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中国における知的財産の基礎的情報(全体マップ)-実体編

1. 出願ルート
 中国では、専利権(特許権、実用新案権、意匠権)、商標権を取得するために、以下のルートにより出願することができる。

[中国における出願ルート]

直接出願国際出願から広域出願
特許不可
実用新案不可
意匠不可
商標不可

<諸外国の制度概要>
・一覧表URL
(特許)https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/1tokkyo.pdf
(実用新案)https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/2jitsuyou.pdf
(意匠)https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/3isyou.pdf
(商標)https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/document/mokuji/4syouhyou.pdf
・諸外国の法令・条約等https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/mokuji.html
  (国・地域のリンクをクリックすると各国・地域・機関の制度概要が表示される。)

2. 法令・制度等
(1) 主な法律

法域法律・規則(公用語)/(英語)
a: 法律・規則等の名称
b: 主な改正内容
URL:
改正年
(YYYY)
施行日
(DD/MM/
YYYY)
専利(中国語)
a:中华人民共和国专利法(2020年修正)
b: 部分意匠制度の創設、新規性喪失の例外事項の追加、非特許事由の追加、意匠の国内優先権の創設、優先権書類の提出期限の緩和、意匠の存続期間の延長、発明専利権の期間の補償制度の増加、専利出願と専利権の行使において信義誠実の原則の追加、専利開放的許諾制度の創設、専利権侵害の懲罰性賠償の創設等
URL:https://www.cnipa.gov.cn/art/2020/11/23/art_97_155167.html

関連記事:「中国における過去10年間(2006年~2015年)の法改正の経緯」(2018.1.11)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/14401/

関連記事:「中国における専利行政取締りに関する法制度」(2017.12.21)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/judgment/14336/

関連記事:「中国の特許・実用新案、意匠関連の法律、規則、審査基準等」(2018.7.31)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/15571/

(英語)
a: Patent Law of the People’s Republic of China (amended up to October 17, 2020)
URL: https://www.wipo.int/wipolex/en/text/585084

(日本語)
a:中華人民共和国専利法(改正)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/regulation/20210601_jp.pdf

2020

01/06/2021
(中国語)
a:中华人民共和国专利法实施细则(2010年修订)
b: 専利法改正に伴う改正。
URL:https://www.cnipa.gov.cn/art/2015/9/2/art_98_28203.html

(英語)
a: Implementing Regulations of the Patent Law of the People’s Republic of China (promulgated by Decree No. 306 of the State Council of China on June 15, 2001, and revised by the Decision of January 9, 2010, of the State Council on Amending the Implementation Regulations of the Patent Law of the People’s Republic of China)
URL:https://www.wipo.int/wipolex/en/text/182267

(日本語)
a:中華人民共和国専利法実施細則
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/admin/20100201.pdf

(2024年4月注:上記URL(日本語)は現在つながりません。下記ご参照ください。
中華人民共和国専利法実施細則(2010年2月1日改正)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/admin/20100201_rev.pdf(日本語)
中華人民共和国専利法実施細則(2024年1月20日施行)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/admin/20240120_1.pdf(日本語)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/origin/admin20240120_1.pdf(中国語))

2010

01/02/2010
商標(中国語)
a:中华人民共和国商标法(2019年修正)
b:使用目的欠如の商標出願を拒絶事由、無効事由に追加,使用目的欠如商標の代理に関する代理機構の制限,法定賠償額の引き上げ,模倣品製造用具の廃棄など。
URL:https://www.cnipa.gov.cn/art/2019/7/30/art_95_28179.html

関連記事:「中国における商標法改正」(2020.03.03)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/18328/  

(英語)
a: Trademark Law of the People’s Republic of China (amended up to April 23, 2019)
URL: https://www.wipo.int/wipolex/en/text/579988

(日本語)
a:中華人民共和国商標法
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/regulation/20191101law_2_jp.pdf

関連情報:中華人民共和国商標法新旧法対照表(2019年4月23日改正 2019年11月1日施行:日本貿易振興機構(ジェトロ)北京事務所)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/regulation/20191101_jp.pdf

関連記事:「中国改正商標法及び実施条例の主な改正点」(2016.01.12)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/10201/

関連記事:「中国改正商標法関連規定の主な改正点」(2016.01.19)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/10203/

関連記事:「中国改正商標法について留意すべき点」(2016.02.02)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/10238/

関連記事:「中国における商標法改正に伴う「馳名商標の認定と保護規定」への影響」(2015.03.11)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/8036/

関連記事:「中国改正商標法と現行制度の審査業務フローの比較および改正後の法執行の概要」(2016.01.22)
URL: https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/10234/

2019

01/11/2019
(中国語)
a:中华人民共和国商标法实施条例(2014年)
b: 商標法改正に伴う改正。
URL:https://www.cnipa.gov.cn/art/2015/9/14/art_96_28188.html

(英語)
a: Regulations for the Implementation of the Trademark Law of the People’s Republic of China (promulgated by Decree No. 358 of the State Council of the People’s Republic of China on August 3, 2002; revised and promulgated by Decree No. 651 of the State Council of the People’s Republic of China on April 29, 2014) of the Trademark Law of the People’s Republic of China
URL:https://wipolex.wipo.int/zh/text/425590

(日本語)
a:中華人民共和国商標法実施条例(2013年8月30日改正) 日本貿易振興機構(ジェトロ)北京事務所)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/admin/20140501_rev.pdf

2013

01/05/2014
著作権法(中国語)
a:中华人民共和国著作权法(2020年修正)
b: 以下の6点
(1)第四条は「著作権者および著作隣接権者は著作権を行使するときは、憲法及び法律に違反してはならず、公共の利益を害してはならない。国家は法律に基づき、作品の出版、伝達に対して監督管理を行う。」と改正された。
(2)第二十八条として「著作権の中の財産権を質入する場合、質権設定者と質権者は法によって、質入登記手続きを行わなければならない」の規定が追加された。
(3)「映画著作物及び映画の制作に類似する方法によって創作された著作物」を「視聴覚著作物」に改正された。
(4)懲罰性の賠償制度が創設された。
(5)共同創作された作品の権利所属と権利行使の規則が明確された。
(6)第十六条には、「既存の著作物を翻案、翻訳、注釈、整理、編集することにより生じた著作物を使用して出版・実演、録音録画製品の作成を行う場合、当該著作物の著作権者及び原著作物の著作権者の許諾を得た上で、報酬を支払わなければならない。」の規定が追加された。
URL:https://flk.npc.gov.cn/detail2.html?ZmY4MDgwODE3NTJiN2Q0MzAxNzVlNDc2NmJhYjE1NTc%3D

(英語)
a: Copyright Law of the People’s Republic of China (amended up to November 11, 2020)
URL:https://www.wipo.int/wipolex/en/legislation/details/21065

(日本語)
a:中華人民共和国著作権法(2020年11月11日改正) 独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/biz/seminar/2021/61ca6c4dedfdde2c/copyright2020.pdf

