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日本と韓国の特許の実体審査における拒絶理由通知への応答期間と期間の延長に関する比較

2019年10月03日

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■概要
日本と韓国の特許の実体審査においては拒絶理由通知への応答期間および延長可能な期間が異なる。具体的には、実体審査において60日(在外者でない場合)または3か月(在外者の場合)の応答期間が設定されている日本とは異なり、韓国の実体審査においては通常2か月の応答期間が設定され、さらに最大4か月まで延長可能である。1か月を1回として、1回ずつまたは2回以上を一括して4か月を越えない期間で応答期間の延長を申請することができる。
■詳細及び留意点

<日本の実体審査における拒絶理由通知への応答期間と期間の延長>

 

1) 特許出願に対する拒絶理由通知への応答期間

・出願人が在外者でない場合(国内出願人)は、意見書および補正書の提出期間は60日

・出願人が在外者である場合(外国出願人)は、意見書および補正書の提出期間は3か月

条文等根拠:特許法第50条、第17条の2第1項、方式審査便覧04.10 1(2)アa意見書、2(2)アa意見書

 

日本特許法 第50条(拒絶理由の通知)

 審査官は、拒絶をすべき旨の査定をしようとするときは、特許出願人に対し、拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、第十七条の二第一項第一号または第三号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあっては、拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限る。)において、第五十三条第一項の規定による却下の決定をするときは、この限りでない。

 

・日本特許法 第17条の2第1項(願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面の補正)

 特許出願人は、特許をすべき旨の査定の謄本の送達前においては、願書に添付した明細書、特許請求の範囲または図面について補正をすることができる。ただし、第五十条の規定による通知を受けた後は、次に掲げる場合に限り、補正をすることができる。

一 第五十条(第百五十九条第二項(第百七十四条第一項において準用する場合を含む。)および第百六十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による通知(以下この条において「拒絶理由通知」という。)を最初に受けた場合において、第五十条の規定により指定された期間内にするとき。

二 拒絶理由通知を受けた後第四十八条の七の規定による通知を受けた場合において、同条の規定により指定された期間内にするとき。

三 拒絶理由通知を受けた後更に拒絶理由通知を受けた場合において、最後に受けた拒絶理由通知に係る第五十条の規定により指定された期間内にするとき。

四 拒絶査定不服審判を請求する場合において、その審判の請求と同時にするとき。

 

日本特許庁 方式審査便覧 04.10 1(2)アa意見書、2(2)アa意見書

1 手続をする者が在外者でない場合

(2)指定期間

ア.次に掲げる書類等の提出についての指定期間は、特許および実用新案に関しては60日、意匠(国際意匠登録出願における拒絶の通報に応答する場合を除く。)および商標(国際商標登録出願における命令による手続補正書を提出する場合及び暫定的拒絶の通報に応答する場合を除く。)に関しては40日とする。ただし、手続をする者またはその代理人が、別表に掲げる地に居住する場合においては、特許および実用新案に関しては60日を75日と、意匠および商標に関しては40日を55日とする。

 a. 意見書(特50条*3、商15条の2*4、15条の3第1項、商附則7条*5

2 手続をする者が在外者である場合

(2)指定期間

ア.次に掲げる書類等の提出についての指定期間は、上記1(2)コ.の国際意匠登録出願において拒絶の通報に応答する場合の意見書の提出及び意匠法第9条第4項に基づく応答書面の提出についての指定期間、及びサ.の国際商標登録出願における命令による手続補正書の提出についての指定期間を除き、3月とする。ただし、代理人だけでこれらの書類等を作成することができると認める場合には、上記1(2)ア.の手続をする者が在外者でない場合の期間と同様とする。

 a. 意見書(特50条*3、商15条の2*4、15条の3第1項、商附則7条*5

 *3 特50条:特67条の4、意19条において準用

 *4 商15条の2:商65条の5、67条2項、商標法等の一部を改正する法律(平成8年法律第68号)附則12条において準用

 *5 商附則7条:商附則23条

 

2) 特許出願に対する拒絶理由通知への応答期間の延長

・出願人が在外者でない場合(国内出願人)は、最大2か月まで延長可能

・出願人が在外者である場合(外国出願人)は、最大3か月まで延長可能

 いずれの場合も期間延長のための合理的理由は不要である。

条文等根拠:特許法第5条第1項、方式審査便覧04.10

 

