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フィリピンの知的財産関連機関・サイト

2020年06月11日

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■概要
(2022年6月16日訂正:
本記事の「農業省植物産業局植物品種保護室」「公務員特別裁判所」のURLが、リンク切れとなっていたため、修正いたしました。)

フィリピンの知的財産に関係する公的機関について、各機関の説明とサイトのURLを示す。知的財産に関する各種情報や法律・規則・ガイドラインに関する情報を入手することができる
■詳細及び留意点

(1)立法機関

フィリピンの立法機関は、上院・下院の二院制となっている。なお、法律は原則として上下両院を通過した後に成立するが、大統領が法律案に対する拒否権を保有している。

(ア)上院 http://legacy.senate.gov.ph/

上院(Senate)は全国区から選挙される24名の議員により構成され、3年ごとに半数が改選される。議員の再選は1回のみ認められる(三選禁止)。

(イ)下院 https://www.congress.gov.ph/

下院(House of Representative)は、小選挙区と政党リスト制度により選挙される議員から成り、2019年10月1日現在299名の議員が在任している(定員は250名であるが法律による増員が認められている)。議員の再選は2度まで認められている(四選禁止)。

(2)行政機関

(ア)大統領府 https://op-proper.gov.ph/

大統領府(Office of the President)は、大統領がその任を果たすために必要な補佐を行うことを使命としており、大統領の任務に関する各種調整、調査、技術的支援等を行っている。

(イ)国家知的財産権委員会 https://www.ipophil.gov.ph/national-committee-on-intellectual-property-rights-ncipr/

国家知的財産権委員会(National Committee on Intellectual Property Rights)は、2008年に設立された、フィリピン国内における知的財産権の促進、保護、実施の強化を任務とする機関である。同委員会は、13の政府機関(フィリピン知的財産庁、貿易産業省、フィリピン国家警察、司法省国家捜査局、関税局、大統領官邸光メディア委員会、国家通信委員会、司法省、国家書籍開発委員会、食品薬事管理局、内務地方自治省、農業省植物産業局植物品種保護室、国際犯罪対策室)により構成されている。

(ウ)貿易産業省 https://www.dti.gov.ph/

貿易産業省(Department of Trade and Industry)は貿易政策の策定等を任務とする政府機関であり、工業所有権、特許および商標の保護にかかる規制を策定する権限を有している。また、これらに関する行政事件について判断を下し、行政罰を科す権限を有しており、損害賠償請求額が20万ペソ未満の知的財産権侵害にかかる行政事件は貿易産業省が審理を行う。

(エ)フィリピン知的財産庁 https://www.ipophil.gov.ph/

フィリピン知的財産庁(Intellectual Property Office)は、貿易産業省の下に置かれ、フィリピンにおける知的財産権に関する基本法であるフィリピン知的財産法を所轄する。

同庁は、知的財産権の登録受付、知的財産権関連の紛争に関する規則等の制定、模倣品に関する取締機能を有する。具体的には、知的財産に関する行政事件(法令違反への申立、登録商標の取消・異議申立、特許取消等)を所轄するとともに、他の政府機関等と協力し、知的財産権保護の強化政策の立案・実行を担当する。

また、同庁は、フィリピン国家警察や司法省国家捜査局といった政府機関の協力を得て知的財産権に関する法令の執行を行う。

(オ)フィリピン国家警察 https://pnp.gov.ph/

フィリピン国家警察(Philippine National Police)は、知的財産権に関しては、フィリピン全域において知的財産権関連法違反の取り締まりを実施している。

同警察の犯罪捜査グループは、知的財産権侵害の対象の差押えや被疑者の身体拘束にかかる令状の執行や、知的財産権を侵害する物品についておとり捜査を実施する権限を有している。

(カ)司法省国家捜査局 http://nbi.gov.ph/

司法省国家捜査局(National Bureau of Investigation)は、電子商取引法およびフィリピン知的財産法違反を含む犯罪の捜査、諜報活動等をその権限とする。

同局の捜査官は、刑事事件および政府に関連する行政事件・民事事件であって関与の要請を受けたものについて捜索および差押え等を実施することが認められている。

(キ)関税局 https://customs.gov.ph/

関税局(Bureau of Customs)は、密輸品の入境を防止するために国境や入港地の監督・管理を行うこと、警告命令および停止命令を発出すること等により輸出入に関する警察機能の一部を果たす。

また、関税局知的財産部は、知的財産権保有者がその知的財産権を記録することができる知的財産権登録簿を管理している。

(ケ)大統領官邸光メディア委員会 httpw://www.omb.gov.ph/

大統領官邸光メディア委員会(Office of the President Optical Media Board)は、光メディアの製造、原版作成、複製、輸出入の規制を主な任務とする。同委員会は、光メディアの製造等を行う施設の検査、捜査令状の請求、関連物品の予防的な留置等を行うほか、2003年光メディア法違反にかかる行政事件を管轄する。また、同法違反にかかる刑事訴追に際しては、同委員会が申立人となる。

(コ)国家通信委員会 https://ncr.ntc.gov.ph/

国家通信委員会(National Telecommunications Commission)は、公衆に対する通信サービスの提供を規制および監督する機関である。

同委員会は、通信事業に従事する団体に対する苦情および同団体の提供するサービスの法準拠性の調査等を実施する権限を有する。

(サ)司法省 https://www.doj.gov.ph/

司法省(Department of Justice)は、行政における司法関係事務を司る政府機関である。知的財産権を侵害された者は、同省に対して直接に当該侵害について申立をすることが可能である。同省は、政府の司法機関その他の政府機関の法律顧問や代理機関として機能し、犯罪の調査および訴追権限を有する。

