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インドの知的財産関連機関・サイト

2019年06月11日

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■概要
インドは、日本と同様に、三権分立の制度を採用し、立法、行政、司法が互いに抑制することを目指している。インドの知的財産に関連する機関(立法、行政、司法機関、その他関係機関)を、それぞれのウェブサイトの内容に沿って説明する。
■詳細及び留意点

1. 立法機関

 インドの連邦議会は両院制を採っており、上院はラジャ・サバ(Rajya Sabha、Council of States)と呼称され、下院はロク・サバ(Lok Sabha、House of the People)と呼称される。特許法などの法案は原則として両院により可決されることが必要であるが、下院の判断が優越する場合もある。法案が法律として成立するためには、さらに大統領(President of India)の同意が必要であり、大統領は法案に対する拒否権を有するが、大統領が拒否権を行使した前例はない。

 

2. 司法機関

 インド憲法141条は、最高裁判所により宣言された法は、インド領内の全ての裁判所を拘束するとしており、インドの司法制度は、最高裁判所を頂点として構成されることを明示している。米国と異なり、連邦裁判所と州裁判所という二元的な構造ではなく、1つの最高裁判所のもとに単一のヒエラルキーが形成されている。最高裁判所に違憲審査権が付与されており、司法権の独立の保障に関する規定も存在する。

 インドの24の州(state)および7の連邦直轄領(Union Territory)の、1つの州に1つ、または複数の州または複数の連邦直轄領に共通の、高等裁判所が設置されている。さらに、各州および連邦直轄領の各地方(district)に1つまたは複数の地方に共通の地方裁判所が設置されている。

 行政機関に対して不服申立を行うことができる不服申立専門の裁判所も設置されている。例えば、特許意匠商標総局の行政処分に対する審判請求、無効審判など、各種審判事件を管轄する知的財産審判委員会(Intellectual Property Appellate Board)が設置されている。知的財産審判委員会の本部はチェンナイにあり、チェンナイ、デリー、ムンバイ、コルカタおよびアーメダバードを巡回し、各地で開廷する。

 知的財産権の侵害訴訟は地方裁判所かそれよりも上位の裁判所に提起できる。特許権を無効にできる権限は知的財産審判委員会または高等裁判所が有する。

 

3. 行政機関

 実質的な行政のトップは首相(Prime Minister)である。国家元首は大統領(President)であるが、大統領は首相が長を務める閣僚会議(Council of Ministers)の助言に基づき職務を執行するものとされており、その地位は名目的なものである。

 中央政府が所管する事項は多数の省庁が分担している。

(i) 水際対策

 インド財務省(Ministry of Finance)の歳入局(Department of Revenue)の中央関接税および関税局(Central Board of Indirect Taxes and Customs)が関税および関連制度を所管する。中央関接税および関税局が管理するポータルIceGateから水際対策用に知的財産権を登録することができる。

(ii) 知的財産権取得および登録

 図に示すように、インド商工省(Ministry of Commerce and Industry)には産業政策促進局(Department of Industrial Policy and Promotion)と呼ばれる内局がある。特許意匠商標総局はこの産業政策促進局の外局として設置されている。特許意匠商標総局は、特許(意匠)庁(Patent Office)、商標登録局(Trademark Registry)、地理的表示登録局(Geographical Indication (GI) Registry)、著作権登録局(Copyright Office)、半導体集積回路配置登録局(Semiconductor Integrated Circuits Layout-Design Registry (SICLDR))、知的財産管理研究所(Rajiv Gandhi National Institute of Intellectual Property Management)から構成されている。特許意匠商標総局の長は特許意匠商標総局長官(CGPDTM: Controller General of Patents, Designs & Trade Marks)である。

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CGPDTM(特許意匠商標総局)構成図

 

 特許(意匠)庁は特許権および意匠権の付与を管理する。商標登録局は商標権の登録を管理する。地理的表示登録局は地理的表示の登録を管理する。著作権登録局は著作権の登録を管理する。半導体集積回路配置登録局は半導体集積回路の配置の登録を管理する。知的財産管理研究所は知財関連の講座を開設している。また、新規に雇用された審査官の研修を担当する。

 

4. その他のサイト

(i) JETROインド

 JETRO(日本貿易振興機構)はインドの4都市に現地事務所を開設している。インド国内の各種統計、経済データ、通商政策、法律改正情報等の収集、インドに進出した日系企業の各種相談の受付、日印企業のビジネスマッチングを目的とする日本企業への対印輸出支援事業や調達展示会を実施している。また、インドにおける知的財産権関連の情報を発信している。

(ii) Spicy IP

 インドの知的財産情報を提供するブログである。最新の情報、審決、判決も紹介される。

■ソース
・インドの連邦議会の上院(ラジャ・サバ)
https://rajyasabha.nic.in/rsnew/council_state/council_state.asp ・インドの連邦議会の下院(ロク・サバ)
https://loksabha.nic.in/ ・インド最高裁判所
https://www.sci.gov.in/ ・知的財産審判委員会
https://ipabindia.org/ ※(編集部注)2019.4.16現在ウェブサイト休止中 ・インドの首相
http://www.pmindia.gov.in/en/ ・インドの大統領
https://presidentofindia.nic.in/ ・中央関接税および関税局
http://cbic.gov.in/ ・水際対策用に知的財産権を登録するためのポータル IceGate
https://ipr.icegate.gov.in/IPR/homePage ・産業政策促進局
http://dipp.nic.in/ ・特許意匠商標総局
http://ipindia.nic.in/ ・著作権登録局(Copyright Office)
http://copyright.gov.in/ ・半導体集積回路配置登録局
http://sicldr.gov.in/ ・JETROインド
https://www.jetro.go.jp/world/asia/in/ ・Spicy IP
https://spicyip.com/
■本文書の作成者
株式会社サンガムIP
■協力
日本国際知的財産保護協会
■本文書の作成時期

2018.09.27

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