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韓国における関連意匠制度
2017年07月27日
■概要
(本記事は、2023/3/23に更新しています。)URL:https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/34077/
関連意匠制度(韓国語「関連デザイン制度」)とは、意匠権者または意匠登録出願人が自己の登録意匠または出願した意匠(基本意匠)とのみ類似した意匠に係り、その基本意匠の意匠登録出願日から1年以内に意匠登録出願された場合に限って関連意匠として意匠登録を受けることができる制度である。
従前は類似意匠制度を採択していたが、意匠法の全面改正(2013年5月28日改正、2014年7月1日施行)によって関連意匠制度を新たに導入した。
関連意匠は、類似意匠とは異なって独自の効力範囲を有し、基本意匠権が消滅しても消滅せず、独自の権利として存続する。
ただし、存続期間は基本意匠の意匠権存続期間満了日となる。基本意匠権の存続期間は、意匠登録日より発生し、出願日から20年までである
■詳細及び留意点
- 登録要件
(1) 自己の登録意匠または出願意匠(基本意匠)とのみ類似した意匠でなければならない(意匠法第35条第1項前段)。
(2) 登録を受けた、または、出願された関連意匠とのみ類似の意匠は、意匠登録を受けることができない(意匠法第35条第2項)。
(3) 関連意匠は、基本意匠の意匠登録出願日から1年以内に出願されなければならない(意匠法第35条第1項)。
(4) 関連意匠登録出願を単独の意匠登録出願に、単独の意匠登録出願を関連意匠登録出願に変更する補正をすることができる(意匠法第48条第2項)。
(5) 関連意匠登録を受けることができる物品の範囲は、基本意匠と同一であるか、類似の物品である。この場合、類似物品とは、用途が同一で機能が異なる物品である(意匠審査基準第8章)。
(6) 基本意匠の意匠権に専用実施権が設定されている場合には、関連意匠登録を受けることができない(意匠法第35条第3項)。
- 権利事項
(1) 関連意匠は、基本意匠と別途の独自の権利範囲を有する。すなわち、基本意匠に類似しない意匠であっても、関連意匠に類似する意匠は、関連意匠の権利範囲に含まれる。
(2) 関連意匠は、基本意匠が消滅しても消滅せず独自の権利として存続する。ただし、関連意匠として登録された意匠権の存続期間満了日はその基本意匠の意匠権存続期間満了日となる(意匠法第91条第1項)。
(3) 基本意匠の意匠権と関連意匠の意匠権は、同じ者に共に移転しなければならない(意匠法第96条第1項)。
(4) 基本意匠の意匠権が取消し、放棄または無効審決等で消滅した場合、その基本意匠に関する2以上の関連意匠の意匠権を移転しようとするならば、同じ者に共に移転しなければならない(意匠法第96条第6項)。
(5) 基本意匠の意匠権と関連意匠の意匠権に係る専用実施権は、同じ者に同時に設定しなければならない。
【留意事項】
(1) 関連意匠は、基本意匠の意匠登録出願日から1年以内に出願されなければならないため、出願時期に注意する必要がある。
(2) 関連意匠は、基本意匠と別途に独自的に存続するが、その存続期間は基本意匠と同一であるため、この点に注意する必要がある。
(3) 意匠法改正(2013年5月28日改正、2014年7月1日施行)によって、従前の類似意匠登録出願はすることができず、関連意匠登録出願で出願しなければならない。
■ソース
・韓国意匠法・意匠審査基準
■本文書の作成者
崔達龍国際特許法律事務所■協力
日本技術貿易株式会社■本文書の作成時期
2017.03.07