アジア / 法令等 | 出願実務 | アーカイブ
日本とインドにおける特許出願書類の比較
2015年07月24日
■概要
(本記事は、2019/10/29に更新しています。)URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/17838/
主に日本で出願された特許出願を優先権の基礎としてインドに特許出願する際に、必要となる出願書類についてまとめた。日本とインドにおける特許出願について、出願書類と手続言語についての規定および優先権主張に関する要件を比較した。
■詳細及び留意点
(1)出願書類
所定の様式により作成した以下の書面を提出する。
・願書
・明細書
・特許請求の範囲
・必要な図面
・要約書
条文等根拠:特許法第36条
日本特許法 第36条 特許出願
特許を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した願書を特許庁長官に提出しなければならない。
一 特許出願人の氏名または名称および住所または居所
二 発明者の氏名および住所または居所
2 願書には、明細書、特許請求の範囲、必要な図面および要約書を添付しなければならない。
3 前項の明細書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 発明の名称
二 図面の簡単な説明
三 発明の詳細な説明
4 前項第三号の発明の詳細な説明の記載は、次の各号に適合するものでなければならない。
一 経済産業省令で定めるところにより、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであること。
二 その発明に関連する文献公知発明(第二十九条第一項第三号に掲げる発明をいう。以下この号において同じ。)のうち、特許を受けようとする者が特許出願の時に知っているものがあるときは、その文献公知発明が記載された刊行物の名称その他のその文献公知発明に関する情報の所在を記載したものであること。
5 第二項の特許請求の範囲には、請求項に区分して、各請求項ごとに特許出願人が特許を受けようとする発明を特定するために必要と認める事項のすべてを記載しなければならない。この場合において、一の請求項に係る発明と他の請求項に係る発明とが同一である記載となることを妨げない。
6 第二項の特許請求の範囲の記載は、次の各号に適合するものでなければならない。
一 特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること。
二 特許を受けようとする発明が明確であること。
三 請求項ごとの記載が簡潔であること。
四 その他経済産業省令で定めるところにより記載されていること。
7 第二項の要約書には、明細書、特許請求の範囲または図面に記載した発明の概要その他経済産業省令で定める事項を記載しなければならない。
(2)手続言語
日本語
(3)手続言語以外で記載された明細書での出願日確保の可否
英語により作成した外国語書面を願書に添付して出願することができる。その特許出願の日から1年2ヶ月以内に外国語書面および外国語要約書面の日本語による翻訳文を、特許庁長官に提出しなければならない。
条文等根拠:特許法第36条の2、特許法施行規則第25条の4
日本特許法 第36条の2
特許を受けようとする者は、前条第二項の明細書、特許請求の範囲、必要な図面および要約書に代えて、同条第三項から第六項までの規定により明細書または特許請求の範囲に記載すべきものとされる事項を経済産業省令で定める外国語で記載した書面および必要な図面でこれに含まれる説明をその外国語で記載したもの(以下「外国語書面」という。)並びに同条第七項の規定により要約書に記載すべきものとされる事項をその外国語で記載した書面(以下「外国語要約書面」という。)を願書に添付することができる。
2 前項の規定により外国語書面および外国語要約書面を願書に添付した特許出願(以下「外国語書面出願」という。)の出願人は、その特許出願の日から一年二月以内に外国語書面および外国語要約書面の日本語による翻訳文を、特許庁長官に提出しなければならない。ただし、当該外国語書面出願が第四十四条第一項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願、第四十六条第一項もしくは第二項の規定による出願の変更に係る特許出願または第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願である場合にあっては、本文の期間の経過後であっても、その特許出願の分割、出願の変更または実用新案登録に基づく特許出願の日から二月以内に限り、外国語書面および外国語要約書面の日本語による翻訳文を提出することができる。