(シ)国家書籍開発委員会 https://booksphilippines.gov.ph/

国家書籍開発委員会(National Book Department Board)は、知的財産権に関しては、①著作者の報酬を含む書籍の使用、複製および頒布に関する方針およびガイドラインの策定、②編集者、特に著作者に対する作品の複製に係るロイヤリティが公正迅速に支払われるための方針、ガイドラインおよびシステムの策定、③知的財産権を含む書籍の使用に関する研究、セミナー、勉強会等の活動を行っている。

(ス)食品薬事管理局 https://www.fda.gov.ph/

食品薬事管理局(Food and Drug Administration)は、食品および医薬品の品質および安全性を担保するために設置された機関である。知的財産権との関係においては、①食品、医薬品および化粧品の分析、②ライセンス発行のための技術基準適合に係る証明書発行、③新規医薬品の調査、④不正な商標を表示した食品、医薬品等の差押えを実施する権限を有している。

(セ)内務地方自治省 https://www.dilg.gov.ph/

内務地方自治省(Department of the Interior and Local Government)は、地方自治の健全な発達を確保することを趣旨として設置された機関であり、地方自治体に対する指揮監督等に関し大統領を支援する役割を担っている。

同省は、国家知的財産権委員会の一員として、地方自治体に対する知的財産権保護の啓蒙活動を行っている。

(ソ)農業省植物産業局植物品種保護室 https://pvpo.buplant.da.gov.ph/

農業省植物産業局植物品種保護室(Plant Variety Protection Office, Bureau of Plant Industry)は、植物の新品種の保護を図るため設置された政府機関である。同室は、植物の新品種にかかる権利に関し、新品種の申請の検査、証明書の発行、新品種に係るデータベースの作成を行っている。

(タ)証券取引委員会 https://www.sec.gov/

証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)は、会社その他の法人等を管轄する政府機関である。同委員会は、会社法違反等について調査を行い、違反者に対して業務停止や解散を命ずることができる。

また、同委員会は、その2017年覚書回覧第14号により、会社等の名称にフィリピン知的財産庁に登録済みの商標等を用いるためには権利者の同意を要するとして、登録済みの商標の無断利用の抑止を図っている。

(チ)国際犯罪対策室

国際犯罪対策室(Office of the Special Envoy for Transnational Crime)は、知的財産権侵害を含む国際犯罪に関する犯罪者、犯罪の手法、逮捕および有罪判決に関する情報を集約したデータベース構築を任務のひとつとする機関である。

(2)司法機関

フィリピンの司法機関は、主として、最高裁判所、下級裁判所、特別裁判所から構成されている。

(ア)最高裁判所 https://sc.judiciary.gov.ph/

最高裁判所は15名の判事により構成されるフィリピンの司法機関の最上位に位置する裁判所である。最高裁判所は、下級裁判所および特別裁判所の判決等に対する上訴事件を管轄するとともに、最高裁判所のみが管轄を有する事件について審理を行う。

(イ)下級裁判所

下級裁判所には、一般的な事件について第1審を担当する地域裁判所(Regional Trial Court)、控訴審を担当する控訴裁判所(Court of Appeals)の他、軽微な事件について第1審の管轄を有する裁判所(所在する地により、Metropolitan Trial Court、Municipal Trial CourtおよびMunicipal Circuit Courtsのいずれか)がある。

(ウ)特別裁判所

一定の事件について専属的な管轄を有する裁判所として、税務訴訟の第1審を管轄する租税控訴裁判所(Court of Tax Appeals)、一定の公務員の汚職に関する事件を審理する公務員特別裁判所(SANDIGANBAYAN)がある。

(3)その他の知的財産関係機関・サイト

(ア)フィリピン知的財産協会 http://www.ipap.org.ph/

フィリピン知的財産協会(Intellectual Property Association of the Philippines)は、政府関係機関等に対し、知的財産権の保護に関する法律およびその施行規則の策定に関する支援を提供している。

■ソース
各機関の概要紹介ページ
・上院
https://www.senate.gov.ph ・下院
https://www.congress.gov.ph/ ・大統領府
https://op-proper.gov.ph/ ・国家知的財産権委員会
https://www.ipophil.gov.ph/national-committee-on-intellectual-property-rights-ncipr/ ・貿易産業省
https://www.dti.gov.ph/ ・フィリピン知的財産庁
https://www.ipophil.gov.ph/ ・フィリピン国家警察
https://pnp.gov.ph/ ・司法省国家捜査局
http://nbi.gov.ph/ ・関税局
https://customs.gov.ph/ ・大統領官邸光メディア委員会
https://www.omb.gov.ph/ ・国家通信委員会
https://ncr.ntc.gov.ph/ ・司法省
https://www.doj.gov.ph/ ・国家書籍開発委員会
http://booksphilippines.gov.ph/ ・食品薬事管理局
https://www.fda.gov.ph/ ・内務地方自治省
https://www.dilg.gov.ph/ ・証券取引員会
https://www.sec.gov/ ・国際犯罪対策室
(独自のウェブサイトは確認できない)
・最高裁判所
https://sc.judiciary.gov.ph/ ・下級裁判所
(独自のウェブサイトは確認できない)
・特別裁判所
租税控訴裁判所
https://cta.judiciary.gov.ph/ 公務員特別裁判所
https://sb.judiciary.gov.ph/ ・フィリピン知的財産協会
http://www.ipap.org.ph/
■本文書の作成者
TMI総合法律事務所
■協力
日本国際知的財産保護協会
■本文書の作成時期

2019.10.1

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