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韓国での専用(通常)実施権の登録手続

2013年03月19日

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■概要
特許権者とその特許を実施しようとする者の間で実施権契約をした後、第三者対抗要件を備えるためにはその事実を韓国特許庁に登録する必要がある(特許法第118条第1項)。なお、専用実施権の場合は、特許庁に登録することにより効力が発生するので(特許法第101条第1項)登録は必須である。
■詳細及び留意点

 特許権者とその特許を実施しようとする者の間で実施権契約をした場合、通常実施権は登録なしでも効力は発生するが、専用実施権は登録が効力発生要件となっているので必ず登録をする必要がある(特許法第101条第1項)。なお、通常実施権も、移転・変更・消滅又は処分の制限は、登録しなければ第三者に対抗することができない(特許法第118条第3項)。

 登録申請は「実施権登録に関する審査基準」に沿って行わなければならない。不備があれば返戻されるため、修正を行い再度登録申請を行う。

 

(1) 実施期間

(ⅰ)特許庁に特許権に対する専用(通常)実施権を登録する際、申請書に記載する実施期間は、特許権登録日以降から存続期間満了日以内に設定しなければならない。

(ⅱ)産業財産権の存続期間を超過して実施権契約書を作成した場合であっても、申請書には実施期間が権利存続期間以内で記載された場合に受理され、登録原簿に記載される。

 

(2) 実施地域

実施する地域は行政区域単位で記載しなければならない。但し、行政区域単位で記載しない場合に、その実施地域が第三者が混同をしない程度で特定することができる地域であれば受理される。

 

(3) 実施内容

実施権契約書には特許法(第2条第3号)実用新案法(第2条第3号)意匠法(第2条第6号)で定める「生産」「使用」「譲渡」等の実施内容を選択し記載しなければならず、その記載内容は申請書上の記載内容と一致しなければならない。

 

(4) 対価の金額

(ⅰ)申請書に記載する対価の金額、対価の支給時期、対価の支給方法は、実施権契約書に特に定める場合にのみ記載しなければならず、対価の金額の単位(ウォン、ドル等)が漏れている場合には返戻される。

(ⅱ)実施権契約書に対価の金額が記載されない場合には申請書にも記載されてはならず、これを無償と記載する場合には返戻される。

 

(5) 基本意匠権と類似意匠権の実施権設定

(ⅰ)基本意匠権と類似意匠権に対する専用実施権設定は次の場合に受理される。

(a)基本意匠権とその類似意匠権を共に申請する場合

(b)基本意匠権のみを申請する場合

(ⅱ)類似意匠権がある意匠権に対する通常実施権設定は次の場合に受理される。

(a)基本意匠権とその類似意匠権を共に申請する場合

(b)基本意匠権のみを申請する場合

(c)類似意匠権のみを申請する場合

(ⅲ)基本意匠権に既に専用実施権が設定されている場合、類似意匠権に対する専用実施権及び通常実施権設定申請をすれば返戻される。

 

【留意事項】

 韓国での実施権の登録手続は厳しい。上記審査基準に合わなければ返戻されるため、申請書を十分に確認しなければならない。なお、特許権者と実施権者の間で実施権契約に秘密事項が内在されている時には特許庁提出用に別途の実施契約書を作成する場合もある。

■ソース
・韓国特許法
・韓国実用新案法
・韓国意匠法
・専用(通常)実施権登録に関する審査基準
(登録審査基準第11号、2012年11月7日から施行)
http://www.kipo.go.kr/kpo/user.tdf?a=user.sil_kuk.registration.BoardApp&board_id=registration&cp=1&pg=1&npp=10&catmenu=m06_01_07&sdate=&edate=&searchKey=&searchVal=&bunryu=&st=&c=1003&seq=815&gubun
■本文書の作成者
崔達龍国際特許法律事務所
■協力
一般財団法人比較法研究センター 菊本千秋
特許庁総務部企画調査課 山中隆幸
■本文書の作成時期

2012.12.20

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