3 前項に規定する期間内に外国語書面(図面を除く。)の同項に規定する翻訳文の提出がなかったときは、その特許出願は、取り下げられたものとみなす。
4 前項の規定により取り下げられたものとみなされた特許出願の出願人は、第二項に規定する期間内に当該翻訳文を提出することができなかったことについて正当な理由があるときは、その理由がなくなった日から二月以内で同項に規定する期間の経過後一年以内に限り、同項に規定する外国語書面および外国語要約書面の翻訳文を特許庁長官に提出することができる。
5 前項の規定により提出された翻訳文は、第二項に規定する期間が満了する時に特許庁長官に提出されたものとみなす。
6 第二項に規定する外国語書面の翻訳文は前条第二項の規定により願書に添付して提出した明細書、特許請求の範囲および図面と、第二項に規定する外国語要約書面の翻訳文は同条第二項の規定により願書に添付して提出した要約書とみなす。
日本特許法施行規則 第25条の4 外国語書面出願の言語
特許法第三十六条の二第一項 の経済産業省令で定める外国語は、英語とする。
(4)優先権主張手続
優先権主張の基礎となる出願の出願国と出願日を記載した書類を出願と同時に提出し、最先の優先権主張日から1年4ヶ月以内に特許庁長官に提出しなければならない。
ただし、日本国特許庁と一部の外国特許庁、機関との間では、優先権書類の電子的交換を実施しており、出願人が所定の手続を行うことで、パリ条約による優先権主張をした者が行う必要がある書面(紙)による優先権書類の提出を省略することが可能となっている。
条文等根拠:特許法第43条
日本特許法 第43条 パリ条約による優先権主張の手続
パリ条約第四条D(1)の規定により特許出願について優先権を主張しようとする者は、その旨並びに最初に出願をしもしくは同条C(4)の規定により最初の出願とみなされた出願をしまたは同条A(2)の規定により最初に出願をしたものと認められたパリ条約の同盟国の国名および出願の年月日を記載した書面を特許出願と同時に特許庁長官に提出しなければならない。
2 前項の規定による優先権の主張をした者は、最初に出願をし、もしくはパリ条約第四条C(4)の規定により最初の出願とみなされた出願をし、もしくは同条A(2)の規定により最初に出願をしたものと認められたパリ条約の同盟国の認証がある出願の年月日を記載した書面、その出願の際の書類で明細書、特許請求の範囲もしくは実用新案登録請求の範囲および図面に相当するものの謄本またはこれらと同様な内容を有する公報もしくは証明書であってその同盟国の政府が発行したものを次の各号に掲げる日のうち最先の日から一年四月以内に特許庁長官に提出しなければならない。
一 当該最初の出願もしくはパリ条約第四条C(4)の規定により当該最初の出願とみなされた出願または同条A(2)の規定により当該最初の出願と認められた出願の日
二 その特許出願が第四十一条第一項の規定による優先権の主張を伴う場合における当該優先権の主張の基礎とした出願の日
三 その特許出願が前項または次条第一項もしくは第二項の規定による他の優先権の主張を伴う場合における当該優先権の主張の基礎とした出願の日
3 第一項の規定による優先権の主張をした者は、最初の出願もしくはパリ条約第四条C(4)の規定により最初の出願とみなされた出願または同条A(2)の規定により最初の出願と認められた出願の番号を記載した書面を前項に規定する書類とともに特許庁長官に提出しなければならない。ただし、同項に規定する書類の提出前にその番号を知ることができないときは、当該書面に代えてその理由を記載した書面を提出し、かつ、その番号を知ったときは、遅滞なく、その番号を記載した書面を提出しなければならない。
4 第一項の規定による優先権の主張をした者が第二項に規定する期間内に同項に規定する書類を提出しないときは、当該優先権の主張は、その効力を失う。
5 第二項に規定する書類に記載されている事項を電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によって認識することができない方法をいう。)によりパリ条約の同盟国の政府または工業所有権に関する国際機関との間で交換することができる場合として経済産業省令で定める場合において、第一項の規定による優先権の主張をした者が、第二項に規定する期間内に、出願の番号その他の当該事項を交換するために必要な事項として経済産業省令で定める事項を記載した書面を特許庁長官に提出したときは、前二項の規定の適用については、第二項に規定する書類を提出したものとみなす。
<参考URL>
(特許庁:優先権書類の提出省略について(優先権書類データの特許庁間における電子的交換について))
http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/t_tokkyo/shutsugan/yuusennkenn_syouryaku.htm
