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ニュージーランドにおける特許を受けることができる発明と特許を受けることができない発明【その1】

2016年05月20日

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  • 出願実務
  • 特許・実用新案

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■概要
 ニュージーランドでは、2013年ニュージーランド特許法の第11条、第15条、第16条において、商業的利用が公序良俗に反する発明、人間およびその産生のための生物学的方法、人間を診断する方法、植物品種、コンピュータプログラムなどは、特許を受けることができない旨規定されている。
■詳細及び留意点

【詳細】

 ニュージーランドにおける特許を受けることができる発明と特許を受けることができない発明について、全2回のシリーズで紹介する。(その1)

 

1.はじめに

 2013年ニュージーランド特許法(「新法」)は、2014年9月13日より施行された。2014年9月13日以降にニュージーランドで出願されたすべての特許出願は、新法の規定に基づき審査されるが、2014年9月13日より前にニュージーランドで出願された特許出願は1953年特許法(「旧法」)に基づき審査される。

 以下、新法における特許を受けることができる発明について説明する。

 新法はニュージーランドにおいて特許を受けることができる発明を定義している。新法第14条に基づき、クレームに記載の発明が以下を全て満たす場合に限り、発明は特許を受けることができる。

 (a)専売条例(Statute of Monopolies)の第6条における「新規製造の態様」(manner of new manufacture:方法・製造物・製造方法などを含む広い概念)であり、

 (b)先行技術と比較した際に新規であり、また進歩性も有し、

 (c)有用であり、かつ

 (d)第15条または第16条に基づく特許を受けることができる発明から除外されていない

 したがって、特許を受けることができるためには、発明が、専売条例第6条の意味における「新規製造の態様」でなければならない。この専売条例は、1623年にイングランドで制定されたものであり、第6条は、以下の通り規定されている。

 

専売条例第6条

 前述の宣言は、いかなる特許状(現在の特許証に相当するもの)に対しても一切適用されず、今後14年またはそれ以下の期間について、王国内において、あらゆる「新規製造の態様」を独占的に実施または製造する特権を、当該製造物の真正かつ最初の発明者に付与することを定め、これを宣言し、制定する。ただし、当該特許状の発行または付与の時点において、他者が当該製造物を使用していてはならず、国内における商品の価格が上昇されたり、取引を阻害したり、その他一般的な不都合を生じさせることにより、法律に反したり、国家に損害を与えてはならないものとする。

 

 この専売条例は、コモンローを成文化したものであり、特許を受けることができる発明に関して、約400年にわたるイギリスの司法解釈の基礎となるものである。ただし、イギリス連邦を構成する国々の中でも、特にオーストラリアおよびニュージーランドでは、特許を受けることができる発明に関する重要な規定を独自に追加している。

 

 新法第15条及び第16条は、特許を受けることができない発明について、以下の通り規定している。

 (i商業的利用が公序良俗に反する発明

 (ii)人間およびその産生のための生物学的方法

 (iii)人間を診断する方法

 (iv)植物品種

 さらに、新法第11条は、コンピュータプログラムを、ニュージーランドにおける特許を受けることができる発明から除外している。

 

2.発明の特許性

2-1. 公序良俗に反する発明

 商業的理由が公序良俗に反する発明に関するクレームは、認められない。

 ニュージーランド知的財産庁(Intellectual Property Office of New Zealand :IPONZ)が発行した特許審査基準によると、発明の利用が犯罪行為、不道徳または反社会的行為を助長することが想定される発明については、特許は付与されない。公序良俗に反するとみなされるものは、社会情勢の変化により変わるものであるが、審査官自身の個人的信条で判断してはならない。

 人間のクローンを作成する方法、または人間の生殖細胞について遺伝的同一性を改変する方法に関するクレームは認められない。工業的または商業的目的におけるヒト胚の使用に関するクレームは認められない。また、動物の遺伝的同一性を改変する方法に関するクレーム、または、こうした方法により生じる動物である発明に関するクレームは認められない。

 

2-2.生物学的材料

 遺伝子を改変または組み換えされた植物および人間以外の動物は、自然に発生した生物学的材料がクレームの範囲に含まれないことを条件として、特許を受けることができる主題であるとされている。

 人間およびその産生のための生物学的方法は、特許性から除外されている。また、無傷ヒト細胞(intact human)またはヒト全能幹細胞を含むクレームは認められない。

 微生物学的方法および当該方法による生成物、ならびに微生物自体は、特許を受けることができる。また、遺伝子配列は特許を受けることができる。

 

2-3.医薬品および化学組成物

 医薬品および化学組成物は、特許を受けることができる。

 

2-4.既知の物質の新規医療用途

 病気の治療用途として既に知られている化合物の第二以降の用途(「第二用途」)に関する発明は、そのクレームが、以下のようなスイスタイプの形式で作成されていることを条件として、特許を受けることができる。

 病気Yの治療用の薬剤製造のための化合物Xの使用

 

2-5.治療方法

 人間以外の動物に対する処置方法は特許を受けることができる。

 しかし、人間に対する治療方法または人間に対する診断方法を含むクレームは、特許を受けることができない。

 人間の治療方法に関する特許クレームが拒絶された場合、「スイスタイプ」クレームに補正する必要がある。

 

2-6.植物品種

 植物品種については、特許を受けることはできないが1987年植物品種権法に基づいて保護を受けることができる。植物品種法は、菌類を含むすべての植物に適用される。藻類および細菌は、植物とはみなされない。なお植物品種権法に基づく保護は、特許法による保護と同じように、登録された特定の植物品種を業として育成することができる権利(育成者権)を定めるものである。

 

 コンピュータプログラムとビジネス方法の取り扱いについて、【その2】で説明する。

■ソース
・ニュージーランド特許法(1953年旧法および2013年新法)
・ニュージーランド特許規則(1954年旧規則および2014年新規則)
・「知的財産法」(第2版)(2012)、Finch, I.著、Wellington: Brookers Ltd.
・ニュージーランド知的財産庁特許審査マニュアル
http://www.iponz.govt.nz/cms/patents/examiners-manual
■本文書の作成者
Pipers Intellectual Property(ニュージーランド特許事務所)
■協力
日本技術貿易株式会社
■本文書の作成時期
2016.03.01
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