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日本と台湾の特許の実体審査における拒絶理由通知への応答期間と期間の延長に関する比較

2015年10月23日

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■概要
日本と台湾の実体審査においては、拒絶理由通知への応答期間および延長可能な期間が異なる。具体的には、実体審査において60日(在外者でない場合)または3ヶ月(在外者の場合)の応答期間が設定されている日本とは異なり、台湾の実体審査においては2ヶ月(在外者でない場合)または3ヶ月(在外者の場合)の応答期間が設定されている。さらに台湾においては、最大2ヶ月(在外者でない場合)または最大3ヶ月(在外者の場合)まで延長可能である。また、延長申請は通常1回のみ認められる。
■詳細及び留意点

日本の実体審査における拒絶理由通知への応答期間と期間の延長

(1)特許出願に対する拒絶理由通知への応答期間

・出願人が在外者でない場合(国内出願人)は、意見書および補正書の提出期間は60日

・出願人が在外者である場合(外国出願人)は、意見書および補正書の提出期間は3ヶ月

条文等根拠:特許法第50条、第17条の2第1項、方式審査便覧04.10

 

日本特許法 第50条 拒絶理由の通知

審査官は、拒絶をすべき旨の査定をしようとするときは、特許出願人に対し、拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、第十七条の二第一項第一号または第三号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあっては、拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限る。)において、第五十三条第一項の規定による却下の決定をするときは、この限りでない。

 

日本特許法 第17条の2 願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面の補正

特許出願人は、特許をすべき旨の査定の謄本の送達前においては、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面について補正をすることができる。ただし、第五十条の規定による通知を受けた後は、次に掲げる場合に限り、補正をすることができる。

一  第五十条(第百五十九条第二項(第百七十四条第一項において準用する場合を含む。)および第百六十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による通知(以下この条において「拒絶理由通知」という。)を最初に受けた場合において、第五十条の規定により指定された期間内にするとき

二  拒絶理由通知を受けた後第四十八条の七の規定による通知を受けた場合において、同条の規定により指定された期間内にするとき。

三  拒絶理由通知を受けた後更に拒絶理由通知を受けた場合において、最後に受けた拒絶理由通知に係る第五十条の規定により指定された期間内にするとき

四  拒絶査定不服審判を請求する場合において、その審判の請求と同時にするとき。

 

日本方式審査便覧 04.10

1 手続をする者が在外者でない場合

(3)次に掲げる書類等の提出についての指定期間は、特許および実用新案に関しては60日、意匠および商標に関しては40日とする。ただし、手続をする者またはその代理人が、別表に掲げる地に居住する場合においては、特許および実用新案に関しては60日を75日と、意匠および商標に関しては40日を55日とする。

ア 意見書

特50条{特67条の4、159条2項〔特174条1項〕、特163条2項、意19条、50条3項〔意57条1項〕}

・商15条の2{商55条の2第1項〔商60条の2第2項(商68条5項)、商68条4項〕、商65条の5、68条2項、商標法等の一部を改正する法律(平成8年法律第68号)附則12条}

 

2 手続をする者が在外者である場合

 (3)次に掲げる書類等の提出についての指定期間は、3月とする。ただし、代理人だけでこれらの書類等を作成することができると認める場合には、1 (3)の期間とする。

ア 意見書

イ 答弁書

ウ 特許法第39条第6項※5、意匠法第9条第4項または商標法第8条第4項の規定に基づく指令書に応答する書面

エ 特許法第134条第4項もしくは実用新案法第39条第4項の規定により審尋を受けた者または特許法第194条第1項の規定により書類その他の物件の提出を求められた者が提出する実験成績証明書、指定商品の説明書等、ひな形・見本、特許の分割出願に関する説明書等

オ 命令による手続補正書(実用新案法第6条の2および第14条の3の規定によるものに限る。)

 

(2)特許出願に対する拒絶理由通知への応答期間の延長

・出願人が在外者でない場合(国内出願人)は、最大1ヶ月まで延長可能

 ただし、拒絶理由通知書で示された引用文献に記載された発明との対比実験を行うとの理由(理由(1))を付して応答期間の延長を請求する必要がある

 

・出願人が在外者である場合(外国出願人)は、最大3ヶ月まで延長可能

 ただし、拒絶理由通知書や意見書・手続補正書等の手続書類の翻訳を行うとの理由または上記理由(1)を付して応答期間の延長を請求する必要がある

条文等根拠:特許法第5条第1項、方式審査便覧04.10

 

日本特許法 第5条 期間の延長等

特許庁長官、審判長または審査官は、この法律の規定により手続をすべき期間を指定したときは、請求によりまたは職権で、その期間を延長することができる。

2 審判長は、この法律の規定により期日を指定したときは、請求によりまたは職権で、その期日を変更することができる。

 

日本方式審査便覧 01.10

1 手続をする者が在外者でない場合

(16)特許法第50条の規定による意見書または同法第134条第4項の規定による審尋に関しての回答書等の提出についての指定期間は、「拒絶理由通知書で示された引用文献に記載された発明との対比実験のため」という合理的理由がある場合、1月に限り、請求により延長することができる。

 

