式も提出しなければならない)
- トレードドレス
- ホログラム
- 動き(動的商標)(出願する場合、提示したい瞬間の動きを視覚的に描写する商標見本を提出すべきであり、さらに当該商標における連続する動きが収録されたCDも提出しなければならない)
味および触感の商標に関する出願は、認められていない。
3.分類
トルコ特許庁では、商品および役務について、ニース協定に基づくニース国際分類を採用している。ニース国際分類は、実務における一般的指針として用いられる。
同一商標に関して、複数の分類をカバーする出願を申請することが可能である(一出願多区分制)。
登録前であればいつでも、出願人またはその代理人の請求に基づき、料金の納付をもって、一つの出願を複数の出願に分割することが可能である。ただし、登録後の分割は許されていない。
4.出願
商標出願する際、下記の情報および書類を提出しなければならない。
- 出願人の名前および住所
- 出願人の国籍
- 商品または役務の一覧
- 商標見本(5×5 cmまたは7×7 cmのサイズ;300 Dpi;RGBカラー)
- 法定出願料
- 委任状(認証不要)
優先権を主張する場合は、下記の情報および書類がさらに必要となる。
- 優先権の基礎となる出願の番号と出願日(出願時に必要)
- 優先権証明書の原本(出願後3ヵ月以内に提出されない場合、優先権主張は無効とみなされる)
優先権主張とは、出願人の母国がパリ条約の加盟国である場合、その母国出願の出願日がその後に出願されるトルコ出願の出願日とみなされることをいう。ただし、優先権を主張する場合、その母国出願後、6ヵ月以内にトルコ出願をしなければならない。
商標出願は、電子的にオンラインで申請することができる。2015年7月1日以降は、商標出願を書面ではできなくなっている。
5.登録証
商標法第39条では、「本法律および施行規則に基づいて申請された商標出願は、瑕疵がないと認定され、または瑕疵が是正され、または所定の期間内に異議申立を受けず、または異議申立が否認された場合には、登録簿に記載される。当該出願人は、登録証を受領する」と規定されている。
登録証の発行には、登録料の納付が必要となる。2015年1月12日以降、登録証はA4サイズ、中厚口(80g)の紙面に印刷され、出願人に送付される。
6.審査
トルコ特許庁の商標局は、審査制度を実施しており、絶対的拒絶理由の審査に加え、先行権利に対する相対的拒絶理由の審査も行っている。最初の審査で拒絶理由が見つからない場合、当該出願は毎月発行される商標公報において公告される。第三者は、当該公報の発行日から3ヵ月以内に異議申立をすることができる。
上記の期間内に異議申立がされなかった場合、当該出願は商標登録簿に記載され、商標官報に掲載される。異議申立がない場合、出願から登録までの所要期間は、約1年である。
最初の審査において出願が全体的または部分的に拒絶された場合、出願人は2ヵ月以内に特許庁商標局の審判部に審判請求することができる。この場合、審判部で審理され、審判請求が認められた場合には、異議申立の為に公報において公告される。
トルコ特許庁の商標局には、異議申立および上記の審判請求の審理を取り扱う別々の部門(異議・審判部)がある。この部門による決定を不服とする当事者は、トルコ特許庁の「再審査評価委員会」に対して不服申立できる。再審査評価委員会は、特許庁の最終決定機関であり、当委員会の決定に不服の場合、2ヵ月以内に裁判所に提訴することができる。
トルコ特許庁より異議通知を受領した出願人は、異議通知から1か月以内に答弁書を提出することができる。
異議申立が全部または一部認められ、当該出願が全部または一部拒絶された場合、出願人は異議決定通知から2ヵ月以内に、異議決定に対する不服申立を再審査評価委員会にすることができる。同様に、異議申立人も2ヵ月以内に、異議申立の否認または一部承認に対する不服申立をすることができる。不服申立において答弁書を提出できるが、異議申立または不服申立のいずれの段階においても答弁書の提出は強制ではない。
7.更新
商標登録は、出願日から10年間有効に存続する。登録はその後、10年ごとに更新できる。商標登録は、商標権者または商標権者の代理人による更新出願および更新登録料の納付をもって更新される。
有効期間が満了する月の末日前の6ヵ月以内に、更新出願し、更新登録料を納付しなければならない。満了日を過ぎた場合は、追加料金の納付をもって、当該満了日後の6ヵ月以内に、更新出願することができる。更新出願は、電子的にオンラインですることもできる。
8.商標の使用
登録から5年以内に正当な理由なく商標が使用されなかった場合、または継続して5年間にわたり使用が中断されていた場合、当該商標登録は不使用取消対象となる。
ただし、次の行為は、登録商標の使用とみなされる。
- 商標の識別性を変えることなく、異なる形態で登録商標を使用すること
- 輸出のためだけに商品またはその包装に商標を使用すること
- 商標権者の同意を得て商標を使用すること
- 商標を付した商品を輸入すること。
9.無効
管轄裁判所において、商標登録の無効が認定される。一般的な無効理由は、絶対的拒絶理由および相対的拒絶理由ならびに有効な使用の欠如である。
絶対的拒絶理由および相対的拒絶理由に基づく無効訴訟は、登録日から5年以内に提起しなければならない。ただし、悪意が存在する場合には、期限は適用されない。
無効訴訟を提起できるのは、あらゆる利害関係者、先行権利の所有者、ライセンシー、検察官または関係する政府機関である。