—————————————————————————————
インドにおける特許出願の出願書類(パリルート)
(1)出願書類
特許法および特許規則にて規定された以下の書面を提出する。
・願書(様式1)
・完全明細書 (特許請求の範囲、要約および必要な図面含む)(様式2)
・外国出願に関する情報の陳述・宣誓 (様式3)(インド出願日から6ヶ月以内)
・発明者である旨の宣誓(様式5)
・出願人としての資格の証明(インド出願日から6ヶ月以内)
・委任状(様式26)(特許代理人を通じて提出される場合)
条文等根拠:特許法第7条,第8条,特許規則第10条,第12条,第135条
インド特許法 第7条 出願様式
(1)特許出願については、出願ごとに1 発明に限るものとし、所定の様式により特許庁に提出しなければならない。
(1A)インドを指定してされた特許協力条約に基づく各国際特許出願は、対応する出願がインドにおいても長官に提出されているときは、本法に基づく出願とみなされる。
(1B)(1A)にいう出願および指定官庁または選択官庁としての特許庁により処理されるその完全明細書の提出日は、特許協力条約に基づいて付与される国際出願日とする。
(2)出願が発明についての特許出願権の譲渡によって行われるときは、出願と共にまたは出願後所定の期間内に、出願権についての証拠を提出しなければならない。
(3)本条に基づく各出願については、出願人が当該発明を所有している旨を明示し、かつ、真正かつ最初の発明者である旨主張する者を指名しなければならず、またそのように主張する者が出願人または出願人の1 でないときは、当該出願にはそのように指名された者が真正かつ最初の発明者であると信じる旨の出願人の宣言を含めなければならない。
(4)各当該出願(条約出願でなくまたはインドを指定して特許協力条約に基づいてされた出願でないもの)には仮明細書または完全明細書を添付しなければならない。
インド特許法 第8条 外国出願に関する情報および誓約書
(1)本法に基づく特許出願人がインド以外の如何なる国においても、同一もしくは実質的に同一の発明について単独でもしくは他の何人かと共同で特許出願を行っている場合、または自己の知る限りにおいて当該出願が、何人かを通じてもしくはその者から権原を取得した何人かによって行われている場合は、当該出願人は、自己の出願と共に、またはその後長官が許可することがある所定の期間内に、次に掲げるものを提出しなければならない。
(a)当該出願の明細事項を記載した陳述書、および
(b)前号にいう陳述書の提出後所定の期間内にインド以外の何れかの国にした同一または実質的に同一の発明に係る他の各出願(ある場合)について、インドにおける特許付与日まで、前号に基づいて必要とされる明細を書面で随時長官に通知し続ける旨の誓約書
(2)インドにおける特許出願後であって、それについての特許付与または特許付与拒絶まではいつでも、長官は、インド以外の国における出願の処理に関する所定の明細を提出することを出願人に要求することもでき、その場合、出願人は、自己に入手可能な情報を所定の期間内に長官に提出しなければならない。
インド特許規則 第10条 第7条(2)に基づく出願権の証拠の提出期間
発明特許の出願権の譲渡によりされた特許出願において、当該出願権の証拠が出願と共に提出されない場合は、出願人は、当該出願の後6月以内に、そのような証拠を提出しなければならない。
説明--本条規則の適用上、インドを指定する国際出願に対応する出願の場合における6月の期間は、対応する出願がインドにおいてされた実際の日付から起算する。
インド特許規則 第12条 外国出願に関する陳述書および誓約書
(1)第8条(1)に基づいて特許出願人による提出を必要とする陳述書および誓約書は、様式3により作成しなければならない。
(1A)出願人が第8条(1)に基づいて陳述書および誓約書を提出する期間は、出願日から6月とする。
説明-本条規則の適用上、インドを指定する国際出願に対応する出願の場合の6月の期間は、当該対応する出願がインドにおいてされた実際の日付から起算する。
(2)特許出願人が、第8条(1)(b)に基づいて当該人が提出すべき誓約書において、何れかの国において行った他の出願に係る詳細について長官に通知し続けるべき期間は、当該出願日から6月とする。
(3)第8条(2)に基づいて長官によりその旨の命令があるときは、出願人は、発明の新規性および特許性についての異論(ある場合)に関する情報、並びに容認された出願のクレームを含めて長官が必要とするその他の明細を、長官からの当該通知の日から6月以内に提出しなければならない。
インド特許規則 第135条 代理権
(1)法および本規則の適用上、代理人への委任は、様式26によりまたは委任状の様式によらなければならない。