2 手続をする者が在外者である場合

(11)特許法第50条の規定による意見書または同法第134条第4項の規定による審尋に関しての回答書等の提出についての指定期間は、合理的理由がある場合に限り、請求により延長することができる。合理的理由と延長できる期間は以下のとおりとする。ただし、同法第67条の4に係る拒絶理由通知については、下記ア 対比実験のため)の理由による延長請求は認められない。

ア 「拒絶理由通知書で示された引用文献に記載された発明との対比実験のため」という理由により1月単位で1回のみ期間延長請求をすることができる。

イ 「手続書類の翻訳のため」という理由により1月単位で3回まで期間延長請求することができる

ウ アおよびイの組み合わせによる期間延長請求は、合計3回までとする

 

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台湾の実体審査における拒絶理由通知への応答期間と期間延長

(1)特許出願に対する拒絶理由通知への応答期間

・出願人が在外者でない場合(国内出願人)は、意見書および補正書の提出期間は2ヶ月

・出願人が在外者である場合(外国出願人)は、意見書および補正書の提出期間は3ヶ月

条文等根拠:専利法(日本における特許法、意匠法、実用新案法に相当。以下「専利法」。)第43条第3項、第4項、第46条

 

台湾専利法 43条

(3)特許主務官庁が第 46 条第 2 項の規定に従い通知した後、出願人は通知された期間内にのみ補正を行うことができる。

(4)特許主務官庁は、前項の規定により通知した後、必要があると認めたとき、最終の通知書を送付することができる。最終の通知書を送付された場合、特許請求の範囲の補正につき、出願人は通知された期間内にのみ、次の各号について補正を行うことができる。

  1. 請求項の削除
  2. 特許請求の範囲の減縮
  3. 誤記の訂正
  4. 明瞭でない事項の釈明

 

台湾専利法 46条

特許出願が第21 条から第24 条、第 26 条、第 31 条、第 32 条第 1 項、 第 3 項、第33 条、第 34 条第 4 項、第 43 条第 2 項、第 44 条第 2 項、 第 3 項、または第 108 条第3 項の規定に違反する場合は、特許を付与しない旨の査定を下さなければならない。

特許主務官庁が前項の査定を下す前には、期限を指定して、出願人に 意見書を提出するよう通知しなければならない。当該期限が過ぎても意見書を提出しなかったものは、直接に特許を付与しない旨の査定を 下すものとする。

 

(2)特許出願に対する拒絶理由通知への応答期間の延長

・出願人が在外者でない場合(国内出願人)は、最大2ヶ月

・出願人が在外者である場合(外国出願人)は、最大3ヶ月(応答期間を含め最大6ヶ月)

条文等根拠:専利法施行細則(日本における施行規則に相当。以下「施行細則」。) 規則6

 

台湾専利法施行細則 規則6

法律および本施行細則に規定されている期限に関し、申請人はその満了前に、特許庁に期限延長の申請をすることができる。

 

日本と台湾における特許の実体審査における拒絶理由通知への応答期間と期間の延長に関する比較

 

日本

台湾

応答期間

60日(ただし在外者は3ヶ月)

3ヶ月(在外者の場合)

2ヶ月(在外者でない場合)

応答期間の

延長の可否

条件付きで可

延長可能期間

最大1ヶ月(在外者は最大3ヶ月)

最大3ヶ月(在外者の場合)

最大2ヶ月(在外者でない場合)

 

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新興国等知財情報データバンク 調査対象国・地域における拒絶理由通知への応答期間の延長の可否等については、下記のとおりである。

 

特許の実体審査における拒絶理由通知への応答期間と期間の延長に関する各国比較

応答期間

応答期間の延長の可否

延長可能期間

延長のための庁費用の要否

JP

60日

*1

最大1ヶ月

BR

90日

不可

CN

4ヶ月*2

最大2ヶ月

HK*3

ID

通常3ヶ月

審査官の裁量による

不要

IN

*4

不可*5

KR

通常2ヶ月

最大4ヶ月

MY

2ヶ月

最大6ヶ月

PH

通常2ヶ月

通常4ヶ月

RU

2ヶ月*6/3ヶ月

最大10ヶ月

SG

5ヶ月/3ヶ月*7

不可

TH

90日

最大120日

不要

TW

3ヶ月

最大3ヶ月

VN

2ヶ月

最大2ヶ月

*1(JP):延長の条件は上述の詳細を参照

*2(CN):再度の拒絶理由通知書の場合は2ヶ月

*3(HK):実体審査制度なし

*4(IN):アクセプタンス期限(最初の拒絶理由通知から12ヶ月)が設定される

*5(IN):ヒアリングの申請を行うことで係属状態は維持可能

*6(RU):旧法適用出願(2014年10月1日より前に出願されたもの)が2ヶ月、改正法適用出願(2014年10月1日以降に出願されたもの)が3ヶ月。

*7(SG):シンガポール特許庁に審査を請求した場合、応答期間は5ヶ月。シンガポール特許庁に補充審査を請求した場合、応答期間は3ヶ月。

■本文書の作成者
日本技術貿易株式会社 IP総研
■本文書の作成時期

2015.03.06

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