日本特許法 第5条第1項(期間の延長等)

 特許庁長官、審判長または審査官は、この法律の規定により手続をすべき期間を指定したときは、請求によりまたは職権で、その期間を延長することができる。

2 審判長は、この法律の規定により期日を指定したときは、請求によりまたは職権で、その期日を変更することができる。

 

日本特許庁 方式審査便覧 04.10 1(4)ア、2(4)イウ

1 手続をする者が在外者でない場合

(4)指定期間の延長(特・実・意)

 次に掲げる特許法及び実用新案法並びに特許登録令、実用新案登録令及び意匠登録令の手続の指定期間については、指定期間内又は指定期間に2月を加えた期間内の請求により、2月延長することができる。ただし、指定期間内に延長請求した場合には、指定期間経過後の再度の延長請求を行うことはできない。

ア.上記(2)ア.の意見書(特50条の規定によるものに限る)。ただし、当初の指定期間内に意見書を提出した場合又は特許法第17条の2第1項又は第3項に基づく補正を行った場合については、指定期間経過後の延長請求を行うことはできない。

2 手続をする者が在外者である場合

(4)指定期間の延長(特・実・意)

イ.特許法第67条の4の規定による意見書の提出についての指定期間は、「手続書類の翻訳のため」という理由により1月単位で3回まで期間延長請求することができる。

ウ.上記2(2)ア.a.の特許法第50条の規定による意見書の提出についての指定期間は、請求により延長することができる。延長する期間は以下のとおりとする。

 a.指定期間内の延長請求は、1回目の請求により2月延長し、2回目の請求により1月延長することができ、2回の請求により最長3月の期間延長をすることができる。

 b.指定期間経過後の延長請求は、指定期間に2月を加えた期間内の請求により2月延長することができる。ただし、指定期間内に延長請求した場合には、指定期間経過後の再度の延長請求を行うことはできない。また、当初の指定期間内に意見書を提出した場合又は特許法第17条の2第1項又は第3項に基づく補正を行った場合については、指定期間経過後の延長請求を行うことはできない。

 

 

<韓国の実体審査における拒絶理由通知への応答期間と期間延長>

 

1) 特許出願に対する拒絶理由通知への応答期間

・拒絶理由通知に対する意見書および補正書の提出期間は通常2か月

条文等根拠:特許法第47条第1項、第63条第1項、特許法施行規則第16条第1項

 

・韓国特許法 第47条第1項(特許出願の補正)

①特許出願人は、第66条による特許決定の謄本を送達する前まで特許出願書に添付した明細書または図面を補正することができる。ただし、第63条第1項による拒絶理由通知(以下“拒絶理由通知”という)を受けた後には、次の各号の区分による期間(第3号の場合にはその時)にのみ補正することができる。

1.拒絶理由通知(拒絶理由通知に対する補正により発生した拒絶理由に対する拒絶理由通知除く)を最初に受けたり第2号の拒絶理由通知でない拒絶理由通知を受けた場合:該当拒絶理由通知による意見書提出期間

2.拒絶理由通知に対する補正により発生した拒絶理由に対し拒絶理由通知を受けた場合:該当拒絶理由通知による意見書提出期間

3.第67条の2による再審査を請求する場合:請求するとき

 

韓国特許法 第63条第1項(拒絶理由通知)

①審査官は、次の各号のいずれかに該当する場合、特許出願人に拒絶理由を通知し、期間を定めて意見書を提出することができる機会を与えなければならない。ただし、第51条第1項によって却下決定をしようとする場合には、この限りでない。

1.第62条により特許拒絶決定をしようとするとき

2.第66条の3第1項による職権再審査をして取消された特許決定の前にすでに通知した拒絶理由で特許拒絶決定をしようとするとき

 

韓国特許法施行規則 第16条第1項(期間の指定)

①法第46条、法第141条または法第203条第3項第1号によって特許庁長・特許審判院長または審判長が定めることができる補正期間は1ヶ月以内とし、法第63条第1項による意見書提出期間及び法第203条第3項第2号による補正期間等法令によって特許庁長・特許審判院長・審判長または審査官が定めることができる期間はこれを2ヶ月以内とする。ただし、特許に関する手続に関連した試験および結果測定に時日を要する時にはその指定期間は当該試験および結果測定に所要される期間にする。

