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台湾専利法における誤訳対応

2020年03月19日

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■概要
台湾専利法における誤訳対応は、出願係属中は補正手続で、権利成立後は訂正手続で対応する。補正および訂正のいずれも、出願時の書類の開示範囲を超えてはならないとされ、外国語書面による出願の場合、出願時の当該書面の開示範囲を超えないことが求められる。
■詳細及び留意点

(1)特許の場合

(i)誤訳の補正(専利法第43条)

(a)請求時期

 出願後審査意見通知を受けるまで、いつでも請求可能である。最初の審査意見通知以降は、最初の審査意見通知への応答期間内(専利法第43条第3項)、最後の審査意見通知の応答期間内(専利法第43条第4項)、再審査請求時(専利法第49条第1項)に補正できる。

 

(b)補正可能な範囲

 新規事項の追加は認められない。出願時の明細書および図面の開示の範囲内であることが必要である(専利法第43条第2項)。外国語書面(外国語の明細書および図面)で出願した場合は、出願時の外国語書面の開示の範囲内でなければならない(専利法第44条第3項)。

 開示の範囲には、実際の記載事項に加え、発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が、外国語書面の記載事項から直接かつ一義的に知ることのできるものも含まれる(専利審査基準「第一篇程序審查及專利權管理、第十章修正」)。

 なお、外国語書面自体は補正できない(専利法第44条第1項)。

 

(c)補正の目的

 最後の審査意見通知を受けると、上記の新規事項追加の制限に加え、請求項の削除(専利法第43条第4項第1号)、特許請求の範囲の減縮(同第2号)、誤記の訂正(同第3号)、不明瞭な記載の釈明(同第4号)を目的とした補正しか認められなくなる。

 

(ii)誤訳の訂正

(a)請求時期

 特許権成立から消滅まで請求できる。無効審判係属中でも可能である(専利法第77条第1項)。利害関係人が特許権の取消しにより回復されるべき法律上の利益により、特許権消滅後に無効審判を請求した場合は(専利法第72条)、特許権消滅後でも訂正請求できる(専利審査基準「第一篇程序審查及專利權管理、第二十章更正」)。

 

(b)訂正可能な範囲

 原則、出願時の明細書または図面の開示範囲を超えないこと(専利法第67条第2項)、外国語書面出願の場合は出願時の外国語書面の開示範囲を超えないこと(専利法第67条第3項)が必要である。公告時の請求の範囲を実質的に拡大変更してはならない(専利法第67条第4項)。請求の範囲の記載を訂正し、または、明細書若しくは図面を訂正して、公告時の請求の範囲を実質的に拡大変更する場合が該当する(専利審査基準「第二編發明專利實體審查、第9章更正、4實質擴大或變更申請專利範圍」)。

 

(c)訂正の目的

 請求項の削除(専利法第67条第1項第1号)、請求の範囲の減縮(専利法第67条第1項第2号)、誤記または誤訳の訂正(専利法第67条第1項第3号)または不明瞭な記載の釈明(専利法第67条第1項第4号)に該当する訂正であることが要求され、誤訳の訂正が可能となっている。

 

(2)実用新案の場合

(i)誤訳の補正

 補正ができる時期に制限規定が存在しないのは特許と同じである。形式審査において自発補正が可能であり、また、職権で補正を命じられることもある(専利法第109条)。補正について、新規事項の追加は認められない点および新規事項追加の判断基準は、特許の場合と同じである(専利法第120条で準用する第43条第2項、同第110条第2項)。

 

(ii)誤訳の訂正

 訂正ができる時期は、

1.無効審判の応答期間(専利法第120条で準用する第74条第3項)、2.技術評価報告書請求の係属中(専利法第118条)、3.訴訟係属中である(専利法第118条)。なお、実用新案の訂正請求では実体審査が行われる。訂正可能な範囲および態様のいずれも、特許の場合と同じである(専利法第120条で準用する第67条)。

 

(3)意匠の場合

(i)誤訳の補正

 審定書送達前までできる(専利法第142条で準用する第43条第1項、審査基準第三編「設計專利實體審查」第六章「修正、更正及誤譯之訂正」1.2「修正之時機補充、補正の時期」)。

 補正は出願時の図面説明書の開示範囲を超えてはならない(専利法第142条で準用する第43条第2項、審査基準第三編「設計專利實體審查」第六章「修正、更正及誤譯之訂正」1.3「超出申請時說明書或圖式所揭露之範圍的判斷」)。

 図面説明書を外国語で出願した場合(専利法第125条第3項)、出願時の外国語書面が開示範囲の判断基準となる(専利法第133条第2項)。

 

(ii)誤訳の訂正

 意匠権設定後に行うことできる(専利法第139条第1項)。訂正は図面説明書の誤記または誤訳の訂正並びに不明瞭な記載の釈明に限られる(専利法第139条第1項)。

 訂正は出願時の開示範囲を超えてはならず(専利法第139条第2項)、外国語書面で出願していた場合は、出願時の外国語書面の開示範囲内で可能である(専利法第139条第3項)。

 外国語書面出願であったか否かに関係なく、公告時の図面を実質的に拡大変更する訂正は許されない(専利法第139条第4項)。

 

【留意事項】

 台湾専利法では、外国語書面出願の場合は、「外国語明細書」に開示された範囲を超えなければ(中国語明細書の開示範囲を超えても)、補正や訂正が認められる。

■ソース
・台湾専利法
https://www.tipo.gov.tw/public/Attachment/962517373552.pdf ・102年修法後專利審查基準彙編
https://www.tipo.gov.tw/lp.asp?ctNode=6680&CtUnit=3208&BaseDSD=7&mp=1
■本文書の作成者
日本国際知的財産保護協会
■本文書の作成時期
2019.06.27
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