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日本と韓国の意匠出願における実体審査制度の有無に関する比較

2015年07月31日

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■概要
日本における意匠出願の審査では、意匠登録のために方式審査と実体審査が行われる。一方、韓国においては、実体審査を経るものと経ないものに分かれている。流行性が強く、ライフサイクルが短い特定の物品のデザイン一部審査登録出願は、早期権利化の一部の実体審査が行われるだけである。それ以外の物品のデザイン登録出願についてはすべての実体審査が行われる。
■詳細及び留意点

日本における意匠出願の審査

 日本において意匠登録を受けるためには、願書、図面を含む出願書類が所定書式を満たしているかどうかの形式的な審査(方式審査)が行われた後、方式審査を通過した出願に対しては、審査官により意匠登録要件を満たしているかどうかの審査(実体審査)が行われる。実体審査において審査される内容は以下の通りである。

  1. 物品の形状、模様もしくは色彩またはこれらの結合であって視覚を通じて美感を起こさせる意匠であること(第2条1項)
  2. 工業上利用できる意匠であること(第3条1項柱書)
  3. 新規性を有する意匠であること。(第3条1項各号)
  4. 創作非容易性を有すること(第3条2項)
  1. 先願意匠の一部と同一または類似の意匠でないこと(第3条の2)
  2. 公序良俗違反でないこと(第5条1号)
  3. 他人の業務に係る物品と混同を生じる恐れがないこと(第5条2号)
  4. 物品の機能確保のために不可欠な形状のみからなる意匠でないこと(第5条3号)
  5. 最先の出願であること(第9条)

条文等根拠:意匠法第16条、第17条

 

日本意匠法 第16条 審査官による審査

 特許庁長官は、審査官に意匠登録出願を審査させなければならない。

 

日本意匠法 第17条 拒絶の査定

 審査官は、意匠登録出願が次の各号のいずれかに該当するときは、その意匠登録出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。

一 その意匠登録出願に係る意匠が第3条、第3条の3、第5条、第8条、第9条第1項もしくは第2項、第10条第1項から第3項まで、第15条第1項において準用する特許法第38条または第68条第3項において準用する同法第25条の規定により意匠登録をすることができないものであるとき。

二 その意匠登録出願に係る意匠が条約の規定により意匠登録をすることができないものであるとき。

三 その意匠登録出願が第7条に規定する要件を満たしていないとき。

四 その意匠登録出願人がその意匠について意匠登録を受ける権利を有していないとき。

 

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韓国における意匠出願の審査

韓国におけるデザイン登録出願の審査は、実体審査を経る出願と、実体審査を経ない出願(以下、「デザイン一部審査登録出願」)に分かれている。デザイン一部審査登録出願は、流行性が強く、ライフサイクルが短い特定の物品(知識経済部令で定められている対象物品)のみを対象としたものである。

実体審査を経るデザイン登録出願は、出願書類等に不備があるかどうかの方式審査が行われた後、工業上の利用可能性、新規性、創作容易性、公序良俗違反等の不登録事由等に関する審査(実体審査)が行われる。

一方、実体審査を経ないデザイン一部審査登録出願は、出願書類等に不備があるかどうかの方式審査が行われた後、早期権利化のために工業利用可能性と創作容易性等の一部実体審査が行われるだけである。

条文等根拠:デザイン保護法第58条および第62条

 

韓国デザイン保護法 第58条 審査官による審査

1 特許庁長は、審査官にデザイン登録出願およびデザイン一部審査登録異議申立を審査するようにする。

2 審査官の資格に関して必要な事項は、大統領令で定める。

 

韓国デザイン保護法 第62条 デザイン登録拒絶決定

1 審査官は、デザイン審査登録出願が次の各号のいずれか一つに該当する場合にはデザイン登録拒絶決定をしなければならない。

(1)第3条第1項本文によるデザイン登録を受けることができる権利を有さず、または同項ただし書きによってデザイン登録を受けることができない場合

(2)第27条、第33条から第35条まで、第37条第4項、第39条から第42条までおよび第46条第1項・第2項によってデザイン登録を受けることができない場合

(3)条約に違反された場合

2 審査官は、デザイン一部審査登録出願が次の各号のいずれか一つに該当する場合にはデザイン登録拒絶決定をしなければならない。

(1)第3条第1項本文によるデザイン登録を受けることができる権利を有さず、または同項ただし書きによってデザイン登録を受けることができない場合

(2)第27条、第33条(第1項各号以外の部分および第2項第2号だけ該当する)、第34条、第37条第4項および第39条から第42条までの規定によってデザイン登録を受けることができない場合

(3)条約に違反された場合

3 審査官は、デザイン一部審査登録出願として第35条による関連デザイン登録出願が第2項各号のいずれか一つに該当する場合にはデザイン登録拒絶決定をしなければならない。

(1)デザイン登録を受けた関連デザインまたはデザイン登録出願された関連デザインを基本デザインで表示した場合

(2)基本デザインのデザイン権が消滅した場合

(3)基本デザインのデザイン登録出願が無効・取下げ・放棄され、またはデザイン登録拒絶決定が確定された場合

(4)関連デザインのデザイン登録出願人が基本デザインのデザイン権者または基本デザインのデザイン登録出願人と異なる場合

(5)基本デザインと類似しない場合

(6)基本デザインのデザイン登録出願日から1年が経った後にデザイン登録出願された場合

(7)第35条第3項によってデザイン登録を受けることができない場合

4 審査官は、デザイン一部審査登録出願に関して第55条による情報および証拠が提供された場合には、第2項にもかかわらずその情報および証拠に基づいてデザイン登録拒絶決定をすることができる。

5 複数デザイン登録出願に対して第1項から第3項までの規定によってデザイン登録拒絶決定をする場合、一部デザインにだけ拒絶理由があればその一部デザインに対してのみデザイン登録拒絶決定をすることができる。

 

 

日本

韓国

実体審査

の有無

ただし、デザイン一部審査登録出願では、工業利用可能性と創作容易性等の一部実体審査が行われるだけある。

 

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新興国等知財情報データバンク 調査対象国、地域における実体審査制度については、下記のとおりである。

実体審査制度に関する各国比較

実体審査の有無

実体審査における新規性審査の有無

実体審査における創作容易性審査の有無

評価書請求の有無

JP

BR

CN

HK

ID

IN

KR

MY

PH

RU

SG

TH

TW

VN

■本文書の作成者
日本技術貿易株式会社 IP総研
■本文書の作成時期
2015.03.10
■関連キーワード
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