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(中国)未使用略称の未登録周知商標の該当性について

2013年05月09日

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■概要
本案は「索尼爱立信」(ソニーエリクソンの中国語表示)の「索尼」(ソニー)と「爱立信」(エリクソン)の各先頭文字をとった「索爱」という登録商標に対し、ソニーエリクソン社が無効審判を請求したものの、中国商標審判部が維持審決を出したため、それを不服として中級人民法院に提訴した事案である。中級人民法院は「索爱」商標について、ソニーエリクソン社製品を扱う者の間で出願前からソニーエリクソンの略称として広く使用されていたことから、商標法第31条の「不正な手段により、他人が既に使用して一定の影響力を保有する商標」に該当すると認定して登録を取り消した。
■詳細及び留意点

 本件係争商標の登録出願に至るまでに、相次いで多くのサイト上に異なる型番の「索爱携帯電話」及びその他の「索爱」の電子製品に関るレポートやコメントが出現し、これらの製品の生産者はいずれも「ソニーエリクソン会社」又は「ソニーエリクソン(中国)会社」である。中国語の言語表現からみれば、中国語では略称が広範に使用されている言語慣習により、「ソニーエリクソン」を構成する2つの会社又はブランドである「索尼」と「爱立信」から、それぞれ先頭文字をとって略称を構成することは非常に自然である。ソニーエリクソン会社及びソニーエリクソン(中国)会社が設立され、また、同社の携帯電話や電子製品が出荷されて以来、「索爱」という略称は中国の関係公衆やメディアに採用され、且つ広く使用されている。この略称は既に広範な消費者に一致して認められたので、「ソニーエリクソン」の公認略称として成立している。

 ソニーエリクソン(中国)会社は「索爱」を未登録商標として宣伝していないと認めているが、消費者の認識やメディアによる宣伝の共同作用により、すでにソニーエリクソン(中国)会社は、「索爱」商標を使用した実際の効果を得ているから、「索爱」は実質上すでに同社の中国で使用される商標となっている。

 業界内で比較的高い知名度があるソニー会社及びエリクソン会社が共同設立したソニーエリクソン会社及びその後設立したソニーエリクソン(中国)会社は、その知名度は同時期に設立した一般企業に比べても高く、長年エレクトロニクス業界に従事した商標権者の刘建佳は明らかに知っているべきであり、電話機などの商品において係争商標を登録した行為は明らかに不当である。

 上記を踏まえて、刘建佳の係争商標を登録した行為は誠実信用の原則に違反しており、ソニーエリクソン(中国)会社の未登録かつ一定の影響力を有する「索爱」商標を先取りした行為に該当し、商標法第31条によって同商標は登録されるべきではない。

 

参考(北京市第一中級人民法院行政判決書2008年8月10日付(2008)一中行初字第196号より抜粋):

一、争议商标是否属于《商标法》第十条第一款第(八)项规定的具有其他不良影响的标志。

根据《商标法》第十条第一款第(八)项的规定,有害于社会主义道德风尚或者有其他不良影响的标志不得作为商标使用。所属不良影响应当是指除了违背社会主义道德风尚以外,某商标的注册将损害我国政治制度、政治生活、宗教信仰、风俗习惯等,与社会主义道德风尚均属于意识形态范畴。结合本案而言,争议商标的注册与否虽然对社会公众利益也会产生一定的影响,但是这种影响尚未达到与意识形态领域的政治制度、政治生活、宗教信仰、风俗习惯等相关的程度,故争议商标不属于《商标法》第十条第一款第(八)项规定的具有其他不良影响的标志。而索尼爱立信(中国)公司所述商标评审委员会做出的其他裁定对本案不应产生影响。据此,索尼爱立信(中国)公司关于争议商标属于《商标法》第十条第一款第(八)项规定的具有其他不良影响的标志的主张缺乏法律依据,本院不予支持。

二、关于“索爱”是否为未注册驰名商标。

 《商标法》第十四条规定,认定驰名商标应当考虑相关公众对该商标的知晓程度,该商标使用的持续时间,该商标的任何宣传工作的持续时间、程度和地理范围,该商标作为驰名商标受保护的记录,该商标驰名的其他因素等。

 在本案中,索尼爱立信(中国)公司并未依照上述法律规定提交能够充分证明在争议商标申请注册时“索爱”已经成为驰名商标的相关证据,故其关于“索爱”为未注册驰名商标的主张缺乏事实依据,本院不予支持。