2020

01/06/2021
反不正当竞争法(中国語)
a: 中华人民共和国反不正当竞争法
b: 今回の改正は営業秘密に集中して行われていた。
(1)営業秘密の定義が改正され、「電子的手段による侵入」手段をもって権利者の営業秘密を獲得する行為が追加され、営業秘密の保護範囲が拡大された。
(2)悪意をもって営業秘密に係る侵害行為に対する懲罰的賠償が追加された。
(3)監督検査部門の違法行為に対する過料の上限が、500万元に引き上げられた。
(4)「営業秘密に係る侵害に関する民事裁判手続きにおいて、営業秘密の権利者が初歩的な証拠を提示し、主張する営業秘密に対して秘密保持措置を講じたことを証明し、且つ営業秘密が侵害されたことの適正な証明を行った場合は、侵害被疑者は権利者が出張した営業秘密が本法にいう営業秘密に属されないことを証明しなければならない。」の規定が追加された。
URL:https://flk.npc.gov.cn/detail2.html?ZmY4MDgwODE2ZjEzNWY0NjAxNmYyMTY5ZGU5YjFhY2U%3D

(英語)
a:なし

(日本語)
a:なし
※関連情報1の2017年改正法を関連情報2の新旧法対照表を用いて読み替える必要がある。

関連情報1: 中華人民共和国反不正競争法(2017年改正)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/regulation/20171104-1_2.pdf

関連情報2:不正競争防止法新旧法対照表(2019年4月23日改正) 独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/regulation/20190423_jp.pdf

関連記事「中国における反不正当競争法改正」(2020.4.7)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/18430/

2019

23/04/2019

(2) 審査基準等

法域審査基準、ガイドライン、マニュアル等
a:審査基準等の名称
URL:
最終更新
(DD/MM/YYYY)
専利(中国語)
a:专利审查指南2010 中华人民共和国国家知识产权局
URL:https://www.cnipa.gov.cn/art/2015/1/9/art_99_28237.html

関連情報1:国家知识产权局关于修改《专利审查指南》的公告(第391号)
URL:https://www.cnipa.gov.cn/art/2020/12/14/art_74_155606.html

関連情報2: 关于《专利审查指南》修改的公告(第328号)
URL:https://www.cnipa.gov.cn/art/2020/6/5/art_1567_93048.html

関連情報3:国家知识产权局令(74号)
URL:https://www.cnipa.gov.cn/art/2017/3/6/art_99_28208.html

(英語)
a: Guidelines for Patent Examination
URL:https://wipolex.wipo.int/en/text/298963

(日本語)
a:専利審査指南2010(2010年2月1日) 独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20100201.pdf

関連情報1:「専利審査指南」の改正に関する国家知識産権局の決定(局公告)第391号 独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20210115.pdf

関連情報2:「専利審査指南」の改正に関する国家知識産権局の決定(第74号)(2017) 独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20170302-1.pdf

(2024年4月注:上記URL(日本語)は現在つながりません。 下記ご参照ください。
専利審査指南(2024年1月20日施行)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20240120_1.pdf(日本語)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20240120_2.pdf(中国語)
関連情報1:
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20210115_rev.pdf
関連情報2:
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20170302-1_rev.pdf

01/02/2010



15/01/2021




01/11/2019



01/04/2017




01/02/2010



01/02/2010




15/01/2021





01/04/2017
商標(中国語)
a:商标审查审理指南(2021)
URL:https://sbj.cnipa.gov.cn/sbj/zcwj/202112/t20211203_6495.html

(日本語)
商標審査審理指南(上編) 独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20220101_1.pdf

商標審査審理指南(下編) 独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20220101_2.pdf

01/01/2022




01/01/2022

(3) 主な条約・協定(加盟状況)

条約名加盟加盟予定 (YYYY)未加盟
(1) パリ条約  
 (工業所有権の保護に関するパリ条約)

(     )
(2) PCT
 (特許協力条約)

(     )
(3) TRIPs
 (知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)

(     )
(4) PLT
 (特許法条約)

(     )
(5) IPC
 (国際特許分類に関するストラスブール協定)

(     )
(6) ハーグ協定
 (意匠の国際登録に関するハーグ協定)

(     )
(7) ロカルノ協定
 (意匠の国際分類を定めるロカルノ協定)

(     )
(8) マドリッド協定
 (標章の国際登録に関するマドリッド協定議定書)

(     )
(9) TLT
 (商標法条約)

(     )
(10) STLT
 (商標法に関するシンガポール条約)

(     )
(11) ニース協定
 (標章の登録のため商品及びサービスの国際分類に関するニース協定)

(     )
(12) ベルヌ条約
 (文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約)

(     )
(13) WCT
 (著作権に関する世界知的所有権機関条約)

(     )
(14) WPPT
 (実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約)

(     )

3. 料金表

[情報1]

(中国語)
Title: 专利收费、集成电路布图设计收费标准(専利、集積回路レイアウト設計申請費用)(2019年11月22日)
URL:https://www.cnipa.gov.cn/module/download/down.jsp?i_ID=155983&colID=1518

関連情報:国家知識産権局料金一覧(2017.7.1)独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
URL:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/gov/20170701000_1.pdf

関連記事:「中国における専利(特許、実用新案、意匠を含む)出願関連の料金表」(2022.11.17)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/27104/

関連記事:「中国における追加手数料に関する運用」(2018.12.18)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/16336/

[情報2]

(中国語)
Title: 规费清单(料金表)(2023.12.05)
URL:https://sbj.cnipa.gov.cn/sbj/sbsq/sfbz/

関連記事:「中国における商標関連の料金表」(2023.10.12)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/37462/

中国における特許無効手続に関する統計データ

1. 背景情報
 中国専利法および中国専利法実施細則に従い、国務院専利行政部門により特許権付与が公告された日から、当該特許権の付与が、専利法または実施細則の関連規定に反すると考えるあらゆる事業体または個人は、国務院専利行政部門の復審無効審判部(中国語:复审和无效审理部、日本における審判部に相当。以下、「審判部」という。)に当該特許権の無効審判を請求できる(中国専利法第45条第1項、中国専利法実施細則第65条第2項)。
 特許権の完全無効または一部無効を請求するあらゆる者は、審判請求書および必要な添付書類2部を審判部に提出しなければならない。特許権の無効または維持を宣告する審判部の審決を不服とする当事者は、当該通知の受領後3か月以内に北京知識産権法院に訴訟を提起できる(中国専利法第46条第2項)。

2. 審判部が受領した特許無効審判請求の件数
 CNIPAが公表する年報に記載のデータによると、2018年‐2022年に審判部が受領した特許無効審判請求の年間件数は、表1のとおりであり、全体的に増加の傾向が見られる。

審判部が受領した件数
20227,095
20217,628
20206,178
20196,015
20185,235
表1 2018年‐2022年に審判部が受領した特許無効審判の件数

3. 過去5年間における特許無効審判の審決の件数
 CNIPAが公表する年報に記載のデータによると、2018年‐2022年に審判部が下した審決の年間件数は表2のとおりであり、全体的に増加の傾向が見られる。

審決が下された件数
20227,879
20217,065
20207,144
20195,327
20184,217
表2 2018年‐2022年に審決が下された特許無効審判の件数

4. 特許無効審判の平均所要期間
 CNIPAが公表する年報に記載のデータによると、2022年における特許無効審判の平均所要期間は約5.7か月で、2021年における特許無効審判の平均所要期間は約5.8か月であった。

5. 医薬品分野における特許無効の統計データ
 IPRDaily中文網に掲載された文章「中国医薬品分野における特許無効の概要の分析」に、以下のデータが提示されている。
 1997年‐2021年8月に医薬品分野において無効審判が請求された特許は計597件、その内518件は審決が下された。審決内容の内訳は、表3のとおりである。

