■ 全119件中、61~70件目を表示しています。
-
2013.10.11
(韓国)プロダクト・バイ・プロセスクレームの進歩性の判断において、プロセスを発明の構成として考慮しなかった事案大法院は、物の発明の特許請求の範囲にその物を製造する方法が記載されている場合、特別な事情のない限り、当該特許発明の進歩性有無の判断においては、その製造方法自体を考慮する必要がなく、物として特定される発明だけを引用発明と比較することを判示した。
本件は、特許請求の範囲第1項及び第2項発明の方法により製造された物の発明である第3項と第4項の発明について、原審が、第1項発明の進歩性が否定されないと判断した後、直ちに第3、4項発明の進歩性も否定されないと判断した点で、原審判決には、物の発明のクレームに製造方法が記載された場合の進歩性判断に関する法理を誤解し判決に影響を及ぼした違法があるとして、原審に差し戻した事例である。 -
2013.10.01
(韓国)基本配列と相同性を有する遺伝子又はタンパク質配列の発明の記載要件に関する事例特許法院は、遺伝子工学の関連発明において、特許法第42条第4項第1号の記載要件に関して、「ある程度の相同性を有する場合、同一の機能を保有することに関する具体的な根拠を発明の詳細な説明に提示すれば、請求項に、特定された配列と『~%の相同性を有する配列』との表現を使い特許請求の範囲を拡張しても・・・この記載は発明の詳細な説明により裏付けられている」と判示した。
本件は、出願発明が基本配列と90~99.9%の相同性を有する場合、同一の機能を保有することに関する具体的な根拠が発明の詳細な説明に提示されていないので、発明の詳細な説明により裏付けられていないと判断し、原審審決を支持した事例である。 -
2013.09.24
インドネシアにおける知的財産制度本コンテンツは、2008年3月時点の情報に基づくものである。
模倣対策マニュアル インドネシア編(2008年3月、日本貿易振興機構)では、インドネシアにおける知的財産制度全般について紹介されている。特許、意匠、商標については、出願手続きのフローチャート、出願登録件数の表やグラフを用いた詳細な説明がなされ、著作権、集積回路配置、植物新品種、不正競争防止法についての概要も述べられている。また、模倣品対応、刑事措置、民事対応、水際取締、ライセンシングなどにも言及されている。
-
2013.09.20
(韓国)パラメータで限定した構成を含む発明に関する明細書の記載要件、及び出願後に提出された実験データの適用に関して判示した事例本件発明の「高純度組成物」は、安定性をストレステストのパラメータにより限定した発明である。特許法院は、当該ストレステストを含む構成について、ストレステストの条件や方法が発明の詳細な説明に通常の技術者が容易に実施できる程度に記載されていないと判示し、また、ストレステスト以外の部分は、機能、効果などの記載がないので、通常の技術者が明細書の記載に基づいて特殊な知識を加えずに正確に理解し再現することができないと判示し、記載不備であるとした原審審決を支持した事例である。また、出願後に提出された実験データにより発明の目的、構成、効果を主張することは、本件事案に適用されないとも判示した。
-
2013.09.10
(韓国)医薬用途発明について、薬理データに関する明細書の記載要件及び発明の進歩性を判断した事例大法院は、呼吸器疾患治療用の用途発明である本件出願発明の場合、呼吸器疾患の治療のためにβ2-効能剤と消炎剤の同時使用が必要であることが優先日以前に知られており、その優先日以前に薬理メカニズムが解明されたと見做すことができるので、客観的な薬理データ又はこれと代替できる程度までの具体的な記載を必要としない発明であり、明細書の記載要件に違反しないと判断し、これと判断を異にする原審には誤りがあるとした。
その一方で、進歩性に関して、先行発明に比べて選択発明としての顕著な効果が認められないので進歩性がないと判断し、原審の判断が正当であるとして、原審の結論を支持した事例である。 -
2013.08.23
(中国)特許庁審判部と審決取消訴訟との関係について中国において特許庁審判部に無効審判を請求し、その決定に不服がある場合、中級人民法院に出訴し、さらに中級人民法院の判決に不服がある場合は高級人民法院に不服を申し立てることができる。特許庁審判部の決定を取消す判決が確定すれば、再び特許庁審判部で審理が行われるが、再び出された特許庁審判部の決定に不服がある場合は、中級人民法院に不服を申立て、中級人民法院の判決に不服がある場合は、さらに高級人民法院に不服を申立てることができる。本案は、特許庁審判部が維持決定→中級人民法院に取消訴訟を提起・取消判決→高級人民法院に上訴・一審判決を支持する判決→取消判決確定→特許庁審判部に差戻し→特許庁審判部が維持決定→中級人民法院に取消訴訟を提起・維持決定を支持する判決→高級人民法院に上訴(本案)、という事案である。
-
2013.08.09
(韓国)特許請求の範囲が発明の詳細な説明により裏付けられているか否かを判断する際の図面の参酌について判示した事例大法院は、特許法第42条第4項第1号に関する判断の際に、図面の参酌について、「実施例などを具体的に示すことで発明の構成をより理解し易くするために図面が添付された場合には、図面及び図面の簡単な説明を総合的に参酌し、請求項が発明の詳細な説明により裏付けられているか否かを判断することができる」と判示した。
本件事案は、発明の詳細な説明において請求項に対応する事項が記載されているとは認められず、添付図面の内容を参酌しても、その請求項が発明の詳細な説明により裏付けられているとは認められないと判断し、原審判決を支持した事例である。 -
2013.08.02
(中国)未登録周知商標について(その2)中国商標法第31条は「商標登録の出願は、他人が先に使用している一定の影響力を有する商標を不正な手段で登録してはならない。」と規定し、一定の知名度を有する他人の未登録商標を同一又は類似の商品や役務において登録することを排除している。本案では、一定の地域に一定の影響力を有する未登録商標も第31条の対象となるとされており、一定の影響力を有する商標の存在を知って先行登録を狙って出願していれば、不正手段とみなされている。
-
2013.07.30
(中国)請求項に発明の必須構成を記載しているか否か、及び明細書には明瞭で完全な説明があるか否かに関する事例北京市第一中級人民法院(日本の「地裁」に相当)は、環境温度検知装置はエアコンに必要不可欠な技術であり、当業者は市場のニーズに応じて本体或いはリモコンに環境温度検知装置を取付けており、環境温度検知装置及びその取付け位置は従来技術に属するものであるとした上で、本特許の請求項及び明細書にその構成の記載は無いものの、当然の構成として暗示的に記載されていると見るべきであるため、請求項の記載は中国専利法実施細則第20条第2項の規定に合致し、また明細書の記載は専利法第26条第3項の規定に合致する、として審決を維持した((2010)一中知行初字第503号)。
-
2013.07.23
(韓国)進歩性判断に提供される先行技術は、必ず技術構成の全てが明確でなければならないか否かを判断した事例大法院は、出願発明の進歩性判断に提供される先行技術は、技術構成の全てが明確に表現されたものだけでなく、資料の不足により表現が不十分又は一部内容に誤謬(欠缺)があっても、その技術分野における通常の知識を有する者が技術常識や経験則により容易に技術内容を把握することができる範囲内では、対比対象になり得ると判示した。
その上で、比較対象発明の明細書の一部記載に誤謬(欠缺)があるにもかかわらず、出願発明の進歩性判断のための先行技術として用いることができるとした事例である。
本件は、進歩性を否定した原審判決の判断を支持し、上告を棄却した。