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香港の知的財産関連機関・サイト

2020年06月04日

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■概要
香港の知的財産と関連する公的機関では、知的財産に関する各種情報や法律、規則、ガイドラインに関する情報を入手することができる。本稿では、各機関の説明とサイトのURLを紹介する。
■詳細及び留意点
  1. 立法機関

(1) 香港特別行政区立法会https://www.legco.gov.hk/cindex.html

 立法会の主な職務は、法律の制定、改正、廃止、財政予算、税収と公共支出の審査および確認、政府の業務を監視することである。また、立法会は終審法院と高等法院の首席裁判官を任免する権限、行政長官を弾劾する権限を有する。2016年10月1日から第6回立法会の任期が始まりその任期は4年である。任期満了の際、選挙を通じ次期の立法会が成立する。立法会は通常毎週水曜日に立法会総合ビルの会議庁で会議が行われる。立法会のすべての会議は公開され、市民が傍聴できる。

 立法会は、委任会制度を通じて法案研究、公共支出への審査と許可、政府施設への監察などの重要職務を遂行している。さらに、不服申立制度(英語「Redress System」)を利用した市民からの政府措置または政策に対する不服申立てを受理し審査後、政府に救済措置を講じるよう請願する。

 

  1. 行政機関

(1) 香港特別行政区商務および経済発展局https://www.cedb.gov.hk/

 商務および経済発展局は工商および旅行科と通信および創意産業科で構成される。

 工商および旅行科は、香港の対外貿易関係、外来投資の促進、知識産権保護、工商業への支援提供、旅行、消費者権益保護および競争促進を職務とする。

 通信および創意産業科は、放送、映画、創意産業、電信業発展および、わいせつ物や下品なものを管制することを職務とする。また、同時に管轄している8つの行政機構の運営を監督する。具体的には、投資推進署、知識産権署、工業貿易署、香港天文台、香港郵便、映画、新聞および物品管理弁事処、香港放送台、通信事務管理局弁公室と海外の香港経済貿易弁事処を含む。以下に知的財産に関連する3つの行政機構について紹介する。

 

 投資推進署は、香港で会社を設立するまたは業務を開始する意思のある中小企業および多国籍企業が香港を業務発展の主要拠点とすることを積極的に支援している。投資推進署は、業務計画から展開実施までの各段階において、投資者に無料で専門的な意見および支援サービスを行っている。また、香港の経済および発展策略に有利な海外投資プロジェクトを導入し、同プロジェクトが香港で持続的に発展するための支援を行っている。

 

②香港知識産権署https://www.ipd.gov.hk/chi/home. html

 香港知識産権署は1990年7月2日に設立され、所属の商標登録処、専利登録処、意匠登録処、著作権機構登録処がそれぞれの登録業務を担当している。そのうち、商標登録処は1874年に設立され、世界で歴史が最も長い商標登録処のうちの一つである。

 香港知識産権署の職務は、香港の知識産権保護政策と法令に関して、商務および経済発展局局長へ意見を提出すること、知識産権事情に関して、政府各局および部門へ民事法律意見を提出すること、商標、専利、意匠および著作権を登録すること、知識産権保護に関する宣伝および教育普及活動である。

 

③工業貿易署https://www.tid.gov.hk/cindex.html

 工業貿易署は工商業の発展を推進、支援することを使命とし、以下のことを行っている。(1)貿易パートナーとの良好関係を強化し、周辺および地域経済貿易の協力を促進する。(2)公正で安定な貿易制度を維持し、香港が国際義務を確実に果たせるよう支援する。(3)積極的に国際貿易組織に参加し、貿易投資の自由化と利便性を追求し香港企業が外国市場を開拓することを支援する。

また、香港企業、特に中小企業を支援し競争力を強化するために企業が製品またはサービスの向上に取り組むよう奨励する。

 