無効審判の審決比率
完全無効51%
一部無効16%
完全有効33%
表3 医薬品分野における特許無効審判審決の統計分析

中国における仮想空間に関する知的財産の保護の状況に関する調査

「仮想空間に関する知的財産の保護の状況に関する調査研究報告書」(令和5年3月、知的財産研究教育財団 知的財産研究所) 

(目次) 
第3部.調査結果 
第1章.公開情報調査 
(仮想事例(仮想事例1(仮想空間の靴)、仮想事例2(仮想空間の椅子))を設定し、中国における仮想空間に関する知的財産について関連する法律(専利法(意匠)、商標法、著作権法、反不正競争法、専利法(特許))で保護される対象、保護が及ばない対象、権利制限/適用除外/効力が及ばないとされる範囲について、分析した結果を示している。) 

第4節.海外調査 
(3)中国 P.68 

第2章.ヒアリング調査
(仮想事例1および2に対するヒアリング項目についての中国の企業や有識者の回答を紹介している。) 

第2節.海外ヒアリング調査 
第3項 中国 P.146 
1.仮想空間を用いたビジネスの現状と展望について 
(1)仮想空間を用いて実用化している又は実用化を想定しているビジネスの内容 
(2)仮想空間を用いたビジネスを実施又は検討する際に発生した、知的財産権に関する課題
(3)仮想空間における知的財産権に関する利用規約や契約の内容 

2.仮想空間における知的財産権の保護の状況・課題・ニーズについての認識について 
①仮想事例1 
②仮想事例2-A、仮想事例2-B 
③仮想事例1、仮想事例2-A、仮想事例2-B以外のビジネス上での知的財産に関する課題および懸念事項 
④中国における法改正又はガイドライン制定等に向けた議論の内容や状況等、議論の状況についての考え 
⑤日本の現行法下でビジネスを行うと仮定した場合のビジネス上の課題や望ましい解決手段の考え方 

3.仮想空間における知的財産権に関する横断的な課題の認識について 
①プラットフォーマー等の責任について 
②越境取引における法の適用について 
③複数の仮想空間に跨った権利やライセンスの効力範囲について 

第4部.まとめ 
(中国における仮想空間に関する知的財産権について、現行の知的財産権各法で保護される対象、保護が及ばない対象の整理、および仮想空間でビジネスを行う企業や有識者等へのヒアリングを行い、法制や議論の状況についての調査結果を総括している。) 

第4章.中国 P.187 
第1節.意匠(専利法) P.187 
第2節.商標法 P.187 
第3節.著作権法 P.188 
第4節.反不正競争防止法 P.188 
第5節.専利法 P.189 

資料編 
資料III 
7.ヒアリング調査の質問票(中国企業) P.260 
8.ヒアリング調査の質問票(中国有識者) P.262 
9.ヒアリング調査の参考資料(中国企業・中国有識者) P.263 

資料IV 
7.中国企業1 P.295 
8.中国企業2 P.299 
9.中国有識者 P.303

中国の司法実務における均等論についての規定および適用

1. 均等論の基本的な適用規則
1.1  「基本的に同一」とされる3つの要件

 法釈[2020]19号第13条においては、「基本的に同一の手段」、「基本的に同一の機能」、「基本的に同一の効果」という均等性の判断基準が明文化されている。

法釈[2020]19号 第13条
 専利法第59第1項でいう「発明又は実用新案の専利権の保護範囲は、その権利要求の内容を基準とし、明細書及び付属図面は権利要求の解釈に用いることができる。」とは、専利権の保護範囲が、請求項に記載の全部の技術的特徴により確定される範囲を基準とし、当該技術的特徴と同等な特徴により確定される範囲も含まなければならないことをいう。
 同等な特徴とは、記載の技術的特徴と基本的に同一の手段をもって、基本的に同一の機能を実現し、基本的に同一の効果を達成し、かつ当業者が被疑侵害行為の発生時に創造的労働を経ることなく想到できる特徴をいう。

 例えば、本稿末尾に示している参考事例1において、最高人民法院は、「被疑侵害品の技術的特徴と専利の技術的特徴が均等であるかどうかを判断する際には、被疑侵害品の技術的特徴が当業者にとって容易に想到できるものであるかだけでなく、被疑侵害品の技術的特徴が専利の技術的特徴と比べ基本的に同一の手段を採用し、基本的に同一の機能を実現し、かつ基本的に同一の効果を奏しているかをも考慮しなければならない」と論じている。そして、上記すべての条件が満たされた場合に限り、両者が均等な技術的特徴に該当すると認定される。

1.2 均等性の判断の基準時は侵害発生時
 法釈[2020]19号第13条は、技術的特徴の均等性の判断について「訴えられた侵害行為の発生時に当業者が創造的な工夫を要せずに思い付くことができる特徴」と規定しており、これで均等性の判断の基準時は、侵害行為の発生時と明確化された。

1.3 オールエレメントルール
 中国の法院では、侵害性の判断においてはオールエレメントルールが採用されているので、均等論を適用する際にも、均等性の判断対象は技術全体ではなく、その技術を構成する技術的特徴となる。

 最高人民法院は、参考事例2において、「均等性とは、被疑侵害品における技術的特徴と請求項における対応する特徴との均等性を指し、被疑侵害品に係る技術と請求項に係る技術の全体的な均等性ではない」と強調している。

2. 各種技術的特徴の均等論の適用
2.1  数値または数値範囲に係る特徴の均等性判定

 2016年に、最高人民法院により公布された「最高人民法院による専利権侵害をめぐる紛争案件の審理における法律適用の若干問題に関する解釈(二)」(以下、「法釈[2016]1号」という。)の第12条において、「請求項が『少なくとも』、『超えない』などの用語により数値に係る特徴を限定し、且つ当業者が専利請求の範囲、明細書及び図面を閲読した後、当該用語が専利技術案の技術的特徴に対して限定作用があることを特に強調していると認めるとき、専利権者がそれと異なる数値につき均等の範囲内であると主張した場合、人民法院はそれを認めない」と規定されている。当該規定から、人民法院は、請求項における数値が数値範囲により限定されている特徴に関して均等性を判断する場合、非常に厳しい基準を採用することがわかる。さらに、前記司法解釈に対応し、北京市高級人民法院は、その策定した「北京市高級人民法院による専利権侵害判定指南(2017)」の第57条において、「請求項には「少なくとも」、「超えない」等の用語で数値特徴を限定し、かつ、当業者は専利請求の範囲、明細書及び図面を読んで、専利技術的解決手段において当該用語の技術的特徴に対する厳格な限定作用が特別に強調されたと考え、権利者はそれと異なる数値特徴が均等特徴に該当すると主張した場合、これを支持しない。」と明確に規定している。

2.2 閉鎖形式の請求項の均等性判定
 化学や医薬分野でよく使われている閉鎖形式の請求項については、法釈[2016]1号の第7条によると、被疑侵害品に係る技術が当該閉鎖形式の請求項を基に他の技術的特徴を追加したものである場合、その追加した特徴が回避できない通常量の不純物でない限り、当該請求項の保護範囲に入らないと規定されている。

