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2013.05.28
(中国)引用文献に開示された技術全体を当業者レベルで理解し、進歩性判断すべきことに関する事例本件において、中国特許庁専利覆審委員会(日本の「審判部」に相当。以下、「審判部」という)合議体は、審査官は引用文献1が開示した内容を誤認し、誤った事実関係に基づいて本願に対して拒絶査定を行っており、引用文献1に開示された技術内容を当業者のレベルで正確に理解した上で、本願発明の進歩性を判断すべきである、として、拒絶査定を取消した。
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2013.05.24
(韓国)機能、効果、性質などによる特定を含む請求項の記載方式及びその解釈に関する事例大法院は、特許請求の範囲が機能、効果、性質などによる物の特定を含む場合、通常の知識を有した者が発明の詳細な説明や図面などの記載と出願当時の技術常識を考慮して特許請求の範囲に記載された事項から特許を受けようとする発明を明確に把握できれば、その特許請求の範囲の記載は適法である、また、 特別な事情のない限り、広範囲に規定された独立項の技術内容を、独立項よりも具体的に限定している従属項の技術構成や発明の詳細な説明に示された特定の実施例に限定して解釈すべきではない、と判示した。
本件は、機能式記載の適法性は認められたが、その記載のまま解釈されて進歩性が否定され、原審判決が破棄された事例である。
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2013.05.24
(中国)先行技術文献に本願発明が解決しようとする技術的課題が記載されているか否かに関する事例北京市高級人民法院(日本の「高裁」に相当)は、先行技術文献には、本件特許発明の技術的構成が記載されているが、本件特許発明が解決しようとする技術的課題が記載されていないため、当業者は当該先行技術文献から本件特許発明を得ることができない、として、『中華人民共和国行政訴訟法』第61条第1号の規定に基づき一審判決を維持し、本件特許権を有効とした。
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2013.05.24
中国における複数の意匠の出願方法(2022年4月21日訂正:
本記事のソース「官庁手数料」のURLが、リンク切れとなっていたため、修正いたしました。)中国では、原則として一件の意匠出願は一の意匠に限られる(一出願一意匠)が、同一物品に係る2以上の「類似意匠」、同一の大分類に属し且つセットで使用又は販売される物品の2以上の「組物の意匠」については、一件の出願として許される。もちろん、この「類似意匠」、「組物の意匠」を構成する各意匠でも、それぞれ一意匠ごとに出願することも可能である。
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2013.05.23
韓国の実用新案制度について(本記事は、2020/6/2に更新しています。)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/18613/韓国での実用新案制度は一時的に無審査を採択したこともあったが、現在は審査後登録制度を採用している。すなわち特許と同一の審査制度を採択しているが、審査請求期間及び存続期間等は、特許制度と異なっている。特許よりは容易に登録されるが、権利解釈においては特許権よりは狭く解釈されるため、留意が必要である(実用新案法第2条、第12条、第22条)(特許法第2条、第59条、第88条)。
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2013.05.23
(台湾)進歩性立証のための追加データ(実験成績証明書)について示された事例進歩性の判断は、特許請求の範囲に記載されている技術的特徴を容易に想到できるか否かを基本としており、実験データの提出により係争発明の効果を立証し得るが、該立証する効果そのものが、その発明の属する分野における通常の知識を有する者が先行技術及び出願前の通常の知識に基づいて予期し得るものであれば、実験データを提出したとしても、進歩性を有することにはならない。
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2013.05.21
(中国)選択発明における進歩性判断に関する事例(その2)本件において、中国専利覆審委員会(日本の「審判部」に相当。以下、「審判部」という)合議体は、引用文献2は本願発明が選択した具体的なシグナル伝達阻害剤(化合物I)と具体的な分化誘導剤(SAHA)との組合せを開示しておらず、且つ本願発明に記載の具体的な組合せによる薬物は、相乗効果として抗がん作用、副作用の軽減という予期できない技術的効果を奏する、として本願の進歩性を認め、拒絶査定を取消した。
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2013.05.21
(中国)進歩性否定の根拠である「技術常識」を証明するための証拠提出が必要か否かに関する事例北京市高級人民法院(日本の「高裁」に相当)は、本件特許発明と証拠に開示された発明との相違点につき、本技術分野の技術常識であることを証明する証拠がないため、本件特許権の請求項1記載の発明が進歩性を有していないという請求人の理由は成立しない、として、『中華人民共和国行政訴訟法』第61条1号の規定に基づき、一審判決を維持した。
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2013.05.21
台湾における特許権の存続期間の延長制度(本記事は、2021/6/10に更新しています。)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/application/20107/台湾では、医薬品及び農薬品の販売に主務官庁の許可が必要であることに起因して、特許権存続期間中に特許発明を実施することができない期間が生じた場合、5年を限度に1回に限り、特許権存続期間を延長すること認められている。
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2013.05.17
(中国)数値限定発明の進歩性判断に関する事例(本記事は、2023/11/24に更新しています。)
URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/judgment/37766/北京市高級人民法院(日本の「高裁」に相当)は、本発明の無鉛柔軟はんだ合金におけるNi含有量及びGe含有量の選択は、先行技術に対して新たな機能、及び予期できない技術的効果も奏していないため、国家知識産権局専利覆審委員会(以下、「審判部」という)が下した審決のとおり無効である、として一審判決を維持した。