三、争议商标的注册是否违反了《商标法》第三十一条的规定。

 《商标法》第三十一条规定,申请商标注册不得损害他人现有的在先权利,也不得以不正当手段抢先注册他人已经使用并有一定影响的商标。结合本案而言,主要从以下两个方面进行分析。

(一)关于“索爱”和“索尼爱立信”的关系。

 索尼爱立信(中国)公司在评审阶段提交的(2005)沪虹证经字第2301号和第2302号公证书均是对互联网上相关内容进行现场实时下载、打印过程的公证,商标评审委员会和刘建佳对其真实性均无异议。尽管商标评审委员会和刘建佳均对打印的互联网内容的真实性提出异议,但在评审阶段和本案一审诉讼阶段,刘建佳和商标评审委员会均未就该主张提交证据予以证明,故本院对商标评审委员会和刘建佳对打印内容的真实性所提异议不予采信。

 从索尼爱立信(中国)公司在评审阶段提交的(2005)沪虹证经字第2301号、第2302号公证书以及(2007)沪黄一证经字第5986号公证书所体现的网页内容可以看出,从2002年12月开始直至争议商标申请注册之前,曾先后在多家网站上出现了对不同型号“索爱手机”以及其他“索爱”电子产品的报导、评论,且这些产品的生产者均指向“索尼爱立信公司”或“索尼爱立信(中国)公司”。从汉语的语言表达来看,“索尼爱立信”在呼叫上相对繁琐,根据汉语中广泛使用简称(或称之为缩略语)的语言习惯,在组成“索尼爱立信”的两家公司或品牌“索尼”和“爱立信”中各取一字构成对其简称是非常自然的。通过上述互联网上持续出现的内容也可以进一步佐证,在日常生活中,自索尼爱立信公司和索尼爱立信(中国)公司成立以及其手机和电子产品面世后,“索爱”这一简称被中国相关公众、媒体采用并广泛使用,且这种称谓已被广大消费者感知并一致认同,成为“索尼爱立信”公认的简称,与之形成了唯一的对应关系。虽然刘建佳试图举证证明在实际生活中可能存在其他包含“索爱”文字的注册商标,但仍不能证明该“索爱”商标已经能够使广大消费者意识到在手机和相关电子产品上还有其他“索爱”品牌的产品,故刘建佳的主张本院不予支持。

(二)“索爱”是否为在中国已经使用并有一定影响的商标。

 商标的最基本作用之一即在于区分商品的来源,消费者作为直接受众,他们对商标的认知、呼叫将对相关商品的声誉以至于生产厂商的商业信誉产生极大影响,而相关媒体对于商品的宣传、报导以及评价无疑也会起到促进作用。而且,消费者的认可和媒体的宣传、报导的关系是相辅相成、相互影响的。就本案而言,“索爱”已被广大消费者和媒体认可并使用,具有了区分不同商品来源、标志产品质量的作用,这些实际使用效果、影响自然及于索尼爱立信公司和索尼爱立信(中国)公司,其实质即等同于他们的使用。因此,尽管索尼爱立信(中国)公司认可其没有将“索爱”作为其未注册商标进行宣传,但消费者的认可和媒体的宣传共同作用,已经达到了索尼爱立信(中国)公司自己使用“索爱”商标的实际效果,故“索爱”实质上已经成为该公司在中国使用的商标。

 另一方面,《商标法》第三十一条关于不得以不正当手段抢先注册他人已经使用并有一定影响的商标的规定,其立法目的在于限制违反诚实信用原则,恶意抢注他人未注册商标的行为。在本案中,索尼爱立信(中国)公司于2002年8月成立,在争议商标申请注册即2003年3月之前,已有相关媒体对索尼爱立信公司和索尼爱立信(中国)公司的“索爱”手机和其他电子产品进行宣传、报导。而且,作为业内具有较高知名度的索尼公司和爱立信公司共同成立的索尼爱立信公司以及在后成立的索尼爱立信(中国)公司,其知名度也高于其他同时间成立的一般企业。上述情况对于多年从事“电子行业”的刘建佳而言,其显然是应当知道的,换言之,索尼爱立信公司和索尼爱立信(中国)公司以及它们生产的“索爱”产品的影响已经及于刘建佳。因此,刘建佳在知道索尼爱立信公司和索尼爱立信(中国)公司拥有的“索爱”商标及其影响力的情况下,仍然在电话机等商品上注册争议商标,其行为明显具有不正当性。刘建佳关于争议商标申请注册时,索尼爱立信(中国)公司成立只有半年,其不可能具有较高知名度的主张缺乏事实和法律依据,本院不予采信。