 例えば、参考事例2において、最高人民法院は、閉鎖形式の請求項は、請求項に記載されていない組成成分や方法ステップを包含しないと一般的に解釈されていると論じている。また、組成物の閉鎖形式の請求項の場合、一般的には組成物には請求項に記載された成分のみが包含され、他の成分はすべて排除されるものと理解すべきであるが、通常量の不純物を含むことが許される。なお、補助原料は不純物に属さないとされる。

2.3 機能的特徴の均等性判定
 請求項における機能的特徴について、法釈[2016]1号の第8条によると、均等性の判定は、被疑侵害品の技術的特徴を、当該請求項の機能的特徴そのものと比較するのではなく、明細書および図面に記載された当該機能を実現するために不可欠な技術的特徴と比較することによって行われるものとされている。

3. 均等論の適用に対する制限
3.1  包袋禁反言

 包袋禁反言は、均等論の適用に対する制限であり、最高人民法院により2009年に頒布された「専利権侵害をめぐる紛争案件の審理における法律適用の若干問題に関する解釈」(以下、「法釈[2009]21号」という。)の第6条に明確に記載されている。具体的には、包袋禁反言の適用には、以下の論点1)から3)について注意すべきである。
 論点1)どのような限定または放棄に対して包袋禁反言が適用されるか
 論点2)包袋禁反言が特定の技術的特徴について均等を排除する範囲
 論点3)包袋禁反言を適用する主体  

 論点1)について、専利権者は権利付与と確定の過程において、実質的な欠陥を克服するために行われた補正や意見陳述は、すべて禁反言の対象となり得る。ここで、実質的な欠陥には新規性や進歩性の欠陥だけではなく、サポート要件違反、実施可能要件違反、必要な技術的特徴の欠如などの欠陥も含まれる。  

 論点2)について、専利権者が確定の過程において「制限や放棄した範囲」とは、専利権者が明確に制限や放棄を示した範囲だけである。例えば、参考事例3において、最高人民法院は、「独立項が無効化され専利権が従属項で維持された場合、専利権者が自ら放棄したものではない場合は、その従属項に対して包袋禁反言を適用して均等論の適用を制限すべきではない」と判断している。  

 論点3)の包袋禁反言を適用する主体について、最高人民法院は、参考事例4において、「被告側が包袋禁反言の適用を主張したかどうかにかかわらず、法院は専利権侵害判定において自発的に包袋禁反言を適用して合理的に専利権の保護範囲を確定することができる」と論じている。

3.2 公衆への開放の原則
 公衆への開放の原則も均等論の適用に対する一つの制限で、法釈[2009]21号に明確に規定されている。同法釈の第5条によると、明細書や図面だけに記載され請求項で限定されていない技術的範囲は、(専利権者が自ら公衆に開放したものとみなされるため)専利権侵害判定において専利保護範囲に取り戻すことはできない。ここで、公衆への開放の原則の適用の前提とは、前記技術的範囲が明細書や図面に記載されていることであり、もし記載されていなければ公衆への開放の原則が適用されることはない。

 例えば、参考事例5において、最高人民法院は、明細書において発明方法のステップ10と11の順序を入れ替えることができると記載されているものの、請求項においては入れ替えた後のステップが反映されていないため、入れ替えた後のステップ11と10について均等の主張を受け入れないと判断している。

*注記1:中国法における「専利」とは、特許、実用新案、意匠の全てを包括したもので、「専利法」は、特許法、実用新案法、意匠法の全てに対応するものである。

*注記2:司法解釈(本稿において「法釈」と略した。)とは、中国最高人民法院または最高検察院により公布され、現行の法律規定の適用方法につきより具体的に明確化するためのもので、実務においては法律と同様な位置づけを有するものである。

中国におけるロイヤルティ送金に関する法制度と実務運用の概要

1.ロイヤルティ送金に伴う契約届出義務
 「中国外貨管理条例」の関連規定により、国際貿易におけるサービス、荷物などのよくある貿易項目に基づき海外へ送金する場合、「真実かつ合法な取引基礎」を有しなければならない(中国外貨管理条例第12条)。実際に銀行などの金融機関を通じて海外に送金する際に、関連金融機関は、当該取引の真実と合法性を審査し、取引の真実と合法性を証明できる資料(契約書、インボイス、当局による届け出証明、税務証憑など)の提出を要求する。
 「中国商標法」、「専利法実施細則」、「技術輸出入管理条例」などの法律・規定によると、ライセンス契約書を締結した後、商標ライセンス、専利ライセンス、ノウハウライセンスなどの場合(対象となる技術が自由輸入技術に該当する場合)、当局への届出が要求されているが(中国商標法第43条、専利法実施細則第14条、技術輸出入管理条例第18条)、届出はライセンス契約の効力発生要件ではなく、また契約届出を怠ったことによる罰則もない。しかしながら、ロイヤルティを海外送金する際に「技術輸入契約登記証」などの関連当局が発行する届出証明書類等の提出が金融機関から要求されることから(技術輸出入管理条例第39条)、届出をしていない場合、海外送金に支障が出る恐れがある。そのため、関連法令の要求に従い、届出を行っておくことが無難である。ライセンス契約届出手続に関する詳細は、下記【ソース】に示す「専利ライセンス契約届出弁法」、「商標ライセンス契約届出弁法」、「著作権契約届出申請書及び証明書の規範化に関する通知」をご参照いただきたい。

2.ロイヤルティ送金の必要書類
 ロイヤルティを送金する際、実務においては、通常、下記書類の提出が要求される。

2-1.商標ライセンス契約
(1) 送金申請書
(2) 契約書
(3) インボイスまたは支払通知
(4) 税務証憑
(5) 商標主管部門発行の届出証明
なお、一部の銀行は、金額が少ない場合、上記の資料を提出せずに送金できるようになった。

2-2.専利ライセンス契約
(1) 送金申請書
(2) 契約書
(3) インボイスまたは支払通知
(4)「技術輸入許可証」または「技術輸入契約登記証」
(5)「技術輸入契約データ表」
(6) 税務証憑
(7) 専利主管部門発行の届出書証明
(8) 会計事務所が発行する売上高の信憑性を証明する資料(支払金額が売上高に連動する場合)

2-3.ノウハウライセンス契約
(1) 送金申請書
(2) 契約書
(3) インボイスまたは支払通知
(4)「技術輸入許可証」または「技術輸入契約登記証」
(5)「技術輸入契約データ表」
(6) 税務証憑
(7) 会計事務所が発行する売上高の信憑性を証明する資料(支払金額が売上高に連動する場合)

2-4.海外授権の図書に関する著作権ライセンス契約
(1) 送金申請書
(2) 契約書
(3) インボイスまたは支払通知
(4)「著作権契約届出済み」という判が捺印されている著作権ライセンス契約または契約届出の許可書類
(5) 税務証憑

2-5.オーディオおよびビデオ製品著作権ライセンス契約
(1) 送金申請書
(2) 契約書
(3) インボイスまたは支払通知
(4)「著作権契約届出済み」という判が捺印されている著作権ライセンス契約または契約届出の許可書類
(5) オーディオおよびビデオ製品管理部門の発行した許可書類
(6) 税務証憑

2-6.電子出版物著作権ライセンス契約
(1) 送金申請書
(2) 契約書
(3) インボイスまたは支払通知
(4)「著作権契約届出済み」という判が捺印されている著作権ライセンス契約または契約届出の許可書類
(5) 税務証憑

