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日本とインドネシアの特許の実体審査における拒絶理由通知への応答期間と期間の延長に関する比較

2019年12月10日

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■概要
日本とインドネシアの実体審査においては、拒絶理由通知への応答期間が異なる。具体的には、日本では60日(在外者でない場合)または3か月(在外者の場合)の応答期間が設定されているが、インドネシアでは3か月の応答期間が与えられる。また、応答期間の延長について、日本では2か月(在外者でない場合)または3か月(在外者の場合)、インドネシアでは通常3か月まで延長可能である。
■詳細及び留意点

1. 日本の実体審査における拒絶理由通知への応答期間と期間の延長

 

(1)特許出願に対する拒絶理由通知への応答期間

・出願人が在外者でない場合(国内出願人)は、意見書および補正書の提出期間は60日

・出願人が在外者である場合(外国出願人)は、意見書および補正書の提出期間は3か月

 条文等根拠:特許法第50条、第17条の2第1項、方式審査便覧04.10

 

日本特許法 第50条 拒絶理由の通知

 審査官は、拒絶をすべき旨の査定をしようとするときは、特許出願人に対し、拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、第十七条の二第一項第一号または第三号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあっては、拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限る。)において、第五十三条第一項の規定による却下の決定をするときは、この限りでない。

 

日本特許法 第17条の2 願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面の補正

 特許出願人は、特許をすべき旨の査定の謄本の送達前においては、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面について補正をすることができる。ただし、第五十条の規定による通知を受けた後は、次に掲げる場合に限り、補正をすることができる。

一 第五十条(第百五十九条第二項(第百七十四条第一項において準用する場合を含む。)および第百六十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による通知(以下この条において「拒絶理由通知」という。)を最初に受けた場合において、第五十条の規定により指定された期間内にするとき

二 拒絶理由通知を受けた後第四十八条の七の規定による通知を受けた場合において、同条の規定により指定された期間内にするとき。

三 拒絶理由通知を受けた後更に拒絶理由通知を受けた場合において、最後に受けた拒絶理由通知に係る第五十条の規定により指定された期間内にするとき

四 拒絶査定不服審判を請求する場合において、その審判の請求と同時にするとき。

 

日本方式審査便覧 04.10、1 手続をする者が在外者でない場合

(2) 指定期間

ア 次に掲げる書類等の提出についての指定期間は、特許および実用新案に関しては60日、意匠および商標に関しては40日とする。ただし、手続をする者またはその代理人が、別表に掲げる地に居住する場合においては、特許および実用新案に関しては60日を75日と、意匠および商標に関しては40日を55日とする。

a 意見書特50条:特67条の4、意19条において準用)

(3) 指定期間に関する留意点

ウ 個別の事情により、指定された期間内に手続をすることができないと認められる場合には、期間経過後であっても、特許庁長官または審査官の裁量により当該手続を有効なものとして取り扱うことができる。

 

日本方式審査便覧 04.10、2 手続をする者が在外者である場合

(2) 指定期間

ア 次に掲げる書類等の提出についての指定期間は、(中略)3月とする。ただし、代理人だけでこれらの書類等を作成することができると認める場合には、上記1.(2)ア.の手続をする者が在外者でない場合の期間と同様とする。

a 意見書特50条:特67条の4、意19条において準用)

(3) 指定期間に関する留意点

上記1.(3)の取扱いは、在外者が手続きをする場合も同様とする。

(2)特許出願に対する拒絶理由通知への応答期間の延長

 出願人が在外者でない場合(国内出願人)は、最大2か月まで延長可能である。出願人が在外者である場合(外国出願人)は、最大3か月まで延長可能である。いずれも請求のための合理的理由は不要である。

 条文等根拠:特許法第5条第1項、方式審査便覧04.10

 

日本特許法 第5条 期間の延長等

 特許庁長官、審判長または審査官は、この法律の規定により手続をすべき期間を指定したときは、請求によりまたは職権で、その期間を延長することができる。

2 審判長は、この法律の規定により期日を指定したときは、請求によりまたは職権で、その期日を変更することができる。

3 第一項の規定による期間の延長(経済産業省令で定める期間に係るものに限る。)は、その期間が経過した後であっても、経済産業省令で定める期間内に限り、請求することができる。