(2)(1)に基づいて委任がされた場合は、代理人に対する法または本規則に基づく何らかの手続または事項に関して代理人に対してされる何れの書類の送達も、その者に委任を行った者に対する送達とみなすものとし、何らかの手続または事項に係る者に対してすることを指示された全ての通信は、当該代理人に宛ててすることができ、かつ、それに関する長官の面前への全ての出頭は、当該代理人がまたは当該代理人を介して、することができる。
(3)(1)および(2)の如何なる規定にも拘らず、長官は、必要と認めるときは、出願人、異議申立人、または当該手続もしくは事項についての当事者の自身による署名または出頭を命じることができる。
(2)手続言語
ヒンディー語または英語
条文等根拠:特許規則第9条(1)
インド特許規則 第9条 仮明細書および完全明細書
(1)特許庁に送付されもしくは配達され、または長官に提供される全ての書類もしくは書類の写しは、宣誓供述書および図面を除き、(長官による別段の指示または許可がない限り)ヒンディー語または英語の何れかにより、寸法が縦29.7cm、横21cmのA4型の丈夫な白紙にその上端および左端部に少なくとも4cm並びにその下端および右端部に少なくとも3cmの余白を置いて、片面のみに、行間を広くとって濃い永続するインクをもって大きく判読し易い文字で手書きされ、タイプされまたは印刷されたものでなければならない。判読し難い署名またはヒンディー語もしくは英語以外の書体で書かれた署名には、ヒンディー語または英語の何れかのブロック字体による名称の書換えを添付しなければならない。
ただし、図面(ある場合)を含む何らかの書類はまた、電子形式により、白紙上へのその写し1通と共に提出することもできる。
なお、特許出願がヌクレオチドおよび/またはアミノ酸の配列を開示する場合は、同一のものを電子形式で提出しなければならない。
(3)手続言語以外の明細書での出願日確保の可否
不可
(4)優先権主張手続
優先権主張を行うことができる。基礎出願明細書は、長官による通知の日から3か月以内に提出。なお、長官から要求された時は、その英語翻訳文を提出する。
条文等根拠:特許法第136条、第138条、特許規則第121条
インド特許法 第136条 条約出願に関する特則
(1)各条約出願には、
(a)完全明細書を添付し、また
(b)保護出願または場合により最初の保護出願をした日および条約国を明示し、また
(c)出願人またはその前権原者がその日前に条約国において当該発明に係る保護出願を一切したことがない旨を記載しなければならない。
(2)第10条の規定に従うことを条件として、条約出願と共に提出された完全明細書については、条約国においてされた保護出願に係る発明の改良または追加についてのクレームであって、当該出願人が第6条の規定に基づき別個の特許出願ができた筈の改良または追加についてのクレームを含むことができる。
(3)条約出願は、本法の規定に基づいて当該出願ができた筈の日付より後の日付まで、第17条(1)に基づいて、後日付とすることはできない。
インド特許法 第138条 条約出願に関する補則
(1)この章の規定に従って条約出願をする場合において、出願人は、長官から要求されたときは、完全明細書に加え、第133条にいう条約国の特許庁に対して当該出願人が提出しもしくは寄託した明細書またはこれに対応する書類であって、長官の納得するように認証されたものの写しを、長官による通信の日から所定の期間内に、提出しなければならない。
(2)当該明細書またはその他の書類が外国語による場合において、長官から要求されたときは、当該明細書またはその他の書類の英語による翻訳文であって宣誓供述書またはその他により長官の納得するように証明されたものを提出しなければならない。
(3)本法の適用上、条約国に出願した日とは、条約国の特許庁の長が作成した証明書その他
によって長官が当該条約国において出願されたと認める日をいう。
(4)インドを指定して特許協力条約に基づいてされた国際出願は、場合により第7条、第54条、および第135条に基づく特許出願の効力を有し、国際出願において提出の名称、明細書、クレームおよび要約並びに図面(ある場合)について、本法の適用上、これらを完全明細書と解する。
(5)特許出願および指定官庁としての特許庁により処理されたその完全明細書の提出日は、特許協力条約に基づいて付与される国際出願の日とする。
(6)インドを指定したかまたはインドを指定かつ選択した国際出願の出願人により、国際調査機関または予備審査機関に対して提案された補正(ある場合)については、出願人が希望するときは、特許庁に対して行った補正と解する。
インド特許規則 第121条 明細書等を提出すべき期間
第138条(1)に基づいて出願人が明細書または対応する書類の写しを提出すべき期間は、長官による通知の日から3月とする。