 

2) 特許出願に対する拒絶理由通知への応答期間の延長

・拒絶理由通知への応答期間は最大4か月まで延長可能である

・1か月を1回として、1回ずつまたは2回以上を一括して申請することが可能である

条文等根拠:特許法第15条第2項、特許法施行規則第16条第1項、特許・実用新案審査基準第5部第3章6.11

 

韓国特許法 第15条第2項(期間の延長等)

②特許庁長・特許審判院長・審判長または第57条第1項による審査官(以下、“審査官”という。)は、この法によって特許に関する手続を踏む期間を定めた場合には、請求によってその期間を短縮または延長したり、職権でその期間を延長することができる。この場合、特許庁長等はその手続の利害関係人の利益が不当に侵害されないように短縮または延長可否を決定しなければならない。

 

韓国特許法施行規則 第16条第1項(期間の指定)

①法第46条、法第141条または法第203条第3項第1号によって特許庁長・特許審判院長または審判長が定めることができる補正期間は1ヶ月以内とし、法第63条第1項による意見書提出期間及び法第203条第3項第2号による補正期間等法令によって特許庁長・特許審判院長・審判長または審査官が定めることができる期間はこれを2ヶ月以内とする。ただし、特許に関する手続に関連した試験および結果測定に時日を要する時にはその指定期間は当該試験および結果測定に所要される期間にする。

 

韓国特許・実用新案審査基準 第5部審査手続き 第3章審査進行 6.11実体審査に関する指定期間の延長と承認

(1)特許法施行規則第16条の規定による指定期間の延長申請は、毎回1月ずつ1回または2回以上、一括して申請することができ、延長希望期間が1月未満である場合には、その延長希望期間は1月とみる。

 拒絶理由通知による意見書提出期間(以下、「意見書提出期間」という)を除いては、期間延長申請書が受け付けられたときに、期間延長申請が承認されたとみる。ただし、審査官はこの場合にも、利害関係人の利益が不当に侵害されるものと判断した場合には、必要な期間に限り、延長の承認をし、残りの期間については、期間延長不承認予告通知後、不承認とすることができる。

(2)意見書提出期間の延長に関する期間延長申請は、延長希望期間の満了日が本来、意見提出通知書において指定した期間の満了日から4月を超えない期間(以下、「延長申請可能期間」という)以内である場合には、期間延長申請書が受け付けられたときに承認されたとみるが、延長申請可能期間を超えた場合には、審査官が、期間延長が必要な理由を審査し、必要に応じて期間延長を承認する。

 審査官は、意見書提出期間に関する期間延長申請の延長希望期間満了日が延長申請可能期間を超えた場合、延長申請可能期間内に限り、期間延長を承認し、超過した期間については、期間延長が必要な事由が下記に該当するか否かを確認して、承認可否を決定する。期間延長承認の決定後にはその旨を、また今後期間延長をしようとする場合には、追加して必要な事由を疎明しなければならない事項を記載して出願人に通知する。

 ①期間満了前1ヶ月以内に、最初に代理人を選任するか、選任された全代理人を解任・変更した場合

 ②期間満了前1ヶ月以内に、出願人変更申告書を提出した場合。ただし、新たな出願人が追加された場合に限る。

 ③期間満了前2ヶ月以内に、外国特許庁の審査結果を受けた後、これを期間延長申込書と共に提出した場合

 ④意見提出通知書の送達が1ヶ月以上遅延した場合

 ⑤原出願または後出願が審判や訴訟に係属中である場合

 ⑥拒絶理由に関連した試験および結果測定に期間がさらに必要な場合

 ⑦その他やむを得ず期間延長が必要であると認定される場合

  ※第三者が審査請求した出願に関する期間延長である場合には、①~⑤であっても不承認

 

 

日本と韓国の特許の実体審査における拒絶理由通知への応答期間と期間の延長に関する比較

 

日本

韓国

応答期間

60日(ただし在外者は3か月)

通常2か月

応答期間の延長の可否

延長可能期間

最大1か月

(在外者は最大3か月)

最大4か月

■本文書の作成者
宋眞旿(韓国弁理士)
■協力
日本国際知的財産保護協会
■本文書の作成時期

2018.11.01

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