(2) 香港創新科技署https://www.itc.gov.hk/

 香港創新科技署は香港が知識を基本とする世界レベルの経済体系になることを使命とし以下のことを行っている。応用研究と発展および科学技術の応用移転を支援する。社会の科学技術イノベーションの雰囲気を高め、科学技術分野の起業家育成を促進する。科学技術イノベーションを支援するために施設の提供と人材の発掘に協力する。政府の政策、計画、措置を遂行し、国際認可基準と評価サービスを普及して香港の科学技術発展と国際貿易のために安定的な基盤を構築する。能力があり、積極性のある従業員を育成して香港の科学技術レベルの向上に寄与する。

 また、香港創新科技署が特許出願に関する援助計画を推進し、香港生産力促進局が執行している。加えて投資研究、科学技術人材などに関する計画も推進している。

 

(3) 香港税関https://www.customs.gov.hk/

 香港税関は、香港特別行政区において著作権および商標の権利侵害活動に関する刑事捜査および告発・告訴を扱う唯一の部門である。香港税関の任務の一つとして、知的財産権所有者と正当な商人の合法的な権益を保護することである。当該任務を履行するため、香港税関は香港法例第528章《著作権条例》、第362章《商品説明条例》および第544章《著作権侵害防止条例》の規定を執行し、海賊版および偽物製造販売活動を撲滅するための措置を取る。税関は、輸出入、製造、卸売などの面から海賊版および偽物製造販売活動を阻止するために尽力するとともに、街頭での海賊版および偽物販売活動を防止するために各小売店において法律執行行動を持続的に行う。

 

(4) 香港漁農自然護理署https://www.afcd.gov.hk/tc_chi/index.html

 香港漁農自然護理署は、植物新品種の知識産権登録を扱っている。

 

  1. 香港司法機構https://www.judiciary.hk/zh/home/index.html

 香港司法機構は終審法院、高等法院、区域法院、裁判法院を含む。

 終審法院は、香港特別行政区での最高の上訴法院であり、香港法例第484章《香港終審法院条例》およびその他の法令に基づく権限により高等法院の民事および刑事判決に対して提起された上訴および関連事項を処理する。上訴許可が必要であり、民事案件の上訴を提起する場合、高等法院の上訴法廷または終審法院の上訴許可を、刑事案件の上訴を提起する場合、終審法院の上訴許可を得なければならない。

 高等法院は、上訴法廷と原訴法廷で構成され、上訴および原訴管轄権を有し、上訴および初審案件を審理できる。上訴法廷が審理する刑事および民事上訴案件は、原訴法廷、競争事務審決処、区域法院、土地審決処および関連条例から指定された審決処と法定団体からの案件である。原訴法廷は上訴および原訴司法管轄権を有し、受理範囲は刑事および民事案件を含む。

 区域法院は、刑事および民事司法管轄権を有し、刑事司法管轄権に関して、裁判法院から移送された公訴犯罪を処理し、民事司法管轄権に関して、契約、権利侵害などに関する案件を処理する。

 裁判法院は、簡易手続犯罪審理と可公訴犯罪審理を含み、公訴可能な重大犯罪に対して、区域法院または高等法院の原訴法廷へ移送して審理させることができる。すべての刑事案件の手続は裁判法院で開始され、そのうちの大部分は裁判法院で処理完了される。裁判法院の最高刑罰は、通常、監禁(日本の懲役に相当)2年および罰金10万元であるが、法廷が複数の公訴可能な犯罪を併合して処理する際、裁判官は最高で3年の刑期を判決できる。ある条例では、単一の犯罪に対して、監禁3年および罰金500万元を判決できる。裁判法院は案件を審理する際、英語または中国語で審理することができる。

 

  1. 著作権審決処https://www.ct.gov.hk/

 著作権審決処は独立の準司法機構(日本の行政委員会に相当する)であり、1997年12月1日、《著作権条例》(第528章)第169条に依拠して設立された。その主な職務は、関連するライセンス機構(英語「Licensing body」)が実施する許可計画(英語「Licensing schemes」)に基づく著作権のライセンスに関連する紛争を解決することである。

 

  1. その他知的財産関係機関・サイト

(1) アジア授権業協会http://www.ala.org.hk/

 アジア授権業協会(英語「Asian Licensing Association」)の使命はライセンス業界の実務家の経験および専門知識を結集し、産業の創造的で革新的な発展を促進することである。また、同協会は香港政府、アジア各地区政府および関連機関と協力し、創造的で革新的な企業をサポートしてその運営環境を改善するとともに香港全体の競争力を向上することを目的としている。