(5)その他の書類
(外国出願に関する情報の陳述・宣誓)
特許出願人がインド以外の国に、同一発明について特許出願を行っている場合、インド出願日から6ヶ月以内に、その対応外国出願についての情報を提出しなければならない。
条文等根拠:特許法第8条(上記)、特許規則第12条(上記)
(発明者である旨の宣誓、出願人としての資格の証明、委任状)
上記出願書類の他、代理人を通じて出願手続きを行う場合、出願人の署名による委任状(様式26)の提出が要求される。優先権主張に基づくインド出願の出願人は、基礎となる出願の出願をする権利を有する旨の宣誓を上記願書(様式1)又は別書面としての宣誓書(様式5)で行うことで出願人としての資格を証明できる。
条文等根拠:特許法第8条(上記)、特許規則第135条
インド特許規則第135条 代理権
(1)法および本規則の適用上、代理人への委任は、様式26によりまたは委任状の様式によらなければならない。
(2)(1)に基づいて委任がされた場合は、代理人に対する法または本規則に基づく何らかの手続または事項に関して代理人に対してされる何れの書類の送達も、その者に委任を行った者に対する送達とみなすものとし、何らかの手続または事項に係る者に対してすることを指示された全ての通信は、当該代理人に宛ててすることができ、かつ、それに関する長官の面前への全ての出頭は、当該代理人がまたは当該代理人を介して、することができる。
(3) (1)および(2)の如何なる規定にも拘らず、長官は、必要と認めるときは、出願人、異議申立人、または当該手続もしくは事項についての当事者の自身による署名または出頭を命じることができる。
特許規則: http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/fips/pdf/india/tokkyo_kisoku.pdf
日本とインドにおける特許出願書類の比較
日本 | インド | |
手続言語 | 日本語 | ヒンディー語または英語 |
手続言語以外の明細書での出願日確保の可否 | 可(英語)
その特許出願の日から1年2ヶ月以内に外国語書面および外国語要約書面の日本語による翻訳文を提出しなければならない。 |
不可 |
優先権主張
手続 |
優先権主張の基礎となる出願の出願国と出願日を出願と同時に提出し、最先の優先権主張日から1年4ヶ月以内に特許庁長官に提出しなければならない。 | 優先権主張を行うことができる。基礎出願明細書は、長官による通知の日から3か月以内に提出。
さらに長官から要求された時は、英語翻訳文を提出。 |
—————————————————————————–
新興国等知財情報データバンク 調査対象国・地域における特許出願書類については、下記のとおりである。
各国での手続き言語および日本語、英語明細書による出願可否に関する各国比較(※パリルートの場合)
国 | 手続言語 | 日本語明細書による出願可否 | 英語明細書による出願可否 |
JP | 日 | ○ | ○* |
BR | 葡 | △*1 | △*1 |
CN | 中 | × | × |
HK | 英or中 | × | ○ |
ID | 尼 | × | ○* |
IN | 英or印 | × | ○ |
KR | 韓 | × | ○* |
MY | 英or馬 | × | ○ |
PH | 英or比 | × | ○ |
RU | 露 | ○* | ○* |
SG | 英 | △*2 | ○ |
TH | 泰 | ○* | ○* |
TW | 中 | ○* | ○* |
VN | 越 | × | × |
○* :出願後に各国手続言語への翻訳文の補完が別途必要。
△*1:所定要件を満たせば規則上は認められる
△*2:規則上は認められる
日:日本語
葡:ポルトガル語
中:中国語
英:英語
尼:インドネシア語
印:ヒンディー語
韓:韓国語
馬:マレーシア語
比:フィリピン語
露:ロシア語
泰:タイ語
越:ベトナム語
PCTルートの有無
国 | PCTルートの有無 |
JP | 有 |
BR | 有 |
CN | 有 |
HK | (注) |
ID | 有 |
IN | 有 |
KR | 有 |
MY | 有 |
PH | 有 |
RU | 有 |
SG | 有 |
TH | 有 |
TW | 無 |
VN | 有 |
(注): 香港標準特許出願は、指定特許庁(中国特許庁もしくは英国特許庁(英国指定の欧州特許出願に関する欧州特許庁を含む))における特許出願(指定特許出願)の情報に基づき権利化を求めるものであり、指定特許出願である中国特許出願もしくは英国特許出願(英国指定の欧州特許出願を含む)はPCTルート有り。
■本文書の作成者
日本技術貿易株式会社 IP総研■本文書の作成時期
2015.03.03