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台湾における知的財産権関連の統計へのアクセス方法―取締関係
2020年07月07日
■概要
取締関係について、台湾でよく引用される統計は、税関の水際措置(財政部関務署)および刑事摘発(内政部警政署)であり、それぞれの主務官庁にて公表されている。本稿では、各主務官庁が公表している統計へのアクセス方法を紹介する。■詳細及び留意点
1. 税関の水際措置(財政部関務署)
財務部(日本の財務省に類似する)の関務署(IPR)は、毎年、「海關查緝侵害智慧財產權案件統計表」(日本語訳:「税関の知的財産侵害事件の統計表」)という統計を公表している。
(1)財務部関務署のウェブサイト(英語版)https://eweb.customs.gov.tw/にアクセスし、「Theme Area」の
「」マークをクリックする(上図、マークは順送りに移動する)。
(2)「Statistics」をクリックすると、ここ十年間の年間ごとの模倣品の差押件数等の統計が表示される。希望する年をクリックすると、PDF形式で閲覧できる。「Statistics」のページにある情報は、全て英語である。
(4)例えば、その中の「Customs Statistics of IPR Infringement Cases (2018)」をクリックすると、以下のような画面が表示される。
(5)右下の「pdf(29.44KB)」をクリックすると、PDFファイルを閲覧、印刷することができる。PDFファイルを開くと、以下の取締関係の統計が閲覧できる。
1. Enforcement on IPR Infringement for Export Goods
2. Enforcement on IPR Infringement for Import Goods
3. IPR Infringement Goods by Type of Item
4. IPR Infringement Goods by Source Country
5. IPR Infringement Goods by Type of Transport
2. 刑事摘発(内政部警政署)
定期的に公表されていないが、台湾の内政部警政署(警察の最高機関)は、警政統計通報にて「警察機關查緝侵害智慧財產權成果」(日本語訳:警察の知的財産侵害取締の成果)という統計を公表している。
(1)内政部警政署のウェブサイト(中国語)https://www.npa.gov.tw/NPAGip/wSite/np?ctNode=12552&mp=1にアクセスし、その中の「警政統計通報」をクリックする(下図参照)。ここから、最新の「警察機關查緝侵害智慧財產權成果」(日本語訳:「警察の知的財産侵害取締の成果」)を見ることができる。
(2)例えば、民国「一0七年」(2018年)をクリックすると、複数の警政統計通報が表示される(下図参照)。
(3)20.「107年第33週(107年1-6月警察機關查緝侵害智慧財產權成果)」をクリックすると、以下のような画面が表示される(下図参照)。
上図の「PDF檔案下載」または下図の赤い枠で囲ったPDFをクリックすると、PDFファイルを閲覧、印刷することができる。
(4)PDFファイルを開くと、知的財産侵害に関連する摘発された人数、金額、国籍の内訳など、警察の対応成果を誰でも閲覧できる(下図参照)。
(5)「(二)涉國籍別統計」に知的財産侵害に関する、この十年間の取締件数の推移が表示されている(下図参照)。
3. 留意点
台湾において特許権侵害は刑事犯罪から除外されたため、税関と警察の統計から、関連資料を見つけることはできない。なお、警察が公表した統計は中国語(繁体字)しかないため、文字化けなどによって利用する際に不便が生じる可能性がある。
■ソース
財務部関務署のウェブサイト(英語版)https://eweb.customs.gov.tw/ 内政部警政署のウェブサイト(中国語)
https://www.npa.gov.tw/NPAGip/wSite/np?ctNode=12552&mp=1
■本文書の作成者
理律法律事務所(Lee and Li, Attorneys-at-Law)■協力
日本国際知的財産保護協会■本文書の作成時期
2019.09.02