 

(2) ビジネス・ソフトウェア・アライアンス (BSA)https://ww2.bsa.org/?sc_lang=zh-CN

 ビジネス・ソフトウェア・アライアンス (BSA)は全世界からの政策制定者、業界利益関連者および公共利益団体と協力し、デジタル経済時代において革新的で成長を促進できる政策の制定を政府に提言している。専利、著作権および営業秘密も含まれていることは注目に値する。なお、Top画面の中央「更改国家」をクリックし、「日本」を選択すると日本支社のページにアクセスできる。

 

(3) 香港映画業協会http://mpia.org.hk/

 香港映画業協会は1986年7月16日に設立され、積極的に著作権侵害行為を摘発し、会員または業界内の著作権やその他の権利を侵害した者に対して法律訴訟を提起している。

 

(4) 香港作曲家および作詞家協会https://www.cash.org.hk/home

 香港作曲家および作詞家協会は、香港《著作権条例》により付与された音楽作品作者の著作権および関連事項を総合的に管理、執行する。海外の団体を通じて、世界の200ほどの国家/地区において、現地の著作権法に基づいて会員の権益を保護している。

 

(5) 香港映画製作発行協会http://www.mpda.hk/introduction.php?lang=tc

 香港映画製作発行協会は1979年に設立され、映画、音声および映像昨品に関する国内外の紛争解決や仲裁を支援している。また、香港特別行政区、中国および各国政府の関連部門をサポートしており、「知識産権保護および海賊版による権利侵害の撲滅」に対して法律を制定および執行する場合には専門知識の提供および活動の支援を行っている。

 

(6) 香港工業総会https://www.industryhk.org/tc/

 香港工業総会は商標、専利および意匠登録に関する包括的なサービス、特許出願に関する援助計画のコンサルティングサービス、著作権作品の記録サービスを提供している。

 

(7) 香港音像聯盟http://www.hkria.com/b5/index.aspx

 香港音像聯盟は2008年10月に設立された専門的な著作権管理機構である。香港および海外地区のすべてのレコード会社に専門的な録音著作権管理および著作権免許授権サービスを提供するだけではなく、様々な音楽サービスも提供している。

 

(8) 香港専利師協会http://hkipa.org.hk/index.php?route=common/home

 香港専利師協会は2009年に設立された専門団体である。同協会は、香港知識産権発展の公共政策および法制に対して政府への意見の提出や、香港がアジア革新的な科学技術分野の中心になることを推進している。また、香港のオリジナル専利登録制度の設立を支持している。

■ソース
香港特別行政区立法会
https://www.legco.gov.hk/cindex.html 香港特別行政区商務および経済発展局
https://www.cedb.gov.hk/ 香港知識産権署
https://www.ipd.gov.hk/chi/home. html 工業貿易署
https://www.tid.gov.hk/cindex.html 投資推進署
https://www.investhk.gov.hk/zh-hk.html 香港創新科技署
https://www.itc.gov.hk/ 香港税関
https://www.customs.gov.hk/ 香港漁農自然護理署
https://www.afcd.gov.hk/tc_chi/index.html 香港司法機構
https://www.judiciary.hk/zh/home/index.html 著作権審決処
https://www.ct.gov.hk/ アジア授権業協会
http://www.ala.org.hk/ BSA |ソフトウエア聯盟
https://ww2.bsa.org/?sc_lang=zh-CN 香港映画業協会
http://mpia.org.hk/ 香港作曲家および作詞家協会
https://www.cash.org.hk/home 香港映画製作発行協会
http://www.mpda.hk/introduction.php?lang=tc 香港工業総会
https://www.industryhk.org/tc/ 香港音像聯盟
http://www.hkria.com/b5/index.aspx 香港専利師協会
http://hkipa.org.hk/index.php?route=common/home
■本文書の作成者
北京銀龍知識産権代理有限公司
■協力
日本国際知的財産保護協会
■本文書の作成時期

2019.12.12

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