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ブラジルにおける知的財産訴訟件数

2017年04月12日

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■概要
国際条約および多国間協定による強い影響を受けて、ブラジルは最も重要性の高い全ての分野(即ち、著作権、商標、特許、工業意匠、営業秘密およびソフトウェア)において知的財産保護を提供する法的枠組みを構築した。ブラジルにおけるIP訴訟の現状を俯瞰できるデータを以下にまとめる。
■詳細及び留意点

 ブラジルにおける産業財産権の保護および権利行使に関連する規定は、ブラジル産業財産法-法律第9.279/1996号(LPI)に定められている。著作権およびソフトウェアに関する法律はそれぞれ、ブラジル著作権法-法律第9.610/1998号(LDA)およびブラジルソフトウェア法-法律第9.609/1998号である。

 とりわけ産業財産法に従い、商標侵害、特許侵害または不正競争行為は、民事上の不法行為および刑事上の犯罪の双方に該当する。それゆえ、商標所有者および特許権者は、民事上および刑事上の救済を受ける権利を有する。

 また、重要な点として、ブラジル産業財産庁(INPI:ブラジルにおいて特許、工業意匠、商標および地理的表示の権利付与に責任を負う機関)または正当な利害関係を有するあらゆる者は、INPIにより付与された商標権または特許権を取り消すために無効請求を提起することができる。同じことが他の種類の産業財産権にも当てはまる。

 同様に、特許および商標出願を拒絶する、またはいずれかの産業財産権を取り消すINPIの行政決定を不服として、無効請求を提起することもできる。

 既存のブラジル裁判所制度およびその制度が構築された方法を考慮して、侵害請求は州裁判所に提起しなければならないが、無効請求の場合は連邦裁判所が管轄権を有する。その理由は、INPIがあらゆる無効手続において当事者にならなければならないため、ブラジル民事訴訟規則に従い、これらの特定の事件を処理するために連邦裁判所の権限が必要になるためである。

 現在、ブラジルには複数の専門化された連邦地方裁判所があり、さらに上訴レベルでは、リオデジャネイロにある第2巡回区連邦控訴裁判所における二つの専門部(specialized panels)が、ブラジルで提起された産業財産権無効請求の大半を審理している。対照的に、州裁判所におけるほとんどの裁判官はIP事件を専門としていない。注目すべき点として、例えばラテンアメリカ最大の金融センターであるサンパウロでは、州控訴裁判所においてIP事件を担当する二つの専門部が設けられているが、第一審裁判官はIP事件を専門としていない。

 

 上記を明確にした上で、下記のグラフは、ブラジルにおけるIP訴訟の現状を俯瞰できるように、州裁判所、連邦裁判所、司法最高裁判所および最高裁判所における事件をIP分野別に分類したものである。

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 尚、ブラジルの司法制度は、IP分野別の訴訟に関する公式データを提供していないため、本書において報告されたデータは、詳細な調査を通してダーツIP(www.darts-ip.com法データベース)から入手したものである。かかる情報は、指定された年において裁判所判決(あらゆる種類)が下された、または申立が提出された訴訟のみを示している。

■ソース
ダーツIP(www.darts-ip.com法データベース)
■本文書の作成者
Gusmão & Labrunie(ブラジル特許事務所)
■協力
日本技術貿易株式会社
■本文書の作成時期

2017.02.15

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