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フィリピンにおける特許出願の係属期間に関する統計

2018年06月12日

  • アジア
  • 統計
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■概要
フィリピンにおける特許出願および特許付与について、国内居住者と国外住居者とを比較した統計を説明する。
■詳細及び留意点

 フィリピン知的財産庁(IPOPHL)は、1998年から2017年の第3四半期までの特許に関する知的財産統計を発表した。この統計には、特許出願、特許付与、特許出願人の上位を占める者、特許の上位を占める国に関連するデータが含まれている。以下の表1は、過去10年間9ヶ月(2007年から2017年9月)にIPOPHLに提出された特許出願件数を示している。

 

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表1 過去10年間(2007年から2017年9月)における特許出願件数*

*出典-IPOPHL Business Intelligence report(2017年10月13日付)

 

 上の表1で、国外居住者による出願とは、フィリピンに居住していない出願人がIPOPHLに提出した出願を指しており、国内居住者による出願とは、フィリピンに居住している出願人がIPOPHLに提出した出願を指している。また、直接出願とは、パリ条約を通じて提出された国内出願のことであり、PCT出願とは、特許協力条約を通じて提出された出願のことである。

 

 2007年から2016年の過去10年間について言えば、IPOPHLに提出された出願の平均件数は年に3,200件程度である。表1を見ると、国外居住者の出願人が多数の特許出願を行っている。たとえば2016年の場合、特許出願件数は3,098件である。総数3,098件のうち2,844件(およそ92%)は国外居住者の出願人によるものであり、国内居住者の出願人による特許出願件数は254件(およそ8%)である。

 

 2016年にIPOPHLに提出された特許出願の上位を占める出願人の国籍は、アメリカ合衆国、日本、フィリピンである。以下の表2は、2016年の特許出願件数の上位10位までに位置する国を示したものである。

 

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表2 2016年の特許出願の上位を占める出願人の国籍

 

 以下の表3は、2016年の特許出願について出願人となっている企業のうち上位10社までを示したものである。

 

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表3 2016年の特許出願の出願人となっている企業上位10社

 

 2007年から2017年の過去10年間にIPOPHLに提出された特許出願の平均件数は毎年およそ3,200件であるが、過去10年間にIPOPHLが付与した特許の平均件数はおよそ1,670件である。以下の表4は、過去10年間(2007年から2017年)に付与された特許の総件数を示したものである。

 

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表4 特許付与件数(2007年から2017年9月)*

*出典-IPOPHL Business Intelligence report(2017年10月13日付)

 

 2007年から2017年の過去10年間にIPOPHLに提出された出願の平均件数と、同過去10年間にIPOPHLが付与した特許の平均件数に基づいて言えば、IPOPHLの特許付与率はおよそ52%である。

 

 フィリピンにおける特許出願の係属期間はおよそ3年から5年である。しかし、出願または審査請求から特許付与までの期間に関する過去のデータはIPOPHLから提供されていない。また、審査請求の件数、IPOPHLによる特許の決定、拒絶不服審判請求から審決までに要する期間、および出願から最初の拒絶理由通知の発行までに要する期間についても、IPOPHLから提供されていない。

 

 我々(FEDERIS & ASSOCIATES LAW OFFICE)の経験によれば、出願日または国内段階移行日から出願の実体審査を対象とした最初の拒絶理由通知発行までの期間は2年から3年である。

 

 フィリピンの現在の慣行の下では、フィリピン国内出願に対応する外国出願が有利な処分を受けていると、この国内出願の審査を円滑に進めるのに役立つ。それゆえ、国内出願に対応する外国出願が認可通知または特許付与されている場合、その外国出願に関する書類の提出が特許審査の迅速化に役立つ。

 

 さらに、IPOPHLは現在日本国特許庁(JPO)、米国特許商標庁(USPTO)、韓国特許庁(KIPO)および欧州特許庁(EPO)との特許審査ハイウェイ(PPH)プログラムを実施している。また、IPOPHLはASEAN特許審査協力(ASPEC)プログラムにも参加している。これにより、ASPECプログラムに参加しているASEAN加盟国(AMS)の知的財産当局は、調査および審査を実施するにあたって、ASPECプログラムに参加している別のAMSの知的財産当局が実施した調査および審査の結果を参照資料として利用することができる。

 

 フィリピンにとって、ASPECプログラムに参加している他のAMSとは、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、シンガポール、タイ、およびベトナムである。フィリピンの特許出願についてPPHまたはASPECプログラムに基づく申請が提出された場合、当該出願の実体審査を対象とした最初の拒絶理由通知は、平均して申請から6か月から8か月で発行される。

 

 表5および表6は、PPHまたはASPECプログラムに基づきIPOPHLに提出された申請書の数を年別にまとめたものである。なお、EPOとIPOPHLとのPPHプログラムに関しては、試行プログラムの開始が2017年7月1日であったため、表5には示されていない。

 

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表5 IPOPHLに提出されたPPH申請書の数(年別)

*2017年10月現在

 

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表6 IPOPHLに提出されたASPEC申請書の数(年別)

*2016年10月現在

 

 PPHまたはASPECプログラムの適用が申請された事案に関して、IPOPHLは審査期間を実質的に短縮すべく努めている。PPHまたはASPEC申請書が受理可能であるとIPOPHLが判断した場合、その出願は迅速審査の対象として特別な地位を獲得する。それゆえ、フィリピン国内出願に対応する外国出願が認可通知または特許付与されている場合、フィリピンにおいてPPHまたはASPECプログラムの適用を求める申請書を提出することが推奨される。

■ソース
フィリピン知的財産庁の公式ウェブサイト
http://ipophil.gov.ph/ フィリピン知的財産庁が提供する知財統計-特許
http://122.49.208.245/ipophlweb102817/transparency/statistics/patent
■本文書の作成者
FEDERIS & ASSOCIATES LAW OFFICE
■協力
日本技術貿易株式会社
■本文書の作成時期
2018.01.24
■関連キーワード
ASPEC申請   PH-aq-1000   PH:フィリピン   PPH申請   係属期間   入門者向け   出願件数   特許   特許付与件数  

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