2-7.ソフトウェア著作権ライセンス契約
(1) 送金申請書
(2) 契約書
(3) インボイスまたは支払通知
(4)「著作権契約届出済み」という判が捺印されている著作権ライセンス契約または契約届出の許可書類
(5)「技術輸入および設備輸入の契約届出発行証書」または「技術輸入許可証」または「技術輸入契約登記証」
(6)「技術輸入契約データ表」
(7) 税務証憑

 実務において、中国各地の外貨管理機構や金融機関の詳細規定または実務操作規定などは、かならずしも一致していないため、送金する前に予め現地の対応する外貨管理機構や金融機関などに、必須書類や手続などを確認しておいた方が好ましい。

3.税務局での登録
 源泉所得税を確定するため、中国現地法人は、予め関連ライセンス契約書を中国の税務当局に提出する必要がある。「国家税務総局、国家外貨管理局によるサービス貿易等項目に対する対外送金の税務登録に関する公告(2013年第40号)」(国家税務総局公告2018年第31号により改正)(第1条)により、海外の機関または個人が国内から取得した運輸、旅行、通信、建築据付および労務請負、保険サービス、金融サービス、コンピュータと情報サービス、専有的権利の使用と許諾、スポーツ文化と娯楽サービス、その他の商業サービス、政府サービスなどのサービス貿易収入を含む収入について、国内組織または個人は、海外に1回5万ドルを超えて送金する場合、上記2013年第40号の第3条に規定された状況を除いて、いずれも所在地の税務機関に税務登録手続を行わなければならない。公告(2013年第40号)(第2条)により、税務登録手続を行う際、下記の書類が必要である。

(1) 捺印された契約書または取引関連証憑のコピー(外国語で作成された場合、その中文訳も提出する必要がある)
(2) サービス貿易などの項目に対する対外送金税務登録表

 また、「国家税務総局、国家外貨管理局によるサービス貿易等項目に対する対外送金の税務登録関連問題に関する補充公告」(2021年第19号)(第1条)によると、国内機関と個人が同一の契約に対して何度も対外送金する必要がある場合、初めて送金する前に税務登録をすればよい。最近では、登録が、インターネットで申請できるようになってきている。

4.ライセンシーの源泉徴収義務
 中国の税法では、日本企業へロイヤルティを送金する中国事業者に、源泉徴収が義務づけられている(税法第37条)。税法(第19条、第37条)、「国家税務総局による非居住者企業所得税源泉徴収関連問題に関する公告(国家税務総局公告2017年第37号)」(2018年第31号公告より修正)(第7条)および「国家税務総局による売上税から増値税への移行試行における非居住者企業の企業所得税納付の関連問題に関する公告」(2013年第9号)によると、非居住者企業が中国で取得したロイヤルティの付加価値税を含まない全額に対して、源泉徴収が実施され、ライセンシーが源泉徴収義務を負う。ライセンシーが、源泉徴収義務の発生日から7日以内に、所在地の税務当局に源泉徴収申告および納付手続を行わなければならない。「企業所得税法実施条例」(第91条)によると、ロイヤルティ送金に対する源泉所得税の税率は、10%である。

5.付加価値付加価値税
 「中華人民共和国付加価値税暫定条例(2017改正)」(第1条)および「財政部、国家税務総局による売上税から付加価値税への移行試行を全面的に実施することに関する通知」(財税(2016)36号)(付属書類1の第1条)によると、中国国内でサービス、無形資産、不動産を販売する機関と個人は、付加価値税の納税者であり、付加価値税を納付しなければならない。「中華人民共和国増値税暫定条例」(第2条第3項)によると、ロイヤルティ送金に対する付加価値税の税率は、6%である。

6.留意事項
 「国家税務総局による非居住者企業所得税源泉徴収関連問題に関する公告」(第6条)により、源泉徴収義務者が非居住者企業と企業所得税法第3条第3項に規定された所得に関する業務契約を締結する際、契約中に源泉徴収義務者が実際に税金を負担することを約束した場合、非居住者企業が取得した税抜所得を税込所得に換算して課税対象額を計算し、納付しなければならない。
 例えば、ロイヤルティが100万元の場合、中国企業が税金を負担すると約定された場合、源泉徴収された付加価値税と企業所得税は、以下のように計算される。
 付加価値税を含まなく企業所得税を含む所得額(税込所得)=税抜き所得/(1-所得税率)
 税込所得=100/(1-10%)=111.11万元
 源泉徴収付加価値税=111.11×6%=6.67万元
 源泉徴収企業所得税=111.11×10%=11.11万元
 換算済各種税金を含む契約の合計金額は、100万元+6.67万元+11.11万元=117.78万元となる。
 契約書を作成する際、各種税金を考慮した上、税金の負担方を明確に約定したほうが好ましい。例えば、日本企業は100万元を受領したいが、ライセンス契約書に記載された送金の総額が100万元であった場合、税金控除のため、想定通りの金額を受領できない恐れがある。
 また、前記財税(2016)36号通知の付属書類3「売上税から付加価値税への移行政策の規定」(第1条第26項)の定めにより、納税者は技術譲渡、技術開発とそれに関連する技術コンサルティング、技術サービスを提供する場合、付加価値税は免除される。付属書類1「売上税から付加価値税への移行試行実施弁法」に添付した「サービス、無形資産、不動産の販売への注釈」により、無形資産の販売とは、無形資産(技術(特許技術と非特許技術を含む)、商標、著作権、ビジネス信用、自然資源使用権とその他の権益的無形資産を含む)の所有権や使用権を譲渡するビジネス活動を指す。したがって、無形資産に関するライセンスの場合、付加価値税の免税を申請可能である。付加価値税の免税を申請する場合、書面契約をもって、所在地の省レベルの科技主管部門による許可を受ける必要がある。

中国のプログラム関連発明における権利保護に関する調査

 「プログラム関連発明における国境を跨いで構成される実施行為及び複数主体により構成される実施行為に対する適切な権利保護の在り方に関する調査研究報告書」(令和5年3月、知的財産研究教育財団 知的財産研究所)

目次

Ⅳ.海外におけるプログラム関連発明に関する権利保護等の状況
5.中国
(1)中国専利法、民法典及び最高人民法院による司法解釈の規定 P.121
(国境を跨いで構成される実施行為及び複数主体により構成される実施行為に関連する中国専利法、民法典、最高人民法院による司法解釈の規定について紹介している。)

(2)国境を跨いで構成される実施行為による侵害 P.122
(i)裁判例
①国外に設置されたサーバからサービスが行われた事例
②国外で収集した証拠により侵害主張した事例
(ii)論文等
①国境を跨いだ間接侵害について言及した論文
②管轄権の域外適用について言及した論文
(iii)海外質問票調査
(海外質問票調査で得られた回答のうち、上記(ⅰ)裁判例、(ⅱ)論文等、以外の内容を中心に紹介している。)
① 国境を跨いだ特許権侵害についての中国法律事務所コメント
②国境を跨いだ間接侵害についての中国法律事務所コメント
③特許権侵害訴訟以外の裁判例

(3)複数主体により構成される実施行為による侵害 P.127
(i)裁判例
①ユーザと単一事業者からなる複数主体により実施された事例
②ユーザと複数事業者からなる複数主体により実施された事例
③相互に関連性が深い複数主体により実施された事例
④部品提供業者を含む複数主体により実施された事例
⑤間接侵害(幇助)を認定するために考慮される要素を示した事例
(ii)論文等
①複数主体による方法専利発明の実施について言及した論文
②複数主体による共同侵害または間接侵害について言及した論文
③複数主体の権利侵害行為の保護強化について言及した論文
(iii)海外質問票調査
(海外質問票調査で得られた回答のうち、上記(ⅰ)裁判例、(ⅱ)論文等、以外の内容を中心に紹介している。)
①特許権侵害訴訟以外の裁判例