 综上,刘建佳注册争议商标违反了诚实信用原则,系对索尼爱立信(中国)公司未注册且有一定影响的“索爱”商标的抢注,该商标不应予以注册。

(参考訳)

一、係争商標は《商標法》第10条第1項第8号に規定されたその他の悪影響を及ぼす標識に該当するか否かにつき、《商標法》第10条第1項第8号は、社会主義道徳の風潮又はその他悪影響を有する商標は商標として使用することはできないと規定する。悪影響を有するものは社会主義道徳風潮違反のものの他、ある商標の登録が我が国の政治制度、政治生活、宗教信仰、風俗慣習などに損害を与えるものを指すべきであり、社会主義道徳風潮と共に、何れも意識形態の範疇に属するものである。本案について、係争商標を登録するか否かは社会公衆利益に対しても一定の影響を与えるが、この影響が、意識形態領域の政治制度、政治生活、宗教信仰、風俗慣習等と関連する程度に未だ至っていないから、係争商標は《商標法》第10条第1項第8号が規定するその他の悪影響を有する標識に該当するとの主張は法律依拠を欠き、当裁判所は支持しない。

二、「索爱」は未登録の著名商標に該当するか否かについて

 《商標法》第14条は、著名商標を認定するには、関連公衆が当該商標に対する認知度、当該商標の継続的な使用期間、当該商標のあらゆる宣伝活動の継続期間、程度及び地理的範囲、当該商標が著名商標としての保護記録、当該商標が著名であることのその他の要素等を考慮しなければならないと規定する。

 本案において、ソニーエリクソン(中国)会社は上述の法律の規定に従い、係争商標が商標出願時に「索爱」が既に著名商標になっていたことを十分証明できる証拠を提出していなかったから、「索爱」は未登録の著名商標であるとの主張は事実依拠を欠き、当裁判所は支持しない。

三、係争商標の登録は《商標法》第31条の規定に違反するか否かについて

 《商標法》第31条は、商標登録出願は先に存在する他人の権利を侵害してはならず、他人が先に使用している一定の影響力のある商標を不正な手段で登録してはならないと規定する。本案について、主に以下の二方面から分析する。

(一)「索爱」と「ソニーエリクソン」の関係について

 ソニーエリクソン(中国)会社が評審段階で提出した(2005)沪虹证经字第2301号、第2302号公証書は、いずれもインターネット上の関連する内容について、その場でサイトのリアルタイムダウンロードをして印刷する過程の公証であり、商標審判部(中国語「商标评审委员会」)及び刘建佳はいずれもその真実性について異議を述べていない。商標審判部及び刘建佳はいずれも印刷したインターネットの内容の真実性について異議を述べたが、評審段階及び第一審訴訟段階で、刘建佳及び商標審判部のいずれも、この主張を証明できる証拠を提出していなかったので、当裁判所は、商標審判部及び刘建佳が印刷内容の真実性に対して述べた異議を採用しない。

 ソニーエリクソン(中国)会社が評審段階で提出した(2005)沪虹证经字第2301号、第2302号公証書及び(2007)沪黄一证经字第5986号公証書に記載されたウェブサイトの内容により、2002年12月から係争商標の出願前までに相次いで多くのサイト上に異なる型番の「索爱携帯電話」及びその他の「索爱」の電子製品のレポートやコメントが出現し、これらの製品の生産者はいずれも「ソニーエリクソン会社」又は「ソニーエリクソン(中国)会社」を指している。中国語の言語表現からみれば、「ソニーエリクソン」は発音上相対的に冗長であり、中国語で略称が広汎に使用されている(又は発音の省略語)言語慣習により、「ソニーエリクソン」を構成する2つの会社又はブランドである「索尼」と「爱立信」から、それぞれ先頭文字をとって略称を構成することは非常に自然である。上述のインターネット上に継続して出現してきた内容により、日常生活において、ソニーエリクソン会社及びソニーエリクソン(中国)会社の設立及び同社の携帯電話や電子製品が出荷されて以来、「索爱」という略称が中国の関連公衆やメディアに採用され、広く使用され、且つこの称呼は既に広範囲の消費者に認知され且つ一致して認められ、「ソニーエリクソン」の公認略称として成立し、「ソニーエリクソン」と唯一の対応関係を築いたことを更に証明できる。刘建佳は証拠を挙げて実際の生活でその他の「索爱」の文字を含んだ登録商標が存在することは可能であると証明しようとしたが、同「索爱」商標が広範囲の消費者に、携帯電話及びその関連電子製品について、その他の「索爱」ブランド製品も依然存在すると認識させることを証明できないから、刘建佳の主張を当裁判所は支持しない。

