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日本と韓国における意匠の新規性喪失の例外に関する比較

2015年08月07日

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■概要
韓国における意匠の新規性喪失の例外規定の要件は、日本と類似している。例えば、公知日から6ヶ月以内に出願する時期的要件や、公開を証明する書類の提出に関する要件が韓国にも存在する。
■詳細及び留意点

日本における意匠出願の新規性喪失の例外

 日本においては、新規性を喪失した意匠の救済措置として、新規性喪失の例外規定が定められている。新規性喪失の例外規定の適用要件は以下の通りである。

1 出願に係る意匠が、意匠登録を受ける権利を有する者(創作者または承継人)の意に反して公開されたこと(第4条第1項)または

2 出願に係る意匠が、意匠登録を受ける権利を有する者(創作者または承継人)の行為に基づいて公開されたこと(第4条第2項)

 

上記いずれの場合についても、以下の要件を満たす必要がある。

(1)意匠登録を受ける権利を有する者が意匠登録出願をしていること

(2)意匠が最初に公開された日から6ヶ月以内に意匠登録出願をしていること

 

なお第4条第2項に記載される自己の行為に基づく新規性喪失については、さらに以下の手続が必要となる。

(3)出願時に、意匠法第4条第2項の規定の適用を受けようとする旨を記載した書面を提出、あるいは願書にその旨を記載すること(第4条第3項)。

(4)出願の日から30日以内に、公開された意匠が新規性喪失の例外規定の適用を受けることができる意匠であることを証明する「証明書」を証明書提出書とともに提出すること(第4条第3項)。

 

「証明書」には、意匠が公開された事実(公開日、公開場所、公開された意匠の内容等)とともに、その事実を客観的に証明するための署名等を記載することが必要である。上記要件を満たした場合、その意匠登録出願に限り、その公開意匠は公知の意匠ではないとみなされる。

条文等根拠:意匠法第4条

 

日本意匠法 第4条 意匠の新規性の喪失の例外

1 意匠登録を受ける権利を有する者の意に反して第三条第一項第一号または第二号に該当するに至った意匠は、その該当するに至った日から六月以内にその者がした意匠登録出願に係る意匠についての同条第一項および第二項の規定の適用については、同条第一項第一号または第二号に該当するに至らなかつたものとみなす。

2 意匠登録を受ける権利を有する者の行為に起因して第三条第一項第一号または第二号に該当するに至った意匠(発明、実用新案、意匠または商標に関する公報に掲載されたことにより同条第一項第一号または第二号に該当するに至ったものを除く。)も、その該当するに至った日から六月以内にその者がした意匠登録出願に係る意匠についての同条第一項および第二項の規定の適用については、前項と同様とする。

3 前項の規定の適用を受けようとする者は、その旨を記載した書面を意匠登録出願と同時に特許庁長官に提出し、かつ、第三条第一項第一号または第二号に該当するに至った意匠が前項の規定の適用を受けることができる意匠であることを証明する書面を意匠登録出願の日から三十日以内に特許庁長官に提出しなければならない。

 

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韓国における意匠出願の新規性喪失の例外

韓国デザイン保護法(日本における意匠法に相当。)には、新規性喪失の例外規定として以下の規定が存在する。韓国における意匠の新規性喪失の例外規定の要件は、日本と類似している。例えば、公知日から6ヶ月以内に出願する時期的要件や、公開を証明する書類の提出に関する要件が韓国にも存在する。2014年7月1日の韓国デザイン保護法(日本における意匠法に相当。)改正に伴い、新規性喪失の例外規定に関する第36条も改正された。この改正で、出願時だけでなく、出願補正期間以内や意匠登録後に異議申立または無効審判が提起された場合にも、新規性喪失の例外規定の適用を主張することができるようになった。

条文等根拠:デザイン保護法第36条、デザイン保護法施行規則第34条

 

韓国デザイン保護法 第36条 新規性喪失の例外

(1)意匠登録を受けることができる権利を有する者の意匠が、(意匠登録要件に関する)韓国デザイン保護法第33条第1項第1号または第2号に該当するようになった場合、その日(公知日または公然実施された日))から 6ヶ月以内にその者が意匠登録出願した意匠に対しては、同条第1項および第2項を適用する時には同条第1項第1号または第2号に該当しないものと見る。但し、その意匠が条約もしくは法律によって国内または国外で出願公開または登録公告された場合にはこの限りでない。

(2)第1項本文の適用を受けようとする者は、次の各号のいずれか一つに該当する時にその趣旨を書いた書面とこれを証明することができる書類を特許庁長または特許審判院長に提出しなければならない。

1 第37条による意匠登録出願書を提出する時、この場合証明することができる書類は意匠登録出願日から 30日以内に提出しなければならない。

2 第63条第1項による拒絶理由通知に対する意見書を提出する時

3 第68条第3項による意匠一部審査登録異議申立に対する答弁書を提出する時

4 第134条第1項による審判請求(意匠登録無効審判の場合に限定する)に対する答弁書を提出する時

 

韓国デザイン保護法施行規則 第34条

デザイン保護法第36条第2項により、新規性が喪失していないものとして適用を受けようとする者が、その証明書類を提出する時には、「特許法施行規則」別紙第13号書式の書類提出書による。ただし、意匠登録出願と同時にその証明書類を提出する時には、出願書に証明書類提出の趣旨を書くことでその提出書に代えることができる。

 

日本と韓国における意匠の新規性喪失の例外に関する比較

 

日本

韓国

新規性喪失の例外の有無

公知行為の限定の有無

 

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新興国等知財情報データバンク 調査対象国、地域における意匠の新規性喪失の例外については、下記のとおりである。

 

意匠の新規性喪失の例外に関する各国比較

新規性例外の有無

例外期間

例外期間の起算日

公知行為の限定の有無

JP

6ヶ月

公開日

BR

180日間

公開日

CN

6ヶ月

公開日

HK

6ヶ月

公開日

ID

6ヶ月

公開日

IN

6ヶ月

公開日

KR

6ヶ月

公開日

MY

6ヶ月

公開日

PH

6ヶ月

公開日

RU

12ヶ月

公開日

SG

6ヶ月

公開日

TH

12ヶ月

公開日

TW

6ヶ月

公開日

VN

6ヶ月

公開日

■本文書の作成者
日本技術貿易株式会社 IP総研
■本文書の作成時期

2015.03.03

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