資料III 海外質問票調査
資料5 中国調査結果 P.439
(法律・裁判例などに関する11の質問に対する中国法律事務所の回答を紹介している。)

中国における専利権侵害訴訟手続の概要

専利権侵害訴訟手続フローチャート図

1.裁判制度
 中国の裁判制度は、「四級二審制」とよばれており、全部で四つの等級の人民法院から構成され、当事者が、第1審の判決に不服な場合は、一度だけその一等級上の人民法院に上訴する機会が与えられる(民事訴訟法第171条)。上訴された場合は、一級上の人民法院により第2審手続が行われ、その第2審判決が確定判決となり、効力が発生する(民事訴訟法第182条)。

 なお、確定判決に重大な瑕疵がある場合は、当事者は、確定判決の人民法院の一級上の人民法院に再審を申し立てることができるが、再審手続を行うか否かは、申立てを受けた人民法院が決定するものであり、再審理由はかなり限られている(民事訴訟法第205~207条)。

2.管轄
 特許権と実用新案権の侵害訴訟は、原則第1審は、知識産権法院、省・自治区・直轄市の人民政府所在地の中級人民法院、または最高人民法院が指定した中級人民法院が管轄する(最高人民法院による第一審の知的財産に係る民事及び行政案件の管轄に関する若干規定(以下、「知財案件管轄若干規定」という。)第1条)。意匠権の侵害訴訟は、第1審は、知識産権法院と、中級人民法院と、最高人民法院が指定した下級人民法院が管轄する(知財案件管轄若干規定第2条)。

 土地管轄は、被告所在地または侵害行為地の人民法院が管轄権を有する。侵害行為地には、侵害行為発生地と侵害結果発生地が含まれる(最高人民法院による専利紛争案件の審理における法律適用の問題に関する若干の規定(以下、「専利紛争案件若干規定」という。)第2条)。

 なお、複数の人民法院が管轄権を有する場合は、原告は、いずれか一つの人民法院に提訴することができる。また、複数の被告が存在する場合は、いずれか一つの被告の所在地または侵害行為地の人民法院を選択して提訴することができる(民事訴訟法第36条)。被疑製品の製造者および販売者を共同被告として訴訟を提起する場合、販売地の人民法院が管轄権を有する(専利紛争案件若干規定第3条)。

3.提訴
 訴訟手続は、提訴により開始される。提訴するときに、原告は、管轄権を有する人民法院に、以下の書類を提出しなければならない。

3-1.訴状の原本および副本
 訴状には、原告と被告、請求の趣旨、事実と理由を記載する。

3-2.基本的な証拠
 基本的な証拠は、以下のとおりである。
(1) 専利権の登録原簿
(2) 年金納付証明(領収書等)
(3) 被告の侵害行為を裏付ける公証書類
(4) 原告側主体証明書類
 (a) 現在事項全部証明書およびその公証ならびにApostille認証
  (2023年11月07日より前は、中国在日大使館または領事館による認証が必要であるが、2023年11月07日以降は、Apostille認証だけで十分である。)
 (b) 法定代表者証明書およびそのApostille認証
 (c) 委任状およびそのApostille認証
 (d) 社長印の印鑑証明書およびそのApostille認証
  (委任状および法廷代表者証明書に押印する印鑑について、人民法院から、社印の上に、さらに社長印による捺印も要求される場合、上記証明書類が必要となる。)
 (e) 人民法院に認められた翻訳機関による上記(a)~(d)の中国語翻訳書類
(5)被告側主体証明書類
 家企業信用情報公示システム(https://www.gsxt.gov.cn/)からダウンロードした工商登録情報ページ

4.訴状審査
 人民法院は、提訴されたときは、起訴要件を満たしているか否かを審査する。起訴要件を満たしていないと判断したときは、7日以内に不受理の裁定を行う。原告は、不受理の裁定に不服がある場合は、裁定書の受領日から10日以内(在外者については30日以内)に上訴することができる。人民法院は、起訴要件を満たしていると判断したときは、7日以内に受理して当事者に通知し、受理の日から5日以内に訴状の副本を被告に送付する(民事訴訟法第126条、第128条)。

5.開廷前手続
 被告は、答弁を行う場合、訴状の副本の受領日から15日以内(在外者の場合は30日以内)(以下、「答弁期間」という。)に答弁書を提出しなければならない(民事訴訟法第128条)。

 当事者は、当該答弁期間内に管轄権に関する異議申立を行い、事件を他の人民法院へ移送することを請求することができる。人民法院は、申立に理由がある場合、事件を当該他の人民法院に移送する裁定を行い、申立に理由がない場合は当該異議申立を却下する裁定を行う。当事者は、裁定に不服がある場合は、裁定書の受領日から10日以内(在外者については30日以内)に上訴することができる(民事訴訟法第130条)。

また、被告、前記答弁期間内に、原告の専利権に対する無効審判を請求し、その無効審判に基づいて侵害訴訟の中止を申請できる。しかしながら、実用新案権または意匠権についての無効理由が発見されない旨の専利権評価報告書がある場合、または、発明特許の場合は、裁判所は中止申請を許可しないことができる(専利紛争案件若干規定第4~8条)。

 その後、人民法院は、合議体を形成して、口頭審理の期日を定め、当事者双方に呼出状を送付する。

6.口頭審理
6-1.冒頭手続
 法廷秩序を読み上げると同時に、当事者の有する法廷上の権利を通知する。その後、当事者、代理人の身分を確認する。また、各当事者に対して裁判官、書記官の忌避または除斥の申請をするか否かを確認する。

6-2.法廷調査
 法廷調査は、事実の認定を目的とする。まず、原告が、訴訟請求およびその根拠となる事実と理由を述べ、被告が、答弁としてそれに依拠する事実と理由を述べる。
 その後、証拠調べを行う。原告が、証拠を提出し、被告は、提出された証拠に対して真実性、合法性、関連性に関する意見を述べる。その後、被告が、証拠を提出し、原告が、提出した証拠に対して真実性、合法性、関連性に関する意見を述べる。証人がいる場合は、証人尋問を行う。

6-3.法廷弁論
 法廷調査の段階で認定された事実に基づいて、原告と被告がそれぞれの主張を述べた後、双方が互いに弁論する。法廷弁論の段階で、新たな事実が判明した場合は、法廷調査の段階に戻ることもある。

6-4.和解の試み
 当事者双方に和解の意思があれば、裁判長は、裁判上の和解を行う。ただし、当事者の一方が和解の意思がないことを表明すれば、この段階は終了する。和解が成立した場合は、人民法院により和解調書が作成される。この和解調書は、確定判決と同等の法的効力を有する。

7.判決
 第1審手続は、国内案件では受理日から6か月以内に終結することが求められている(民事訴訟法第152条)が、法院側は当該案件審理期限を延長することができる。また、渉外案件は、この制限を受けないため、実際は1年以上かかることが多い。各当事者は、第1審判決に対して不服である場合は、判決の送達日から15日以内(在外者については30日以内)に一級上の人民法院に上訴することができる(民事訴訟法第171条、第276条)。