(二)「索爱」が既に中国において使用され、且つ一定の影響力を有する商標になったか否かについて

 商標の最も基本的機能の一つは、商品の出所を区別することである。消費者は直接の対象として、それらは商標についての認知、呼び方が関連商品の声誉ないしメーカーのビジネス名誉に極めて大きな影響を与え、関連メディアの商品に対する宣伝、報告及び評価も促進の役割を果たしているに違いない。また、消費者の認知やメディアの宣伝や報告の関係は持ちつ持たれつであり、相互に影響しあっている。本案について、「索爱」はすでに広範囲の消費者とメディアに認められ且つ使用され、異なる商品の出所を区別させ、製品の品質を表示する役割を持つようになったので、これら実際の使用効果、影響力はソニーエリクソン会社及びソニーエリクソン(中国)会社に当然に及び、実質的に彼らが使用していることと同じである。よって、ソニーエリクソン(中国)会社は「索爱」を未登録商標として宣伝していないと認めているが、消費者の認知やメディアによる宣伝の共同作用により、すでにソニーエリクソン(中国)会社は、自分で「索爱」商標を使用した実際の効果に至っているから、「索爱」は実質上すでに同社の中国で使用される商標となった。

 一方、《商標法》第31条の「他人が先に使用している一定の影響力のある商標を不正な手段で登録してはならない」との規定について、その立法目的は誠実信用の原則の違反と、悪意により他人の未登録商標を先取りした行為を制限することである。本案において、ソニーエリクソン(中国)会社は2002年8月に設立され、係争商標の登録出願の2003年3月の前に、ソニーエリクソン会社及びソニーエリクソン(中国)会社の「索爱」の携帯電話及びその他の電子製品について、関連メディアが既に宣伝し、報道している。また、業界内で比較的高い知名度があるソニー会社及びエリクソン会社が共同設立したソニーエリクソン会社及びその後設立したソニーエリクソン(中国)会社は、その知名度は同時期に設立した一般企業に比べても高い。上記の状況について、長年エレクトロニクス業界に従事した刘建佳は、明らかに知っているべきである。言い換えれば、ソニーエリクソン会社及びソニーエリクソン(中国)会社並びにこれらの会社が生産する「索爱」ブランド製品の影響は、刘建佳にまで既に及んでいるといえる。したがって、刘建佳はソニーエリクソン会社及びソニーエリクソン(中国)会社が有する「索爱」商標及びその影響力を知っている状況下で電話機などの商品において係争商標を登録した行為は明らかに不当である。刘建佳の係争商標の登録出願時において、ソニーエリクソン(中国)会社は成立後たった半年であるので、比較的高い知名度を有することは不可能という主張は事実及び法律の依拠を欠くので、当裁判所は採用しない。

 上記を踏まえて、刘建佳の係争商標を登録した行為は誠実信用の原則に違反しており、ソニーエリクソン(中国)会社の未登録かつ一定の影響力を有する「索爱」商標を先取りした行為に該当し、同商標は登録されるべきではない。

本件係争商標

本件係争商標

 

【留意事項】

 本件では、ソニーエリクソン社は自ら使用していないが、業界関係者で広く使用されてきた「索爱」商標がソニーエリクソン社及び中国現地法人を示す公認略称と認定された。ソニーもエリクソンも業界内での知名度が元々高かったことが幸いし、冒認出願を排除することに成功した。冒認出願の対象は、業界で本人の意思と無関係に使用されている表示にまで及んでいることから、冒認出願の対策として、市場の様子を常に監視することも必要であろう。

■ソース
・北京市第一中級人民法院行政判決書2008年8月10日付(2008)一中行初字第196号
・中国商標法
■本文書の作成者
特許庁総務部企画調査課 根本雅成
■協力
北京林達劉知識産権代理事務所
■本文書の作成時期
2013.01.07
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