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トルコにおけるTMマークおよびRマーク「Ⓡ」の使用
2016年04月14日
■概要
(本記事は、2019/11/28に更新しています。)URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/license/17947/
トルコでは、商標の保護に関する法律第556号(以下、商標法)によって商標は保護されているが、商標法は、TMマーク、SMマーク、およびRマーク「Ⓡ」の使用に関する規定を有しておらず、これらのマークは法的に認められた表示方法ではない。したがって、TMマーク、SMマーク、Rマーク「Ⓡ」のようなマークに関する使用義務はない。
■詳細及び留意点
【詳細】
一般的には、TMマークは商標として使用されていること示し、SMマークはサービスマークとして使用されていることを示し、Rマーク「Ⓡ」は商標が登録されていることを示すものである。これらのマークの使用は、第三者に対して商標またはサービスマークとして使用している事実を知らしめ、また商標権侵害者および模倣行為者に対する警告として適切な表示手段となり得る。これらのマークの使用は、商標法で明確に規定されてはいないが、下記の規定に注視する必要がある。
(1)商標法第42条(d)に基づき、商標権者の行為を通じて商標が商品またはサービスにつき一般名称になった場合は、当該商標を一般名称として利用したい利害関係者または利害官公庁により、管轄の知的財産特別民事裁判所に対して、無効を請求される恐れがある。裁判所によりこれが認められた場合は、登録商標は裁判所によって無効を宣言される。この場合、裁判所から特許庁に登録抹消命令が出され、権利者に特許庁から登録抹消通知が送達される。この条項によって、商標権者が当該商標を登録商標であることを表示していない場合や、商標として使用していることを表示していない場合、当該商標が一般名称化して無効原因を生ずる可能性がある。
一般名称化の例としては、商標が辞書、百科事典または参考図書において特定の商品もしくは役務を表す一般名称として記載されている場合がある。なお、この様な事例で、出版社が誤って登録商標であることを記載していない場合には、商標法第10条に基づき、出版社は,商標権者の請求があれば,その欠陥を次号の刊行で補正しなければならない。
(2)TMマーク、SMマーク、Rマーク「Ⓡ」のようなマークに関する使用義務はないが、商標法61A条の第1段落に基づき、商品およびその包装に適正になされている商標権の表示を無権限で削除する者は、1年から3年間の禁固および罰金に処せられる。この意味において、これらのマークの使用は、保護されていることになる。
結局、商標の所有者は、第三者の先行権利を侵害しない限り、TMマーク、SMマーク、Rマーク「Ⓡ」のようなマークおよびそれらに代わる適切な記述を使用することは自由であるが、商標権の確実な維持のために、上述の一般名称化による商標権の無効化の対応策として、マークの使用は考慮すべきである。
■ソース
・トルコ商標法・トルコ特許庁ウェブサイト
http://www.tpe.gov.tr
■本文書の作成者
CENGIZ & CAMER IP LAW FIRM■協力
日本技術貿易株式会社■本文書の作成時期
2015.11.07