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日本とインドにおける特許分割出願に関する時期的要件の比較

2015年07月24日

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■概要
(本記事は、2023/9/26に更新しています。)
 URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/37354/

日本およびインドにおいては、それぞれ所定の期間、特許出願について分割出願を行うことができる。インドにおいては、特許付与前であれば、いつでも分割出願を行うことができる。
■詳細及び留意点

日本における特許出願の分割出願に係る時期的要件

平成19年3月31日以前に出願された特許出願であるか、平成19年4月1日以降に出願された特許出願であるかによって、時期的要件が異なる。

平成19年3月31日以前に出願された特許出願については、下記の(1)の時または期間内であれば分割出願することができる。

平成19年4月1日以降に出願された特許出願については、下記の(1)~(3)のいずれかの時または期間内であれば分割出願することができる。

(1)願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面について補正をすることができる時または期間内(第44条第1項第1号)

なお、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面について、補正をすることができる時または期間は、次の(i)~(iv)である。

(i)出願から特許査定の謄本送達前(拒絶理由通知を最初に受けた後を除く)(第17条の2第1項本文)

(ii)審査官(審判請求後は審判官も含む。)から拒絶理由通知を受けた場合の、指定応答期間内(第17条の2第1項第1号、第3号)

(iii)拒絶理由通知を受けた後第48条の7の規定による通知を受けた場合の、指定応答期間内(第17条の2第1項第2号

(iv)拒絶査定不服審判請求と同時(第17条の2第1項第4号)

 

(2)特許査定(次の(i)および(ii)の特許査定を除く)の謄本送達後30日以内(第44条第1項第2号)

(i)前置審査における特許査定(第163条第3項において準用する第51条)

(ii)審決により、さらに審査に付された場合(第160条第1項)における特許査定

 

なお、特許「審決」後は分割出願することはできない。また、上記特許査定の謄本送達後30日以内であっても、特許権の設定登録後は、分割出願することはできない。また、(2)に規定する30日の期間は、第4条または第108条第3項の規定により第108条第1項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間を限り、延長されたものとみなされる(第44条第5項)。

 

(3)最初の拒絶査定の謄本送達後3月以内(第44条第1項第3号)

(3)に規定する3ヶ月の期間は、第4条の規定により第121条第1項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間を限り、延長されたものとみなされる(第44条第6項)。

条文等根拠:特許法第44条

 

日本特許法 第44条 特許出願の分割

特許出願人は、次に掲げる場合に限り、二以上の発明を包含する特許出願の一部を一または二以上の新たな特許出願とすることができる。

一 願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面について補正をすることができる時または期間内にするとき。

二 特許をすべき旨の査定(第163条第3項において準用する第51条の規定による特許をすべき旨の査定および第160条第1項に規定する審査に付された特許出願についての特許をすべき旨の査定を除く。)の謄本の送達があつた日から30日以内にするとき。

三 拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から3月以内にするとき。

2~4(略)

5 第1項第2号に規定する30日の期間は、第4条または第108条第3項の規定により同条第1項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間を限り、延長されたものとみなす。

6 第1項第3号に規定する3月の期間は、第4条の規定により第121条第1項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間を限り、延長されたものとみなす。

 

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インドにおける特許出願の分割出願の時期的要件

・特許付与前であれば、いつでも分割出願を行うことができる。

出願人は、自発的に分割出願を行うこともできるし(特許法第16条(1))、単一性違反の拒絶理由(特許法第10条(5))を解消するために分割出願を行うこともできる。

条文等根拠:特許法第10条(5)、第16条

 

インド特許法 第10 明細書の内容

(5)完全明細書の1または2以上のクレームは、単一の発明、または単一の発明概念を構成するように連結した一群の発明に係るものとし、明確かつ簡潔であり、また、明細書に開示された事項を適正に基礎としなければならない。

 

インド特許法 第16 出願の分割に関する命令を発する長官権限

(1)本法に基づいて特許出願を行った者は、特許付与前にいつでもその者が望む限り、または完全明細書のクレームが2 以上の発明に係るものであるとの理由により長官が提起した異論を除くために、最初に述べた出願について既に提出済みの仮明細書または完全明細書に開示された発明について、新たな出願をすることができる

(2)(1)に基づいて新たにされる出願には、完全明細書を添付しなければならない。ただし、当該完全明細書には、最初に述べた出願について提出された完全明細書に実質的に開示されていない如何なる事項も、一切包含してはならない。

(3)長官は、原出願または新たにされた出願の何れかについて提出された完全明細書に関して、これら完全明細書の何れも他の完全明細書にクレームされている何れかの事項のクレームを包含しないことを確実にするために必要な補正を要求することができる。

説明--本法の適用上、新たにされた出願およびそれに添付された完全明細書については、最初に述べた出願がされた日に提出されたものとみなし、また新たにされた出願については、独立の出願としてこれを取り扱い、所定の期間内に審査請求が提出されたときに審査する。

 

日本とインドにおける特許分割出願に関する時期的要件の比較

日本 インド
分割出願の時期的要件(注) 補正ができる期間 特許付与前まで

(注)査定(特許査定または拒絶査定)前の時期的要件の比較

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新興国等知財情報データバンク 調査対象国、地域における分割出願の要件については、下記のとおりである。

分割出願の時期的要件および出願人による自発的な分割可否に関する各国比較

分割出願の可否(出願から審査請求まで) 分割出願の可否(審査請求から最初の指令書(拒絶理由通知などの通知)まで) 分割出願の可否(最初の指令書~査定まで) 出願人による自発的な分割の可否
JP 指令書応答期間のみ

BR
CN
HK ○*
ID
IN
KR 指令書応答期間のみ
MY 審査報告書郵送から3ヶ月
PH ○**
RU
SG
TH × × 分割指令発行から120日 ×
TW
VN

(*)香港の標準特許出願に対応する指定特許出願の分割についての可否

(**)単一性違反の指令後の非選択発明についての分割は、その指令書発行から4ヶ月以内または4ヶ月を超えない範囲で認められる追加の期間内

 

■本文書の作成者
日本技術貿易株式会社 IP総研
■本文書の作成時期

2015.03.03

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