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ロシアにおけるTMマークおよびRマーク「®」の使用
2015年03月31日
■概要
ロシアでは、商標権者は商標における自己の排他的権利を知らせる目的で、商標の近くにラテン文字「R」もしくは円で囲まれたラテン文字「®」、または「商標」もしくは「登録商標」との文字による表示で構成される警告記号を表示させることができる。「TM」の記号については、その使用につき法的な制限はない。なお、ロシア連邦において登録されていない商標に関して警告記号を表示する者は、ロシア連邦法の下、責任を問われる。権利者は、その目的に応じて、TMマークおよびRマーク「®」を使い分ける必要がある。■詳細及び留意点
【詳細】
ロシア連邦民法典第1485条によれば、商標権者は、商標における自己の排他的権利を知らせる目的で、商標の近くにラテン文字「R」もしくは円で囲まれたラテン文字「®」、または「商標」もしくは「登録商標」との文字による表示で構成される警告記号を表示させることができる。この警告記号は、使用された表示がロシア連邦領内において保護される商標であることを示す。
ロシア連邦民法典第1515条第5項により、ロシア連邦において登録されていない商標に関して警告記号を表示する者は、ロシア連邦法の下、責任を問われることになる。
たとえば、ロシア連邦民法典第180条第2項は、商標の不正使用にかかる刑事責任を規定している。この条項が規定する罰則は、120ルーブル以下もしくは1年分以下の賃金またはその他の所得に相当する罰金、または360時間以下の強制労働、あるいは当該違法行為が繰り返し行われたか重大な損害を生じさせた場合には、1年以下の更生補導労働となっている。違法行為が事前の協議に基づき個人グループにより行われたか、組織的な集団により行われた場合、50万ルーブルから100万ルーブルまでの、または3年から5年までの期間の賃金その他の所得に相当する金額の罰金、もしくは5年以下の社会奉仕、もしくは6年以下の禁錮(これに50万ルーブル以下または3年以下の賃金その他の所得の金額以下の罰金が付加される場合がある)に処される。
ロシアの制定法においてはRマーク「®」記号の使用についてのみ規定している。「TM」の記号については、その使用につき法的な制限はない。
上記のことから、これらの記号についてはそれぞれ以下の目的に応じて適用すべきと判断される。
Rマーク「®」
・製品ラベルと製造者が関連しているという消費者の印象を強めるための使用。
・登録商標の権利における潜在的な侵害者およびその他の関係者に対し、登録を知らせるための使用。
TMマーク
・製造業者が自己の製品を識別するために用いる文字および表示であることを強調するために、登録されていない商標の近くに付して使用。
・製品を識別するための商標表示として登録される前に製造業者が暫定的に使用。
■ソース
・ロシア連邦民法第4法典第7編■本文書の作成者
Rouse & Co. International (Russia) Ltd■協力
日本技術貿易株式会社 IP総研■本文書の作成時期
2015.02.10