韓国における特許・実用新案・商標・意匠の審決取消訴訟制度概要
特許法院での審決取消訴訟のフロー
(1) 訴状提出
・特許審判院の審決に不服の場合、審決または決定の謄本の送達を受けた日から30日以内(別途付加期間あり)に特許法院(高等法院級に該当する)に提訴することができる。
・査定系の場合、特許庁長官を被告とする(特許法第187条/実用新案法第33条/商標法第163条/デザイン保護法第167条)。
(2) 訴状審査
・訴訟の必須的記載事項に欠缺がある場合は、裁判長は補正命令をする。欠缺を補正しなければ、訴えは却下される(民事訴訟法第254条2項)。
・裁判長は原告が訴状に引用した書証の謄本等を添付しない場合、これを提出するように命じることができる(民事訴訟法第254条4項)。
(3) 訴状副本等送達
・法院は訴状の副本を被告に送達しなければならない。しかし、副本を送達できない場合には、住所補正等を命じることができ、補正をしなければ訴えは却下される(民事訴訟法第255条1項、2項)。
・被告は公示送達の場合を除き、訴状の副本の送達受領日から30日以内に答弁書を提出しなければならない(民事訴訟法第256条1項)。
(4) 弁論準備手続及び弁論
・裁判長は当事者の攻撃防御方法の要旨を把握するのが難しいと認定する時には、当事者に争点と証拠の整理結果を要約した準備書面を提出するようにすることができる(民事訴訟法第278条)。
・一般的に、特許と実用新案事件は弁論準備手続を踏み、商標と意匠は弁論準備手続なしで弁論に進む。
・弁論準備手続を終えた場合は、最初の弁論期日を経た後に弁論を終結することを原則としている。
・当事者の争点整理等は上記のとおり書面で行うが、裁判は口頭弁論を重視する。両当事者は裁判官の前で、事件の争点につき口頭で説明・主張する。特許の場合は、しばしば、当事者が証人申請を行い、技術内容を正確に把握するために技術者を参加させることもある。
・外国語で作成された文書には、翻訳文を提出しなければならない。
(5) 判決
・判決は弁論が終結された日から2週以内に宣告される。しかし、特別な事情がある場合には4週以内に出される。
・判決は当事者が出席しなくても宣告することができる(民事訴訟法第207条2項)。