中国専利法第4次改正について
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ロシアにおける知的財産の権利移転、知的財産権侵害、著作権の使用および商標登録手続の法改正
【詳細】
ロシアでは、2014年10月1日、知的財産に関連するロシア連邦民法典の数多くの改正が発効した(一部の改正は、2015年1月1日に発効)。本稿では、改正により導入される極めて重要な改正点のうち、知的財産の権利移転等に関する手続き、知的財産権侵害、著作権の使用および商標登録手続きにかかる改正点について紹介する。
○知的財産の権利移転等に関する新たな規定
譲渡契約、排他的権利の質権およびライセンス契約の登録手続に関する改正が、2014年10月1日から発効し、知的財産権の移転(またはライセンス)を登録するだけで十分となった(改正ロシア連邦民法典第1232条)。ロシア特許庁は、契約書自体の提出を要求する権限はないため、契約書が法的要件に適合しているかどうかを確認することはできない。当事者に悪意がある場合など、望ましくない結果が生じる可能性はあるが、当事者は契約のすべての条件をロシア特許庁に開示する必要がない。この改正により、国家登録の期間は大幅に短縮される。
営利団体間のライセンス契約に基づく排他的権利のロイヤルティ無償の譲渡または移転は、違法となった点に留意が必要である(改正法第1234条および第1235条)。これに関する立法者の意図は、法人間における寄付の禁止である。つまり、商品の通常の民間流通を保証し、独占禁止法違反を防止することを意図している。
2015年1月1日以降、知的財産権の権利移転等に関して認められる方法が拡大された(改正法第1233条第5項)。すなわち、著作権者は、所有する著作権または関連権利の対象物を他者が無償で使用することを許可するという公式宣言を行うことができるが、後にこれを取り下げることはできない。このような使用の条件および期間は、権利者により決定される。期間が設定されていない場合には、自動的に5年間と見なされる。このような公式宣言は、ロシア特許庁のウェブサイトに掲示することができる。当該宣言の有効期間中、当該宣言を取り下げることはできず、当該宣言に定められた条件を制限することもできない。当該宣言において別段の規定がない限り、使用領域はロシアと見なされる。ただし、対象となる著作権または関連権利の主題に対して同じ期間内に与えられた有効な独占的ライセンスがある場合、権利者はこのような公式宣言を行うことはできない。
○知的財産権の侵害責任
原則として、知的財産権侵害に関して民法により定められた侵害責任は、ロシア連邦民法典に別段の規定がない限り、過失があった場合に適用される。2014年10月1日の改正により、知的財産権侵害者の過失責任主義が規定された(改正法第1250条)。過失がないことの立証責任は、知的財産権の侵害者が負う。損害回復および補償金の支払いといった賠償責任は、侵害行為が商業活動の過程でなされた場合に限り、侵害者の過失とは無関係に適用される。改正に伴い、侵害責任や保護措置は、改正法第1250条に従い適用されるが、契約に基づく無過失賠償責任の排除は不可能となる。
知的財産権侵害の補償金に関する改正法第1252条に基づき、権利者が各侵害行為について補償金を要求する権利は、廃止されている。代わりに、関与した知的財産権の対象物の数に基づいて、補償金が与えられる。
民法の一部の条項は、インターネット上での知的財産権の保護に関する一般的動向に沿って改正されている。例えば、改正法第1252条は、情報および通信ネットワーク上における特定の行為に対する禁止令が仮差止命令として裁判所により出されることを定めた規定により補足されている。
○著作物の使用に関する規定改正
改正民法においては、著作権に関するオープンライセンスについて規定する第1286.1条が導入されている。一般的にオープンライセンスとは、簡単な手続に従い締結できるロイヤルティ無償のライセンス契約である。オープンライセンスにかかる全ての条件が、公衆にとって明示されなければならない。ライセンシーは、新しい著作物を創作する基盤としてライセンス対象となる著作物を使用する権利を与えられる。オープンライセンスは、世界中で広く使用されているが、これまでロシア法では導入されていなかった。
立法者はここでも、権利者の利益と社会の利益とのバランスを取ることを目指している。例えば、権利者の同意を必要とせず、ロイヤルティの支払いも必要としない、著作物を無償使用する正規の方法のリスト(これら規定は、2014年10月1日に発効)が拡大されている。現在、このリストには、教育および医療機関、さらには更生施設へ社会的奉仕を提供する機関による著作物の公的実演、電子媒体への記録および公衆への論文の概要の提供が含まれている。これらの方法で著作物を使用する際は、これまで義務づけられてきたのと同じ方法で、著作者の氏名および引用元に言及しなければならない(改正法第1274条第1項)。
図書館、記録保管所および教育機関による著作物の無償使用(すなわち、権利者の同意を必要とせず、ロイヤルティの支払いも必要としないが、著作者の氏名への言及が義務づけられる)に関する規定が追加されている(改正法第1275条)。これら機関は、電子形式を含む、著作物のコピーを作成し、第三者へ使用目的で提供する権利を有する。このような権利は、同意に基づく図書リソースの相互利用の形式を含む、営利を目的としない場合に認められる。
○商標登録手続きの改正
改正ロシア連邦民法典は、別の法人による類似商標の登録を認める権利者の同意を取り下げることはできないと、厳格に規定している(改正法第1483条)。従前は、同意の取り下げ禁止を公式同意書に含めることは、ロシア特許庁による勧告の一つに過ぎなかった。なお、出願人は、既存の商標と混同を生じるほど類似していると審査官が判断する標章に関しては、たとえ同意書を提出しても、登録が認められ商標登録証が付与されることを100%保証するものではないことに留意しなければならない。
他に、商標および原産地名称の登録出願に関する情報を正式に公開する義務が、ロシア特許庁に課せられている(改正法第1493条および第1522条)。また、出願に関する情報が公開された後、それぞれの登録出願に対する異議申立を行う権利があらゆる者に与えられる。改正前は、関連する自己の法的利害を立証できる者だけが、異議申立することができた。