 

日本方式審査便覧 04.10、1. 手続をする者が在外者でない場合

(4) 指定期間の延長(特・実・意)

 次に掲げる特許法および実用新案法ならびに特許登録令、実用新案登録令および意匠登録令の手続の指定期間については、指定期間内または指定期間に2月を加えた期間内の請求により、2月延長することができる。ただし、指定期間内に延長請求した場合には、指定期間経過後の再度の延長請求を行うことはできない。

ア.上記(2)ア.a.の意見書(特50条の規定によるものに限る)。ただし、当初の指定期間内に意見書を提出した場合または特許法第17条の2第1項または第3項に基づく補正を行った場合については、指定期間経過後の延長請求を行うことはできない。

 

日本方式審査便覧 04.10、2. 手続をする者が在外者である場合

(4) 指定期間の延長(特・実・意)

ウ 上記2.(2)ア.a.の特許法第50条の規定による意見書の提出についての指定期間は、請求により延長することができる。延長する期間は以下のとおりとする。

a.指定期間内の延長請求は、1回目の請求により2月延長し、2回目の請求により1月延長することができ、2回の請求により最長3月の期間延長をすることができる。

b.指定期間経過後の延長請求は、指定期間に2月を加えた期間内の請求により2月延長することができる。ただし、指定期間内に延長請求した場合には、指定期間経過後の再度の延長請求を行うことはできない。また、当初の指定期間内に意見書を提出した場合または特許法第17条の2第1項または第3項に基づく補正を行った場合については、指定期間経過後の延長請求を行うことはできない。

 

2. インドネシアの実体審査における拒絶理由通知への応答期間と期間延長

(1)特許出願に対する拒絶理由通知への応答期間

・応答期間は通常3か月

 条文等根拠:特許法第62条(3)

 

インドネシア特許法 第62条

(1)審査官が特許出願された発明が第54条の規定を満たさないと報告した場合、大臣は出願人またはその代理人に対して書面により当該規定の要件を満たすよう通知する。

(2)(1)項における通知は以下を含む:

(a)充足されるべき要件;および

(b)実体審査において用いられる理由と引用文献

(3)出願人は、通知書の日から3か月以内に意見書を提出しおよび/または通知書に記載される要件を満たさなければならない

 

(2)特許出願に対する拒絶理由通知への応答期間の延長

 応答期間は最大2か月延長可能であり、さらにその延長期間も、手数料の納付とともに最大1か月延長可能である。さらに緊急事態が生じた場合の救済措置(上記2か月および1か月の期間満了後、最大6か月)も規定されている。

 条文等根拠:特許法第62条(4)~(8)

 

インドネシア特許法 第62条

(4)(3)項の期間は、最大2か月延長できる。

(5)(4)項の延長期間は、当該期間の満了の際手数料の納付と共に、最大1か月延長できる。

(6)(4)項および(5)項の期間の延長を得るためには、出願人は(3)項および(4)項の期間満了前に大臣に対して書面により申請しなければならない。

(7)緊急事態が生じた場合、出願人は(4)項および(5)項の規定に関わらず大臣に対して書面により証拠資料を提出することにより延長の申請をすることができる。

(8)大臣は、(7)項における期間の延長を(6)項の期間満了後最大6か月間与えることができる。

 

日本とインドネシアの特許の実体審査における拒絶理由通知への応答期間と期間の延長に関する比較

 

日本

インドネシア

応答期間

60日

(ただし在外者は3か月)

3か月

応答期間の延長の可否

延長可能期間

最大2か月

(在外者は最大3か月)

最大3か月

緊急事態が生じた場合に

大臣の裁量でさら最大6か月

■ソース
1. 日本特許法(平成30年5月30公布(平成30年法律第33号)改正)
2. 日本方式審査便覧 04.10(改訂平成29年4月)
3. インドネシア特許法(2016年法律第13号改正)
■本文書の作成者
創英国際特許法律事務所
■協力
日本国際知的財産保護協会
■本文書の作成時期
2019.02.19
■関連キーワード
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