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フィリピンにおける知財訴訟等に関連する情報の取得方法
2020年12月22日
■概要
フィリピンの知的財産訴訟関連の情報は、フィリピン知的財産庁(Intellectual Property Office Philippines: IPOPHL)のウェブサイトに掲載されている最高裁判所の判決に係るデータベースから一定程度取得することができる。また、当該ウェブサイトにおいては、フィリピン知的財産庁による知的財産関連事件、審判の決定に関するデータベースも提供されており、これらの事件に関する年ごとの決定件数等の情報を得ることができる。■詳細及び留意点
1.国家知的財産権委員会(National Committee on Intellectual Property Rights)のデータベースへのアクセス
フィリピン知的財産庁のウェブサイト(https://www.ipophil.gov.ph/)上部のメニューから「SERVICES」→「Other Services」→「Alternative Dispute Resolution」→「Case Decisions」を選択すると知財関連事件に関するデータベースにアクセスすることができる。
図1
図2 知財関連事件データベース
2.最高裁判所の判決に関する情報へのアクセス
図3に示すデータベースのメニューから「SC Decisions」をクリックすると、知財に関する最高裁判所(Supreme Court)の判決データベースにアクセスすることができる。
判決データは2011年まで収蔵されており、判決を年度ごとに検索することにより、各年度において最高裁判所で判決がなされた知的財産関係訴訟の件数を確認することができる。
検索は、判決年の他に、判決の月、事件番号、事件名によって行うこともできる。
図3
例として、「DISPOSAL YEAR」で2000年を選択し、「VIEW」をクリックすると、図4に示す2件の情報が検索される。
図4 最高裁判所の判決データベース画面
事件番号131502をクリックすると、図5に示す判決文が表示される。
図5 判決文の表示
3.フィリピン知的財産庁の決定に関する情報へのアクセス
図6に示すデータベースのメニューから「BLA Decisions」をクリックすると、フィリピン知的財産庁の法務局(Bureau of Legal Affair)が下した決定に関するデータベースにアクセスすることができる。
また、同様に、「ODG Decisions」をクリックすると、フィリピン知的財産庁の長官室(Office of Director General)が下した決定(日本における審決に相当)に関するデータベースを閲覧できる。
決定文のデータは、いずれの類型についても直近まで収蔵されており、決定を年度ごとに検索することにより、各年度においてそれぞれの部署において下された知的財産関係の決定件数を確認することができる。
また、最高裁判所の判例に関するデータベースと同様に、一覧表示させた事件の事件番号をクリックすると、当該事件の決定文を閲覧することができる。
図6
例として、BLAのデータベースで2018年の情報を検査すると、図7に示す結果が得られる。
図7 フィリピン知的財産庁法務局(BLA)のデータベース画面
図8に決定文の例として、事件番号14-2010-00295を表示した例を示す。
図8 決定を表示させた状況
図6に示すメニューからODGをクリックし、2018年の情報を表示した例を図9に示す。
図9 フィリピン知的財産庁長官室(ODG)のデータベース画面
例として、図10に審判番号(Appeal No.)10-2013-0001の審決文を表示する。
図10 決定を表示させた状況
■ソース
フィリピン知的財産庁ウェブサイトhttps://www.ipophil.gov.ph/
■本文書の作成者
TMI総合法律事務所■協力
日本国際知的財産保護協会■本文書の作成時期
2020.2.17