アジア / ライセンス・活用
日中知財ライセンス契約実務対訳用語集
2012年07月30日
■概要
(2024年6月10日訂正:本記事のソース「知っておきたい特許契約の基礎知識」の名称およびURLを修正いたしました。また、「中国ライセンスマニュアル」(2023年版)のURLを追記いたしました。)
(2022年5月13日訂正:
本記事のソース「中国ライセンスマニュアル」のURLが、リンク切れとなっていたため、修正いたしました。なお、2019年のマニュアルも併記しました。)
日中間で知財ライセンス契約等に良く用いられる用語の対訳を示す。用語の対訳を示しているが、訳語は必ずしもここで挙げたものに限られないこと、日中間でも用語は必ずしも一対一で対応していないことに注意を要する。
■詳細及び留意点
日本語 |
中国語 |
特許 |
发明专利 |
特許権者 |
专利权人 |
発明 |
发明 |
実用新案 |
实用新型专利1 |
意匠 |
外观设计专利 |
ライセンス |
(实施)许可 |
ライセンサー |
许可方、许可人 |
ライセンシー |
被许可方、被许可人 |
契約 |
合同 |
署名 |
签字 |
押印 |
盖章 |
調印、締結 |
签署、签订2 |
技術ノウハウ |
专有技术、技术秘密、技术诀窍 |
営業秘密 |
商业秘密 |
技術サービス |
技术服务 |
販売価格 |
销售价格 |
正味販売価格・純販売価格3 |
净销售价格、销售净价 |
改良技術 |
改良技术 |
通常実施権 |
通常实施权(普通实施许可权)4 |
非独占的通常実施権 |
非独占性通常实施权(非排他实施许可权)5 |
独占的通常実施権 |
独占性通常实施权(排他实施许可权)6 |
専用実施権 |
专用实施权(独占实施许可权)7 |
クロスライセンス |
交叉许可 |
サブライセンス |
分许可、再许可 |
サブライセンシー8 |
(サブライセンス関係における)被许可方、被许可人 |
ロイヤルティ、特許使用料 |
专利使用费 |
頭金 |
首付款 |
イニシャルペイメント |
入门费 |
ランニングロイヤリティ |
提成费 |
ミニマムロイヤリティ |
最低提成费、最低使用费 |
帳簿 |
账簿 |
一括払い |
一次性付款 |
分割払い |
分期付款 |
特許出願中の技術 |
已申请专利的技术 |
技術移転 |
技术转移 |
技術援助・技術指導・技術訓練 |
技术援助・技术指导・技术培训 |
善意 |
善意 |
悪意9 |
恶意 |
損害賠償 |
损害赔偿 |
紛争解決 |
纠纷解决 |
準拠法 |
准据法(适用法律) |
仲裁 |
仲裁 |
調停 |
调解10 |
管轄 |
管辖 |
欠陥・瑕疵 |
缺陷・瑕疵 |
サンプル・試作品 |
样品・试制品 |
秘密保持 |
保密 |
共同研究 |
共同研究 |
委託研究 |
委托研究 |
職務発明 |
职务发明 |
信義誠実の原則 |
诚实信用原则 |
帰属 |
归属 |
譲渡 |
转让 |
特許表示 |
专利标识 |
発明報奨 |
发明奖金及报酬 |
費用負担 |
费用承担 |
公開 |
公开 |
出願 |
申请 |
明細書 |
说明书 |
取り下げる |
撤回 |
取り消す |
撤销 |
1発明、実用新案、意匠について特許権が授与されると「发明专利权(発明特許権)」、「实用新型专利权(実用新案特許権)」、「外观设计专利权(意匠特許権)」となる。
2単なる「押印」の意味であれば「盖章」だが、「契約を調印する」というように契約の効力を発生させる行為としての意味の「調印」であれば「签署」がより相応しいと思われる。なお、一般に契約の締結という場合には、「签订」という用語も多く使用される。
3なお、正味販売価格・純販売価格の内容・範囲については、ライセンス契約等で定める必要がある。
4日本語と中国語とで同一の法的意義を有する用語が存在しないため(例えば、登録が効力発生要件であるか否か、登録の要否(可否)等)、契約書では、互いに直訳するのが望ましいと思われる。ただし、概念的な理解としては、上記かっこ内に記載された用語がほぼ対応している。
5前脚注参照。
6前脚注参照。
7前脚注参照。
8「被分许可方」とは言わず、通常はサブライセンス契約の中でも「许可方」「被许可方」とすることが多いと思われる。
9日本法と同様、「善意」は情を知らないこと、「悪意」は情を知っていることを指すことに注意が必要である。なお、中国法上で「恶意」はたとえば民法上は「悪意で通謀し」などと使われているように、より積極的な加害意思を有するニュアンスのようである。
10中国法の「調解」は厳密には日本の調停と異なり、当事者が人民法院、人民調解委員会及び関連組織のもとで解決することを指す。
【留意事項】
日中ともに漢字が使われるが、日中間で異なる字が用いられ、同じ字でも異なる意味になり得ることに注意を要する。また、日中間でも用語は必ずしも一対一で対応していないことにも注意が必要である。
■ソース
JETRO 中国ライセンスマニュアル(参考)https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/pdf/2010_licnece.pdf(2011年3月版)
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/pdf/licence_201903.pdf(2019年3月版)
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/pdf/manual_202303.pdf(2023年2月版)
INPIT 知っておきたい知的財産契約の基礎知識について(参考)
https://www.inpit.go.jp/katsuyo/ip-contract.html
■本文書の作成者
特許庁総務部企画調査課 古田敦浩■協力
INPIT 岩井久美子海外知的財産プロデューサー曾我法律事務所 大峽通生弁護士
北京林達劉知識産権代理事務所
■本文書の作成時期
2012.07.02