中国における意匠出願の必要書類「簡単な説明」について

1.意匠出願の「簡単な説明(中国語「简要说明」)」の内容
(1) 「簡単な説明」には、以下の内容を含める必要がある(実施細則第28条)。
 (a) 意匠物品の名称、
 (b) 意匠物品の用途
 (c) 意匠の設計要点(中国語「外观设计的设计要点」)
 (d) 設計要点を最も良く表せる図面または写真

 また、実際の状況に応じて、上記4点以外の内容も必要とする場合がある。例えば、ある図面を省略する場合や色の保護を求める場合、「簡単な説明」の中でその点について説明しなければならない。また、一件の出願で一つの物品(中国語「同一产品」)の複数の類似意匠(中国語「相似外观设计」)を出願する場合は、「簡単な説明」の中でいずれかを基本意匠(中国語「基本外观设计」)として指定しなければならない。

 この他、「簡単な説明」には、商業的な宣伝用語を含めることはできず、物品の性能や内部構造を説明してはならない。物品の性能等、「簡単な説明」に記載すべきでない内容を記載した場合、それらの記載を削除するよう通知書が発行される。

(2) 上記4点は、以下の要求に合致させる必要がある(専利審査指南第1部分第3章4.3)。
 (a) 「簡単な説明」における意匠に係る物品の名称は、願書の物品の名称と一致しなければならない。
 (b) 「簡単な説明」における意匠に係る物品の用途は、物品の類別を確定しやすいように用途を記載しなければならず、複数の用途を有する物品の場合は、対象物品の複数の用途を記載しなければならない。
 (c) 意匠の設計要点とは、先行意匠(中国語「现有设计」)と区別されるような物品の形状、図案およびその組み合わせ、あるいは色彩と形状、図案の組み合わせ、あるいは部位を指す。設計要点は簡潔に記載しなければならない。
 (d) 設計要点を最も良く表す図面または写真を指定しなければならず、指定された図面または写真は、専利公報に代表図(主視図)として掲載される。

(3) 部分意匠の簡単な説明
 2021年6月1日より施行された改正専利法第2条第4項および国家知識産権局公告第510号第1条の規定に基づき、意匠出願人は2021年6月1日(同日を含む)より、物品の部分の保護を請求する意匠専利出願を提出することができる。部分意匠専利を出願する場合、物品全体の斜視図を提出するとともに、破線と実線の組み合わせ、または他の方式により保護しようとする内容を表さなければならず、物品全体の斜視図において破線と実線の組み合わせ方式により保護しようとする内容を表していない場合は、簡単な説明において保護を請求する部分を明記しなければならない。

(4) 中国を指定した国際出願の簡単な説明
 中国は世界知的所有権機関(WIPO)の「意匠の国際登録に関するハーグ協定」(以下、「ハーグ協定」という。)に既に加入しており、当該協定は2022年5月5日に中国で発効した。
 ハーグ協定(1999年改正協定)第5条(2)(b)(ii)に基づき、中国の法律に基づいて出願日を取得するためには、中国を指定する国際意匠出願は保護を請求する意匠の特徴を説明した簡単な説明を含まなければならないことが宣言された(ハーグ協定第5条(2)(b)(ii)に基づく宣言)。
 注意すべきは、国家知識産権局公告第511号第4条により、設計要点を含む説明書が国際事務局により公表された国際意匠出願に含まれている場合、既に簡単な説明は提出されたとみなされることである。

2.「簡単な説明」と意匠権の保護範囲の関係
(1) 意匠権の保護範囲は、図面又は写真に表示される物品の意匠を基準とし、「簡単な説明」は、図面又は写真に表示される物品の意匠を解釈するのに用いることができる(専利法第64条第2項)。

(2) また、「最高人民法院による専利権侵害をめぐる紛争案件の審理における法律適用の若干問題に関する解釈」(2010年1月1日施行。以下、「司法解釈」という。)においては、意匠権の保護範囲に関して、以下のように定められている。

 第8条 登録意匠に係わる物品の種類と同一又は類似する物品において、登録意匠と同一又は類似する意匠を用いた場合、人民法院は権利侵害で訴えられた設計が、専利法第59条第2項※1に定めた意匠権の保護範囲に入っていると認定しなければならない。

 第9条 人民法院は意匠に係わる物品の用途を基に、物品の種類の同一又は類似を認定しなければならない。物品の用途確定にあたって、意匠の簡単な説明、意匠の国際分類表、物品の機能、および物品の販売や実際の利用状況などの要素を参酌することができる。

 第10条 人民法院は、登録意匠に係わる物品の一般消費者の知識水準と認知能力を以って、意匠の同一又は類似の判断を行わなければならない。

 第11条 意匠の同一又は類似の認定にあたって、人民法院は、登録意匠、権利侵害で訴えられた設計の設計特徴に基づき、意匠全体の視覚効果を以って総合的に判断しなければならない。主に技術的な機能で決まるような設計特徴、および全体の視覚効果に影響を与えないような物品の材料や、内部構造などの特徴は考慮しない。

 次のような状況は通常、意匠全体の視覚効果に対してより大きな影響を与える。
(一)他の部分に対して、物品の正常使用時に容易に直接観察できる部分
(二)登録意匠におけるその他の設計特徴に対して、登録意匠の既存設計と区別される設計特徴

権利侵害で訴えられた設計と登録意匠とが、全体の視覚効果において相違のない場合、人民法院は二者の同一を認定し、全体の視覚効果において実質的な相違のない場合、二者の類似を認定しなければならない。

※1 専利法第59条第2項は、2009年10月1日施行の専利法に基づく条文番号であり、2021年6月1日施行の現行専利法では、第64条第2項となる。

(3) 「簡単な説明」が意匠権の保護範囲に与える影響
 以上の規定から、意匠権の保護範囲は、図面または写真に表示される物品の意匠を基準とするとされており、実務上、「簡単な説明」は意匠権の保護範囲に一定の影響があると考えられている。

 (a) まず、意匠に係る物品の名称について、司法解釈第8条から見れば、意匠権の保護範囲を特定する機能を持つことがわかる。
 (b) 意匠物品の用途について、審査指南では、用途を記載する目的は物品の種類を確定するためだとしているが、司法解釈第9条から見れば、これも意匠権の保護範囲を限定する機能を持つことがわかる。
 (c) 意匠の設計要点について、審査指南では、設計要点を記載する目的は出願する意匠と先行意匠とを明確に区別するためだとしているが、設計要点が意匠の保護範囲に影響を及ぼすか否かについては、以下の2つの見解に分かれている。

・侵害が訴えられた物品と意匠の設計要点が同一または類似する場合、物品の他の部分が同一または類似であるか否かにかかわらず、同一または類似する意匠であると判断し、侵害が訴えられた物品の設計は意匠権の保護範囲に入る、という見解。

・意匠の同一または類似を判断する際は、総合的に判断すべきであり、設計要点が同一または類似し、かつ、設計要点が物品の外観の主要部分である、あるいは物品の外観の主要部分ではないが物品の全体外観と同一または類似する場合のみ、同一または類似の意匠であると判断し、侵害が訴えられている物品の意匠は、意匠権の保護範囲に入る。もし設計要点が物品全体の外観において占める割合が非常に小さく、物品全体の外観の識別に影響を及ぼさない場合、類似する意匠と判断すべきではない、という見解。

【留意事項】
 中国では、意匠の「簡単な説明」の内容について具体的な規定があり、物品の性能や内部構造を説明することができず、この点は日本と異なる。

 「簡単な説明」の記載は、意匠の解釈に供される程度のもので、直接的な法律的効果は規定されていないが、禁反言の原則が適用されることも考えられるので、権利行使時の保護範囲の広狭にも配慮して検討されるべきである。

 「簡単な説明」における設計要点が意匠の保護範囲に影響を及ぼすかどうか、また、その影響の程度が不確定であるため、実務においては、一般的に設計要点に対して具体的な記載を避ける方向で対応している。設計要点を、例えば「設計要点は、意匠物品の形状にある」、「設計要点は、意匠物品の図案にある」、「図Xの示す意匠形状のとおりである」というような書き方をすることができる。

 意匠物品の類否は、その用途に基づいて認定すべきである(司法解釈第9条)とされており、意匠物品の用途の記載が将来の意匠権の範囲に大きな影響を及ぼす可能性が否定できないので、先行意匠との類否の可能性と保護範囲の広狭の2つの観点から充分に検討されるべきである。設計要点の記載についても同様で、登録意匠の要部(設計特徴)判断に大きな影響を及ぼすことも考えられるので、具体的な記載を行う場合には充分な検討が必要である。

中国最高人民法院の判決の調べ方

 中国最高人民法院の判決を調べるには、いくつかの方法がある。以下に、比較的よく利用されている代表的なサイトを紹介する。
 なお、中国のサイトへ日本からアクセスする場合には、通信状況により接続に時間がかかるか、または接続できない場合があるので注意されたい。

1.「中国裁判文書網(中国裁判文书网)」サイト(図1)(https://wenshu.court.gov.cn/
(1) このサイトは、最高人民法院が管理している無料のサイトで、最高人民法院の判決だけでなく、地方人民法院が出した知的財産を含む各種事件に関する判決も掲載されている。ただし、知的財産に関する全ての事件の判決が掲載されているわけではない。

サイトへアクセスして、トップページ(図1)上方の「民事案件」をクリックすると、ログイン画面(図2)となる。まず、当該画面の上段に、電話番号を入力する。その際、国コードを選択した後、電話番号を入力する。(冒頭が、0の場合は、その0は入力しない。)
次に、その下欄にパスワードを入力し、「登录」ボタンをクリックして、ログインすると、検索画面(図3)に遷移する。

図1 トップページ

図2 ログイン画面

【初めて利用する場合】
(1-1) 初めて利用する場合は、アカウントの登録が必要である。まず、ログイン画面(図2)右下の「注册(登録)」をクリックし、「微信扫码注册(ウィーチャットQRコードスキャン登録)」のQRコードを表示する(図2a)。

        図2a:注册(登録)ステップのQRコード画面

(1-2) 予め、携帯端末にウィーチャット(中国のメッセンジャーアプリ)をインストールしておき、その「扫一扫(スキャン)」機能を利用して、上記QRコードをスキャンする。
 スキャンすると、図2b「扫码成功,请在手机上完成账户绑定(スキャンが成功、携帯端末でアカウントに携帯電話番号をバインドしてください)」の情報が提示される。

        図2b:スキャン成功のステップの画面

以上で、携帯端末による携帯番号のバインドが、完了した。

(1-4) 携帯端末による上記操作後、パソコン画面が、パスワード設定画面(図2c)となるので、パスワードを設定するステップに入る。
・パスワード(少なくとも英語大文字のA-Z、英語小文字のa-z、数字の0-9、特殊文字のうちの3種類を組み合わせて8桁以上から構成し設定する必要がある)を入力し、再度、その下欄にパスワードを再入力する。
・次に、その下の小さい空白四角形「中国裁判文书网用户协议(中国裁判文書網ユーザー協議)」をチェックした後、
・「立即提交(即時提出)」ボタンをクリックすれば、登録が完了する。

図2c:パスワード設定画面

(1-5) 登録が完了すると、図2d画面に変わり、アカウントの入手が成功となる。

図2d:アカウント入手成功画面

(1-6) アカウント入手成功画面(図2d)の右下の「登录」をクリックすると、下記ログイン画面(図2)が表示される。そこで、国番号(日本の場合は、+81)を選択(黒い三角をクリックして選択する、入力不可)し、登録用の携帯電話番号(80あるいは90で開始)、図2cで設定済みのパスワードを入力し、「登录」をクリックすれば、当該サイトにログインすることができる。

図2:ログイン画面(再掲)

(1-7) 上述のウィーチャットによる登録方法のほか、携帯端末に「支付宝(アリペイ)」、「钉钉(ディントーク)」のアプリのアカウントを保有している場合、QRコード画面の右下の「其他注册方式(その他の登録方法)」の青い「支」のアイコンをクリックし、アリペイまたはディントークのスキャン機能を利用し、携帯端末でアカウントに携帯電話番号をバインドすることもできる。

 上述の携帯番号とパスワードでログインする方法以外に、図2ログイン画面の下方の「在线服务(ウィーチャットのオンラインサービス)」、「支付宝(アリペイ)」、「钉钉(ディントーク)」のアプリのアカウントを保有している場合、直接そのアイコンをクリックすると、図2e~2gに示すログイン画面が表示されるので、携帯電話にインストールされたウィーチャットやアリペイやディントークのアプリを利用し、対応するQRコードをスキャンすると、携帯端末のアプリで認証や許可をした後、ウェブサイト側が自動的にログインする。

図2e:在线服务(ウィーチャット)のログイン画面

図2f:支付宝(アリペイ)のログイン画面

図2g:钉钉(ディントークのログイン画面)

(2)検索画面(図3)の左側の「案由(事由)」欄で「知识产权与竞争纠纷(知的財産権と競争紛争)」を、「法院层级(裁判所の級別)」欄で「最高法院」を選択すると、最高人民法院の知的財産に関する判決を検索することができる。

図3 検索画面

2.法律図書館「裁判文書」サイト(図4)(http://www.law-lib.com/cpws/
 サイトにアクセスして、右側の「裁判文書タイトル(裁判文书题目)」にキーワードを入力し、「裁判文書単位(裁判文书单位)」に「最高人民法院」を入力した後、「検索」ボタンをクリックすると、最高人民法院の判決を検索することができる。

 法律図書館は杭州法図網絡科技有限公司が運営する総合的法律専門サイトである。最高人民法院を含む人民法院が出した判決の検索が可能であるが、最高人民法院の知的財産に関する判決に絞った検索ができない。また、キーワードの検索対象がタイトルに限られるため、十分な検索ができないことがある。

図4

3.その他
 最高人民法院を含む人民法院が出した判決の検索が可能な有料のサービスとして、北京北大英華科技有限公司と北京大学法律人工知能実験室が共同創立したサイトの「北大法宝・司法案例庫」(https://www.pkulaw.com/case/)、北京大学が出資する北京法意科技有限公司が運営する「北大法意」(http://www.lawyee.org/)、Wolters Kluwerが運営する「威科先行・法律信息庫」(https://law.wkinfo.com.cn/)、北京知産宝網絡科技発展有限公司が運営する「知産宝」(https://www.iphouse.cn/)等のサイトがある。

中国における「商標権侵害判断基準に関する理解と適用」の解説(前編)

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